画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド


3.3.2 XMAP3 TP1/Web連携機能を利用したWebシステムの形態

XMAP3 TP1/Web連携機能を利用したWebシステムの構成とプログラムの処理の概要について説明します。

〈この項の構成〉

(1) Webシステムを構成するプログラム

XMAP3 TP1/Web連携機能のWebシステムは,XMAP3 TP1/Web連携機能が提供するプログラムや,ユーザが作成するプログラムなどで構成されています。これらのシステムを構成するプログラムについて説明します。

XMAP3 TP1/Web連携機能の起動HTML

XMAP3 TP1/Web連携機能の運用を開始するため,サーバ上のユーザサービスを起動するHTMLファイルです。

XMAP3 TP1/Web連携機能では,起動HTMLおよび起動HTML用スクリプトファイルのサンプルを提供しています。開発するWebシステムに合わせて,起動HTMLをカスタマイズしてください。カスタマイズ方法については,「17.2.1 起動HTMLのカスタマイズ」を参照してください。

XMAP3 ActiveXコントロール(XMAP3/Web Client for TP1)

Webブラウザ上で,XMAP3の画面の表示や帳票の印刷を制御するためのプログラムです。Webクライアントに事前にインストールしておく必要があります。

ユーザプログラム

ユーザが作成するプログラムです。ユーザプログラムは,TP1/Webが提供するAPIを利用して業務処理を実行します。

ユーザプログラムから,XMAP3 TP1/Web連携機能が提供するライブラリを適宜呼び出し,生成された送信データをTP1/WebのAPIでWebクライアント側に送信することで,XMAP3で作成した画面帳票の表示・印刷を実行できます。このとき,Webクライアント側へ送信される画面表示データは,ビットで表現されるデータ形式で送信されます。

TP1/Webは,OpenTP1と連携してインターネットゲートウェイ機能を提供するソフトウェアです。TP1/Webが提供する機能やAPIについては,マニュアル「OpenTP1 インターネットゲートウェイ機能 TP1/Web 使用の手引」を参照してください。

XMAP3 Web実行環境ライブラリ

XMAP3で作成した画面の表示や帳票の印刷を実行するために,XMAP3 TP1/Web連携機能が提供するライブラリです。XMAP3 Web実行環境ライブラリは,ユーザプログラムから呼び出して実行します。

サービス提供プログラム(SPP)

OpenTP1のOLTPサーバ/クライアント構成中,サーバ側で実行されるプログラムです。サービス提供プログラム(SPP)は,必要に応じて適宜ユーザが作成します。SPPを使ったシステムを,XMAP3/Webを適用したWeb環境へ移行する場合,既存のSPPは変更しないで移行できます。SPPについては,マニュアル「OpenTP1 プログラム作成の手引」を参照してください。

(2) XMAP3 TP1/Web連携機能を利用したWebシステム構成の動作

画面入出力業務を例に,XMAP3 TP1/Web連携機能を利用したWebシステムの動作を次の図に示します。

図3‒9 XMAP3 TP1/Web連携機能を利用したWebシステムの動作

[図データ]

Webクライアントには,XMAP3 ActiveXコントロールを事前にインストールしておきます。Webクライアントへのインストールについては,「1.5.1(2)(a) Webクライアントへのインストール」を参照してください。

  1. Webブラウザから起動HTMLの読み込み

    Webクライアント側でWebブラウザを起動し,起動HTMLのURLを入力してサーバ上にある起動HTMLを読み込みます。

  2. XMAP3 ActiveXコントロールからユーザプログラムの呼び出し

    Webクライアント側にインストールされたXMAP3 ActiveXコントロールから,サーバ側のユーザプログラムを呼び出します。

  3. ユーザプログラムから画面・帳票出力データの送信

    TP1/Web経由でWebクライアント側からの呼び出しを受信したユーザプログラムは,サービス提供プログラムSPP)とやり取りして,初期表示する画面や帳票のデータを送信します。SPPを利用しない場合,ユーザプログラム内の処理によって画面・帳票のデータを送信します。

  4. 画面・帳票出力に必要な物理マップや環境設定ファイルのダウンロード

    3.の出力データに関連して,出力に必要な物理マップや環境設定ファイルがWebクライアント側にダウンロードされます。環境設定ファイルとは,XMAP3の実行環境を定義した内容が格納されたファイルです。Webの実行に必要な環境設定ファイルについては,「15.1 サーバ側の環境設定」を参照してください。

    必要なファイルのダウンロード後に,Webブラウザウィンドウ上に業務画面が表示,またはWebブラウザ経由で帳票が印刷されます。

  5. ユーザの操作に応じてユーザプログラムへデータの送信

    ユーザの操作に応じて発生した,入力データや動作結果を表すエラーコードをユーザプログラムへ送信します。

  6. XMAP3 Web実行環境ライブラリによる受信データ解析

    XMAP3 Web実行環境ライブラリを使用して,5.で送信されたデータを解析し,入力論理データ,およびエラーコードを取得します。

    SPPを利用しない場合,9.の処理に遷移します。

  7. SPPへの入力論理データの送信

    6.で取得した入力論理データをSPPへ渡します。

  8. 管理情報や出力論理データの送信

    SPPでは,7.で取得した入力論理データを基に,次に遷移する画面や印刷する帳票などの管理情報や出力論理データをユーザプログラムへ渡します。

  9. 出力論理データや次処理のURLの送信

    8.で渡された出力論理データを基に,XMAP3 ActiveXコントロールへデータを送信します。このデータは,XMAP3 Web実行環境ライブラリを使って作成するもので,出力論理データや次に処理するURLが含まれます。

    SPPを利用しない場合は,6.で取得した入力論理データを基にXMAP3 Web実行環境ライブラリを使って作成したデータを送信します。

  10. 画面表示や帳票印刷に必要な物理マップや環境設定ファイルのダウンロード

    9.で送信された出力論理データに関する物理マップやデータがWebクライアント側にダウンロードされます。

以降は業務を終了するまで,5.〜10.が繰り返されます。