9.4.3 入出力フィールド
入出力フィールドは,キーボードなどからデータを入力するとき,およびAPから渡されるデータを表示するときに使用します。初期表示値(出力データ)を表示し,書き換えが必要な場合だけ入力するような使い方ができます。
フィールドの表示属性の標準値は文字色が「緑」です。
- 〈この項の構成〉
(1) 設定できる項目
入出力フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。
項目 |
動的変更 |
設定できる値 |
|
---|---|---|---|
使用目的 |
− |
数字,カナ,英数,日本語,パスワード,MCR |
|
表示方法 |
○ |
入力可能-標準表示,入力可能-文字だけ非表示,入力不可-標準表示,入力不可-文字だけ非表示 |
|
遷移条件 |
○ |
手動スキップ・右寄せ,手動スキップ・全桁必須,手動スキップ,自動スキップ |
|
文字色 |
○ |
白,赤,緑,青,紫,空,黄 |
|
フィールド反復 |
− |
|
|
反転表示する |
○ |
チェックあり/チェックなし |
|
カーソル設定(初期カーソルを本フィールドに設定する) |
− |
チェックあり/チェックなし |
|
入力済み(入力しなくても表示データをAPに返す) |
○ |
チェックあり/チェックなし |
|
自動送信(入力直後にAPへ制御を渡す) |
○ |
チェックあり/チェックなし |
|
入力必須(入力しない時はエラーにする) |
○ |
チェックあり/チェックなし |
|
モジュラスチェックを行う |
− |
チェックあり/チェックなし 使用目的が「数字」の場合に,モジュラスチェックは利用できます。 |
|
印字する |
○ |
チェックあり/チェックなし |
|
コメントの記述 |
− |
文字数:40文字(半角) |
|
APが受け取る項目 |
データ名 |
− |
|
桁 |
− |
||
データ長 |
− |
||
データ型 |
− |
||
桁寄せ |
− |
||
埋字 |
− |
||
初期値(入力) |
− |
||
下位項目 |
− |
||
APからデータを表示する |
− |
||
データ長を変更する |
− |
||
APが渡す項目 |
データ名 |
− |
|
桁 |
− |
||
データ長 |
− |
||
データ型 |
− |
||
桁寄せ |
− |
||
埋字 |
− |
||
初期値(出力) |
− |
||
下位項目 |
− |
||
自由な設定 |
− |
||
動的変更(APから表示属性を変更する) |
− |
(2) 表示形式
入出力テキスト/入出力フィールドの表示形式と同じです。ただし,入出力フィールドの場合,アンダードットが付きます。枠は付きません。また,入力データの長さが,入力開始位置から行の最後までの長さを超える場合,入力しきれないデータを継続行として次行に入力できます。このとき,データの入力開始位置はフィールドのどこであってもかまいません。
- (例)
- 反復表示
-
フレームを利用して反復表示ができます。フレームについては,「8.5.19 フレーム」を参照してください。
(3) 入力データのチェック
扱うデータの種類や空白の使い方を指定して,入力データをチェックします。
(a) 使用目的による入力データのチェック
使用目的によって,入力データをチェックできます。使用目的と入力データの関係については,「12.1.10 使用目的と詳細目的」の表12-8を参照してください。
(5) 入力時のAPの操作
APの入力論理マップには次の内容を格納します。
(a) 入力データ項目
-
必要に応じて下位項目を設定できます。下位項目を設定すると,データをコードデータのように区切ってチェックしたり,1文字の繰り返しデータのようにして,1文字ずつチェックしたりできます。
下位項目については,「9.5(3) 下位項目」を参照してください。
-
どのような操作が起こったかをチェックするためのコードを通知します。
-
オブジェクトで受け付けるデータやチェック内容を指定し,不正な文字を入力した場合にエラー通知文字(標準はHIGH(X'FF'))をAPへ返します。
-
フィールドキーでデータを消去した場合などに,データ消去通知文字(標準はLOW(X'00'))をAPへ返します。
-
・初期値を返す場合
(例)
テキスト・フィールドで初期値に「ABC」の文字を設定し,データを入力しない場合に初期値の「ABC」をAPへ返します。
・初期クリア文字を返す場合
初期値の文字を設定しないで,データを入力しない場合に初期クリア文字(標準は埋字と同じ文字)を返します。
(例)
使用目的が「英数」の場合は埋字(スペース)を,「数字」の場合は埋字(ゼロ)をAPへ返します。
エラー通知文字,データ消去通知文字および初期クリア文字は,ドローセットアップで変更することもできます。
-
(b) 入力バイト数格納項目(オプション)
実際にキー入力した文字のバイト数(半角の桁数)が入ります。入力バイト数格納項目については,マニュアル「XMAP3 プログラミングガイド」の「入力バイト数格納項目の論理マップ生成規則とマッピング規則」の説明を参照してください。
(6) 入出力フィールドでの定義とAPの実行結果
XMAP3での入出力フィールドの定義と,APでの実行結果の関係は「12.1.10 使用目的と詳細目的」の表12-8を参照してください。なお,CUI画面の入出力フィールドでは「詳細目的」は指定できません。
(7) 出力時のAPの操作
出力時のAPの操作については,「9.4.2 出力フィールド」を参照してください。
(8) 表示属性の動的変更
入出力フィールドでは,表示属性をAP実行時に変更できます。表示属性の動的変更については「8.2.4 表示属性の動的変更」を参照してください。
(9) 入出力フィールドの作成手順
入出力フィールドの作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[入出力フィールド]を選びます。
[入出力フィールド]には,「数字」,「日本語」,「カナ」,「英数」の種類があり,ボタンを選ぶたびに種類が切り替わります。使用目的が「パスワード」や「MCR」の入出力フィールドを作成する場合は,ほかの使用目的で配置してからダイアログで指定してください。
-
レイアウト領域で,オブジェクトの開始位置をクリックするか,サイズに応じて開始位置から終了位置までドラッグします。
入出力フィールドが選択状態で配置されます。[Shift]キーを押したまま複数行をドラッグすると,縦方向の反復定義ができます。なお,横の反復はダイアログでだけ指定できます。
[Shift]キーを押さないで複数行をドラッグすると,複数行のフィールドを配置できます。なお,全角文字は2ますで1文字になるため,複数行で全角文字を使う場合は,折り返し位置が文字と文字の間になるようにフィールドの開始位置を調整してください。また,[入出力フィールド]ダイアログで,論理ハードコピーでオブジェクトを印刷対象にするかどうかを指定できます。印字対象にしない場合は,[印字する]チェックボックスをオフにしてください。
配置したフィールドのサイズは伸縮できます。