画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発ガイド


11.4.6 グラフィック帳票で使用するオブジェクトの詳細

〈この項の構成〉

(1) 固定フィールド

固定フィールドは,帳票上の表題や注釈などの変化しないテキストを配置するときに使用します。漢字を含めた日本語,または半角の英数字を設定できます。

固定フィールドは,APとのインタフェースを持ちません。したがって,固定フィールドを追加,修正,または削除してもAPには影響ありません。

(a) 設定できる項目

固定フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒86 固定フィールドの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

文字の拡大

標準,平体,長体,倍角

文字サイズ

標準,5ポイント,7ポイント,9ポイント,12ポイント,14ポイント

文字の間隔

標準,0〜7ポイント

文字色

黒,白,赤,緑,青,紫,空,黄

文字の書体

標準,明朝,ゴシック

文字の強調

標準,太字,斜体,太字&斜体

網掛け

なし,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け

テキスト

レイアウト領域に収まる範囲の文字数

テキスト揃え

中央,左,右,均等

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。固定フィールドのます目の配置を次に示します。

[図データ]

グラフィック帳票では,メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に固定フィールドを作成できます。

(c) 文字色の設定

文字色の初期値は黒となっています。このため,文字色を黒以外に変更するには,変更するオブジェクトを選択した状態で,文字色ツールボックスから設定したい色を選択します。文字色ツールボックスを表示させるには,[属性]−[文字色]を選択するか,ツールバーの[文字色]ボタンを選択します。

なお,黒以外の文字色を設定した帳票は,Windowsマシンに接続したプリンタからの印刷,またはPDFファイル出力で利用できます。

(2) 出力フィールド

出力フィールドは,APで指定したデータを帳票上に印刷するときに使用します。

(a) 設定できる項目

出力フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒87 出力フィールドの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

使用目的

数字,英数,日本語

文字の拡大

標準,平体,長体,倍角

網掛け

なし,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け

文字サイズ

標準,5ポイント,7ポイント,9ポイント,12ポイント,14ポイント

文字の間隔

標準,0〜7ポイント

文字色

黒,白,赤,緑,青,紫,空,黄

文字の書体

標準,明朝,ゴシック

文字の強調

標準,太字,斜体,太字&斜体

コメントの記述

文字数:40文字(半角)

フィールド反復

レイアウト領域に収まる範囲で指定できます。

回数

縦方向:1〜127,横方向:1〜255

間隔

縦方向:0〜125,横方向:0〜253

APが渡す項目

データ名

11.6 APが渡す項目」を参照

データ長

データ型

桁寄せ

埋字

初期値

下位項目

自由な設定

動的変更(APから表示属性を変更する)

チェックあり/チェックなし

(凡例)

○:動的変更できる。

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。出力フィールドのます目の配置を次に示します。

[図データ]

グラフィック帳票では,メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に出力フィールドを作成できます。

(c) フィールドの反復

一つのオブジェクトを縦方向または横方向に繰り返して定義できます。表形式で,同じ属性を並べるときなどに使用できます。反復を使用すると,同じ表示属性のオブジェクトを一つずつ配置するよりも効率良く定義できます。

反復の操作は,[Shift]キーを押したままマウスをドラッグすると,オブジェクトを縦方向に繰り返して定義できます。反復したオブジェクトのデータ項目は,配列(COBOLのときOCCURS展開)となります。

(d) 出力データ

APから出力フィールドに設定できるデータを次の表に示します。

表11‒88 APから出力フィールドに設定できるデータ

種別

形式

数字

  • 数字データ

  • 数字編集データ

日本語

  • 全角の文字データ

  • 半角の文字データ

英数

  • 半角の文字データ

注※

COBOLの場合,数字編集データは,指定したPICTURE句に従って出力されます。

使用できるピクチャ文字:「*」「+」「−」「¥」「9」「,」「.」「Z」「/」

出力フィールドでは,埋字や桁寄せなどのデータの編集もできます。APがデータ有無コードを格納し,有効データの長さが出力フィールドデータ名の領域の長さより短い場合,出力フィールドデータ名の領域の余った部分に埋字を格納します。また,データを出力フィールドデータ名の領域の右側に格納するか,左側に格納するかは,桁寄せ向きに従います。

(e) 文字色の設定

文字色の初期値は黒となっています。このため,文字色を黒以外に変更するには,変更するオブジェクトを選択した状態で,文字色ツールボックスから設定したい色を選択します。文字色ツールボックスを表示させるには,[属性]−[文字色]を選択するか,ツールバーの[文字色]ボタンを選択します。

なお,黒以外の文字色を設定した帳票は,PCに接続したプリンタからの印刷,またはPDFファイル出力で利用できます。

(3) 出力日付/時刻フィールド

出力日付フィールドおよび出力時刻フィールドは,APから帳票上に日付や時刻を印刷するときに配置します。印刷時には日付や時刻の印刷形式(印刷書式)が選択できます。印刷対象にする単位(年/月/日,時/分/秒)なども指定できます。また,和暦の場合,「1年」を「元年」と表示することもできます。

(a) 設定できる項目

出力日付フィールド/出力時刻フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒89 出力日付フィールド/出力時刻フィールドの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

日付

時刻

日付フィールド

時刻フィールド

表示書式

12.2.9 日付・時刻の表示形式と格納形式」を参照

12.2.9 日付・時刻の表示形式と格納形式」を参照

文字の拡大

標準,平体,長体,倍角

標準,平体,長体,倍角

文字サイズ

標準,5ポイント,7ポイント,9ポイント,12ポイント,14ポイント

標準,5ポイント,7ポイント,9ポイント,12ポイント,14ポイント

網掛け

なし,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け

なし,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け

文字の間隔

標準,0〜7ポイント

標準,0〜7ポイント

文字の書体

標準,明朝,ゴシック

標準,明朝,ゴシック

文字の強調

標準,太字,斜体,太字&斜体

標準,太字,斜体,太字&斜体

文字色

黒,白,赤,緑,青,紫,空,黄

黒,白,赤,緑,青,紫,空,黄

フィールド反復

レイアウト領域に収まる範囲で指定できます。

回数

縦方向:1〜127,横方向:1〜255

間隔

縦方向:0〜125,横方向:0〜253

レイアウト領域に収まる範囲で指定できます。

回数

縦方向:1〜127,横方向:1〜255

間隔

縦方向:0〜125,横方向:0〜253

APが渡す項目

データ名

11.6 APが渡す項目」を参照

11.6 APが渡す項目」を参照

データ長

データ型

格納形式

下位項目

動的変更(APから表示属性を変更する)

チェックあり/チェックなし

チェックあり/チェックなし

(凡例)

○:動的変更できる。

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に出力日付/時刻フィールドを作成できます。

(c) 表示形式

ダイアログボックスでの日付/時刻の表示形式と,データの格納形式は「12.2.9 日付・時刻の表示形式と格納形式」を参照してください。

(d) 印刷形式

日付/時刻の印刷形式の例を次の表に示します。

表11‒90 日付/時刻の印刷形式の例

ドローでの表示書式指定

実際の印刷形式

説明

1997/08/07

2002/03/31

デリミタ「/」

ゼロサプレス なし

1997.08.07

2002.03.31

デリミタ「.」

ゼロサプレス なし

1997/ 8/ 7

2002/ 3/ 31

デリミタ「/」

ゼロサプレス あり※1

平成 9年 8月 7日

平成 14年 3月 31日

元号 「平成」

ゼロサプレス あり※1

PM 9: 8: 7※2

PM 9: 8: 7

デリミタ「:」

ゼロサプレス あり※1

注※1

ゼロサプレスは,日付,時刻の前にある0を削除し,空白で印刷します。

注※2

ドローで「PM:9:8:7」というパラメタを指定すると,APからの24時間表示をAMまたはPMを付けて印刷します。

(e) フィールドの反復

一つのオブジェクトを縦方向または横方向に繰り返して定義できます。表形式で,同じ属性を並べるときなどに使用できます。反復を使用すると,同じ表示属性のオブジェクトを一つずつ配置するよりも効率良く定義できます。

反復の操作は,[Shift]キーを押したままマウスをドラッグすると,オブジェクトを縦方向に繰り返して定義できます。反復したオブジェクトのデータ項目は,配列(COBOLの場合OCCURS展開)となります。

(f) 文字色の設定

文字色の初期値は黒となっています。このため,文字色を黒以外に変更するには,変更するオブジェクトを選択した状態で,文字色ツールボックスから設定したい色を選択します。文字色ツールボックスを表示させるには,[属性]−[文字色]を選択するか,ツールバーの[文字色]ボタンを選択します。

なお,黒以外の文字色を設定した帳票は,PCに接続したプリンタからの印刷,またはPDFファイル出力で利用できます。

(4) 予約フィールド

予約フィールドは,OpenTP1が提供する予約項目を帳票上に配置するときに使用します。予約フィールドは,ドローセットアップの「運用管理者用の設定」でマップ名の長さに7文字を指定している場合は使用できません。

予約フィールドは,OpenTP1が提供する予約項目(日付,時刻など)を帳票上に印刷するときに使用します。予約フィールドには,フィールド単位に文字サイズ,文字間隔などの属性情報を必要に応じて指定できます。

(a) 設定できる項目

予約フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒91 予約フィールドの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

予約項目名

8字以内の半角英数字(先頭文字は英字)

網掛け

なし,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け

文字サイズ

標準,5ポイント,7ポイント,9ポイント,12ポイント,14ポイント

文字色

黒,白,赤,緑,青,紫,空,黄

コメントの記述

文字数:40文字(半角)

文字の間隔

標準,0〜7ポイント

文字の書体

標準,明朝,ゴシック

文字の強調

標準,太字,斜体,太字&斜体

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。予約フィールドのます目の配置を次に示します。

[図データ]

グラフィック帳票では,メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に予約フィールドを作成できます。

(c) 予約フィールド定義時の制限

  • [Shift]キーを押したままでの繰り返し配置はできません。

  • フレーム上には配置できません。

  • 予約項目にはデータ項目名が与えられないので,予約項目名同士や出力オブジェクトのデータ名との重複チェックはされません。

  • 予約フィールドを複写して配置した場合,予約項目名は自動的に付け直されません。

  • 予約項目名はデータ名編集ダイアログに表示されません。

(d) 予約項目のデータの受け渡し

予約項目のデータの受け渡しについて次の図に示します。

図11‒15 予約項目のデータの受け渡し

[図データ]

  1. ドローで予約フィールド「TIME」を定義します。

  2. 物理マップ中に予約項目情報「TIME」が設定されます。

  3. APからのSEND文によって論理データが指定されます。

  4. OpenTP1に物理マップが読み込まれます。

  5. OpenTP1によって予約テーブルが生成され,論理データ,物理マップ,および予約テーブルがXMAP3に渡されます。

  6. XMAP3によって帳票が印刷されます。

(e) 文字色の設定

文字色の初期値は黒となっています。このため,文字色を黒以外に変更するには,変更するオブジェクトを選択した状態で,文字色ツールボックスから設定したい色を選択します。文字色ツールボックスを表示させるには,[属性]−[文字色]を選択するか,ツールバーの[文字色]ボタンを選択します。

なお,黒以外の文字色を設定した帳票は,PCに接続したプリンタからの印刷,またはPDFファイル出力で利用できます。

(5) フレーム

フレーム,行単位または列単位に同一形式の項目を繰り返して出力するときに使用します。

APも同じように,このフレーム単位で扱い,定義およびAPのプログラミングを容易にしています。

(a) 設定できる項目

フレームの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒92 フレームの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

APが渡す項目

データ名

11.6 APが渡す項目」を参照

フレームの反復

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

グラフィック帳票では,[表示]−[ます目配置]のチェックを外すと,自由な位置にフレームを作成できます。

(c) 使用例

フレームは,行を繰り返して明細行を作成したり,領域を繰り返したりして,ラベルの印刷などで使用できます。

フレームを使用して,出力フィールドを配置した帳票の使用例を次に示します。

[図データ]

(d) 配置できるオブジェクト

フレームのフィールドに配置できるオブジェクトを次に示します。

  • 出力フィールド

  • 固定フィールド

  • 出力日付/時刻フィールド

  • 出力バーコード/固定バーコード/連結出力バーコード

  • 出力OCR

  • けい線

  • 出力グラフィック/固定グラフィック

(e) フレームの操作

フレームのハンドル(■)をドラッグして変更,行または列を選択して行の高さや幅を変更できます。

フレームの反復回数とサイズの変更

フレーム全体を選択し,表示されるハンドル(■)をドラッグします。

[図データ]

行の高さまたは列の幅の変更

フレームの先頭または最終以外の行(または列)をクリックし,行(または列)に表示されるハンドル(■)をドラッグします。フレーム内のすべての行の高さ(または列の幅)が変更されます。なお,拡大する場合は,あらかじめフレームの変更する方向の領域を空けておく必要があります。

[図データ]

フレームの繰り返し間隔の変更

フレームの先頭または最終以外の行(または列)をクリックし,選択した行(または列)をドラッグします。フレームの行(または列)が1行(または1列)おきに繰り返されます。

[図データ]

フレームへのオブジェクトの追加

1行目(または1列目)にオブジェクトを配置します。配置すると行(または列)方向にオブジェクトが繰り返されます。

[図データ]

フレーム内のオブジェクトの削除

1行目(または1列目)のオブジェクトを選択します。行(または列)のオブジェクトが選択状態になったら[削除]を選択します。

[図データ]

網掛けのフィールドを選択する

網掛けとオブジェクトのフィールドが重なっている場合,網掛けを選択したいとき,[Shift]キーを押したままクリックすると,網掛けが選択できます。

[図データ]

(f) APの操作

フレームに配置される出力フィールドなどが集団項目になって,論理マップ上に展開されます。APからは,この集団項目に対してデータの代入,参照をします。

(6) デリミタ線

複数の短い縦けい線をます目ごとに横に並べて配置します。1桁ごとに区切る目盛りを描画するときに使用します。

(a) 設定できる項目

デリミタ線の項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒93 デリミタ線の項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

線の種類

実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線,二重線,見えない線

線の太さ

細,中,太,極太

動的変更(APから表示属性を変更する)

チェックあり/チェックなし

制御項目データ名

  • 指定できる文字数は,接頭語(マップ名)を含めて29文字以内です。このため,ドローセットアップの[マップ名の長さ]の設定が「7」の場合は21文字以内,「6」の場合は22文字以内となります。全角文字は2文字分として数えます。ただし,制御項目データ名の先頭および末尾の全角文字は,4文字分として数えます。また,全角文字と半角文字が混在する場合,半角文字の直前の全角文字は,4文字分として数えます。

  • 指定できる文字種は,COBOLの場合は「A〜Z」「0〜9」「-(ハイフン)」「大文字の半角カナ」「全角(混在)」です。

    Cの場合は「A〜Z」「a〜z」「0〜9」「_(アンダースコア)」です。

(凡例)

○:動的変更できる。

−:動的変更できない。

(7) 表けい線の枠

表けい線の枠は,表を作成するときに使用します。見出しあり,または見出しなし枠を作成できます。

(8) けい線の繰り返し

けい線の繰り返しは,選択した範囲に,縦方向または横方向にけい線を繰り返して引くときに使用します。

(9) けい線

けい線は,配置した出力フィールドなどを強調したり,表を作成したりするときに使用します。縦方向,横方向,または斜め方向に1本の線が引けます。

(a) 設定できる項目

けい線の項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒94 けい線の項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

線の位置

上,中央,下

線の種類

実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線,二重線,見えない線

線の太さ

細,中,太,極太

向き

右上がり斜線,右下がり斜線

(凡例)

○:動的変更できる。

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

[表示]−[ます目配置]のチェックを外すと,自由な位置にけい線を作成できます。

(c) けい線移動の注意

グラフィック帳票のレイアウト画面では,横けい線(下)または横けい線(中央)(「線の位置」で「下」または「中央」が設定されている横けい線)を移動すると,移動カーソルは行の上側に表示されますが,けい線は行の下側または中央に引かれます。

[図データ]

また,フレームに配置されている横(下)けい線をクリックすると,けい線の繰り返しは解除されます。

(10) 矩形

矩形は,配置したフィールドを強調したり,表を作成したりするときに使用します。

(a) 設定できる項目

矩形の項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒95 矩形の項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

角の丸め

全て丸める,丸めなし,任意の位置

丸め半径

大,標準,小

丸め場所

左上,左下,右上,右下

種別

枠だけ,枠と右下がり斜線,枠と右上がり斜線

線の種類

実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線,二重線

線の太さ

細,中,太,極太

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。矩形のます目の配置を次に示します。

[図データ]

メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に矩形を作成できます。

(c) 矩形のけい線情報

けい線は,横けい線の始点,交点,終点,および各行の縦けい線に半角文字で1文字分のけい線情報用の領域を占有します。横けい線は,けい線を行の上段に引くときは下側,行の下段に引くときは上側にけい線情報用の領域を占有します。ただし,グラフィック帳票では,このようなけい線情報を意識しないで配置できます。矩形のけい線情報を次の図に示します。

図11‒16 矩形のけい線情報

[図データ]

矩形内の斜線

[図データ]

矩形の角の丸め位置

[図データ]

(11) 

円は,帳票上に印鑑を押す個所などを配置するときに使用します。

(a) 設定できる項目

円の項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒96 円の項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

線の種類

実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線,二重線

線の太さ

細,中,太,極太

網掛け

網掛けなし,極薄網掛け,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け,極濃網掛け,薄い格子,標準格子,薄い右下,標準右下,薄い左下,標準左下,薄い縦線,標準縦線,薄い横線,標準横線

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。円のます目の配置を次に示します。

[図データ]

メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に円を作成できます。

(12) 円弧

円弧は,矢印や引出し線の角を丸めるときなどに使用します。

(a) 設定できる項目

円弧の項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒97 円弧の項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

角度

大,中,小

線の種類

実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線

線の太さ

細,中,太,極太

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。円弧のます目の配置を次に示します。

なお,円弧の中心線もレイアウト領域内に配置する必要があります。

[図データ]

メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に円弧を作成できます。

(c) 円弧指定時の注意

グラフィック帳票で円弧を配置する場合,レイアウト上とプリンタ上での精細度の違いのため,印刷時に円弧の端がずれることがあります。確認する場合はテスト印刷をしてください。

(13) 網掛け

領域に対する網掛けを指定できます。見出し領域に網掛けを配置してその領域を強調したり,複数行にわたって並んだフィールドに1行間隔の網掛けを配置することで表を見やすくしたりできます。また,格子や斜め線などの網掛けを設定できます。

網掛けは,けい線やフィールドと重ねて配置できます。

また,矩形の網掛け,ラウンドコーナの網掛け,および1行間隔の網掛けが設定できます。

(a) 設定できる項目

網掛けの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒98 網掛けの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

角の丸め

全て丸める,丸めなし,任意の位置

丸め半径

標準,小

丸め場所

左上,左下,右上,右下

種別

枠なし,枠付,枠付・右下がり斜線,枠付・右上がり斜線

網掛け

極薄網掛け,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け,極濃網掛け,薄い格子,標準格子,薄い右下,標準右下,薄い左下,標準左下,薄い縦線,標準縦線,薄い横線,標準横線

線の種類

実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線

線の太さ

細,中,太,極太

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。網掛けのます目の配置を次に示します。

[図データ]

メニューバーの[表示]−[ます目配置]のチェックを外すことで,自由な位置に網掛けを作成できます。

矩形内の斜線

[図データ]

網掛けの濃さ

[図データ]

角の丸め位置と角の丸め

[図データ]

(14) バーコード

バーコードを印字する場合に使用します。バーコードには,次の種類があります。

固定バーコードは,帳票のレイアウト定義時に固定バーコードダイアログでバーコードの値を指定します。

出力バーコードおよび連結出力バーコードは,APでバーコードの値を指定します。APで指定した値は論理マップを介してバーコード変換され,帳票に印字されます。

(a) 設定できる項目

バーコードの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒99 バーコードの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

固定

出力

連結出力

バーコード種類

JAN8,JAN13,CODE39,ITF(6),ITF(14),ITF(16),NW7,カスタマ

JAN8,JAN13,CODE39,ITF(6),ITF(14),ITF(16),NW7,カスタマ

データ文字を印刷する

チェックあり/チェックなし

チェックあり/チェックなし

チェックあり/チェックなし

バーコードの反復

レイアウト領域に収まる範囲で指定できます。

回数

縦方向:1〜127,横方向:1〜255

間隔

縦方向:0〜125,横方向:0〜253

レイアウト領域に収まる範囲で指定できます。

回数

縦方向:1〜127,横方向:1〜255

間隔

縦方向:0〜125,横方向:0〜253

コメントの記述

文字数:40文字(半角)

文字数:40文字(半角)

文字数:40文字(半角)

バーコード値

バーコード種別の指定できる文字を指定した長さの範囲で設定します。

APが渡す項目

データ名

11.6 APが渡す項目」を参照

11.6 APが渡す項目」を参照

データ長

下位項目

分類

データ名

データ長

コードセット

データ項目に使用するコードセットを示します。コードセットにはコードセットBまたはコードセットCを指定できます。前の項目と同じコードセットを続けて指定する場合は「継続」を指定してください。

データ文字

データ文字を改行するがどうかを表示します。改行有りを指定すると,その項目の最後でデータ文字が改行されます。

移動

11.6 APが渡す項目」を参照

上に挿入

下に挿入

削除

(凡例)

−:動的変更できない,または,該当しない。

(b) バーコード種別

出力/固定/連結出力バーコードとして指定できるバーコードの種別と指定できる文字を次の表に示します。

表11‒100 指定できるバーコード種別

バーコード

種別

指定できる文字

長さ

(桁数)

備考

JAN13※1

0〜9

13

最後の1桁はモジュラス

チェック用に使用する。

JAN8※1

8

CODE39※1

0〜9,-,.,空白,$,/,+,%,A〜Z,*

3〜76

*はスタート/ストップコード※3

ITF(6)※1

0〜9

6

なし

ITF(14)※1

14

ITF(16)※1

16

NW-7※1

0〜9,-,$,:,/,., +,A,B,C,D

3〜99

A,B,C,Dはスタート/ストップコード※3

カスタマ※1

0〜9,-,空白,A〜Z

22

最後の2桁は,モジュラスチェック用に使用する(00〜18)。

データが短いときには余白をスペースで埋める※4。データが長いときには21文字以上は切り捨てる※4

GS1-128※2

コードセットB※5

0〜9,A〜Z,a〜z,!,“,#,$,%,&,‘,(,),*,+,,,-,.,/,:,;,<,=,>,?,@,[,\,],^,_,`,{,|,},~,空白

4〜240

指定文字はバーコードパターンおよびデータ文字として印字する※6

コードセットC※5

0〜9,(,),-,空白

(,),-,空白はバーコードパターンとして印字しないがデータ文字として印字する※6

注※1

出力/固定バーコードとして指定できます。

注※2

連結出力バーコードとして指定できます。

注※3

スタート/ストップコードはユーザ側で指定してください。

注※4

出力バーコードの場合に有効です。

注※5

コードセットとは,バーコードを印刷するためにAPから指定するデータの利用文字範囲を区別するものです。

注※6

APで正しい文字が使用された場合でも,GS1-128バーコードとして成立しない場合には印字が破棄される場合があります。詳細については,マニュアル「XMAP3 プログラミングガイド」の「バーコードの論理マップ生成規則とマッピング規則」の説明を参照してください。

(c) データの格納形式と印刷形式

バーコード種別ごとのデータの格納形式と印刷形式の仕様を次の表に示します。

表11‒101 バーコード種別ごとのデータの格納形式と印刷形式の仕様

バーコード

種別

論理長

チェック

デジット

スタート/

ストップ

格納形式

形式

指定例

JAN

8と13

必要

不要

XXX..XXC※1

12345670

CODE39

3〜76

不要

必要

*XXX...X*※2

*CODE39*

NW-7

3〜99

不要

必要

sXX...XXs※3

A1234A

ITF

6,14,または16

不要

不要※4

XXX...XXX※5

123456

カスタマ

22

必要

不要※4

P..PA...ACC※6

24400006-81s..s13※6

GS1-128

4〜240

不要※4

不要※4

XX...XX※7

(91)912345-...-1

注※1

X:7または12バイト,C:チェックデジット

注※2

*:スタート/ストップコード

注※3

s:スタート/ストップコード(原則,スタート/ストップは合わせます)

注※4

APでの指定は不要です。XMAP3が付けます。

注※5

X:6,14または16バイト

注※6

p:郵便番号(数字7桁),s:スペース,A:住所番号(英文字,ハイフン,スペース13桁),C:チェックデジット(2桁)

注※7

X:4〜240バイト

バーコードを印刷するときにXMAP3が生成するデータパターンのデータ形式と印刷例を次の表に示します。このデータパターンには,APデータとXMAP3が付ける制御コードが含まれています。

表11‒102 バーコードの印刷でXMAP3が生成するデータ形式と印刷例

バーコー

ド種別

印刷形式

形式

印刷例

JAN8

L4912C3456R※1

[図データ]

JAN13

L912345C678904R

※1※2

[図データ]

CODE39

*CODE39*

[図データ]

NW-7

A1234A

[図データ]

ITF

s123456s※3

[図データ]

カスタマ

s24400006-  81cc...ccCs※4

[図データ]

GS1-128

(91)912345-...-1※5

[図データ]

注※1

「L:左ガードバー,R:右ガードバー,C:センターバー」はXMAP3が付けます。また,右ガードバー直前の最後の1桁はモジュラチェックキャラクタです。ちなみに,一般の商品管理では,13桁の先頭2桁は49または45で,日本の国コードとして使われています。

注※2

指定された13桁の先頭1桁(印刷例の先頭の1)は2〜7桁目の描画パリティパターン(プリフィックスキャラクタ)を示すものです。バーコード形式上は描画されません。

注※3

「s:スタートマーク/ストップマーク」はXMAP3が付けます。

注※4

「s:スタートコード/ストップコード,c:制御コード(埋字)」はXMAP3が付けます。「C:チェックデジット」はXMAP3では付けませんのでAPデータで指定してください。

注※5

「スタートコード/ストップコード,チェックデジット」はXMAP3が付けます。

(d) バーコードのレイアウト

出力バーコード,固定バーコードおよび連結出力バーコードは,指定した領域内で,左右方向に対しては中央に配置されます。上下方向に対しては,指定した領域内いっぱいに配置されます。

なお,データ文字を指定した場合,データ文字は左・右ガードバーからはみ出る場合があります。

[図データ]

(e) 帳票定義でのバーコードサイズ

レイアウト領域でバーコードを定義するときに必要となるサイズを次の表に示します。なお,バーコードのサイズは使用するバーコードリーダの仕様を確認した上で決めてください。

  • ページプリンタ(240dpi)のバーコード最小サイズ

    表11‒103 バーコードの縦サイズ(最小値)

    行間隔

    JAN13

    JAN8

    CODE39

    NW-7

    ITF

    (6)

    ITF

    (14)

    ITF

    (16)

    カスタマ

    GS1-128

    3LPI

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    (1)

    1(1)

    4LPI

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    1(1)

    (2)

    1(1)

    6LPI

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    (2)

    1(2)

    8LPI

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    (3)

    1(2)

    10LPI

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    (3)

    1(2)

    12LPI

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    1(2)

    (4)

    1(2)

    (凡例)

    ( ):データ文字がある場合。

    この表の値の単位は「行」です。

    表11‒104 バーコードの横サイズ(最小値)

    文字間隔

    JAN

    13

    JAN

    8

    CODE39

    NW-7

    GS1-128

    ITF

    (6)

    ITF

    (14)

    ITF

    (16)

    カスタマ

    CPI

    10CPI

    15

    11

    この欄の値は「11.4.6(14)(f) バーコード印刷に必要な幅」を参照してください。

    この欄の値は「11.4.6(14)(f) バーコード印刷に必要な幅」を参照してください。

    この欄の値は「11.4.6(14)(f) バーコード印刷に必要な幅」を参照してください。

    7

    13

    15

    33

    12CPI

    18

    13

    9

    16

    18

    39

    15CPI

    22

    16

    11

    20

    22

    49

    文字サイズ/字間値

    12ポイント/0文字間隔

    18

    13

    9

    16

    18

    39

    12ポイント/1文字間隔

    16

    12

    8

    15

    16

    36

    12ポイント/2文字間隔

    15

    11

    8

    14

    16

    34

    12ポイント/3文字間隔

    14

    10

    7

    13

    14

    31

    12ポイント/4文字間隔

    14

    10

    7

    12

    14

    30

    12ポイント/5文字間隔

    13

    9

    6

    12

    13

    28

    12ポイント/6文字間隔

    12

    9

    6

    11

    12

    27

    12ポイント/7文字間隔

    11

    8

    6

    10

    12

    25

    9ポイント/0文字間隔

    22

    16

    11

    20

    22

    49

    9ポイント/1文字間隔

    19

    14

    10

    18

    20

    43

    9ポイント/2文字間隔

    18

    13

    9

    17

    19

    41

    9ポイント/3文字間隔

    17

    12

    8

    15

    17

    37

    9ポイント/4文字間隔

    16

    12

    8

    15

    16

    36

    9ポイント/5文字間隔

    15

    11

    7

    13

    15

    33

    9ポイント/6文字間隔

    14

    10

    7

    13

    14

    31

    9ポイント/7文字間隔

    13

    10

    7

    12

    13

    29

    7ポイント/0文字間隔

    29

    21

    14

    26

    29

    65

    7ポイント/1文字間隔

    25

    18

    12

    23

    25

    56

    7ポイント/2文字間隔

    23

    17

    12

    21

    24

    52

    7ポイント/3文字間隔

    21

    15

    10

    19

    21

    46

    7ポイント/4文字間隔

    19

    14

    10

    18

    20

    43

    7ポイント/5文字間隔

    18

    13

    9

    16

    18

    39

    7ポイント/6文字間隔

    17

    12

    8

    15

    17

    37

    7ポイント/7文字間隔

    15

    11

    8

    14

    16

    34

    5ポイント/0文字間隔

    43

    31

    21

    39

    44

    97

    5ポイント/1文字間隔

    35

    25

    17

    31

    35

    78

    5ポイント/2文字間隔

    31

    23

    16

    29

    32

    71

    5ポイント/3文字間隔

    27

    19

    13

    24

    27

    60

    5ポイント/4文字間隔

    25

    18

    12

    20

    25

    56

    5ポイント/5文字間隔

    22

    16

    11

    20

    22

    49

    5ポイント/6文字間隔

    20

    15

    10

    19

    21

    46

    5ポイント/7文字間隔

    18

    13

    9

    17

    19

    41

    この表の値の単位は「列」です。

    注※

    データ文字を付けた場合,データ文字がはみ出ることがあります。データ文字を付けて印刷する場合は,2ます加えて指定してください。

(f) バーコード印刷に必要な幅

グラフィック帳票の印刷では,バーコード種別に合った印刷仕様で,印刷時にプリンタが自動的に選択します。自動的に選択する内容を次に示します。

  • CODE39:3.0CPIまたは5.5CPI相当のどちらかを自動的に選択

  • JAN8,JAN13:×1.0倍または×1.3倍相当のどちらかを自動的に選択

  • NW-7:小(8.5CPI),中(5.3CPI),または大(3.2CPI)のどれかを自動的に選択

  • ITF:小(13.3CPI),中(8.2CPI),または大(5CPI)のどれかを自動的に選択

  • カスタマ:1文字9.6ポイントを自動的に選択

  • GS1-128:8.5CPIまたは12.5CPI相当のどちらかを自動的に選択

バーコードは,帳票定義で指定したバーコード領域の幅(ます目数)に対して,次に示す計算で得られるドット数に収まるCPI,または倍率で印刷されます。このとき,バーコード印刷に必要なドット数からどちらか大きい方を,印刷時にプリンタが自動的に選択して印刷します。

印刷時のCPI,または倍率の仕様をどちらか一方に決めて印刷したい場合は,XMAP3ドローでの帳票レイアウト定義で,バーコード領域の横幅(ます目数)やます目設定(文字サイズ/文字の間隔)を調整してください。

グラフィック帳票のバーコード種別ごとに,印刷に必要なドット数を次に示します。

  • グラフィック帳票(240dpi相当で換算したもの)

    《CODE39》

    • 3.0CPI相当で必要なドット数=77ドット×バーコードの桁数+132ドット(マージン幅)

    • 5.5CPI相当で必要なドット数=44ドット×バーコードの桁数+132ドット(マージン幅)

    なお,バーコードの桁数には,スタート/ストップコードを含めます。

    《JAN8》

    • ×1.0倍相当で必要なドット数=243ドット(マージン幅56ドットを含む)

    • ×1.3倍相当で必要なドット数=324ドット

    《JAN13》

    • ×1.0倍相当で必要なドット数=339ドット(マージン幅44ドットを含む)

    • ×1.3倍相当で必要なドット数=452ドット

    《NW-7》

    • 小(8.5CPI)で必要なドット数=28×バーコードの桁数+54ドット(マージン幅)

    • 中(5.3CPI)で必要なドット数=45×バーコードの桁数+72ドット(マージン幅)

    • 大(3.2CPI)で必要なドット数=73×バーコードの桁数+108ドット(マージン幅)

    《ITF(6)》

    • 小(10CPI)で必要なドット数=166ドット

    • 中(7.5CPI)で必要なドット数=262ドット

    • 大(5CPI)で必要なドット数=428ドット

    マージン幅を含んだ値です。

    《ITF(14)》

    • 小(10CPI)で必要なドット数=310ドット(データ文字を付けた場合は,336ドット)

    • 中(7.5CPI)で必要なドット数=494ドット

    • 大(5CPI)で必要なドット数=804ドット

    マージン幅を含んだ値です。

    《ITF(16)》

    • 小(10CPI)で必要なドット数=346ドット(データ文字を付けた場合は,384ドット)

    • 中(7.5CPI)で必要なドット数=552ドット

    • 大(5CPI)で必要なドット数=898ドット

    マージン幅を含んだ値です。

    《カスタマ》

    • 必要なドット数=774ドット

    マージン幅を含んだ値です。

    《GS1-128》

    • 8.5CPI相当で必要なドット数=26.4ドット×バーコードの桁数+158.4ドット

    • 12.5CPI相当で必要なドット数=17.6ドット×バーコードの桁数+121.6ドット

    バーコードの桁数とは,バーコードパターンとならない(,),-,空白を除いたデータのうち,次の各数の総和です。

    • コードセットCのデータ桁数の半分

    • コードセットBのデータ桁数

    • 項目のコードセットの属性がCからB,またはBからCに切り替わった回数

    • データ後半にデータ有無コードがある項目数

    《バーコード幅の計算方法》

    グラフィック帳票でのバーコード印刷に必要なます目数を,上記の計算を使用して求める例を次に示します。

    (例)

    ます目設定が10CPI(24ドット)のときのバーコード幅の計算方法

    CODE39を3.0CPI相当で10桁印刷する場合

    必要なます目数=↑(最小マージン+3.0CPI相当で必要なドット数×桁数)/ます目ドット数↑=↑(132+77×10)/24↑=38ます

    CODE39を5.5CPI相当で10桁印刷する場合

    必要なます目数=↑(最小マージン+5.5CPI相当で必要なドット数×桁数)/ます目ドット数↑=↑(132+44×10)/24↑=24ます

    JAN13を×1.0倍で印刷する場合

    必要なます目数=↑×1.0倍で必要なドット数/ます目ドット数↑=↑341/24↑=15ます

    JAN13を×1.3倍で印刷する場合

    必要なます目数=↑×1.3倍で必要なドット数/ます目ドット数↑=↑436/24↑=19ます

    NW-7の小で10桁印刷する場合

    必要なます目数=↑(最小マージン+小で必要なドット数×桁数)/ます目ドット数↑=↑(28×10+54)/24↑=14ます

    NW-7の大で10桁印刷する場合

    必要なます目数=↑(最小マージン+大で必要なドット数×桁数)/ます目ドット数↑=↑(73×10+108)/24↑= 35ます

    ITF(14)を小で印刷する場合

    必要なます目数=↑小で必要なドット数/ます目ドット数↑=↑310/24↑=13ます

    ITF(14)を大で印刷する場合

    必要なます目数=↑大で必要なドット数/ます目ドット数↑=↑804/24↑= 34ます

    カスタマを印刷する場合

    必要なます目数=↑必要なドット数/ます目ドット数↑=↑774/24↑=33ます

    GS1-128(すべてコードセットCのデータ)を8.5CPI相当で44桁印刷する場合

    バーコードパターンのサイズ=↑(8.5CPI相当で必要なドット数×桁数+自動付加数)/ます目ドット数↑=↑(26.4×22+158.4)/24↑=31ます

    GS1-128(すべてコードセットCのデータ)を12.5CPI相当で44桁印刷する場合

    バーコードパターンのサイズ=↑(12.5CPI相当で必要なドット数×桁数+自動付加数)/ます目ドット↑=↑(17.6×22+121.6)/24↑=22ます

    注※

    コメント文字有りの場合,データ文字(OCR文字)のサイズは次のとおりです。

    データ文字のサイズ=↑44×16/24↑=30ます

    注意事項

    ↑ ↑は記号内の計算式で求められる値の小数点以下を切り上げることを意味します。

(g) バーコードの自由配置

[表示]−[ます目配置]のチェックを外すことで,自由な位置にバーコードを作成できます。

(h) バーコードの反復

出力バーコードまたは連結出力バーコードのダイアログで,「バーコードの反復」を設定すると,一つのオブジェクトを縦方向または横方向に繰り返して定義できます。表形式で同じ属性のオブジェクトを並べる場合などに使用します。

反復定義を使用すると,同じ属性のオブジェクトを一つずつ配置するより効率良く定義できます。

バーコードの反復は,出力バーコードまたは連結出力バーコードだけできます。

(i) GS1-128バーコードの印字幅調整

GS1-128バーコードを印字するとき,バーの印字幅をドット単位で調整できます。GS1-128バーコードの調整の例を次に示します。

[図データ]

GS1-128バーコードの印字幅を調整するには,プリンタ構成ファイル(X3PPINF)に設定します。GS1-128バーコードの印字幅の設定については,マニュアル「XMAP3 実行ガイド」の「帳票に関する環境設定」の説明を参照してください。

XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)の[プリンタ]タブの印刷モードは,「GDI:ページプリンタ」または「PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用」を使用してください。印刷モードが「PDLスルー:LIPS準拠ページプリンタ」の場合,この機能は使用できません。また,そのほかの印刷モードでは,GS1-128バーコードが正しく印字されません。

なお,GS1-128バーコードの印字幅を調整するだけでは,十分なバーコードの読み取り精度の向上はできません。GS1-128バーコードの読み取り精度を上げるには,バーコードの印字幅を調整する以外に,必ずプリンタトナーや用紙などの改善もあわせて実施してください。

(j) GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅調整

GS1-128バーコードを印字するとき,GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅を,ドット単位で調整できます。GS1-128バーコードの印字幅調整と併用すると,印刷精度をさらに向上できます。GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅調整の例を次に示します。

[図データ]

GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅を調整するには,プリンタ構成ファイルに設定します。GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅の設定については,マニュアル「XMAP3 実行ガイド」の「帳票に関する環境設定」の説明を参照してください。

XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)の[プリンタ]タブの印刷モードは,「GDI:ページプリンタ」または「PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用」を使用してください。印刷モードが「PDLスルー:LIPS準拠ページプリンタ」の場合,この機能は使用できません。また,そのほかの印刷モードでは,GS1-128バーコードが正しく印字されません。

なお,GS1-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅を調整するだけでは,十分なバーコードの読み取り精度の向上はできません。GS1-128バーコードの読み取り精度を上げるには,バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅を調整する以外に,必ずプリンタトナーや用紙などの改善もあわせて実施してください。

(k) カスタマバーコードのチェックデジット計算方法

バーコードは,データとチェックデジットで構成されています。カスタマバーコードを設計する場合,バーコードの値はデータの変換値とチェックデジットの和が19の倍数になるようにします。

[図データ]

  1. データ

    0〜9,A〜Z,−(ハイフン)で構成されています。

  2. チェックデジット

    モジュラスチェック用の2桁の数字です。

チェックデジットの計算方法およびデータの変換規則を次に示します。

チェックデジットの計算方法
  1. データを変換規則に従って数値に変換する。

    数字およびハイフンを1文字,英字を2文字として数えます。有効なデータは20文字です。

    有効データ長が19文字以下の場合には,不足分のデータとして制御コード(CC4)を仮定して計算します。

    有効データ長が20文字を超える場合には,超過分は印刷されないので計算の対象外とします。

  2. チェックデジットを算出する。

    チェックデジットを算出する式を次に示します。

    チェックデジット=19−((データの変換値の和÷19)の余り)

  3. データの変換値とチェックデジットの合計が19の倍数になっているか確認する。

変換規則

カスタマバーコードの変換規則を次に示します。

  • 数字(0〜9)の場合

    データ

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    9

    変換する数値

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    9

  • 英字(A〜Z)の場合

    英字を数値に変換する場合は,一度,制御コードと数値に変換します。

    データ

    A

    B

    C

    D

    E

    F

    G

    H

    I

    J

    制御コード

    CC1

    CC1

    CC1

    CC1

    CC1

    CC1

    CC1

    CC1

    CC1

    CC1

    変換する数値

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    9

    データ

    K

    L

    M

    N

    O

    P

    Q

    R

    S

    T

    制御コード

    CC2

    CC2

    CC2

    CC2

    CC2

    CC2

    CC2

    CC2

    CC2

    CC2

    変換する数値

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    9

    データ

    U

    V

    W

    X

    Y

    Z

    制御コード

    CC3

    CC3

    CC3

    CC3

    CC3

    CC3

    変換する数値

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    注※

    制御コードおよび「−(ハイフン)」は,さらに次の数値に変換します。

    制御コード

    CC1

    CC2

    CC3

    CC4(不足データ)

    数値

    11

    12

    13

    14

    10

チェックデジットの計算例

チェックデジットの計算例を次に示します。

(例1)

データが15400233-16-4の場合

[図データ]

チェックデジットの算出式に当てはめると次のようになります。

  147=19×7+14

  チェックデジット=19−14=5

したがって,15400233-16-4のチェックデジットは5となります。

論理マップに指定する論理データを次のように組み立てます。

[図データ]

(例2)

データが22800023-620-2-9-102の場合

[図データ]

チェックデジットの算出式に当てはめると次のようになります。

  79=19×4+3

  チェックデジット=19−3=16

したがって,22800023-620-2-9-102のチェックデジットは16となります。

論理マップに指定する論理データを次のように組み立てます。

[図データ]

(例3)

データが22500011-4695-5-A-B1の場合

[図データ]

チェックデジットの算出式に当てはめると次のようになります。

  102=19×5+7

  チェックデジット=19−7=12

したがって,22500011-4695-5-A-B1のチェックデジットは12となります。

論理マップに指定する論理データを次のように組み立てます。

[図データ]

(l) 固定バーコードのエラーチェック

固定バーコードのダイアログを確定するとき,エラーチェックがされます。固定バーコードのダイアログで設定した内容にエラーがある場合は,次の表に示すメッセージが表示されます。

表11‒105 固定バーコードのエラー一覧

バーコード種類

エラーケース

エラーメッセージ

共通

バーコード値に何も入力されていない。

バーコード値を指定していません

バーコードがレイアウト領域からはみ出している。

オブジェクト:

バーコードがレイアウト領域からはみ出しています

帳票属性:

固定バーコードがレイアウト領域からはみ出しています

JAN8

「バーコード値」の入力桁数が8以外である。

バーコード値は8桁で指定してください

「バーコード値」に0〜9以外の入力がされている。

バーコード値は 0〜9で指定してください

JAN13

「バーコード値」の入力桁数が13以外である。

バーコード値は13桁で指定してください

「バーコード値」に0〜9以外の入力がされている。

バーコード値は 0〜9で指定してください

CODE39

「バーコード値」の入力桁数が3〜76以外である。

バーコード値に指定できる値は3桁〜76桁の範囲です

「バーコード値」に以下の文字以外が入力されている。

 0〜9 A〜Z - . スペース

 $ / + % *

バーコード値は 0〜9 A〜Z - . スペース $ / + % * で指定してください

「バーコード値」の入力に

スタート/ストップコード(*)が付いていない。

バーコード値にスタート/ストップコードがありません

ITF(6)

「バーコード値」の入力桁数が6以外である。

バーコード値は6桁で指定してください

「バーコード値」に0〜9以外の入力がされている。

バーコード値は 0〜9で指定してください

ITF(14)

「バーコード値」の入力桁数が14以外である。

バーコード値は14桁で指定してください

「バーコード値」に0〜9以外の入力がされている。

バーコード値は 0〜9で指定してください

ITF(16)

「バーコード値」の入力桁数が16以外である。

バーコード値は16桁で指定してください

「バーコード値」に0〜9以外の入力がされている。

バーコード値は 0〜9で指定してください

NW7

「バーコード値」の入力桁数が3〜99以外である。

バーコード値に指定できる値は3桁〜99桁の範囲です

「バーコード値」に次の文字以外が入力されている。

 0〜9 - $ : / . + A〜D

バーコード値は 0〜9 - $ : / . + A〜D で指定してください

「バーコード値」の入力に

スタート/ストップコード(A〜D)が付いていない。

バーコード値にスタート/ストップコードがありません

カスタマ

「バーコード値」の入力形式が「(7桁の0〜9)+(13桁のA〜Z)+2桁」の22桁になっていない。

バーコード値に指定した文字列は形式が不正です

(m) 印刷したバーコードをバーコードリーダで読み込ませるときの注意

バーコードをバーコードリーダで読み取るときには,次のことに注意してください。

  • XMAP3で印字するバーコードの大きさ(横幅)が,バーコードリーダで読み取りができる範囲に入っているかどうか確認してください。

  • 印刷したバーコードをバーコードリーダで読み取る場合は,次に示すバーコードリーダをなるべく使用してください。また,バーコードリーダで読み取るときには,必ず事前にそのバーコードリーダが,読み取りたいバーコード種別を読み取れることを確認してください。

    「日立製作所製 バーコードリーダ PC-KR1100」

    「株式会社キーエンス社製 BL-200シリーズ」

    「株式会社オリンパスシンボル社製 VS-4004シリーズ」

  • インクのにじみ,プリンタの印字品質劣化,およびバーコードリーダの読み取り精度によっては,印字したバーコードがバーコードリーダに認識されなかったり,不当なデータとして読み取られたりする場合があります。運用前には,印字および読み取りを確認し,システム運用に支障がないことを確認してから使用してください。

  • GS1-128バーコードの読み取りができない場合は,印字品質を改善するほかに,印字するバーの幅を調整して読み取り精度をあげることもできます。GS1-128バーコード印字幅の調整については,マニュアル「XMAP3 実行ガイド」の「帳票に関する環境設定」の説明を参照してください。

    注※

    XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)の[プリンタ]タブの印刷モードが「GDI:ページプリンタ」または「PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用」の場合。

  • GS1-128バーコードの場合,バーコード中の制御コード「FNC1」 は,読み取るバーコードリーダの仕様によっては不当な文字として認識される場合があります。運用前には,バーコードリーダの動作仕様を確認の上,使用してください。

    注※

    APが出力項目データ名の領域の後半にデータ有無コードを代入した場合にバーコードとして印刷される制御コード。データ有無コード代入時の動作については,マニュアル「XMAP3 プログラミングガイド」の「バーコードの論理マップ生成規則とマッピング規則」の説明を参照してください。

  • バーコードを,PDFファイル出力したあとでプリンタに出力した場合,出力するプリンタドライバの解像度やビューア(Acrobat Readerなど)の設定によって,文字の大きさや文字の形状が変わることがあります。バーコードリーダでバーコードを認識させる場合は,運用前に問題がないことを確認してから使用してください。

(n) GS1-128バーコードを印字するときの注意

GS1-128バーコードを印字するときには,次のことに注意してください。

  • GS1-128バーコードを印字するプリンタは,GS1-128バーコードの特性上,プリンタの解像度が300dpi(推奨は600dpi)以上のページプリンタである必要があります。このため,GS1-128バーコードを印字するとき,XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)の[プリンタ]タブの印刷モードは,「GDI:ページプリンタ」,「PDLスルー:LIPS準拠ページプリンタ」または「PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用」を使用してください。そのほかの印刷モードではGS1-128バーコードが正しく印字されません。

    注※

    LIPSII+の機能範囲で印字した場合,正しく印字されません。

  • FAXC/SPOOL連携でGS1-128バーコードを出力した場合,バーコードリーダでの読み取りは保証されません。

  • APが出力項目データ領域に正しい文字を代入した場合でも,GS1-128バーコードとして成立しない場合には印字が破棄される場合があります。詳細については,マニュアル「XMAP3 プログラミングガイド」の「バーコードの論理マップ生成規則とマッピング規則」の説明を参照してください。

(15) グラフィック

グラフィックには,ドローで定義する固定グラフィックと,ドローでは領域だけを配置し,データはAPから渡される出力グラフィックがあります。

(a) 設定できる項目

グラフィックの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒106 グラフィックの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

固定グラフィック

出力グラフィック

領域に合わせて表示する

チェックあり/チェックなし

チェックあり/チェックなし

枠付き(領域に枠を付ける)

チェックあり/チェックなし

チェックあり/チェックなし

APが渡す項目

グラフィックデータの渡し方

11.6 APが渡す項目」を参照

データ名

データ長

(凡例)

−:動的変更できない,または,該当しない。

(b) 固定グラフィック

帳票上に,固定グラフィックを貼り付けられます。固定グラフィックを使用するには,あらかじめWindows形式の固定グラフィックファイルを用意しておく必要があります。利用できるグラフィックデータは,ビットマップファイル(.bmp),メタファイル(.wmf),拡張メタファイル(.emf),またはJPEGファイル(.jpg,.jpeg)です。また,XMAP3が標準提供している固定グラフィックファイルを利用することもできます。なお,JPEGには,JFIF準拠ベースライン形式(基本DCT方式のJFIF01-01,およびJFIF01-02ファイル)だけ使用できます。グラフィックデータのサイズやデータ形式については,「11.4.3 グラフィック帳票で定義できる値」を参照してください。

固定グラフィックには,レイアウト領域に配置したあと,領域サイズを基準にしてサイズを変更できる印刷方法と,レイアウト領域に配置したままのサイズで固定する印刷方法があります。XMAP3の印字領域はます目,ミリ,ドット単位でサイズを指定するのに対し,固定グラフィックはドット単位でサイズを変更する上,帳票の印刷精度(dpi)によって単位当たりのドット数が異なるため,印刷の際に何を優先するかで印刷方法を使い分けてください。

帳票でのビットマップ印刷は,解像度の違いから画面での表示と印刷時では,見かけ上の大きさが異なる場合があります。したがって,テスト印刷で印刷結果を確認し,ビットマップの大きさを調整してください。なお,XMAP3では,ビットマップデータは240dpi相当として処理します。

固定グラフィックを領域サイズに合わせて印刷する

異なる印刷精度(dpi)のプリンタ上で,帳票上の固定グラフィックサイズを同じにしたい場合に使用します。固定グラフィックの属性ダイアログで「領域に合わせて表示する」を指定しておくと,固定グラフィックをレイアウト領域に配置したときに,指定した領域サイズに合わせて印刷されます。ただし,この場合,読み込んだファイル中の固定グラフィックに比べて表示が不鮮明になることがあります。どのプリンタ上でも,見た目にあまり差がないような固定グラフィックを印刷するためには,領域サイズを次のように決めることをお勧めします。

  • 帳票の定義前に,異なる印刷精度(dpi)のプリンタ上で,どちらの印刷精度(dpi)でも固定グラフィックが鮮明に読み込める領域サイズを決めます。

  • 使用頻度の高い印刷精度(dpi)のプリンタに合わせて領域サイズを決めます。

  • サイズが小さいビットマップを大きい領域に表示すると,正常に表示されないことがあります。この場合,ビットマップ自体のサイズを大きくするか,表示領域のサイズを小さくしてください。

読み込んだままの固定グラフィックを印刷する

固定グラフィックを,読み込んだファイルと同じくらい鮮明に印刷したい場合は,固定グラフィックの属性ダイアログで「領域に合わせて表示する」を指定しません。この場合,固定グラフィックのサイズは,レイアウト領域上で変更できないので,領域よりも読み込んだ固定グラフィックのファイルが大きい場合,はみ出した部分はカットされます。

固定グラフィックの大きさとカラーの扱い

帳票上に配置する固定グラフィックのサイズと,カラーの扱いについては,「11.4.3 グラフィック帳票で定義できる値」を参照してください。

(c) 出力グラフィック

描画ソフトであらかじめ作成しておいたグラフィックファイルを,ファイルやクリップボードを経由してAP実行時に印刷する機能です。使用できるグラフィックの形式については,「12.2.10 グラフィックデータの使用条件」を参照してください。

グラフィックデータを帳票に印刷する命令は,AP側で指定します。XMAP3ではグラフィックデータを受け渡す領域を定義します。 APから印刷の命令が来ると,XMAP3は「グラフィックデータの渡し方」に定義したファイル名を入力して,グラフィックデータを帳票上に取り込んで印刷します。

印刷処理

グラフィックデータ出力の仕組みを次に示します。

[図データ]

(d) 出力時のAPの操作

  • イメージデータを表示する場合

    イメージデータをスキャナやイメージOCRなどから入力し,ビットマップファイル(.bmp),メタファイル(.wmf),拡張メタファイル(.emf),またはJPEGファイル(.jpg,.jpeg)の形式で格納しておきます。APからこのファイル名を論理マップに代入し,SEND要求をすると,XMAP3実行環境が指定されたファイルからデータを入力して出力します。APから直接イメージデータを論理マップに代入することはできません。グラフィックデータは表示・印刷するマシンに格納します。

    • Windowsの場合

      表示・印刷セットアップ(表示・印刷環境ファイル:X3PCONF)の「グラフィックフォルダ」で指定します。

    • UNIXの場合

      表示・印刷環境ファイル(XPWconfig)で指定します。

  • グラフを印刷する場合

    描画ソフトを使用してグラフを作成し,グラフィックデータとしてファイルまたはクリップボードに格納します。COBOLで提供するOLE2オートメーション機能を使用することでExcelなどのグラフ作成ツールを呼び出せます。APからこのファイル名を論理マップに代入し,SEND要求をすると,XMAP3実行環境が指定されたファイルからデータを入力して出力します。APから直接イメージデータを論理マップに代入することはできません。グラフィックデータは表示・印刷するマシンに格納します。グラフィックデータのパスの指定について次に示します。

    • Windowsの場合

      表示・印刷セットアップ(表示・印刷環境ファイル:X3PCONF)の「グラフィックフォルダ」で指定します。

    • UNIXの場合

      表示・印刷環境ファイル(XPWconfig)で指定します。

      [図データ]

(e) 固定グラフィックおよび出力グラフィックの自由配置

[表示]−[ます目配置]のチェックを外すことで,自由な位置に固定グラフィックおよび出力グラフィックを作成できます。

(f) 実行時の留意事項

グラフの変更による再印刷

グラフを変更して再印刷するには,再度グラフ印刷アプリケーションを操作して,グラフィックデータを作成します。OLE2処理を終了している場合,APの開始から始める必要があります。ただし,OLE2処理はほかのAPを起動するなどの処理をするため,処理が遅くなることが考えられます。グラフを印刷する場合,変更することが考えられるときは,グラフィック作成ごとにグラフ印刷アプリケーションの開始や終了をするのではなく,グラフ印刷アプリケーションを起動しておくなどの配慮が必要です。

グラフィックファイルのフォーマット

XMAP3が扱えるグラフィックファイルフォーマットは,Windowsビットマップ形式(.bmp),Windowsメタファイル形式(.wmf,.emf),またはJPEGファイル形式(.jpg,.jpeg)があります。形式は,ファイル出力の場合はファイル拡張子,クリップボード出力の場合はクリップボード格納形式で判断します。

グラフィックファイルのサイズ

グラフィックデータのサイズの制限値は,印刷処理に必要なリソース(使用できるメモリ量など)による制限以外はありません。ただし,サイズが大きくなると,データ読み込みや展開などの印刷処理に時間がかかるため,100KB以内にしておくことをお勧めします。

領域のサイズ/大きさの制限
  • 1帳票中の領域の数,または大きさの制限値は帳票サイズによる制限以外はありません。ただし,数やサイズが大きくなってくると,印刷処理に要する時間も大きくなるため,できる限り1個にすることをお勧めします。

  • クリップボードはOSが用意するものを使用するため,グラフィックデータは1度に1種類だけの保存・印刷になります。そのため,1帳票中に,複数のグラフィックデータを印刷する場合は,ファイルからの読み込みを併用することになります。

  • グラフィックファイルの格納場所は,XMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルで指定した特定のディレクトリ下1か所だけになります。ファイル数の制限値はOSの制限値になります。

  • グラフィックデータの印刷はファイル,またはクリップボード内のデータをそのまま印刷します。したがって,回転・縮小・拡大・減色などの操作は,ファイルなどに書き込むAPでオブジェクトのプロパティを操作するなどして,あらかじめ処理しておいてください。ただし,領域サイズがグラフィックデータサイズと異なる場合,領域サイズに合うようにグラフィックデータを拡大縮小する処理は,グラフィックの属性定義時のオプションとして指定できます。

  • プリンタに対しグラフィックデータを印刷する場合,グラフィックデータの持つdpi値とプリンタの持つdpi値は通常異なります。そのため,画面表示の大きさと印刷結果の大きさが異なることがあります。なお,XMAP3では,ビットマップデータは240dpi相当として処理します。

  • 定義領域よりも大きなグラフィックデータを印刷しようとした場合,定義領域の左上を基準にして,はみ出した部分は切り捨てられて印刷されます。このような場合は,グラフィックの属性ダイアログで「領域に合わせて表示する」を指定するか,運用時に作成するグラフィックデータの大きさをそろえるなどで対処してください。

グラフィックデータの印刷
  • カラーのグラフィックデータをモノクロのプリンタで印刷した場合,プリンタドライバの設定によっては意図した結果で印刷されないことがあります。グラフィックデータは,モノクロで作成することをお勧めします。

  • グラフィックデータは一般的にデータ量が大きく,そのサイズや個数が多くなるにつれ,処理に要する時間も比例して大きくなります。印刷に要する時間を短縮するためには,1帳票に印刷するグラフィックデータは1個にしたり,大きさを小さくしたりするなどして処理時間を軽減してください。

  • Windowsのビットマップ形式のカラーグラフィックデータを印刷する場合には,次のような設定をしたXMAP3印刷サービスを利用することをお勧めします。

    ・「印刷モード」に「GDIページプリンタ」を設定する。

    ・「グラフィックデータのモノクロ化」に「プリンタドライバにまかせる」を設定する。

    これ以外の設定をすると,XMAP3印刷サービスで印刷できるWindowsのビットマップ形式のカラーグラフィックデータの場合,使用できるグラフィックデータの色に制限があります。使用できる色の範囲については,「12.2.10 グラフィックデータの使用条件」を参照してください。範囲外のカラーグラフィックを使用した場合は破棄されます。

  • 固定/出力グラフィックは,Windowsクライアント,およびWindowsマシンのスタンドアロン印刷だけできます。UNIX上の印刷サービスからイメージデータを出力する場合,次のグラフィックデータが利用できます。利用できないグラフィックデータを指定した場合は,指定したグラフィックが破棄されて印刷されます。

    ・Windowsビットマップ形式(*.bmp)

    ・JPEGファイル(*.jpg)

    ・JFIF準拠ベースライン形式(基本DCT方式のJFIF 01-01およびJFIF 01-02形式)のモノクロ(白黒2色)

クリップボードの利用
  • クリップボードへの入出力は,ファイルへの入出力よりも短い時間で処理できます。印刷するグラフィックデータは1個にして,クリップボード経由でXMAP3に引き渡すなどして処理時間を軽減してください。また,ファイルを使用する場合は,RAMディスクに割り当てると印刷性能を確保できる場合があります。

  • クリップボードはシステムに一つだけです。そのため,クリップボードを使用する複数のプログラムを同時に動作させると,意図したもの以外のグラフィックが印刷されることがあります。画面表示プログラムと帳票印刷プログラムを同時に実行したときも同じことが考えられるので,そのような運用をする場合には,ファイルからの読み込みで対処してください。

  • 表示している画面データを[PrintScreen]キーを使用してクリップボードに貼り付けて印刷する場合,グラフィックデータの色はディスプレイドライバに依存して印刷されます。

カラーデータの扱い

印刷モードをGDIにしたとき,カラーのグラフィックデータを印刷できます。しかし,印刷した場合,ハードウェアに依存した色で印刷されるため,意図したとおりの印刷結果にならないことがあります。したがって,カラーのグラフィックデータは,ユーザが印刷したい内容かをあらかじめ確認し,グラフィックデータとプリントドライバの色を調整してから使用してください。

また,カラーのグラフィックデータをモノクロのプリンタに印刷したいときは,色データのモノクロ変更によって,印刷結果は保証されません。印刷する場合のグラフィックデータの組み合わせについては,「12.2.10 グラフィックデータの使用条件」を参照してください。

出力グラフ印刷時のイメージファイルの所在

イメージファイルは,印刷するマシンから参照できる場所に格納する必要があります。C/Sシステムの場合には,クライアント側にイメージファイルを格納してください。また,クリップボードはサーバ側にあるため,C/Sシステムでは,グラフの印刷ができません。

(16) 出力OCR

APからOCRを出力する場合に使用します。

出力OCRでは,英数字,かたかな,および記号のOCR文字を印刷できます。指定できる文字については,「付録D(1) XMAP3で規定しているOCR文字コード表」を参照してください。

(a) 設定できる項目

出力OCRの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒107 出力OCRの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

文字の間隔

標準,0〜7ポイント

文字色

黒,白,赤,緑,青,紫,空,黄

コメントの記述

文字数:40文字(半角)

フィールド反復

レイアウト領域に収まる範囲で指定できます。

回数

縦方向:1〜127,横方向:1〜255

間隔

縦方向:0〜125,横方向:0〜253

APが渡す項目

データ名

11.6 APが渡す項目」を参照

データ長

データ型

桁寄せ

埋字

初期値

下位項目

自由な設定

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) 出力OCRの配置方法

出力OCRの配置方法を次に示します。

  1. 帳票を定義します。

  2. 出力OCRの位置と長さを指定します。

    用紙の基本ます目を「10CPI」または「自由な設定」にする必要があります。基準ます目が10CPIか,自由なます目でなければ出力OCRは使用できません。

    出力OCRの配置時に仮定される文字属性を次の表に示します。

    表11‒108 出力OCR配置時に仮定される文字属性

    用紙の基準ます目

    文字サイズ

    文字間隔

    10CPI

    標準

    標準

    自由な設定

    9ポイント

    5ポイント

    (凡例)

    −:該当しない。

グラフィック帳票では,[表示]−[ます目配置]のチェックを外すことで,自由な位置に出力OCRを作成できます。

フィールドの反復

オブジェクトを縦方向または横方向に複数連続して配置できます。

縦反復は,基本ます目が「10CPI」か「自由な設定」のどちらの場合でも配置できます。横反復は,基本ます目が「10CPI」のときだけ配置できます。

反復の操作は,基本ます目が「10CPI」のときだけ,[Shift]キーを押したままマウスをドラッグすると,オブジェクトを縦方向に繰り返して定義できます。

(c) 出力OCR文字の間隔調整

出力OCRを使用する場合,文字属性は基本的に10CPIを設定します。

ただし,利用するOCRリーダで読み取れない場合は,文字間隔を変更する必要があります。文字間隔を変更するには,帳票属性ダイアログの中の「ます目の設定」が「自由な設定」でなければなりません。この場合,文字間隔は0〜7ポイントの範囲から選択できます。なお,180dpiのシリアルインパクトプリンタ用の帳票では,10CPIでの文字間隔は4ポイントなので,まず3ポイントまたは5ポイントに変更して試すことをお勧めします。また,240/300dpiのページプリンタ用の帳票では,10CPIでの文字間隔は5ポイントなので,まず4ポイントまたは6ポイントに変更して試すことをお勧めします。

(d) 文字色の設定

文字色の初期値は黒となっています。このため,文字色を黒以外に変更するには,変更するオブジェクトを選択した状態で,文字色ツールボックスから設定したい色を選択します。文字色ツールボックスを表示させるには,[属性]−[文字色]を選択するか,ツールバーの[文字色]ボタンを選択します。

なお,黒以外の文字色を設定した帳票は,Windowsマシンに接続したプリンタからの印刷,またはPDFファイル出力で利用できます。

(e) 印刷したOCR文字をOCRリーダで読み込ませるときの注意

OCR文字をOCRリーダで読み取るときには,次のことに注意してください。

  • XMAP3で印字するOCR文字の大きさがOCRリーダで読み取りができる範囲に入っているかどうか確認してください。

  • 印刷したOCR文字をOCRリーダで読み取る場合は,次に示すOCRリーダをなるべく使用してください。

    「OCRハンドリーダ PC-KC2200」,「Imaging OCR HT-4137」,「Friendly OCR HT-4135」,「Friendly HT-4132」

  • 次の図に示すOCR文字は,OCRリーダによっては,読み取り時に正しく認識されなかったり,一部の文字しかサポートされていなかったりする場合があるので注意が必要です。

    図11‒17 読み取りにくいOCR文字

    [図データ]

  • OCR文字を使用した帳票をGDIモードで印刷した場合,Windowsやプリンタドライバによって描画サイズが多少変わることがあります。GDIモードでの印刷は,LIPSII+,LIPSIII,およびESC/Pのスルーモード印刷に比べて,OCRリーダでのOCR文字を認識しにくくなる場合があるので,事前に確認することをお勧めします。

  • インクのにじみ,プリンタの印字品質劣化,およびOCRリーダの読み取り精度によっては,印字したOCR文字がOCRリーダに認識されない場合があります。運用前には,印字および読み取りを確認し,システム運用に支障がないことを確認してから使用してください。

  • OCR文字をカラーで設定しているとき,OCRリーダによっては誤って認識したり,読み取りができないことがあります。

OCR文字を,PDFファイル出力したあとでプリンタに出力した場合,出力するプリンタドライバの解像度やビューア(Acrobat Readerなど)の設定によって,文字の大きさや文字の形状が変わることがあります。OCRリーダでOCR文字を認識させる場合は,運用前に問題がないことを確認してから使用してください。