画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発ガイド


11.3.6 網掛け帳票で使用するオブジェクトの詳細

〈この項の構成〉

(1) 固定フィールド

固定フィールドは,帳票上の表題や注釈などの変化しないテキストを配置するときに使用します。漢字を含めた日本語,または半角の英数字を設定できます。

固定フィールドは,APとのインタフェースを持ちません。したがって,固定フィールドを追加,修正,または削除してもAPには影響ありません。

(a) 設定できる項目

固定フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒64 固定フィールドの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

文字の拡大

標準,平体,長体,倍角

文字サイズ

標準,7ポイント,9ポイント

文字の間隔

標準,0〜7ポイント

テキスト

レイアウト領域に収まる範囲の文字数

テキスト揃え

中央,左,右,均等

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。固定フィールドのます目の配置を次に示します。

[図データ]

(2) 出力フィールド

出力フィールドは,APで指定したデータを帳票上に印刷するときに使用します。

(a) 設定できる項目

出力フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒65 出力フィールドの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

使用目的

数字,英数,日本語

文字の拡大

標準,平体,長体,倍角

文字サイズ

標準,7ポイント,9ポイント

文字の間隔

標準,0〜7ポイント

コメントの記述

文字数:40文字(半角)

フィールド反復

レイアウト領域に収まる範囲で指定できます。

回数

縦方向:1〜127,横方向:1〜255

間隔

縦方向:0〜125,横方向:0〜253

APが渡す項目

データ名

11.6 APが渡す項目」を参照

データ長

データ型

桁寄せ

埋字

初期値

下位項目

自由な設定

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。出力フィールドのます目の配置を次に示します。

[図データ]

(c) フィールドの反復

一つのオブジェクトを縦方向または横方向に繰り返して定義できます。表形式で,同じ属性を並べるときなどに使用できます。反復を使用すると,同じ表示属性のオブジェクトを一つずつ配置するよりも効率良く定義できます。

反復の操作は,[Shift]キーを押したままマウスをドラッグすると,オブジェクトを縦方向に繰り返して定義できます。反復したオブジェクトのデータ項目は,配列(COBOLのときOCCURS展開)となります。

(d) 出力データ

APから出力フィールドに設定できるデータを次の表に示します。

表11‒66 APから出力フィールドに設定できるデータ

種別

形式

数字

  • 数字データ

  • 数字編集データ

日本語

  • 全角の文字データ

  • 半角の文字データ

英数

  • 半角の文字データ

注※

COBOLの場合,数字編集データは,指定したPICTURE句に従って出力されます。

使用できるピクチャ文字:「*」「+」「−」「¥」「9」「,」「.」「Z」「/」

出力フィールドでは,埋字や桁寄せなどのデータの編集もできます。APがデータ有無コードを格納し,有効データの長さが出力フィールドデータ名の領域の長さより短い場合,出力フィールドデータ名の領域の余った部分に埋字を格納します。また,データを出力フィールドデータ名の領域の右側に格納するか,左側に格納するかは,桁寄せ向きに従います。

(3) 予約フィールド

予約フィールドは,OpenTP1が提供する予約項目を帳票上に配置するときに使用します。予約フィールドは,ドローセットアップの「運用管理者用の設定」でマップ名の長さに7文字を指定している場合は使用できません。

予約フィールドは,OpenTP1が提供する予約項目(日付,時刻など)を帳票上に印刷するときに使用します。予約フィールドには,フィールド単位に文字サイズ,文字間隔などの属性情報を必要に応じて指定できます。

(a) 設定できる項目

予約フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒67 予約フィールドの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

予約項目名

8字以内の半角英数字(先頭文字は英字)

文字サイズ

標準,7ポイント,9ポイント

コメントの記述

文字数:40文字(半角)

文字の間隔

標準,0〜7ポイント

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。予約フィールドのます目の配置を次に示します。

[図データ]

(c) 予約フィールド定義時の制限

  • [Shift]キーを押したままでの繰り返し配置はできません。

  • フレーム上には配置できません。

  • 予約項目にはデータ項目名が与えられないので,予約項目名同士や出力オブジェクトのデータ名との重複チェックはされません。

  • 予約フィールドを複写して配置した場合,予約項目名は自動的に付け直されません。

  • 予約項目名はデータ名編集ダイアログに表示されません。

(d) 予約項目のデータの受け渡し

予約項目のデータの受け渡しについて次の図に示します。

図11‒12 予約項目のデータの受け渡し

[図データ]

  1. ドローで予約フィールド「TIME」を定義します。

  2. 物理マップ中に予約項目情報「TIME」が設定されます。

  3. APからのSEND文によって論理データが指定されます。

  4. OpenTP1に物理マップが読み込まれます。

  5. OpenTP1によって予約テーブルが生成され,論理データ,物理マップ,および予約テーブルがXMAP3に渡されます。

  6. XMAP3によって帳票が印刷されます。

(4) フレーム

フレーム,行単位または列単位に同一形式の項目を繰り返して出力するときに使用します。

APも同じように,このフレーム単位で扱い,定義およびAPのプログラミングを容易にしています。

(a) 設定できる項目

フレームの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒68 フレームの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

APが渡す項目

データ名

11.6 APが渡す項目」を参照

フレームの反復

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) 使用例

フレームは,行を繰り返して明細行を作成したり,領域を繰り返したりして,ラベルの印刷などで使用できます。

フレームを使用して,出力フィールドを配置した帳票の使用例を次に示します。

[図データ]

(c) 配置できるオブジェクト

フレームのフィールドに配置できるオブジェクトを次に示します。

  • 出力フィールド

  • 固定フィールド

  • けい線

(d) フレームの操作

フレームのハンドル(■)をドラッグして変更,行または列を選択して行の高さや幅を変更できます。

フレームの反復回数とサイズの変更

フレーム全体を選択し,表示されるハンドル(■)をドラッグします。

[図データ]

行の高さまたは列の幅の変更

フレームの先頭または最終以外の行(または列)をクリックし,行(または列)に表示されるハンドル(■)をドラッグします。フレーム内のすべての行の高さ(または列の幅)が変更されます。なお,拡大する場合は,あらかじめフレームの変更する方向の領域を空けておく必要があります。

[図データ]

フレームの繰り返し間隔の変更

フレームの先頭または最終以外の行(または列)をクリックし,選択した行(または列)をドラッグします。フレームの行(または列)が1行(または1列)おきに繰り返されます。

[図データ]

フレームへのオブジェクトの追加

1行目(または1列目)にオブジェクトを配置します。配置すると行(または列)方向にオブジェクトが繰り返されます。

[図データ]

フレーム内のオブジェクトの削除

1行目(または1列目)のオブジェクトを選択します。行(または列)のオブジェクトが選択状態になったら[削除]を選択します。

[図データ]

網掛けのフィールドを選択する

網掛けとオブジェクトのフィールドが重なっている場合,網掛けを選択したいとき,[Shift]キーを押したままクリックすると,網掛けが選択できます。

[図データ]

(e) APの操作

フレームに配置される出力フィールドなどが集団項目になって,論理マップ上に展開されます。APからは,この集団項目に対してデータの代入,参照をします。

(5) 表けい線の枠

表けい線の枠は,表を作成するときに使用します。見出しあり,または見出しなし枠を作成できます。

(6) けい線の繰り返し

けい線の繰り返しは,選択した範囲に,縦方向または横方向にけい線を繰り返して引くときに使用します。

(7) けい線

けい線は,配置した出力フィールドなどを強調したり,表を作成したりするときに使用します。縦方向または横方向に1本の線が引けます。縦けい線は,グリッドの中央から引きます。

(a) 設定できる項目

けい線の項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒69 けい線の項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

線の位置

上,下

横けい線だけ設定できます。縦けい線は,帳票属性ダイアログで決定します。

線の種類

実線,破線

線の太さ

細,中,太,極太

(凡例)

○:動的変更できる。

−:動的変更できない。

(8) 矩形

矩形は,配置したフィールドを強調したり,表を作成したりするときに使用します。

(a) 設定できる項目

矩形の項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒70 矩形の項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

角の丸め

全て丸める,丸めなし,任意の位置

丸め場所

左上,左下,右上,右下

線の種類

実線,破線

線の太さ

細,中,太,極太

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。矩形のます目の配置を次に示します。

[図データ]

(c) 矩形のけい線情報

けい線は,横けい線の始点,交点,終点,および各行の縦けい線に半角文字で1文字分のけい線情報用の領域を占有します。横けい線は,けい線を行の上段に引くときは下側,行の下段に引くときは上側にけい線情報用の領域を占有します。

矩形のけい線情報を次の図に示します。

図11‒13 矩形のけい線情報

[図データ]

(9) 網掛け

領域に対する網掛けを指定できます。見出し領域に網掛けを配置してその領域を強調したり,複数行にわたって並んだフィールドに1行間隔の網掛けを配置することで表を見やすくしたりできます。

網掛けは,けい線やフィールドと重ねて配置できます。

また,矩形の網掛け,ラウンドコーナの網掛け,および1行間隔の網掛けが設定できます。

(a) 設定できる項目

網掛けの項目と設定できる値を次の表に示します。

表11‒71 網掛けの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

角の丸め

全て丸める,丸めなし,任意の位置

丸め場所

左上,左下,右上,右下

網掛けの濃さ

薄い網掛け,中間の網掛け,濃い網掛け

枠付き

チェックあり/チェックなし

線の種類

実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線

線の太さ

細,中,太,極太

(凡例)

−:動的変更できない。

(b) ます目の配置

ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。網掛けのます目の配置を次に示します。

[図データ]