画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発ガイド


11.3.5 各設定項目の詳細

〈この項の構成〉

(1) 給紙サイズの決定

網掛け帳票の用紙のサイズを設計します。ここでは,網掛け帳票のページレイアウトで使用できる主な用紙サイズを次の表に示します。はがきなどに印刷する場合には,用紙サイズに「フリー」を指定します。なお,プリンタのdpiに関係なくドローのレイアウト領域では,240dpiのドットサイズを指定してください。

表11‒53 用紙サイズ

用紙

サイズ

用紙サイズ(縦×横)

印刷できる領域(縦×横)

mm

ドット

mm

ドット

240dpi

300dpi

240dpi

300dpi

A4

210×297

1,984×

 2,806

2,480×

 3,507

199×286

1,883×

 2,705

2,350×

 3,377

A5

148×210

1,398×

 1,984

1,748×

 2,480

137×199

1,297×

 1,883

1,618×

 2,350

B4

257×364

2,428×

 3,439

3,035×

 4,299

246×353

2,327×

 3,338

2,905×

 4,169

B5

182×257

1,719×

 2,428

2,149×

 3,035

171×246

1,618×

 2,327

2,019×

 2,905

フリー

最大

最大

32,765×

 32,765

最大

32,765×

 32,765

最大

最大

32,765×

 32,765

最大

32,765×

 32,765

ドロー,プリンタドライバおよびXMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)の関係を次の表に示します。

表11‒54 ドロー,プリンタドライバおよびXMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)の関係

表示・印刷

セットアップ

内容

ドローの設定

Windows上プリンタ

(プリンタドライバ)の設定

GDIページプリンタ

マージン

有効(プリンタドライバの設定値以上である場合)

有効(ドローの設定値が小さいとき)

用紙サイズ

有効

無効

印刷枚数

有効

有効

PDLスルー

マージン

有効(プリンタドライバの設定値以上である場合)

有効(ドローの設定値が小さいとき)

用紙サイズ

有効

無効

印刷枚数

有効

無効

PDFファイル出力

マージン

有効

用紙サイズ

有効

印刷枚数

無効

(凡例)

−:該当しない。

注※

ドローで用紙サイズに「フリー」を指定した場合には,XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)の値が優先されます。また,GDIページプリンタの場合,XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)で「OS設定優先」に設定すると,プリンタドライバの設定が有効になります。

(2) ます目サイズの決定

(a) ます目の設定

ます目は,文字サイズと文字間隔(CPI)/行間隔(LPI)の組み合わせで決まります。

ページプリンタでは,次のます目が設定できます。なお,CPIとは,25.4mm(1インチ)当たり何文字印刷(10〜15文字)できるかを表す,文字間隔の単位です。また,LPIとは,25.4mm(1インチ)当たり何行印刷(6〜8行)できるかを表す,行間隔の単位です。

  • 10CPI/6LPI

  • 12CPI/6LPI

  • 15CPI/8LPI

上記ます目のほか,「自由な設定」で,次に示す条件の組み合わせも設定できます。

  • 行間隔:3,4,6,8LPI

  • 文字間隔:0〜7ポイント

  • 文字サイズ:7,9ポイント

行間隔

行間隔(LPI)は,3,4,6および8LPIがあります。行間隔ごとのドット数と算出方法の例を次に示します。なお,ドローのレイアウト定義上では,240dpiの値で配置されるので,位置やサイズを設計する場合は,240dpi値で算出してください。

  • 算出例

    「行間隔6LPI」のときの6行目のドット数(240dpi)

    40ドット×6行=240ドット

    表11‒55 行間隔ごとのドット数

    行間隔

    240dpi(ドット数)

    300dpi(ドット数)

    3LPI

    80

    100

    4LPI

    60

    75

    6LPI

    40

    50

    8LPI

    30

    37.5

    注※

    印刷時には,37ドットと38ドットを組み合わせて補正します。

文字の間隔

ます目の設定を自由にした場合,文字の間隔は0〜7ポイントの範囲で設定できます。文字間隔ごとのドット数と算出方法の例を次に示します。なお,ドローのレイアウト定義上では,240dpi換算で配置されるので,位置やサイズを設計する場合は,240dpiで算出してください。また,文字サイズについては,「11.3.5(2)(b) 文字の大きさ」を参照してください。

  • 算出例

    「文字サイズ9ポイント,文字の間隔5ポイント」のます目サイズで5列目のドット数(240dpi)

    (16ドット(横)+8ドット)×5ます=120ドット

    「文字サイズ9ポイント,文字の間隔0」で全角5文字を配置したときのドット数(240dpi)

    (32ドット(横)+0ドット(全角から全角の文字))×5文字=160ドット

    表11‒56 文字の間隔ごとのドット数(240dpi)

    文字の間隔

    半角−半角の文字

    (ドット数)

    全角−全角の文字

    (ドット数)

    半角−全角の文字

    (ドット数)

    0ポイント

    0

    0

    0

    1ポイント

    2

    4

    3

    2ポイント

    3

    6

    5

    3ポイント

    5

    10

    8

    4ポイント

    6

    12

    9

    5ポイント

    8

    16

    12

    6ポイント

    9

    18

    14

    7ポイント

    11

    22

    17

    表11‒57 文字の間隔ごとのドット数(300dpi)

    文字の間隔

    半角−半角の文字

    (ドット数)

    全角−全角の文字

    (ドット数)

    半角−全角の文字

    (ドット数)

    0ポイント

    0

    0

    0

    1ポイント

    2/3

    5

    3/4

    2ポイント

    3/4

    7/8

    4/5

    3ポイント

    6/7

    12/13

    9/10

    4ポイント

    7/8

    15

    12/13

    5ポイント

    10

    20

    15

    6ポイント

    12/13

    22/23

    18/19

    7ポイント

    13/14

    27/28

    19/20

    表中に記述されているn/mは,nまたはmのドットの組み合わせで補正することを意味します。

(b) 文字の大きさ

ページプリンタでは,次に示す文字の編集ができます。また,値を変更すると印刷できる行列数が変わってきます。

文字サイズ(ポイント数)の変更

7または9ポイントのサイズから選べます。文字サイズ別の文字の大きさ(ドット数)と算出方法の例を次に示します。なお,ドローのレイアウト定義上では,240dpi換算で配置されるので,位置やサイズを設計する場合は,240dpiで算出してください。

  • 算出例

    「文字サイズ9ポイント,文字の間隔0」のます目サイズで5列目のドット数(240dpi)

    (16ドット(横)+0ドット)×5ます=80ドット

    「文字サイズ9ポイント,文字の間隔0」で全角5文字を配置したときのドット数(240dpi)

    (32ドット(横)+0ドット)×5文字=160ドット

    表11‒58 文字サイズ別の文字の大きさ(ドット数)

    文字サイズ

    240dpi

    300dpi

    半角文字の大きさ(縦×横)

    全角文字の大きさ(縦×横)

    半角文字の大きさ(縦×横)

    全角文字の大きさ(縦×横)

    7ポイント

    24×12

    24×24

    30×15

    30×30

    9ポイント

    32×16

    32×32

    40×20

    40×40

文字の拡大

網掛け帳票では文字を拡大できます。文字の拡大には,倍角,平体,および長体の三つを指定できます。拡大を指定すると印刷される文字の大きさも,次のように変わります。なお,ここでの説明は半角文字を仮定しています。全角文字の場合は,説明に示されているます目の値が2倍になります。

  • 倍角:1文字につき,縦横方向に2ます分の領域を占有します。

  • 平体:1文字につき,横方向に2ます分の領域を占有します。

  • 長体:1文字につき,縦方向に2ます分の領域を占有します。

文字の拡大による文字の大きさ(ドット数)を次の表に示します。

表11‒59 文字の拡大による文字の大きさ(ドット数:240dpi)

文字の拡大

7ポイント

9ポイント

半角文字

(縦×横)

全角文字

(縦×横)

半角文字

(縦×横)

全角文字

(縦×横)

標準

24×12

24×24

32×16

32×32

倍角

48×24

48×48

64×32

64×64

平体

24×24

24×48

32×32

32×64

長体

48×12

48×24

64×16

64×32

表11‒60 文字の拡大による文字の大きさ(ドット数:300dpi)

文字の拡大

7ポイント

9ポイント

半角文字

(縦×横)

全角文字

(縦×横)

半角文字

(縦×横)

全角文字

(縦×横)

標準

30×15

30×30

40×20

40×40

倍角

60×30

60×60

80×40

80×80

平体

30×30

30×60

40×40

40×80

長体

60×15

60×30

80×20

80×40

(c) 基準ます目

基準ます目は,帳票属性で指定した「ます目設定」,「行の間隔」,および「文字の間隔」で決まります。詳細については,「4.4.3(2) レイアウト領域の設定に関する用語」を参照してください。

(3) 印刷できる行数と列数

行間隔または文字間隔によって印刷できる行列数について説明します。なお,印刷できる最大行数および最大列数は,LIPSスルーを使用したときの参考値です。

(a) 印刷できる行数

各用紙サイズと行間隔別に,印刷できる最大行数を次の表に示します。

表11‒61 用紙サイズ別の最大印刷行数(240/300dpi)

用紙サイズ

行間隔

3LPI

4LPI

6LPI

8LPI

A3

縦向き

47

63

95

127

横向き

33

44

66

88

A4

縦向き

33

44

66

88

横向き

23

30

46

61

A5

縦向き

23

30

46

61

横向き

15

21

31

42

B4

縦向き

41

55

82

110

横向き

28

38

57

76

B5

縦向き

28

38

57

76

横向き

19

26

39

52

この表の値は,マージンが9mmで,次に示す条件を設定したときの例です。プリンタによって多少の誤差があります。

240dpiの場合:プリンタはLBP-B406E LIPS

300dpiの場合:プリンタはLBP-A309G2 LIPS

(b) 印刷できる列数

  • 各用紙サイズとCPI別の最大印刷列数

    各用紙サイズと文字間隔(CPI)別に,印刷できる最大列数を次の表に示します。

    表11‒62 用紙サイズと文字間隔(CPI)別の最大印刷列数(240/300dpi)

    用紙サイズ

    9ポイント文字の文字間隔(CPI)

    10CPI

    12CPI

    15CPI

    A3

    111

    133

    166

    159

    191

    231

    A4

    76

    92

    115

    111

    133

    166

    A5

    52

    63

    78

    76

    92

    115

    B4

    95

    114

    143

    137

    165

    206

    B5

    65

    79

    98

    95

    114

    143

    この表の値は,マージンが9mmで,次に示す条件を設定したときの例です。プリンタによって多少の誤差があります。

    240dpiの場合:プリンタはLBP-B406E LIPS

    300dpiの場合:プリンタはLBP-A309G2 LIPS

  • 各用紙サイズと文字間隔(ポイント)別の最大印刷列数

    各用紙サイズと文字間隔(ポイント)別に,印刷できる最大列数(240/300dpi)を次の表に示します。

    表11‒63 用紙サイズと文字間隔(ポイント)別の最大印刷列数(240/300dpi)

    ポイント数

    (ドット数)

    用紙サイズ

    7ポイント文字

    9ポイント文字

    0

    (0)

    1

    (2)

    2

    (3)

    3

    (5)

    4

    (6)

    0

    (0)

    1

    (2)

    2

    (3)

    3

    (5)

    4

    (6)

    A3

    222

    190

    177

    157

    148

    166

    148

    140

    127

    121

    255

    255

    255

    225

    212

    239

    212

    201

    182

    174

    A4

    153

    131

    123

    108

    102

    115

    102

    97

    87

    83

    222

    190

    177

    157

    148

    166

    148

    140

    127

    121

    A5

    105

    90

    84

    74

    70

    78

    70

    66

    60

    57

    153

    131

    123

    108

    102

    115

    102

    97

    87

    83

    B4

    190

    163

    152

    134

    127

    143

    127

    120

    109

    104

    255

    235

    220

    194

    183

    206

    183

    173

    157

    150

    B5

    131

    113

    105

    93

    87

    98

    87

    83

    75

    71

    190

    163

    152

    134

    127

    143

    127

    120

    109

    104

    この表の値は,マージンが9mmで,次に示す条件を設定したときの例です(標準の文字サイズは9ポイントです)。プリンタによって多少の誤差があります。

    240dpiの場合:プリンタはLBP-B406E LIPS

    300dpiの場合:プリンタはLBP-A309G2 LIPS

(4) 印字領域の決定

帳票を用紙上に印刷する領域(印字領域)の大きさと位置を指定します。ます目サイズの大きさを決めると,用紙に印刷できる行列数が決まります。

印字領域は,用紙上の印刷できる領域内に配置します。ただし,プリンタの機種によって印刷位置が異なるので,用紙の先頭からの印刷はできません

注※

PDFファイル出力の場合は先頭からの出力ができます。

印字できる領域を次の図に示します。

図11‒11 印字領域

[図データ]

(5) レイアウトパターンの決定

レイアウトパターンとは,標準的なレイアウト領域のサイズやパターンがあらかじめ設定されている,レイアウト定義の基本フォーマットです。

ここでは,決定した用紙サイズおよびます目サイズを基にして,レイアウト定義で使用するレイアウトパターンを決定します。XMAP3では,汎用的なレイアウトパターンを提供しているので,決定した用紙サイズおよびます目サイズからレイアウトパターンを選択します。XMAP3で提供しているレイアウトパターンについては,「付録B XMAP3が提供するレイアウトパターンの概要」を参照してください。

なお,レイアウトパターンはユーザが作成することもできます。レイアウトパターンの作成については,「5.1 レイアウトパターン」を参照してください。

(6) 印刷枚数の指定

印刷枚数を指定すると,同じ帳票を一度の出力要求で複数枚印刷できます。印刷枚数指定でのコピーは,最大32枚できます。なお,印刷枚数は帳票定義時,または業務実行時に指定できます。一方,業務実行時に条件によって出力枚数が変わる場合はAPで指定することをお勧めします。

なお,PDFファイルへ出力する場合,印刷枚数の指定は無効となり,常に1枚が仮定されます。

(a) 帳票定義時に指定する場合(印刷枚数)

コピーする枚数を帳票定義時に指定する場合は,網掛け帳票属性ダイアログの「印刷部数」に指定します。印刷枚数は「1〜32」の範囲で設定できます。

(b) 業務実行時に指定する場合(印刷枚数指定項目)

印刷枚数を制御するには,網掛け帳票属性ダイアログの[印刷部数をAPで変更する]チェックボタンを選択状態にしてください。ただし,データ名を変更する場合は,ドローセットアップで「網掛け/グラフィック帳票」を選択し,印刷枚数動的変更のデータ名の設定を変更する必要があります。詳細については,「3.5.3 印刷枚数を動的に変更するための設定」を参照してください。

(7) 印刷ドキュメント名の指定

印刷ドキュメント名を指定すると,帳票印刷時,Windowsのプリンタスプーラに任意のドキュメント名で印刷データを登録できます。なお,印刷ドキュメント名は,帳票定義時または業務実行時に指定できます。業務実行時の条件によって印刷ドキュメント名が変わる場合は,業務実行時にAPから指定することをお勧めします。

印刷ドキュメント名は,帳票属性ダイアログの[印刷ドキュメント名...]ボタンをクリックして表示される印刷ドキュメント名ダイアログで指定します。

印刷ドキュメント名ダイアログを次に示します。

[図データ]

(a) 帳票定義時に指定する場合(印刷ドキュメント名)

印刷ドキュメント名を帳票定義時に指定する場合は,印刷ドキュメント名ダイアログの「印刷ドキュメント名」に指定します。

(b) 業務実行時に指定する場合(印刷ドキュメント名指定項目)

印刷ドキュメント名をAPから指定するには,印刷ドキュメント名ダイアログの[印刷ドキュメント名をAPで変更する]チェックボタンを選択状態にしてください。

ただし,データ名,桁,データ長の値を変更する場合は,ドローセットアップで「網掛け/グラフィック帳票」を選択し,印刷ドキュメント名動的変更のデータ名の設定を変更する必要があります。

詳細については,「3.5.4 印刷ドキュメント名を動的に変更するための設定」を参照してください。