4.4.3 帳票設計の基本用語の説明
XMAP3の帳票設計でよく使用する用語について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 用紙設計に関する用語
用紙設計に関する用語を説明します。
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A4やB5など一枚の紙になっているカット紙と,各ページの境がミシン目になってつながっている連続紙があります。カット紙は,ページプリンタおよびシリアルインパクトプリンタ両方で利用できます。連続紙は,シリアルインパクトプリンタでだけ使用できます。
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プリンタで決まっている,最初の文字を左上に印刷できる位置です。印刷できる基準点は,この位置です。
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ページプリンタで,用紙に穴などを開けることを想定して設定しておく余白のことです。用紙の左上を基点にしてマージンを設定し,レイアウト開始位置をずらせます。ユーザが設定するマージンを,単にマージンまたはソフトマージンといいます。これに対し,プリンタドライバおよびプリンタ装置ごとに,ハードマージンと呼ばれるハード機構上,印刷できない領域があります。このハードマージンの値よりも小さいマージンを設定すると,ハードマージンが有効になるので,注意してください。
なお,ハードマージンは,GDI使用時にはプリンタドライバが持つ値となり,PDLスルー使用時にはプリンタ装置が持つ値となります。また,PDFファイル出力時には,ハードマージンがないため,指定したマージン値がそのまま有効になります。
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シリアルインパクトプリンタで,用紙に穴などを開けることを想定して設定しておく余白(ソフトウェア的に設ける)のことです。ハードマージンを基点としてレイアウト開始位置をずらせます。XMAP3では,1ます目から,レイアウト領域の範囲内でオフセット値を指定できます。
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ハードウェアまたはドライバに依存し,用紙上に印刷できる矩形領域(ハードウェアマージンを除いた領域)です。ページプリンタの場合,用紙の左上(マージンで設定した開始位置)から用紙の右下(ハードマージンで設定した終了位置)までの矩形を示します。
レイアウト領域がこの印字領域よりも大きい場合,はみ出した部分は印刷されないことがあります。帳票定義時には,用紙サイズとマージンおよびオフセットの関係を考慮して,印字領域からはみ出さないようにレイアウト領域を設定する必要があります。
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ドローを使用してオブジェクトを配置する領域です。オフセットとユーザが設定したマージン値(ソフトマージン)を除いた領域になります。
(2) レイアウト領域の設定に関する用語
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グリッドとは,レイアウト領域上に表示される点線のことです。レイアウト領域にオブジェクトを配置する位置を決める基準になります。
基準には,ます目単位とスケール単位があります。
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スケール単位(書式オーバレイ,グラフィック帳票,およびプレプリント帳票に有効)
行や列に関係なく,オブジェクトを自由に配置するための単位です。mm,ドット,およびます目があります。
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ます目は,行列単位ともいいます。ある行のある列を一つのます目といい,そのます目は,CPIとLPIなどの矩形を1ますとします。そのため,ドローでは,このます目を(LPI×CPI)の組み合わせで指定します。ます目単位は,キャラクタベースで配置するときに使用します。
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LPIは,ます目の高さ(行間隔)です。XMAP3で「ます目の設定」を「自由な設定」にした場合,けい線帳票は6または8LPIから,網掛け帳票は3,4,6,8LPIの中から選びます。また,グラフィック帳票と書式オーバレイは,3,4,6,8,10,12LPIの中から選びます。
例えば,8LPIは25.4mm(1インチ)当たりが8行になります。
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CPIは,ます目の幅です。CPIを指定すると,自動的に文字サイズと文字間隔が決まります。
例えば,10CPIと設定すると,25.4mm(1インチ)当たりに10文字格納するための文字サイズおよび文字間隔が設定されます。
また,10,12,15CPI以外に,文字サイズと文字間隔を組み合わせて,1ますの幅を決定できます。
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ます,またはスケール単位を使用したときに関係なく,レイアウト領域に配置する文字サイズのデフォルト値を基準文字サイズといいます。
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文字やけい線などを配置する上での基準として,半角文字で1文字分の領域(基準ます目)のサイズが設定されます。また,行の先頭文字が半角の場合と全角の場合では,行への文字の割り付け位置が異なります。行の先頭文字が半角の場合および全角の場合での割り付け位置と基準ます目の構成を次の図に示します。
図4‒6 行への文字の割り付けと基準ます目の構成 基準ます目は,帳票属性で指定した「ます目設定」,「行の間隔」,および「文字の間隔」で決まります。