6.1.1　UAPのプリプロセス

DMLが記述されたCOBOLソースプログラムは，そのままの状態ではCOBOLコンパイラでコンパイルすることはできません。pdsdbcblコマンドによって，UAPのプリプロセスを実行してポストソースを出力し，そのポストソースをCOBOLコンパイラでコンパイルします。

なお，pdsdbcblコマンドによるプリプロセスを実行できるUAPは，COBOL言語で記述された埋込み型UAPです。

pdsdbcblコマンドによるプリプロセスの概要を次の図に示します。

図6‒1　pdsdbcblコマンドによるプリプロセスの概要

［説明］

pdsdbcblコマンドによるプリプロセス時の入出力ファイルを次に説明します。

入力ファイル

UAPソースファイル

DMLが記述されているCOBOLソースプログラムを格納しているファイルです。UAPソースファイルのファイル拡張子は，「.ecb」になります。
SDBディレクトリ情報ファイル

pdsdbcblコマンドによるプリプロセスの際，COBOLソースプログラム中に記述されたDMLとSDBデータベース定義との整合性をチェックするために，SDBディレクトリ情報ファイルを参照します。
登録集原文ファイル

pdsdbcblコマンドによるプリプロセスの際，COBOLソースプログラム中に記述されたCOPY文に従って取り込まれる，登録集原文が登録されているファイルです。

注意事項

プリプロセスの実行時に使用するSDBデータベースの定義情報と，UAPの実行時に使用するSDBデータベースの定義情報には，同じ定義情報を使用してください。

出力ファイル

ポストソースファイル

pdsdbcblコマンドによるプリプロセスを実行すると，DMLをCOBOL命令に置換したポストソースがポストソースファイルに出力されます。ポストソースファイルの名称は，UAPソースファイルのファイル拡張子を「cbl」に変更したファイル名になります。

（例）uap01.ecb → uap01.cbl

なお，プリプロセス時に同じファイル名のポストソースファイルがある場合，そのポストソースファイルが上書きされます。
簡易ダンプファイル

pdsdbcblコマンドが異常終了した場合に，簡易ダンプが出力されるファイルです。簡易ダンプについては，「6.6　トラブルシューティング」を参照してください。