17.4.3　FIND文

(1)　機能

レコードを検索して，レコード実現値に位置指示子を位置づけます。

位置づけには，次の3つの検索があります。

• レコード型内の検索

  レコード位置指示子を使用した検索です。常にインデクスを使用した検索となります。

• 親子集合型内の検索

  親子集合位置指示子を使用した検索です。特定の親レコード実現値配下の子レコードを検索します。常にポインタを使用した検索となります。

• 位置指示子指定の検索

  DMLに指定した位置指示子が指すレコードを検索します。

レコード型内の検索と親子集合型内の検索は，順序，開始位置，および検索方向を決定してレコードを検索します。詳細については，「17.3.3　検索の順序，開始位置および方向」を参照してください。

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(2)　形式

• レコード型内の検索，親子集合型内の検索

  FIND
       〔FOR UPDATE〕
       ｛FIRST｜NEXT｜LAST｜PRIOR｝
        レコード名〔WITHIN 親子集合型名〕
       〔WHERE (探索条件)〕

• 位置指示子指定の検索

  FIND
       〔FOR UPDATE〕
        CURRENT OWNER OF 親子集合型名

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(3)　オペランドの説明

●FOR UPDATE

位置づけたレコードを更新（ERASE，MODIFY）するかどうかを指定します。

位置づけたレコードを更新する場合は，FOR UPDATEを指定してください。

位置づけたレコードを更新しない場合は，FOR UPDATEを省略してください。

●｛FIRST｜NEXT｜LAST｜PRIOR｝

レコード走査の開始位置となるレコードとレコード走査の方向を示す指示コードを指定します。

FIRST：先頭から順方向に検索します。

NEXT：位置づけされているレコードから順方向に検索します。

LAST：最後から逆順方向に検索します。

PRIOR：位置づけされているレコードから逆順方向に検索します。

LASTおよびPRIORは親子集合型内の検索のときだけ指定できます。

検索の開始位置，方向については，「17.3.3　検索の順序，開始位置および方向」を参照してください。

●レコード名

〜＜識別子＞((1〜30バイト))

位置づけるレコード名を指定します。

注意事項

• レコード名に英小文字を使用している場合は，レコード名を引用符（"）で囲んでください。引用符で囲まないと，英小文字は英大文字と見なされます。

• レコード名に空白またはハイフン（-）を使用している場合は，レコード名を引用符（"）で囲んでください。

●WITHIN 親子集合型名

〜＜識別子＞((1〜30バイト))

親子集合型内の検索を行う場合に指定します。

検索する親子集合の親子集合型名を指定します。

注意事項

• 親子集合型名に英小文字を使用している場合は，親子集合型名を引用符（"）で囲んでください。引用符で囲まないと，英小文字は英大文字と見なされます。

• 親子集合型名に空白またはハイフン（-）を使用している場合は，親子集合型名を引用符（"）で囲んでください。

●WHERE (探索条件)

位置づけるレコードの条件を指定します。探索条件が真になるレコードが位置づけ対象になります。探索条件は，レコード型内の位置づけの際に指定できます。

探索条件については，「17.3.1　探索条件の指定」を参照してください。

●CURRENT OWNER OF 親子集合型名

位置指示子指定の検索の場合に指定します。

検索対象の親子集合型名を指定します。

指定された親子集合型の位置指示子の親レコードを検索対象とし，関連する位置指示子を更新します。

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(4)　共通規則

• HiRDB/SDデータベースアクセスユティリティ（pdsdbexe）のDMLコマンドでは実行できません。

• レコード型内の位置づけは，インデクスを使用します。インデクスが定義されていないレコードは，レコード型内の位置づけは実行できません。インデクス選択規則については，「17.3.2　インデクス選択規則」を参照してください。

• 親子集合型内の検索の場合，検索対象のレコードの親レコードを次のどれかのDMLで位置づけておく必要があります。

  • FIND文

  • FETCH文

  • STORE文

• 位置指示子指定の検索で，検索対象レコードがルートレコードではない場合，SDBデータベース格納定義の検索対象レコードが子レコードである親子集合のMEMBER POINTER FOR句にOWNERを指定しておく必要があります。例を次に示します。

  DML

  FIND CURRENT OWNER OF "SETBC"

  SDBデータベース定義

  

  ［説明］

  1. DMLには親子集合SETBCが指定されています。

  2. DMLの検索対象レコードはRECB（SETBCの親レコード）です。

  3. RECBは親子集合SETABの子レコードとして定義されています。そのため，SETABのSDBデータベース格納定義のMEMBER POINTER FOR句にOWNERを指定しておく必要があります。

• 位置指示子指定の検索の場合，指定した親子集合位置指示子の親レコードを次のどれかのDMLで位置づけておく必要があります。

  • FIND文

  • FETCH文

  • STORE文

• 位置指示子指定の検索を実行すると，対象レコードの検索状態は無効になります。

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(5)　使用例

例1

レコード型内の検索で，レコード実現値を更新するための位置づけを行います。

FIND FOR UPDATE FIRST "RECA"
    WHERE("KEYDATA"=:WKEYDATA)

例2

レコード型内の検索で，レコードを検索するための位置づけを行います。

FIND FIRST "RECA" WHERE("KEYDATA"='0001')

例3

親子集合型内の検索で，レコードを検索するための位置づけを行います。

FIND FIRST "RECB" WITHIN SET1

例4

位置指示子指定の検索例です。

ここでは，RECA（ルートレコード），RECB（子レコード），SETAB（RECAとRECBの親子集合型名）とします。

1. レコード型内の検索で，RECB（子レコード）の位置づけを行います。

   FIND FIRST "RECB"

   この検索では，RECBのレコード位置指示子，SETABの親子集合位置指示子の子および親が位置づけられます。

2. 位置指示子指定の検索で，RECA（親レコード）の位置づけを行います。

   FIND CURRENT OWNER OF "SETAB"

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