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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


5.25 一連番号の監視

一連番号の監視とは,あらかじめ決めておいた監視値まで一連番号を割り当てたときに,一連番号が枯渇していることをメッセージで通知する機能です。

レコードの格納時に割り当てられる一連番号は,レコードの格納と削除を繰り返すうちに利用されない一連番号ができ,レコード数が少なくても割り当てられる一連番号の最大値に達して,レコードが格納できなくなってしまいます。割り当て済み一連番号と実際のレコード件数の関係を次の図に示します。

図5‒21 割り当て済み一連番号と実際のレコード件数の関係

[図データ]

一連番号を再利用することもできますが(SDBデータベース定義のSETOPTION句下のREUSE句にYESを指定),この場合,一連番号が再利用されるのは最後尾のレコードを削除した場合だけであり,それ以外のレコードを削除した場合は有効とはなりません。

レコードの格納と削除の繰り返しによって一連番号が枯渇した場合は,SDBデータベースを再編成することで解消できます。割り当て済みの一連番号を監視することで,SDBデータベースの再編成契機を判断できます。

一連番号の監視の概要を次の図に示します。

図5‒22 一連番号の監視の概要

[図データ]

[説明]

一連番号の監視は,SDBデータベース定義のSETOPTION句下のWARNING句,またはSDBOPTION句下のOCCURRENCE WARNING句で指定します。

一連番号の監視では,監視値(監視する一連番号使用比率)を3つまで指定できます。ここでは,監視する一連番号使用比率の小さい順に監視値1,監視値2,監視値3とします。

監視値に達するごとに一連番号の枯渇メッセージが出力されます。以降,一連番号の枯渇メッセージが出力されたかどうかの状態が内部的に管理されます。これを一連番号の枯渇メッセージの出力状態といいます。一連番号の枯渇メッセージの出力状態が内部的に管理されるため,レコードが格納されても,次の監視値に達するまでメッセージは出力されません。

一度に複数の監視値を超えた場合は,対応するメッセージがすべて出力されます。

なお,例えば監視値2までメッセージが出力されている状態でも,次に示す場合には,再度,監視値1(監視する一連番号使用比率のうち,いちばん小さい値)から監視されます。

  • HiRDBを正常開始,再開始,または強制開始した場合

  • HiRDBの再起動を必要としないSDBデータベースの定義追加または定義変更を行って,定義を更新した場合

  • 次に示すRDエリアの場合

    ・クローズ状態のRDエリアをpdopenコマンド,またはpdrels -oコマンドでオープンした場合,そのRDエリア

    ・HiRDB/SDデータベース作成ユティリティ(pdsdblod)のenvironment文のpurgeオペランドにyesを指定して実行したRDエリア(インナレプリカ機能を使用したオンライン再編成の場合も含む)

    ・HiRDBをユニット単位に正常開始,再開始,または強制開始した場合,該当ユニット内のBESが管理するすべてのRDエリア

〈この節の構成〉