Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


9.6.4 アンロードログファイルによる回復手順の概要

アンロードログファイルによる回復手順の概要を次の図に示します。

図9‒8 アンロードログファイルによる回復手順の概要

[図データ]

注※1

(1)抽出トランザクション情報(回復 開始位置)の取得」を参照してください。

注※2

(2)データ連動回復機能を使った回復処理」及び「9.6.5 アンロードログファイルによるデータ連動回復手順の詳細」を参照してください。

図9-8 アンロードログファイルによる回復手順の概要」中の「全BESの全反映先について,抽出トランザクション情報(回復開始位置)を取得」と「データ連動回復機能を使った回復処理」の手順について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 抽出トランザクション情報(回復開始位置)の取得

抽出トランザクション情報とは,抽出側HiRDBで発生したトランザクションを一意に識別するための情報です。反映処理が反映をすべて完了した時点で出力する抽出トランザクション情報は,抽出側で実行されたそのトランザクションまで反映が完了したことを示します。

アンロードログファイルによるデータ連動回復では,アンロードログファイル中のどのトランザクションから回復を開始するのかを指定する必要があります。そのとき,反映処理完了時点の抽出トランザクション情報を指定することで,このトランザクションよりも後に完了したトランザクション(反映側に対して未反映のトランザクション)を対象に回復します。

(a) 反映側がDatareplicatorのときの,抽出トランザクション情報の取得方法

反映側がDatareplicatorのときの,抽出トランザクション情報の取得方法を次に示します。

  1. 反映情報キューファイルに格納している更新情報をすべて反映した後,反映側Datareplicatorを停止します。

  2. エラー情報ファイルの最後に出力されているKFRB03009-Iメッセージを検索して,このメッセージの「Additional Transaction Info =」に出力されている抽出トランザクション情報を取得します。

    エラー情報ファイルが上書きされ,KFRB03009-Iメッセージの情報がない場合は,次のコマンドを実行して,実行結果から抽出トランザクション情報を取得します。このコマンドは,反映側Datareplicatorを初期化する前に実行してください。

    hdsrefinfm -f 反映ステータスファイル名 -l 9 -p 解析結果出力ファイル名

    注 反映ステータスファイル名を相対パスで指定したときは,$HDSPATHからの相対パスとして認識します。

コマンドの出力例と回復開始位置の取得方法
反映モードがtrnの場合:

[図データ]

「<Reflect Entry Information[STAT]> HeadInformation:GroupNo=000」の「Additional Transaction Info」の情報が回復開始位置となります。

反映モードがtblの場合:

[図データ]

反映状態

回復開始位置の取得方法

「Read Information」がすべて同じ位置の場合

「<Reflect Entry Information[STAT]> HeadInformation:GroupNo=001」の「Additional Transaction Info」の情報が回復開始位置となります。

「Read Information」が異なる位置である場合

「Read Information」が一番遅れている反映グループの,「Additional Transaction Info」の情報が回復開始位置となります。

注※

ほかの反映グループについては,反映抑止の制御コードとしてSKIP_TYPE_UNTILを使用します。指定方法については,「3.3.10(1) 反映抑止によるスキップ」を参照してください。

(b) 反映側がXDM/DSのときの,抽出トランザクション情報の取得方法

反映側がXDM/DSのときの,抽出トランザクション情報の取得方法を次に示します。

反映XDM/DSの状態

取得方法

出力先

抽出トランザクション情報

正常停止又は計画停止

反映XDM/DSの終了時に出力されるコンソールメッセージJWD396Iの詳細情報を参照して取得

コンソール

JWD396Iで出力される「EXTTRN INF:kk...k」で示すkk...k部分(16進形式24けた)

XDM/DS支援ユティリティによる処理状態出力実行結果から取得

ABCPRINT

出力結果中の「LAST-EXT-TRN-INF=」以降に示される内容(16進形式24けた)

(2) データ連動回復機能を使った回復処理

図9-8 アンロードログファイルによる回復手順の概要」に示す回復手順の「データ連動回復機能を使った回復処理」について説明します。

(a) データ連動回復のセットアップ

データ連動回復機能をセットアップします。セットアップを実行すると,Datareplicatorの通常の抽出機能がデータ連動回復機能に置き換えられます。このため,次の点に注意してください。

  • データ連動回復機能のセットアップは,抽出側Datareplicator停止後に実行してください。

  • データ連動回復機能のセットアップ中は,Datareplicatorの抽出機能は使えません(データ連動回復の実行中に抽出対象とするHiRDBに対して実行した更新は抽出できません)。データ連動回復機能の実行中は,抽出対象表に対して更新はしないでください。

データ連動回復で処理できるのは,更新情報の抽出までです。データ連動回復機能の実行後には,反映側Datareplicatorに再送信して反映までを実行する必要があります。

セットアップでは,次の2段階の処理を実行して,データ連動の回復に必要な更新情報を抽出情報キューファイルに抽出します。

  • データ連動回復機能1(トランザクション検索フェーズ)

    logmrgコマンドで作成したアンロードログ分割ファイルを入力して,回復対象トランザクション情報を抽出した後,回復対象トランザクションリストファイルに出力します。

  • データ連動回復機能2(抽出キュー作成フェーズ)

    logmrgコマンドで作成したアンロードログ分割ファイルからデータ連動回復機能1で抽出した回復対象トランザクションに該当する更新情報を抽出した後,抽出情報キューファイルに格納します。

複数のバックエンドサーバから抽出している場合は,バックエンドサーバごとに回復処理を繰り返し実行する必要があります。