9.6.2 アンロードログファイルによるデータ連動回復の前提条件
- 〈この項の構成〉
(1) サポートするバージョンと製品の組み合わせ
アンロードログファイルによるデータ連動回復を使えるバージョンと製品の組み合わせを次の表に示します。なお,抽出側システムがDatareplicator以外の製品については,各製品の該当するマニュアルを参照してください。
反映側システム |
抽出側システム |
||
---|---|---|---|
Datareplicator |
|||
06-01 以前 |
06-01-/A 以降※ |
||
Datareplicator |
04-00-/O以降 |
× |
○ |
05-03-/D以降 |
× |
○ |
|
06-01-/A以降※ |
× |
○ |
|
07-00以降,及び08-00以降 |
× |
○ |
|
上記以外 |
× |
× |
|
XDM/DS |
08-00-A |
× |
○ |
08-02以降 |
× |
○ |
|
上記以外 |
× |
× |
- (凡例)
-
○:アンロードログファイルによるデータ連動回復を使えます。
×:アンロードログファイルによるデータ連動回復を使えません。
- 注※
-
logmrgコマンドの入力対象となるHiRDBのファイルがラージファイルの場合,アンロードログファイルによるデータ連動回復が有効なHiRDB Datareplicatorのバージョンは,06-02以降になります。
(2) 前提条件
HiRDBのアンロードログファイルを使うため,回復対象のログを含むアンロードログファイルがすべてそろっていることが前提条件です。
データ連動に不整合が発生した要因とアンロードログファイルによるデータ連動回復の適用可否(抽出側システム)を,次の表に示します。
製品 |
データ連動不整合の発生要因 |
適用可否 |
回復範囲 |
||
---|---|---|---|---|---|
抽出側Datareplicator |
運用誤り |
連動停止指示(定義変更) |
pd_rpl_init_startオペランドをYからNに変更 |
適用可 |
すべてのBES |
pd_rpl_hdepathオペランドを無効化 |
適用不可※ |
− |
|||
pd_log_rpl_no_standby_file_oprオペランドをcontinueに設定している状態でのシステムログファイル満杯発生 |
適用可 |
満杯が発生したBESが属するユニット内のBES |
|||
連動停止指示(コマンドの入力間違い) |
pdrplstopコマンド実行 |
適用可 |
すべてのBES |
||
pdlogchg -Rコマンド実行 |
適用可 |
コマンドを実行したBES |
|||
抽出側Datareplicatorを初期化 |
適用可 |
すべてのBES |
|||
長大なトランザクションを実行したことで,キューファイルが満杯 |
適用不要(キューの追加で回復) |
− |
|||
抽出対象表の定義変更(DROP又はCREATE TABLE) 実行後の抽出定義プリプロセス未実行 |
適用不可※ |
− |
|||
ログレスモードでのデータベースの更新 |
適用不可※ |
− |
|||
障害 |
ハードウェア |
キューファイルなどのディスク障害 |
適用可 |
障害が発生したBES |
|
ソフトウェア |
プロセスの停止 |
適用不要(リラン実行で回復) |
プロセスが停止したBES |
- 注※
-
HiRDB Dataextractor,XDM/XTによる回復が必要です。
データ連動に不整合が発生した要因とアンロードログファイルによるデータ連動回復の適用可否(反映側システム)を,次の表に示します。
製品 |
データ連動不整合の発生要因 |
適用可否 |
回復範囲 |
||
---|---|---|---|---|---|
反映側Datareplicator |
運用誤り |
反映側Datareplicator初期化 |
適用可 |
対応するBES |
|
長大なトランザクションを実行したことで,キューファイルが満杯 |
適用不要(初期化によるキューの追加で回復) |
− |
|||
障害 |
ハードウェア |
キューファイルなどのディスク障害 |
適用可 |
対応するBES |
|
ソフトウェア |
プロセスの停止 |
適用不要(リラン実行で回復) |
プロセスが停止したBES |
||
反映側XDM/DS |
運用誤り |
反映側XDM/DS初期化 |
適用可 |
対応するBES |
|
長大なトランザクションを実行したことで,キューファイルが満杯 |
適用不要(データセットを追加して回復) |
− |
|||
障害 |
ハードウェア |
キューファイルなどのディスク障害 |
適用可 |
対応するBES |
|
ソフトウェア |
プロセスの停止 |
適用不要(リラン実行で回復) |
− |
(3) 制限事項
アンロードログファイルによるデータ連動回復を適用するときの制限事項を次に示します。
-
トランザクションについての制限
データ連動回復機能の入力として指定するアンロードログファイル中に回復対象のトランザクションが完全に含まれていないときは,そのトランザクションは回復対象外になります。回復対象トランザクションの開始又は終了が入力アンロードログファイル中に含まれていない場合は,回復を実行する過程で警告ファイル(resfile_BES名)が出力されるので,内容を確認して,必要であれば入力するアンロードログファイルを追加してください(詳細については,「9.6.3(2)アンロードログファイルの準備」を参照してください)。
HiRDB側のデータ連動中止範囲を回復対象外にするときは,その範囲を渡るトランザクションは回復対象外になります。
-
反映側での反映方式についての制限
次の条件のどちらかを満たすときは,アンロードログファイルによるデータ連動回復は適用できません。HiRDB DataextractorやXDM/XTで回復してください。
・マッピングキーを更新している。
・表単位反映方式で反映処理をしている。ただし,反映側システムで反映抑止機能をサポートしているバージョンは除きます。反映抑止機能の使用については,「9.6.8 反映側システムで表単位反映方式で反映処理する場合の反映抑止方法」を参照してください。
-
アンインストールについての制限
アンロードログファイルによるデータ連動回復機能をセットアップした状態でDatareplicatorをアンインストールすると,Datareplicatorを再インストールしたときにこのデータ連動回復機能をセットアップできなくなります。
Datareplicatorのアンインストールは,必ずアンロードログファイルによるデータ連動回復機能をアンセットアップした状態で実行してください。
(4) 注意事項
-
マッピングキー更新を行っている場合,反映側Datareplicatorの最後の反映処理中にCOMMITエラー,もしくはシステム障害となった場合,回復する最初のトランザクションでSQLエラー(SQLCODEが100,もしくは-803)となる場合があります。
この現象が発生した場合,反映環境定義のskip_sqlcodeオペランドを使い,処理を継続可能にすることができます。ただし,回復後速やかに,当オペランドを削除してください。
-
反映システム定義にcommitment_method = fxa_sqleを指定している場合,反映側Datareplicatorがエラー停止している,もしくはhdsstop -t forceで強制停止している場合,HiRDBに未決着のトランザクションが残る場合があります。HiRDBのpdrbkコマンドでトランザクションを決着させた後,回復作業を実施してください。