Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


4.6.5 抽出処理の開始方式の設計

抽出処理の開始方式を設計します。抽出処理の開始方式には,同時開始送信遅延開始,及び抽出遅延開始があります。抽出処理の開始方式と開始タイミングの関係を次の図に示します。

図4‒35 抽出処理の開始方式と開始タイミングの関係

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) 同時開始

抽出側Datareplicatorの起動と同時に,抽出と送信を開始します。同時開始とすると,システムログファイルの更新情報を抽出した順に逐次,送信します。

使用目的

システムログファイルの更新情報を抽出した順に逐次,反映側システムに送信する場合に有効です。

コマンドの実行

hdestartコマンドを実行します。

(2) 送信遅延開始

抽出側Datareplicatorの起動時には抽出だけを開始し,hdestart -sコマンドによって送信の開始が要求された時点で,送信を開始します。反映側システムが起動されていないときや,反映側システムの負荷が高い時間を避けて運用するときに使います。

送信遅延開始とすると,抽出情報キューファイルに格納されている更新情報は送信されないで,抽出した更新情報が格納されていくため,抽出情報キューファイルの容量を十分に確保する必要があります。

使用目的

反映側システムが起動されていないときや,反映側システムの負荷が高い時間を避けて運用するときに有効です。

コマンドの実行

hdestart -eコマンドを実行します。送信の開始時には,hdestart -sコマンドを実行します。hdestart -sコマンドに送信先識別子を指定すると,特定の送信先への送信だけを開始することもできます。

(3) 抽出遅延開始

抽出側Datareplicatorの起動時には送信だけを開始し,hdestart -eコマンドによって抽出の開始が要求された時点で,抽出を開始します。抽出側HiRDBのオンライン中の負荷を考慮して運用するときに使います。

抽出遅延開始とすると,抽出側HiRDBのシステムログファイルから更新情報を抽出しないため,システムログファイルが抽出完了になりません(スワップ先になりません)。このため,抽出側HiRDBで大量のトランザクションを処理することが予想される場合には,システムログファイルの容量を十分確保する必要があります。

使用目的

抽出側HiRDBのオンライン中の負荷を考慮して運用するときに有効です。

コマンドの実行

hdestart -sコマンドを実行します。hdestart -sコマンドに送信先識別子を指定すると,特定の送信先への送信だけを開始することもできます。抽出の開始時には,hdestart -eコマンドを実行します。