Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


2.4.2 反映側Datareplicatorの環境変数

反映側Datareplicatorの環境変数の設定内容と設定例について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 反映側Datareplicatorの環境変数の設定内容

反映側Datareplicatorの環境変数は,反映側Datareplicatorのコマンドを実行するユーザの環境に対して設定します。

反映側Datareplicatorの環境変数の設定内容を次の表に示します。

表2‒10 反映側Datareplicatorの環境変数の設定内容

環境変数

設定内容

PATH

反映側Datareplicatorのコマンドライブラリの名称を指定します。※1

LANG

反映側Datareplicatorのメッセージや定義で使う文字コードを指定します。

反映システム定義のdblocale及びmsglocaleオペランドに指定した内容を基に,該当する文字コードを指定してください。

TZ

反映側Datareplicatorのメッセージ出力時のタイムゾーンを指定します。

PDDIR※2

反映側HiRDBの運用ディレクトリを指定します。

PDNAMEPORT※2

反映側HiRDBのポート番号を指定します。

PDHOST※2

反映側HiRDBのホスト名を指定します。

PDLANG※2

反映側HiRDBの文字コードがUTF-8の場合,「UTF-8」を指定します。

反映側HiRDBの文字コードがUTF-8以外の場合は,指定する必要はありません。

SHLIB_PATH※2※3

$PDDIR/libを指定します。Linux(IPF)版,及びHP-UX(IPF)版を使用する場合には,$PDDIR/lib:$PDDIR/client/libを指定してください。

HDSPATH

反映側Datareplicatorの運用ディレクトリを指定します。このディレクトリ下に反映側Datareplicatorの定義ファイル,ステータスファイル,エラー情報ファイル,稼働トレースファイルを作成します。

注意

  • 指定する運用ディレクトリのパス名の長さは,64バイト以内にしてください。

  • 指定する運用ディレクトリに表2-11で示す権限を設定してください。

  • 抽出側Datareplicatorと反映側Datareplicatorが同じマシン上にある場合には,環境変数HDEPATHとHDSPATHとで同じディレクトリを指定しないでください。

HDS_MST_STDCLOSE

反映側Datareplicatorで,標準入力,標準出力,及び標準エラー出力をクローズするかどうかを指定します。

この環境変数を省略又は「TRUE」を指定:

反映側Datareplicatorで,標準入力,標準出力,及び標準エラー出力をクローズします。

「FALSE」を指定:

反映側Datareplicatorで,標準入力,標準出力,及び標準エラー出力をクローズしません。

「FALSE」を指定した場合,反映情報編集UOCで標準入力,標準出力,及び標準エラー出力を使用できます。

この環境変数を設定しないまま反映情報編集UOCで標準入力,標準出力,又は標準エラー出力を使用した場合,反映が正常に実行されないおそれがあります。反映情報編集UOCで標準入力,標準出力,又は標準エラー出力を使用する場合は,必ずこの環境変数に「FALSE」を設定してください。

HDS_RFI_ELANG※4

hdsrefinfmコマンドを実行する際の抽出側システムの文字コードを指定します。

指定されていない場合は,反映ステータスファイルを基に自動判別します。ただし,反映側の初期化直後に定義情報を表示する場合は,自動判別できません。自動判別できない場合は,ja_JP.SJISを仮定します。

HDS_RFI_PLANG※4

hdsrefinfmコマンドを実行する際の反映側システムの文字コードを指定します。

指定されていない場合は,ja_JP.SJISを仮定します。

HDSCLTWAITTIME

HiRDBのクライアント環境定義PDCWAITTIME(クライアントの最大待ち時間)とPDSWAITTIME(サーバの最大待ち時間)※5の設定値を,反映側Datareplicatorで有効にするかどうかを指定します。

この環境変数の指定は任意のため,指定する必要がない場合は省略することをお勧めします。

「USER」を指定:

HiRDBのクライアント環境定義の値を有効にします。

「REPL」を指定:

HiRDBのクライアント環境定義の値を無効にして,次の値を設定します。

  • PDCWAITTIME

    0(応答があるまで待ち続ける)を設定します。

  • PDSWAITTIME

    反映システム定義commit_wait_timeオペランドの値※6+600(秒)を設定します。

    反映トランザクション同期機能を使用している場合は,反映システム定義syncwait_limit_timeオペランドの値+600(秒)を設定します。

    なお,設定値が65,535を超える場合は65,535が設定されます。

この環境変数を省略した場合

反映情報編集UOCを実行するときは「USER」の指定値が仮定され,反映SQLプロセスを実行するときは「REPL」の指定値が仮定されます。

「USER」を指定する場合

HiRDBのクライアント環境定義PDCWAITTIMEとPDSWAITTIMEには,次のオペランドの指定値より大きな値を設定してください。

  • PDCWAITTIME

    HiRDBのpd_lck_wait_timeoutオペランド

  • PDSWAITTIME

    反映システム定義のcommit_wait_timeオペランド及びsyncwait_limit_timeオペランド

PDCWAITTIMEとPDSWAITTIMEに設定した値が小さいと,HiRDBの監視時間を超えてしまうことがあります。この場合,反映側DatareplicatorのプロセスはSQLエラーを検知して異常終了します。

EXTSHM

(AIX版だけ)

プロセス空間の共有メモリ領域数の制限をなくすことを示す「ON」を設定します。

共有メモリが不足したときに設定します。不足していないときの設定は任意です。

PSALLOC

(AIX版だけ)

メモリ確保時に必要なページングスペースをすぐに確保することを示す「early」を設定します。AIXは,通常メモリ確保時にはページングスペースを確保しません。

必ず設定してください。

LDR_CNTRL

(AIX版だけ)

MAXDATA=メモリサイズ

プログラムを実行するのに必要なメモリサイズを設定します。メモリサイズは,0x20000000〜0x80000000の範囲で2GBまでです。メモリは256MB単位で設定します。ただし,メモリサイズは共有メモリとmmap領域部分と共通なので,バランスを考慮する必要があります。

共有メモリが不足したときに設定します。不足していないときの設定は任意です。メモリが不足したときは,0x20000000を設定して起動します。それでも不足するときは0x10000000ずつ増やして再起動します。

NODISCLAIM

(AIX版だけ)

free()に対するコールの処理方法として,nodisclaim()の発行を抑止することを示す「true」を設定します。

必ず設定してください。

HDS_SHM_MODE

(HP-IPF版だけ)

反映側Datareplicatorで確保する共用メモリのアドレッシングモードを指定します。

この環境変数は,反映側Datareplicatorのコマンドを実行するユーザの環境に対して設定してください。反映情報編集UOCを使用しない場合,又は64ビット版の反映情報編集UOCだけを使用する場合は「64」を指定してください。※7

32ビット版の反映情報編集UOCを使用する場合は,省略又は「64」以外を指定してください。

「64」を指定した場合

反映側Datareplicatorで使用する共用メモリを64ビットアドレッシングモードの空間に確保します。

省略又は「64」以外を指定

反映側Datareplicatorで使用する共用メモリを32ビット/64ビット互換アドレッシングモードの空間に確保します。

注※1

コマンドライブラリの名称は, /opt/hirdbds/bin/ です。

注※2

反映側HiRDBの環境変数です。環境変数の設定内容については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。

注※3

Linux版の場合はLD_LIBRARY_PATHです。

AIX版の場合はLIBPATHです。

注※4

HDS_RFI_ELANG,及びHDS_RFI_PLANGの指定値を次に示します。

環境変数

文字コード

JIS8/シフトJIS

EUC

Unicode(UTF-8)

EBCDIC/KEIS

EBCDIK/KEIS

HDS_RFI_ELANG

ja_JP.SJIS

ja_JP.UJIS

ja_JP.UTF8

EBCDIK

HDS_RFI_PLANG

ja_JP.SJIS

ja_JP.UJIS

ja_JP.UTF8

(凡例)

−:該当しません。

注※5

HiRDBのクライアント環境定義PDSWATCHTIMEは対象外です。HiRDBのクライアント環境定義に指定した値が常に有効となります。

注※6

反映環境定義のcommit_wait_timeオペランドを指定している場合は,反映環境定義に指定した値が有効になります。

注※7

HDS_SHM_MODEを省略,又は「64」以外を指定した場合,共用メモリを32ビット/64ビット互換アドレッシングモードの空間に確保します。この空間は2GB以下の領域に確保され,ほかの32ビット/64ビット互換PPやAPがその領域で動作する環境では,OS全体のメモリに余裕があってもメモリ不足が発生することがあります。

表2‒11 反映側Datareplicatorの運用ディレクトリに設定する権限

項番

実行ユーザ

設定する権限

1

抽出側Datareplicatorの使用者

読み込み権限

書き込み権限

実行権限

2

抽出側Datareplicatorの使用者と同一グループ

読み込み権限

3

その他のグループ

読み込み権限

(2) 反映側Datareplicatorの環境変数の設定例

反映側Datareplicatorの環境変数の設定例を次に示します。

下記の例は,HP-UX版Datareplicatorの場合で説明します。

注※

環境変数LANGの設定方法については,該当するOSのマニュアルを参照してください。

この例では,反映側Datareplicator定義を /opt/hirdb/define/ディレクトリに格納していることを想定しています。また,TZ環境変数とHiRDBの環境変数の指定は省略しています。

TZ環境変数の設定方法については,該当するOSのマニュアルを参照してください。

反映側HiRDBの環境変数($PDDIR,$PDCONFPATH,$PDNAMEPORT,$PDHOST,$SHLIB_PATH)の設定例については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。