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HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


1.2.2 データ連動の仕組み

データ連動システムの組み合わせ別に,データ連動の仕組みについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) HiRDBからHiRDBへのデータ連動

HiRDBからHiRDBへのデータ連動の仕組みを説明します。

抽出側DBが更新されると,抽出側Datareplicatorが更新情報(UAPがデータベースを更新した情報)をHiRDBのシステムログファイルから抽出して,抽出情報キューファイルに格納します。これを抽出処理といいます。ユーザオウンコーディング(UOC)を使うと,更新情報をチェックして,反映側Datareplicatorへの送信対象にするかどうかを判定できます。

更新情報は,抽出側Datareplicatorに定義した送信間隔ごとに,反映側Datareplicatorに送信され,反映情報キューファイルに格納されます。反映情報キューファイルに格納された更新情報は,反映側Datareplicatorに定義した抽出側DBのトランザクション数ごとに,反映側DBに反映されます。これを反映処理といいます。このとき,反映側DBへの更新は抽出側DBの更新に同期しません。

反映側DBへの反映には,反映側Datareplicatorが自動的に反映する方法と,ユーザオウンコーディング(UOC)を使って任意に反映する方法の2種類があります。

HiRDBからHiRDBへのデータ連動の仕組みを次の図に示します。

図1‒3 HiRDBからHiRDBへのデータ連動の仕組み

[図データ]

注※1

抽出側Datareplicatorが自動的に送信する方法です。

注※2

更新情報をチェックしてから送信するときに使うUOCです。

注※3

反映側Datareplicatorが自動的に反映する方法です。

注※4

更新情報を編集して反映するときに使うUOCです。

注※5

反映側Datareplicatorが自動的に反映する方法の場合です。UOCを経由して反映する方法を使うと,更新情報を任意に加工して反映できます。

(2) HiRDBからメインフレーム側DBへのデータ連動

HiRDBからメインフレーム側DB(XDM/RD E2)へのデータ連動の仕組みを説明します。

抽出側DBが更新されると,抽出側Datareplicatorが更新情報をHiRDBのシステムログファイルから抽出して,抽出情報キューファイルに格納します。ユーザオウンコーディング(UOC)を使うと,更新情報をチェックして,反映側Datareplicatorへの送信対象にするかどうかを判定できます。

更新情報は,抽出側Datareplicatorに指定した送信間隔ごとにメインフレーム側のデータ連動製品 XDM/DSに送信されて,更新情報データセットに格納されます。格納された更新情報は,XDM/DSに指定した抽出側DBのトランザクション数ごとに,反映側DBに反映されます。このとき,反映側DBへの更新は抽出側DBの更新に同期しません。

反映側DBへの反映方法には,XDM/DSが自動的に反映する方法と,UOCで任意に反映する方法の2種類があります。

HiRDBからメインフレーム側DBへのデータ連動の仕組みを次の図に示します。

図1‒4 HiRDBからメインフレーム側DBへのデータ連動の仕組み

[図データ]

注※1

抽出側Datareplicatorが自動的に送信する方法です。

注※2

更新情報をチェックしてから送信するときに使うUOCです。

注※3

反映側のXDM/DSが自動的に反映する方法です。

注※4

更新情報を編集して反映するときに使うUOCです。

(3) メインフレーム側DBからHiRDBへのデータ連動

メインフレーム側DB(XDM/SD E2,XDM/RD E2,ADM,PDMII E2,TMS-4V/SP)からHiRDBへのデータ連動の仕組みを説明します。

抽出側DBが更新されると,メインフレーム側のデータ連動製品 XDM/DSが更新情報を抽出して,メインフレーム側の更新情報データセットに格納します。

更新情報は,XDM/DSで指定する送信間隔ごとに,反映側Datareplicatorに送信され,反映情報キューファイルに格納されます。反映情報キューファイルに格納された更新情報は,反映側Datareplicatorに定義した抽出側DBのトランザクション数ごとに,反映側DBに反映されます。このとき,反映側DBへの更新は抽出側DBの更新に同期しません。

反映側DBへの反映方法には,Datareplicatorが自動的に反映する方法と,UOCを使って任意に反映する方法の2種類があります。

メインフレーム側DBからHiRDBへのデータ連動の仕組みを次の図に示します。

図1‒5 メインフレーム側DBからHiRDBへのデータ連動の仕組み

[図データ]

注※1

XDM/SD E2,XDM/RD E2,ADM,VOS3 PDMⅡ E2,TMS-4V/SPのどれか一つが必要です。TMS-4V/SPの場合は,TMS-4V/SP/データ連携支援が必要です。

注※2

反映側Datareplicatorが自動的に反映する方法です。

注※3

更新情報を編集して反映するときに使うUOCです。

注※4

抽出側DBがXDM/RD E2の場合の例です。

注※5

反映側Datareplicatorが自動的に反映する方法の場合の例です。UOCを経由して反映する方法を使うと,更新情報を任意に加工して反映できます。

(4) SAMファイルを使った,メインフレーム側DBからHiRDBへのデータ連動

SAMファイルとは,ファイルの先頭から順番にデータが格納されているファイルのことです。Datareplicatorの場合,SAMファイルをVOS1 PDMII E2又はVOS1 RDB1 E2とのデータ連動のために使います。SAMファイルを使って,メインフレーム側DB(PDMII E2,RDB1 E2)からHiRDBへデータ連動する仕組みを説明します。

抽出側DBが更新されると,メインフレーム側の定義に従って更新情報を抽出して,メインフレーム側の更新情報データセットを経由して, SAMファイルに格納します。このSAMファイルは,次に示すファイル転送プログラムを使って,反映側Datareplicatorのシステムにバイナリ形式で転送します。

VOS3 PDMII E2

VOS3 XFIT,XNF/TCP,IFIT-TSS E2を使ったファイル転送

VOS1 PDMII E2VOS1 RDB1 E2

VOS1 XFIT,HCAM/TCP,IFIT/IEXを使ったファイル転送

反映側システムのどのディレクトリにSAMファイルが格納されるかは,ファイル転送プログラムの指定で決まります。

反映側Datareplicatorでは,手動で更新情報入力コマンドhdssamqinコマンド)を実行して,SAMファイルから反映情報キューファイルに更新情報を格納します。反映情報キューファイルに格納された更新情報は,反映側Datareplicatorに指定した抽出側DBのトランザクション数ごとに,反映側DBに反映されます。このとき,反映側DBへの更新は抽出側DBの更新に同期しません。

反映側DBへの反映方法には,Datareplicatorが自動的に反映する方法と,UOCを使って任意に反映する方法の2種類があります。

SAMファイルを使って,メインフレーム側DBからHiRDBへのデータ連動の仕組みを次の図に示します。

図1‒6  SAMファイルを使って,メインフレーム側DBからHiRDBへのデータ連動の仕組み

[図データ]

注※1

反映側Datareplicatorが自動的に反映する方法です。

注※2

更新情報を編集して反映するときに使うUOCです。

注※3

SAMファイルから反映情報キューファイルに更新情報を格納するときは,Datareplicatorのコマンド(hdssamqinコマンド)を実行する必要があります。この操作は手動で実行します。

注※4

反映側Datareplicatorが自動的に反映する方法の場合の例です。UOCを経由して反映する方法を使うと,更新情報を任意に加工して反映できます。