Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 UAP開発ガイド


15.5.3 HiRDBConnection

〈この項の構成〉

(1) コンストラクタ

(a) HiRDBConnection

void HiRDBConnection ()

説明:HiRDBConnectionの新しいインスタンスを初期化します。

void HiRDBConnection (string)
引数

string ConnectionString:接続設定を格納している文字列(ConnectionStringプロパティ)

説明:接続文字列を指定して,HiRDBConnectionクラスの新しいインスタンスを初期化します。

(2) プロパティ

(a) ConnectionString

型:string

既定値:""

説明:データベースを開くために使用する文字列を取得又は設定します。

例外:HiRDBException

このプロパティには一つのstring型引数を指定する必要があります。指定する文字列は接続文字列と呼ばれるもので,これはADOやADO.NETのConnectionで使用する接続文字列と同種のものです。指定できる文字列を次に示します。

文字列

内容

  • datasource

  • dsn

  • env

使用するレジストリの設定。HiRDBクライアント環境変数登録ツールで作成した環境変数グループ名,又は環境変数グループファイル名(絶対パス)を指定します。

  • uid

  • userid

DB接続で使用する認可識別子。

  • password

  • Pwd

DB接続で使用するパスワード。

  • PD*

クライアント環境定義の設定。

指定の規則を次に示します。このプロパティ以外にも指定方法があります。指定値の優先順位に関する詳細は,「接続情報の優先順位」を参照してください。

  • 各指定値は,セミコロンで区切ります。

  • 大文字小文字の区別はありません。区別させたい場合は,その部分を引用符で囲んでください。

  • 空白やタブは無視されます(引用符で囲まれた部分は除きます)。

  • 接続文字列と無関係な文字列を指定すると,例外が発生します。ただし,「Provider」については,例外は発生しないで無視されます。これはDataProvider層でOleDb Data Providerとの互換性を保つためです。

(b) ConnectionTimeout

型:int

既定値:

対応するADO.NETのバージョンが1.1の場合は15

対応するADO.NETのバージョンが2.0の場合は0

説明:試行を中断してエラーを生成する前に,接続の確立時に待機する時間を取得します(読み取り専用)。

(c) Database

型:string

既定値:""

説明:現在のデータベース,又は接続が開いてから使用するデータベースの名前を取得します(読み取り専用)。

(d) DataSource

型:string

既定値:""

説明:接続しているデータベースサーバの名前を取得します(読み取り専用)。

(e) ServerVersion

型:string

既定値:""

説明:接続中のサーバのバージョンを取得します(読み取り専用)。

String.Compare()を使用して比較できる正規化された形式で返します。バージョンの形式を次に示します。

XX.YY.ZZZZ

XX:メジャーバージョン

YY:マイナーバージョン

ZZZZ:"0000"固定

(f) LifeTime

型:int

既定値:60

説明:実際に切断するまでの時間を取得又は設定します。指定値の単位は秒で,0〜2147483の間で指定してください。0を指定した場合,又は2147483を超える値を指定した場合は即座に切断します。負の値を指定した場合は指定値を無視します。

例外:HiRDBException

(g) Pooling

型:bool

既定値:true

説明:プーリングを行うかどうかを取得又は設定します。

プーリングを行う場合はtrue,それ以外の場合はfalseとなります。

例外:HiRDBException

(h) State

型:System.Data.ConnectionState

既定値:ConnectionState.Closed

説明:現在の接続状態を取得します(読み取り専用)。

(i) ConnectionRecover

型:bool

既定値:true

説明:接続プーリング機能使用時に,接続回復機能を使用するかどうかを取得又は設定します。

接続回復機能を使用する場合はtrue,使用しない場合はfalseとなります。接続回復機能については,「HiRDBデータプロバイダ for .NET Frameworkの接続プーリングにおける接続回復機能」を参照してください。

例外:HiRDBException

(3) メソッド

(a) BeginTransaction

BeginTransaction ()
Return

HiRDBTransaction:新しいトランザクションを表すオブジェクト

説明:データベースでトランザクションを開始します。

例外:HiRDBException

BeginTransaction (System.Data.IsolationLevel)
引数

System.Data.IsolationLevel:IsolationLevel値の一つ

Return

HiRDBTransaction:新しいトランザクションを表すオブジェクト

説明:指定した IsolationLevel値を使用して,データベースでトランザクションを開始します。

例外:HiRDBException

(b) ChangeDatabase

void ChangeDatabase (string)

引数

string databaseName:変更するデータベースの名前

Return:void

説明:開いているHiRDBConnectionオブジェクトの現在のデータベースを変更します。

例外:HiRDBException

(c) Clone

HiRDBConnection Clone()

Return:無条件にnullを返します。

説明:無条件にnullを返します。

(d) Close

void Close ()

Return:void

説明:データベースへの接続を閉じます。

(e) CreateCommand

Hitachi.HiRDB.HiRDBCommand CreateCommand ()

Return

HiRDBCommand:HiRDBCommandオブジェクト

説明:接続に関連づけられたHiRDBCommandオブジェクトを作成し,返します。

(f) Dispose

void Dispose()

Return:void

説明:HiRDBConnectionが使用しているすべてのリソースを解放します。

(g) EnlistTransaction

void EnlistTransaction (Transaction)

引数

transaction:登録先となる既存のTransactionオブジェクト

Return:void

説明:指定されたトランザクションに登録します。

例外:HiRDBException

(h) GetSchema

DataTable GetSchema ()

Return:DataTableオブジェクト

説明:スキーマ情報を返します。

DataTable GetSchema (string)
引数

collectionName:返すスキーマの名前

Return:DataTableオブジェクト

説明:スキーマ情報を返します。

DataTable GetSchema (string, string[])
引数

collectionName:返すスキーマの名前

restrictionValues:要求したスキーマの制限値

Return:DataTableオブジェクト

説明:スキーマ情報を返します。

(i) Open

void Open ()

Return:void

説明:HiRDBConnectionオブジェクトのConnectionStringプロパティで指定されている設定で,データベース接続を開きます。

例外:HiRDBException