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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 UAP開発ガイド


11.1.5 コマンドトレース機能

UAPからのコマンド実行時(SQLのCOMMAND EXECUTE実行時)に,クライアントのトレース情報をコマンドトレースファイルに出力します。

コマンドトレースファイルが取得情報で満杯になると,最も古い情報から順次新しい情報に書き替えられます。

〈この項の構成〉

(1) コマンドトレース情報の取得方法

コマンドトレースは,クライアント環境定義のPDCLTPATH及びPDCMDTRACEに値を設定することで取得できます。各クライアント環境定義については,「クライアント環境定義(環境変数の設定)」を参照してください。

pdccmd1.trcとpdccmd2.trcという名称の二つのコマンドトレースファイルが,指定したディレクトリ下に作成されます。

(2) コマンドトレース情報の見方

コマンドトレースは,UAPからのコマンド実行時に出力されます。

出力されるコマンドトレースの例とその説明を次に示します。

[出力例]

** COMMAND TRACE (CLT:06-00:Jan 11 2001) HP32 **  [1]
 
  USER APPLICATION PROGRAM FILE NAME : TESTAP  [2]
  COMMAND START TIME : 2001/01/11 10:55:27  [3]
  COMMAND EXECUTE ENVIRONMENT & STATUS :  [4]
    PDASTHOST(dcm3500)
    PDASTPORT(20266)
    PDSYSTEMID("HRD1")
    PDUSER("hirdb")
    PDASTUSER("hirdb ")
    PDCMDWAITTIME(0)
    ENVGROUP("")
    CLTPID(9155) CLTTID(0)
  [5]  [6]          [7]         [8]        [9]
  9155  0  2001/01/11 10:55:27   0  pdhold -r RDDATA01
  9155  0  2001/01/11 10:55:27   1  KFPZ02444-E Communication error,
                                    func=connect, errno=2

[説明]

  1. コマンドトレースヘッダ

    ヘッダには次の情報が表示されます。

    • リンクしたライブラリのバージョン

    • ライブラリの作成日付(Mmm dd yyyyの形式)

    • 実行プラットフォーム(プラットフォームとして表示される文字については,「SQLトレース情報の見方」の[説明]を参照してください)

  2. UAP名称

    クライアント環境定義PDCLTAPNAMEでの指定値が表示されます。

  3. コマンド開始日時

    コマンド実行を開始した日時が表示されます。

  4. コマンド実行環境及びステータス

    コマンド実行時のクライアント環境定義の値,及びステータスが表示されます。

  5. UAPのプロセス番号

    UAPのプロセス番号が表示されます。

    なお,正しいプロセス番号が取得できない場合,不正な数値が表示される場合があります(Windows版の場合)。

  6. UAPのスレッド番号

    UAPがマルチスレッドで動作している場合,UAPのスレッド番号が表示されます。マルチスレッドで動作していない場合,0が表示されます。なお,正しいスレッド番号を取得できないで,不正な数値を表示する場合があります。

  7. コマンドトレース取得日時

    コマンドトレースを取得した日時が表示されます。

  8. コマンドトレースカウンタ

    コマンドトレースを受け付けるごとに,順次カウントした番号が表示されます。0〜65535までカウントされます。

  9. トレースデータ

    トレースデータが表示されます。

(3) コマンドトレースファイルのバックアップの取得

コマンドトレース情報を出力中にコマンドトレースファイルの容量が一杯になると,HiRDBはそのファイルへ出力しないで,もう一方のコマンドトレースファイルに情報を出力します。このとき,切り替え先のコマンドトレースファイルに格納されている古いコマンドトレース情報から順に消去され,新しいコマンドトレース情報に書き換えられます。このため,必要な情報はUAP終了時にコマンドトレースファイルの内容をコピーしてバックアップを取得しておいてください。

なお,現在使用しているコマンドトレースファイルを知りたい場合は,ファイルの最終更新日時を調べてください。最終更新日時の新しい方が現在使用しているコマンドトレースファイルになります。

HiRDBクライアントがWindows版の場合はdirコマンド又はエクスプローラで,ファイルの最終更新日時を調べてください。

HiRDBクライアントがUNIX版の場合はOSのls -lコマンドで,ファイルの最終更新日時を調べてください。