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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 UAP開発ガイド


6.7.2 Windows環境の場合(レジストリ登録)

環境変数をレジストリに登録する場合,HiRDBクライアント環境変数登録ツールを使用します。

HiRDBクライアント環境変数登録ツールを使用する場合,xxxx\UTL\pdcltadm.exeを実行します(xxxxはHiRDBサーバの場合は%PDDIR%\client,HiRDBクライアントの場合はHiRDBクライアントのインストールディレクトリ)。

HiRDBクライアント環境変数登録ツールを実行するユーザの権限によって操作の可否が異なります。ユーザ権限と操作の可否を次の表に示します。

表6‒55 HiRDBクライアント環境変数登録ツールを実行するユーザの権限と操作の可否

項番

操作の対象

操作

HiRDBクライアント環境変数登録ツールを実行するユーザの権限

Administrators権限

PowerUsers権限

Users権限

1

ユーザグループ

更新

2

参照

3

システムグループ

更新

×

×

4

参照

5

OLE DBプロバイダ用トレース

更新

×

×

6

参照

(凡例)

○:操作できます。

×:権限がないため操作できません。

ユーザアカウント制御(UAC)を有効にしたマシンである場合,HiRDBクライアント環境変数登録ツールは,管理者として実行してください。管理者として実行しないと,システムグループに環境変数を登録できません。

HiRDBクライアント環境変数登録ツールで環境変数をレジストリに登録する手順を次に示します。

なお,OLE DB接続の場合,ユーザ環境変数,及びHIRDB.INIよりも,HiRDBクライアント環境変数登録ツールで登録した環境変数が優先されます。

Type4 JDBCドライバを使用する場合,この方法で設定したクライアント環境定義は有効になりません。また,PDJDBで始まるクライアント環境定義は,この方法で設定しても有効になりません。

〈この項の構成〉

(1) HiRDBクライアント環境変数登録ツールの起動

xxxx\UTL\pdcltadm.exeを実行してください。すると,次の「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」画面が表示されます。

[図データ]

[説明]

ユーザグループ:

ユーザごとに,環境変数グループの追加,削除,又は構成ができます。この情報は,HKEY_CURRENT_USER下に登録されます。

システムグループ:

コンピュータに対して,環境変数グループの追加,削除,又は構成ができます。この情報は,HKEY_LOCAL_MACHINE下に登録されます。

ユーザグループ,又はシステムグループのどちらかを選択したら,[追加]ボタンをクリックしてください。

注意事項:
  • OLTP下のX/Openに従ったAPIを使用したUAPをクライアントとする場合で,オープン文字列に指定する環境変数グループ名称を「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」で登録するときは,「システムグループ」を選択してください。オープン文字列については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。

  • Windows起動時に起動されるサービスによって自動起動されるUAPの場合,「ユーザグループ」が読み込めないため,「システムグループ」を選択してください。

(2) 環境変数グループの登録

「HiRDBクライアント環境変数セットアップ」画面が表示されます。

[図データ]

[説明]

グループ名称:

グループ名称を最大30バイトで指定します。

各環境変数を指定してください:

各環境変数の内容については,「クライアント環境定義の設定内容」を参照してください。

設定が終了したら,[OK]ボタンをクリックしてください。

[OK]ボタンをクリックすると,クライアント環境変数の設定をレジストリに登録して,「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」画面に戻ります。

[キャンセル]ボタンをクリックすると,クライアント環境変数の設定を無効にして,「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」画面に戻ります。

(3) 環境変数グループの設定内容の変更

環境変数グループを一つ以上登録すると,次の画面のように環境変数グループ名のリストが表示されます。

[図データ]

リスト中の環境変数グループ名を選択すると,[削除],[構成],[テスト]ボタンが有効になるので,[構成]ボタンをクリックしてください。又は,リスト中の環境変数グループ名をダブルクリックしてください。

すると,次の画面が表示されます。

[図データ]

環境変数の内容を変更したら,[OK]ボタンをクリックしてください。

[OK]ボタンをクリックすると,変更後のクライアント環境変数の設定をレジストリに登録して,「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」画面に戻ります。

[キャンセル]ボタンをクリックすると,変更後のクライアント環境変数の設定を無効にして,「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」画面に戻ります。

(4) 登録した環境変数グループでのHiRDB接続の確認

登録した環境変数グループを使用して,HiRDBへの接続確認ができます。

「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」画面の環境変数グループ名のリストから,接続確認したい環境変数グループ名を選択して,[接続]ボタンをクリックしてください。

すると,次の画面が表示されます。

[図データ]

[はい]ボタンをクリックしてください。

HiRDBへの接続が成功した場合には,次の画面が表示されます。

[図データ]

HiRDBへの接続が失敗した場合には,次の画面が表示されます。エラー要因が環境変数の内容の場合は,環境変数グループの設定内容を変更してください。

[図データ]

(5) 環境変数グループの削除

「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」画面の環境変数グループ名のリストから,削除したい環境変数グループ名を選択して,[削除]ボタンをクリックしてください。

すると,次の画面が表示されます。

[図データ]

(6) OLE DBプロバイダ用トレースの設定

OLE DBプロバイダ用トレースは,トラブルシュート用なので,トラブル調査以外では指定しないでください。トレースを取ると,極端に性能が劣化する場合があるので注意してください。

OLE DB接続時にOLE DBプロバイダ用トレースの設定をする場合は,「HiRDBクライアント環境変数登録ツール」画面の[OLE DBトレース]ボタンをクリックしてください。

すると,次の画面が表示されます。

[図データ]

トレースを取る場合は「トレースする」を選択して,[OK]ボタンをクリックしてください。ただし,「トレースしない」を選択して[OK]ボタンをクリックするまで,トレースを取り続けるので注意してください。

ログファイル名は,必ず絶対パス名で指定してください。

データサイズは,void*型データのダンプ出力サイズをバイト単位で指定してください。

なお,「トレースする」を選択している場合,ログファイル名及びデータサイズの指定は必須です。

複数接続機能を使用した場合に無効になる環境変数:

複数接続機能を使用する場合は,次に示す環境変数を接続先ごとに設定できません。次に示す環境変数を通常ファイル又はレジストリに登録して,接続先ごとに指定しても無効になります。

  • HiRDB_PDHOST

  • HiRDB_PDNAMEPORT

  • HiRDB_PDTMID

  • HiRDB_PDXAMODE

  • PDTMID

  • PDXAMODE

  • PDTXACANUM

(7) レジストリ登録でエラーが発生した場合

レジストリ登録時にレジストリ操作のAPIでエラーが発生した場合,次のどちらかの画面が表示されます。

[図データ]

[中止]ボタンをクリックすると,現在の操作を中止して元の画面に戻ります。

[無視]ボタンをクリックすると,エラーを無視して次の処理に進みます。

[図データ]

[OK]ボタンをクリックすると,現在の操作を中止して元の画面に戻ります。

画面の出力内容を次の表に示します。

項番

項目

内容

1

RegXXX

エラーが発生したAPI名を示します。

2

レジストリキー

対象のレジストリキーを示します。64ビットのレジストリビューが対象の場合は,先頭に「(64bit)」が付きます。

3

レジストリエントリ

対象のレジストリエントリを示します。レジストリキーが対象の場合は空となります。

4

エラーコード

APIからの戻り値,及びエラーコードに対応する文字列(OSから取得)を示します。

エラーコードが5の場合は,表「HiRDBクライアント環境変数登録ツールを実行するユーザの権限と操作の可否」を参照してツールを実行するユーザの権限を見直してください。