3.3.2 HiRDB/パラレルサーバの場合
- バックアップの取得単位について
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バックアップの取得は,必ずサーバ単位(バックエンドサーバ,ディクショナリサーバごと)に実施してください。サーバごとにログポイント情報ファイルを取得して,サーバごとにシステムログファイルを解放してください。
- バックアップの取得間隔について
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バックアップは毎日決まった時間に取得することをお勧めします。
なお,バックアップの取得間隔はシステムログファイルの容量に依存します。システムログファイルの容量が多いほど,バックアップの取得間隔を長くできます。スワップ先にできる状態のファイルがなくならないように,バックアップの取得間隔を決めてください。
- システムログファイルの個数について
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各サーバのシステムログファイルの個数は,各サーバで1日に使用するシステムログファイルの個数の倍以上にすることをお勧めします。
例えば,あるバックエンドサーバで1日に使用するシステムログファイルの個数が2個の場合,そのバックエンドサーバのシステムログファイルの個数は4個以上にしてください。
- フロントエンドサーバのシステムログファイルについて
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フロントエンドサーバのシステムログは,データベースの回復作業に必要ありません。そこで,フロントエンドサーバ定義にpd_log_unload_check=Nを指定することをお勧めします。そうすると,フロントエンドサーバのシステムログファイルのアンロード状態のチェックが解除されます。このため,フロントエンドサーバのシステムログファイルを解放する必要がなくなります。
pd_log_unload_check=Nを指定しない場合は,フロントエンドサーバのアンロード待ち状態のファイルに対して,pdlogchgコマンドでファイルの状態を強制的にアンロード済み状態にする必要があります。
- データベースに障害が発生した場合の回復方法
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アンロードレスシステムログ運用中にデータベースに障害が発生した場合,バックアップ及びシステムログ(バックアップ取得以降のシステムログ)を入力情報にしてデータベースを回復します。データベースの回復方法については,「データベースの回復方法」を参照してください。
- 運用例
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HiRDB/パラレルサーバの場合のアンロードレスシステムログ運用の手順を次の図に示します。
図3‒5 アンロードレスシステムログ運用の手順(HiRDB/パラレルサーバの場合)
- 〈この項の構成〉
(1) システムログファイルをスワップします
バックアップを取得する前に,pdlogswapコマンドで,バックアップを取得するサーバのシステムログファイルをスワップさせてください。
データベース回復時に必要なシステムログを物理的に分けるために,システムログファイルをスワップさせます。データベース回復時に必要なシステムログを格納しているシステムログファイルは,これ以降現用になったシステムログファイルです。
pdlogswap -d sys -s bes1 -w
(2) システムログファイルの状態を確認します
pdloglsコマンドで,システムログファイルの状態を確認してください。
pdlogls -d sys -s bes1
- 〔説明〕
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今日1日でlog01及びlog02のファイルを使用しました。したがって,両ファイルともアンロード待ち状態になっています。
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pdlogswap -wコマンドでシステムログファイルをスワップしたので,シンクポイントダンプが有効化されています。このため,log01及びlog02のファイルは上書きできる状態になっています。
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(3) バックアップを取得します
pdcopyコマンド(データベース複写ユティリティ)でバックエンドサーバ(bes1)下のRDエリアのバックアップを取得します。このとき,-zオプションを指定してログポイント情報ファイルも同時に取得してください。バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。
pdcopy -m C:\rdarea\mast\mast01 -M r -s bes1 -b C:\pdcopy\bes1bkup01 -z C:\pdcopy\bes1logp01
- 〔説明〕
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-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。
-M:バックアップ取得モードにはrを指定します。
-s:バックエンドサーバ(bes1)下のRDエリアのバックアップを取得する指定をします。
-b:バックアップファイル名を指定します。
-z:ログポイント情報ファイル名を指定します。
- ログポイント情報ファイルに障害が発生した場合
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ログポイント情報ファイルに障害が発生した場合,ここで取得したバックアップファイルからログポイント情報ファイルを再作成してください。pdrstr -zコマンド(データベース回復ユティリティ)で,ログポイント情報ファイルを再作成できます。
pdrstr -b C:\pdcopy\bes1bkup01 -z C:\pdcopy\bes1logp01
(4) システムログファイルを解放します
pdlogchgコマンドで,ログポイント以前のシステムログファイル(log01,log02)を解放してください。-zオプションには,(3)で取得したログポイント情報ファイルを指定します。
pdlogchg -z C:\pdcopy\bes1logp01 -x host01
(5) システムログファイルの状態を確認します
pdloglsコマンドで,バックエンドサーバ(bes1)のシステムログファイルの状態を確認してください。
pdlogls -d sys -s bes1
- 〔説明〕
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システムログファイルを解放したため,ファイルの状態がアンロード待ち状態からアンロード済み状態に変わります。
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したがって,ファイルの状態が上書きできる状態かつ,アンロード済み状態になったため,スワップ先にできない状態からスワップ先にできる状態に変わります。
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(6) スワップ先にできる状態のファイルがあるかを確認します
pdloglsコマンドで,スワップ先にできる状態のファイルがあるかを確認してください。
pdlogls -d sys -s bes1 pdlogls -d sys -s bes2 pdlogls -d sys -s bes3 pdlogls -d sys -s bes4 pdlogls -d sys -s dic
- 重要
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スワップ先にできる状態のファイルがない状態でシステムログファイルがスワップすると,そのユニットが異常終了します。したがって,HiRDB管理者はスワップ先にできる状態のファイルが常にあるように運用してください。なお,スワップ先にできる状態のファイルがなくなると,HiRDBはKFPS01224-Iメッセージをメッセージログファイル及びイベントログに出力します。