26.3.2 IPアドレスの構成例
系切り替え後,IPアドレスを引き継ぐかどうかで,ネットワークの構成及び運用方法が異なります。それぞれの運用方法については,次に示す箇所を参照してください。
ここではネットワーク構成の違いについて説明します。
- 基本方針
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ユーザサーバホットスタンバイの場合は,基本的にIPアドレスを引き継ぐシステム構成にすることをお勧めします(マルチスタンバイ構成は,IPアドレスを引き継ぐシステム構成の場合だけ適用できます)。IPアドレスを引き継がないシステム構成にすると,IPアドレスを引き継ぐ場合に比べて運用方法が難しくなります。また,高速系切り替えの場合は,IPアドレスを引き継ぐシステム構成にすることはできません。
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クラスタソフトウェアによってIPアドレスを引き継げる場合と引き継げない場合があります。各クラスタソフトウェアのマニュアルで確認してください。
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エイリアスIPアドレスを使用することをお勧めします。
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Microsoft Azure環境にクラスタ構成を構築する場合,IPアドレスを引き継がないシステム構成にしてください。ただし,クライアント接続用のIPアドレスだけを引き継ぐことはできます。クライアント接続用のIPアドレスだけを引き継ぐ設定は「パブリッククラウド環境に関する準備」を参照してください。
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(1) IPアドレスを引き継ぐ場合(ユーザサーバホットスタンバイ限定)
IPアドレスを引き継ぐには次に示す二つの方法があります。
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IPアドレスを切り替える
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LANアダプタを切り替える
(2) IPアドレスを引き継がない場合
IPアドレスを引き継がない場合は現用系と予備系とで異なるIPアドレス及びホスト名を設定します。したがって,HiRDBのシステム共通定義のpdunit -cオペランドに予備系のホスト名を指定する必要があります。
IPアドレスを引き継がない場合のネットワーク構成例を次の図に示します。
- 注意事項
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HiRDB/シングルサーバの場合は,クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに現用系及び予備系のホスト名を指定してください。
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システムマネジャのユニットがIPアドレスを引き継がない場合は,クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに現用系及び予備系のホスト名を指定してください。フロントエンドサーバのユニットがIPアドレスを引き継がない場合は,クライアント環境定義のPDFESHOSTオペランドに現用系及び予備系のホスト名を指定してください。そうすれば,系が切り替わった後もPDHOST,PDFESHOSTオペランドの指定値を変更する必要はありません。
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PDHOSTオペランドに現用系及び予備系のホスト名を指定した場合,実行系が現用系から予備系に切り替わると,UAPは一度現用系(待機系)に接続を試みて失敗した後に予備系(実行系)に接続するため,UAPの接続処理時間がその分だけ長くなります。この問題を解決するには,クライアント接続用のホスト名をエイリアスIPアドレスで設定し,そのIPアドレスを引き継ぐようにしてください。この場合のホスト名の指定方法については,「IPアドレスを引き継ぐかどうかでのホスト名の運用方法の違い」を参照してください。
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