26.3.3 IPアドレスを引き継ぐかどうかでのホスト名の運用方法の違い
ホスト名の運用方法(指定方法)をIPアドレスを引き継ぐ場合と,引き継がない場合とに分けて説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) HiRDB/シングルサーバの場合
(a) IPアドレスを引き継ぐ場合
IPアドレスを引き継ぐ場合のホスト名の運用方法(指定方法)を次に示します。システム構成は1:1系切り替え構成とします。
●システム構成例(IPアドレスを切り替える場合)
●システム構成例(LANアダプタを切り替える場合)
項目 |
指定するホスト名 |
|
---|---|---|
システム共通定義に指定するホスト名 |
pdunit -x hostA pdunit -x hostC pdstart -x hostA |
|
ユニット制御情報定義に指定するホスト名 |
pd_hostname=host1 |
|
rloginするときに指定するホスト名 |
hostA |
|
運用コマンドに指定するホスト名※ |
シングルサーバの場合 |
hostA(ホスト名を省略することをお勧めします) |
ユティリティ専用ユニットの場合 |
hostC |
|
ユティリティに指定するホスト名 |
シングルサーバの場合 |
hostA(ホスト名を省略することをお勧めします) |
ユティリティ専用ユニットの場合 |
hostC |
|
メッセージに表示されるホスト名 |
hostA |
|
統計情報に表示されるホスト名 |
hostA |
|
クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに指定するホスト名 |
hostA |
注※ ホスト名の代わりにユニット識別子が指定できます。
(b) IPアドレスを引き継がない場合
IPアドレスを引き継がない場合のホスト名の運用方法(指定方法)を次に示します。システム構成は1:1系切り替え構成とします。
●システム構成例
- ポイント
-
標準ホスト名を同じ(host1=host2)にすると,系の切り替わりをHiRDBが認識できません。したがって,標準ホスト名は異なる名称にしてください。
項目 |
指定するホスト名 |
|
---|---|---|
システム共通定義に指定するホスト名 |
pdunit -x hostA -c hostB pdunit -x hostC pdstart -x hostA |
|
ユニット制御情報定義に指定するホスト名 |
pd_hostname=host1 |
|
rloginするときに指定するホスト名 |
hostA又はhostB(実行系のホスト名を指定します) |
|
運用コマンドに指定するホスト名※1 |
シングルサーバの場合 |
hostA(ホスト名を省略することをお勧めします) |
ユティリティ専用ユニットの場合 |
hostC |
|
ユティリティに指定するホスト名 |
シングルサーバの場合 |
hostA(ホスト名を省略することをお勧めします) |
ユティリティ専用ユニットの場合 |
hostC |
|
メッセージに表示されるホスト名 |
hostA |
|
統計情報に表示されるホスト名 |
hostA |
|
クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに指定するホスト名 |
hostA及びhostB※2 |
- 注※1
-
ホスト名の代わりにユニット識別子が指定できます。
- 注※2
-
クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに現用系及び予備系のホスト名を指定してください。そうすれば,系が切り替わった後もPDHOSTオペランドの指定値を変更する必要はありません。ただし,実行系が現用系から予備系に切り替わると,UAPは一度現用系(待機系)に接続を試みて失敗した後に予備系(実行系)に接続するため,UAPの接続処理時間がその分だけ長くなります。この問題を解決するには,クライアント接続用のホスト名をエイリアスIPアドレスで設定し,そのIPアドレスを引き継ぐようにしてください。この場合のホスト名の指定方法については,「IPアドレスを引き継がない場合(クライアント接続用のIPアドレスだけを引き継ぐ場合)」を参照してください。
(c) IPアドレスを引き継がない場合(クライアント接続用のIPアドレスだけを引き継ぐ場合)
HiRDB/シングルサーバが使用するIPアドレスは引き継がないが,クライアント接続用のIPアドレスは引き継ぐ場合のホスト名の運用方法(指定方法)を次に示します。システム構成は1:1系切り替え構成とします。
●システム構成例
- 〔説明〕
-
-
hostA及びhostBはHiRDB/シングルサーバが使用するホスト名で,IPアドレスを引き継ぎません。
-
hostCはクライアント接続用のホスト名(エイリアスIPアドレス)で,IPアドレスを引き継ぎます。
- ポイント
-
標準ホスト名を同じ(host1=host2)にすると,系の切り替わりをHiRDBが認識できません。したがって,標準ホスト名は異なる名称にしてください。
-
項目 |
指定するホスト名 |
---|---|
システム共通定義に指定するホスト名 |
pdunit -x hostA -c hostB pdstart -x hostA |
ユニット制御情報定義に指定するホスト名 |
pd_hostname=host1 |
rloginするときに指定するホスト名 |
hostA又はhostB(実行系のホスト名を指定します) |
運用コマンドに指定するホスト名※ |
hostA(ホスト名を省略することをお勧めします) |
ユティリティに指定するホスト名 |
hostA(ホスト名を省略することをお勧めします) |
メッセージに表示されるホスト名 |
hostA |
統計情報に表示されるホスト名 |
hostA |
クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに指定するホスト名 |
hostC |
注※ ホスト名の代わりにユニット識別子が指定できます。
(2) HiRDB/パラレルサーバの場合
(a) IPアドレスを引き継ぐ場合
IPアドレスを引き継ぐ場合のホスト名の運用方法(指定方法)を次に示します。システム構成は相互系切り替え構成とします。
●システム構成例
項目 |
指定するホスト名 |
|
---|---|---|
システム共通定義に指定するホスト名 |
pdunit -x hostA -u UNT1 pdunit -x hostB -u UNT2 pdunit -x hostC -u UNT3 pdunit -x hostD -u UNT4 |
|
ユニット制御情報定義に指定するホスト名 |
ユニット1 |
pd_hostname=host1 |
ユニット2 |
pd_hostname=host2 |
|
ユニット3 |
pd_hostname=host3 |
|
ユニット4 |
pd_hostname=host4 |
|
rloginするときに指定するホスト名 |
BES1があるサーバマシンにrloginする場合 |
hostC |
BES2があるサーバマシンにrloginする場合 |
hostD |
|
運用コマンドに指定するホスト名※ |
BES1に対して運用コマンドを実行する場合 |
hostC |
BES2に対して運用コマンドを実行する場合 |
hostD |
|
ユティリティに指定するホスト名 |
BES1に対してユティリティを実行する場合 |
hostC |
BES2に対してユティリティを実行する場合 |
hostD |
|
メッセージに表示されるホスト名 |
BES1に対するメッセージの場合 |
hostC |
BES2に対するメッセージの場合 |
hostD |
|
統計情報に表示されるホスト名 |
BES1に対する統計情報の場合 |
hostC |
BES2に対する統計情報の場合 |
hostD |
|
次に示すクライアント環境定義に指定するホスト名
|
hostA |
注※ ホスト名の代わりにユニット識別子が指定できます。
(b) IPアドレスを引き継がない場合
IPアドレスを引き継がない場合のホスト名の運用方法(指定方法)を次に示します。システム構成は相互系切り替え構成とします。
●システム構成例
- ポイント
-
標準ホスト名を同じ(host1=host2,host3=host4)にすると,系の切り替わりをHiRDBが認識できません。したがって,標準ホスト名は異なる名称にしてください。
項目 |
指定するホスト名 |
|
---|---|---|
システム共通定義に指定するホスト名 |
pdunit -x hostA -u UNT1 -c hostAA pdunit -x hostB -u UNT2 -c hostBB pdunit -x hostC -u UNT3 -c hostCC pdunit -x hostD -u UNT4 -c hostDD |
|
ユニット制御情報定義に指定するホスト名 |
ユニット1 |
pd_hostname=host1 |
ユニット2 |
pd_hostname=host2 |
|
ユニット3 |
pd_hostname=host3 |
|
ユニット4 |
pd_hostname=host4 |
|
rloginするときに指定するホスト名 |
BES1があるサーバマシンにrloginする場合 |
hostC又はhostD(実行系のホスト名を指定します) |
BES2があるサーバマシンにrloginする場合 |
hostC又はhostD(実行系のホスト名を指定します) |
|
運用コマンドに指定するホスト名※1 |
BES1に対して運用コマンドを実行する場合 |
hostC |
BES2に対して運用コマンドを実行する場合 |
hostD |
|
ユティリティに指定するホスト名 |
BES1に対してユティリティを実行する場合 |
hostC |
BES2に対してユティリティを実行する場合 |
hostD |
|
メッセージに表示されるホスト名 |
BES1に対するメッセージの場合 |
hostC |
BES2に対するメッセージの場合 |
hostD |
|
統計情報に表示されるホスト名 |
BES1に対する統計情報の場合 |
hostC |
BES2に対する統計情報の場合 |
hostD |
|
次に示すクライアント環境定義に指定するホスト名
|
hostA及びhostB※2 |
- 注※1
-
ホスト名の代わりにユニット識別子が指定できます。
- 注※2
-
システムマネジャのユニットがIPアドレスを引き継がない場合,クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに現用系及び予備系のホスト名を指定してください。フロントエンドサーバのユニットがIPアドレスを引き継がない場合,クライアント環境定義のPDFESHOSTオペランドに現用系及び予備系のホスト名を指定してください。そうすれば,系が切り替わった後もPDHOST,PDFESHOSTオペランドの指定値を変更する必要はありません。ただし,実行系が現用系から予備系に切り替わると,UAPは一度現用系(待機系)に接続を試みて失敗した後に予備系(実行系)に接続するため,UAPの接続処理時間がその分だけ長くなります。この問題を解決するには,クライアント接続用のホスト名をエイリアスIPアドレスで設定し,そのIPアドレスを引き継ぐようにしてください。この場合のホスト名の指定方法については,「IPアドレスを引き継がない場合(クライアント接続用のIPアドレスだけを引き継ぐ場合)」を参照してください。
(c) IPアドレスを引き継がない場合(クライアント接続用のIPアドレスだけを引き継ぐ場合)
HiRDB/パラレルサーバが使用するIPアドレスは引き継がないが,クライアント接続用のIPアドレスは引き継ぐ場合のホスト名の運用方法(指定方法)を次に示します。システム構成は相互系切り替え構成とします。
●システム構成例
- 〔説明〕
-
-
hostAはユニット1(現用系)が使用するホスト名で,IPアドレスを引き継ぎません。hostAAはユニット1(待機系)が使用するホスト名です。
-
hostBはユニット2(現用系)が使用するホスト名で,IPアドレスを引き継ぎません。hostBBはユニット2(待機系)が使用するホスト名です。
-
hostCはユニット3(現用系)が使用するホスト名で,IPアドレスを引き継ぎません。hostCCはユニット3(待機系)が使用するホスト名です。
-
hostDはユニット4(現用系)が使用するホスト名で,IPアドレスを引き継ぎません。hostDDはユニット4(待機系)が使用するホスト名です。
-
hostX〜hostZはクライアント接続用のホスト名(エイリアスIPアドレス)で,IPアドレスを引き継ぎます。
- ポイント
-
標準ホスト名を同じ(host1=host2,host3=host4)にすると,系の切り替わりをHiRDBが認識できません。したがって,標準ホスト名は異なる名称にしてください。
-
項目 |
指定するホスト名 |
|
---|---|---|
システム共通定義に指定するホスト名 |
pdunit -x hostA -u UNT1 -c hostAA pdunit -x hostB -u UNT2 -c hostBB pdunit -x hostC -u UNT3 -c hostCC pdunit -x hostD -u UNT4 -c hostDD |
|
ユニット制御情報定義に指定するホスト名 |
ユニット1 |
pd_hostname=host1 |
ユニット2 |
pd_hostname=host2 |
|
ユニット3 |
pd_hostname=host3 |
|
ユニット4 |
pd_hostname=host4 |
|
rloginするときに指定するホスト名 |
BES1があるサーバマシンにrloginする場合 |
hostC又はhostD(実行系のホスト名を指定します) |
BES2があるサーバマシンにrloginする場合 |
hostC又はhostD(実行系のホスト名を指定します) |
|
運用コマンドに指定するホスト名※ |
BES1に対して運用コマンドを実行する場合 |
hostC |
BES2に対して運用コマンドを実行する場合 |
hostD |
|
ユティリティに指定するホスト名 |
BES1に対してユティリティを実行する場合 |
hostC |
BES2に対してユティリティを実行する場合 |
hostD |
|
メッセージに表示されるホスト名 |
BES1に対するメッセージの場合 |
hostC |
BES2に対するメッセージの場合 |
hostD |
|
統計情報に表示されるホスト名 |
BES1に対する統計情報の場合 |
hostC |
BES2に対する統計情報の場合 |
hostD |
|
クライアント環境定義に指定するホスト名 |
PDHOST |
hostZ |
PDFESHOST |
hostX又はhostY(接続するフロントエンドサーバのホスト名を指定します) |
注※ ホスト名の代わりにユニット識別子が指定できます。
(3) クライアント環境定義の指定
スタンバイ型系切り替え機能の場合はクライアント環境定義の指定に注意が必要です。Microsoft Azure環境でHiRDBのクライアント接続用のIPアドレスだけを引き継ぐ場合は「パブリッククラウド環境に関する準備」を参照してクライアント環境定義の指定してください。それ以外の場合は次のとおり指定してください。
(a) HiRDB/シングルサーバの場合
IPアドレスを引き継ぐ場合はクライアント環境定義のPDHOSTオペランドに現用系のホスト名を指定してください。IPアドレスを引き継がない場合は現用系及び予備系の両方のホスト名を指定してください。
(b) HiRDB/パラレルサーバの場合
システムマネジャのユニットがIPアドレスを引き継ぐ場合は,クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに現用系のホスト名(システムマネジャのホスト名)を指定してください。IPアドレスを引き継がない場合は現用系及び予備系の両方のホスト名を指定してください。
フロントエンドサーバのユニットがIPアドレスを引き継ぐ場合は,PDFESHOSTオペランドに現用系のホスト名(フロントエンドサーバのホスト名)を指定してください。IPアドレスを引き継がない場合は現用系及び予備系の両方のホスト名を指定してください。PDHOST及びPDFESHOSTオペランドについては,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
(4) HiRDBシステム定義及びクライアント環境定義のホスト名の指定例
ここでは,スタンバイ型系切り替え機能を使用するときのホスト名の指定例を説明します。
(a) IPアドレスを引き継ぐ場合(ユーザサーバホットスタンバイ限定)
HiRDBシステム定義及びクライアント環境定義の指定例(ホスト名の指定例)を次に示します。
●システム共通定義
pdunit -x pkghost -u UNT1 -d /hirdb_x 1
●ユニット制御情報定義
set pd_hostname = mainhost 2
●クライアント環境定義
export PDHOST = pkghost 3
- 〔説明〕
-
-
pdunitオペランドの-xオプションには再配置可能なIPアドレスのホスト名を指定します。
-
pd_hostnameオペランドには現用系のホスト名を指定します。
-
クライアント環境定義のPDHOSTオペランドに,再配置可能なIPアドレスのホスト名(HiRDB/パラレルサーバの場合はシステムマネジャのホスト名)を指定します。
なお,マルチフロントエンドサーバの場合は,PDFESHOSTオペランドに再配置可能なIPアドレスのホスト名(フロントエンドサーバのホスト名)を指定します。
-
(b) IPアドレスを引き継がない場合
HiRDBシステム定義及びクライアント環境定義の指定例(ホスト名の指定例)を次に示します。
●システム共通定義
pdunit -x mainhost -u UNT1 -d /hirdb/pddir_s -c reservedhost 1
●ユニット制御情報定義
set pd_hostname = mainhost 2
●クライアント環境定義
export PDHOST = mainhost,reservedhost 3
- 〔説明〕
-
-
pdunitオペランドの-xオプションには現用系のホスト名を指定します。-cオプションには予備系のホスト名を指定します。
-
pd_hostnameオペランドには現用系のホスト名を指定します。
-
クライアント環境定義のPDHOSTオペランドには,現用系と予備系の両方のホスト名(HiRDB/パラレルサーバの場合はシステムマネジャのホスト名)を指定します。
なお,マルチフロントエンドサーバの場合は,PDFESHOSTオペランドに現用系と予備系の両方のホスト名(フロントエンドサーバのホスト名)を指定します。
-