13.13.3　例題（マトリクス分割の場合）

(1)　例題1（分割時の基本的な運用）

ある格納範囲のRDエリアの空き容量が不足したため，新たなRDエリアを用意してデータの格納範囲を分割する場合の運用について説明します。分割後のRDエリアは，元々使用していたものを使用しても，すべて新たなRDエリアを用意してもかまいません。マトリクス分割表の分割時の基本的な運用の例（元々使用していたものを使用）を説明します。この例では，RD13の空き容量が不足したため，第2次元のRD13に対する格納範囲を分割し，分割後の格納範囲をRD13と，新たに用意したRDエリア（RD14）に格納します。

注　1.〜3.は，手順の項番に対応しています。

〈手順〉

1. データベース再編成ユティリティ（pdrorg）で格納条件を変更するRDエリア内の表データ（RD13，RD23）をデータベース作成ユティリティ（pdload）で入力できる形式でアンロードします。

2. ALTER TABLEで分割したい境界値を分割します。このとき，分割対象のRDエリア（RD13，RD23）のデータは削除されます。

3. 分割した境界値を格納するRDエリアに対して，1.で作成したアンロードデータファイルを入力ファイルとして，分割後のすべてのRDエリアに対して，RDエリア単位にデータベース作成ユティリティ（pdload）を使用して，追加モードでデータロードします。

   アンロードデータファイル中には，分割後の格納条件に合わないデータが含まれているため，エラーデータ情報が出力されます。エラーデータ情報が不要な場合は，option文のdivermsg=offを指定して，エラーデータ情報の出力を抑止します。

4. データロードした後のデータ件数を確認します。詳細は，「分割・統合後のデータ件数の確認」を参照してください。

5. 2.で無効になったルーチン，トリガをALTER ROUTINEで再作成します。

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(2)　例題2（分割前のRDエリアを分割後に使用してデータを削除しないで分割する運用）

時系列に増加するRDエリア内のデータに対して，今後のために新たなRDエリアを用意しておく運用について説明します。この場合，分割対象のRDエリアには，分割後の境界値より大きいデータが格納されていないことが前提となります。

分割前のRDエリアを分割後に使用してデータを削除しないで分割する運用の例を説明します。この例は，登録日を分割キーとしている表であり，RD13及びRD23には2005年以降のデータが格納されていないことが前提です。第2次元のRD13に対する格納範囲を分割し，新たに用意したRDエリア（RD14及びRD24）に2005年以降のデータを格納します。

注　1.〜2.は，手順の項番に対応しています。

〈手順〉

1. 分割対象の境界値を含むRDエリアが分割後の格納条件のデータしかないことを確認します（SELECT MAX(分割キー列名) FROM 表名 WHERE 分割キー列名>分割後の境界値）。分割後の格納条件以外のデータ（2005年以降のデータ）がある場合は，「例題1（分割時の基本的な運用）」で実施してください。

   この手順を実施しなかった結果，分割後の格納条件に合わないデータが残った場合の回復手順については，「分割後の格納条件に合わないデータが残った場合の回復手順」を参照してください。

2. ALTER TABLEで分割したい境界値を分割します。このとき，WITHOUT PURGEを指定します。

3. 2.で無効になった，ルーチン，トリガをALTER ROUTINEで再作成します。

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(3)　例題3（分割対象のRDエリアがほかの境界値で使用されている場合の運用）

分割対象のRDエリアがほかの境界値でも使用されている場合，ほかの境界値のデータも削除されます。このため，分割対象のRDエリアがほかの境界値でも使用されている場合，分割前にデータベース再編成ユティリティ（pdrorg）でアンロードしたデータをデータベース作成ユティリティ（pdload）でデータロードするときに注意が必要です。この例では，ほかの境界値で使用されているRDエリア（RD23）の第1次元の境界値を分割します。

注　1.〜3.は，手順の項番に対応しています。

〈手順〉

1. データベース再編成ユティリティ（pdrorg）で格納条件を変更するRDエリア内の表データ（RD21，RD22，RD23）をデータベース作成ユティリティ（pdload）で入力できる形式でアンロードします。このとき，2000以下のデータもアンロードされます。

2. ALTER TABLEで分割したい境界値を分割します。このとき，分割対象のRDエリア（RD21，RD22，RD23）のデータは（RD23のほかの格納範囲のデータも）削除されます。

3. 分割した境界値を格納するRDエリアに対して，1.で作成したアンロードデータファイルを入力として，分割後のすべてのRDエリアに対して，RDエリア単位にデータベース作成ユティリティ（pdload）を使用して，追加モードでデータロードします。このとき，RD23のデータも2.の時点でデータが削除されているため，RD23に対しても追加モードでデータロードする必要があります。

   アンロードデータファイル中には，分割後の格納条件に合わないデータが含まれているため，エラーデータ情報が出力されます。エラーデータ情報が不要な場合は，option文のdivermsg=offを指定して，エラーデータ情報の出力を抑止します。

4. データロードした後のデータ件数を確認します。詳細は，「分割・統合後のデータ件数の確認」を参照してください。

5. 2.で無効になったルーチン，トリガをALTER ROUTINEで再作成します。

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(4)　例題4（統合前の一つの特定境界値格納RDエリア群を統合後の特定境界値格納RDエリア群として使用する場合の運用）

ある連続した格納範囲の特定境界値格納RDエリア群に空き容量が多いため，一つの特定境界値格納RDエリア群にデータの格納範囲を統合する場合の運用について説明します。統合後のRDエリアは，統合前の一つのRDエリアを使用しても使用しなくてもかまいません。この例では，RD12，RD13，RD22，及びRD23に分割していた第2次元の格納条件を，RD12及びRD22に統合します。

注　1.〜3.は，手順の項番に対応しています。

〈手順〉

1. データベース再編成ユティリティ（pdrorg）で統合対象のRDエリアのうち，統合後に使用しないRDエリア内の表データ（RD13，RD23）をデータベース作成ユティリティ（pdload）で入力できる形式でアンロードします。

2. ALTER TABLEで統合したい境界値を統合します。このとき，RD12及びRD22は統合後もそのまま使用するため，WITHOUT PURGEを指定します。

3. 統合した境界値を格納するRDエリアに対して，1.で作成したすべてのアンロードデータファイルを入力として，統合後のRDエリアに対して，RDエリア単位にデータベース作成ユティリティ（pdload）を使用して，追加モードでデータロードします。このとき，作成モードでデータロードすると，統合前のRD12及びRD22のデータが削除されてしまうため，注意が必要です。誤って作成モードでデータロードした場合は，ALTER TABLE実行前の状態にバックアップから回復して，手順1.からやり直します。

4. データロードした後のデータ件数を確認します。詳細は，「分割・統合後のデータ件数の確認」を参照してください。

5. 2.で無効になったルーチン，トリガをALTER ROUTINEで再作成します。

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(5)　例題5（統合前の一つの特定境界値格納RDエリア群を統合後の特定境界値格納RDエリア群として使用しない場合の運用）

この例では，RD12，RD13，RD22，及びRD23に分割していた第2次元の格納条件を，新たに用意したRD15及びRD25に統合します。

注　1.〜3.は，手順の項番に対応しています。

〈手順〉

1. データベース再編成ユティリティ（pdrorg）で統合対象のすべてのRDエリア内の表データ（RD12，RD13，RD22，RD23）をデータベース作成ユティリティ（pdload）で入力できる形式でアンロードします。

2. ALTER TABLEで統合したい境界値を統合します。

3. 統合した境界値を格納するRDエリアに対して，1.で作成したすべてのアンロードデータファイルを入力として，統合後のRDエリアに対して，RDエリア単位にデータベース作成ユティリティ（pdload）を使用して，追加モードでデータロードします。

4. データロードした後のデータ件数を確認します。詳細は，「分割・統合後のデータ件数の確認」を参照してください。

5. 2.で無効になったルーチン，トリガをALTER ROUTINEで再作成します。

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(6)　例題6（統合対象のRDエリアがほかの境界値で使用されている場合の運用）

統合対象のRDエリアがほかの境界値でも使用されている場合，ほかの境界値のデータも削除されます。このため，統合後にデータが削除されるRDエリアに対しては，統合前にデータベース再編成ユティリティ（pdrorg）でアンロードしたデータをデータベース作成ユティリティ（pdload）でデータロードするときに注意が必要です。この例では，ほかの境界値で使用されているRDエリア（RD11及びRD21）の第2次元の境界値を統合します。

注　1.〜3.は，手順の項番に対応しています。

〈手順〉

1. データベース再編成ユティリティ（pdrorg）で統合対象のすべてのRDエリア内の表データ（RD11，RD12，RD22，RD23）をデータベース作成ユティリティ（pdload）で入力できる形式でアンロードします。このとき，2000以下のデータもアンロードされます。

2. ALTER TABLEで統合したい境界値を統合します。このとき，統合対象のRDエリアのデータは（RD11及びRD21のほかの格納範囲のデータも）削除されます。

3. 統合した境界値を格納するRDエリアに対して，1.で作成したすべてのアンロードデータファイルを入力として，統合後のRDエリアに対して，RDエリア単位にデータベース作成ユティリティ（pdload）を実行します。このとき，RD11及びRD21のデータも2.の時点でデータが削除されているため，RD11及びRD21に対しても追加モードでデータロードする必要があります。

4. データロードした後のデータ件数を確認します。詳細は，「分割・統合後のデータ件数の確認」を参照してください。

5. 2.で無効になったルーチン，トリガをALTER ROUTINEで再作成します。

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