付録F 用語解説
HiRDBのマニュアルで使用している用語について説明します。
(数字)
(英字)
- ADT(Abstract Data Type)
-
→ 「抽象データ型」を参照してください。
- aioライブラリ
-
非同期にファイル入出力を行うためのAPI群が収められた,OSが提供するライブラリのことです。AIXの場合はAsynchronous I/O Subsystem,Linuxの場合はlibaioが該当します。システムログの並列出力機能では,aioライブラリが提供するAPIを使用して,二重化されたシステムログファイルに対し並列に出力要求を行います。
この用語は,Windows版では使用できないシステムログの並列出力機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- BLOB(Binary Large Object)
-
文書,画像,音声などの長大なデータのことです。
- BLOBデータ,BINARYデータの部分的な更新・検索
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BLOBデータ,BINARYデータの部分的な更新・検索には,次の三つの機能があります。なお,BINARYデータは,定義長が32,001バイト以上のデータが対象となります。
-
UPDATE文のSET句に連結演算を指定して,登録されているBLOBデータ,又はBINARYデータに対して新たなデータを追加します。
-
スカラ関数SUBSTRを指定して,BLOBデータ又はBINARYデータから,指定した部分だけを抽出します。
-
UPDATE文のSET句に,処理対象列,及び開始位置として定数1を指定したスカラ関数SUBSTRを使用することで,BLOBデータ又はBINARYデータの後方部分だけを削除できます。
この機能を使用すると,メモリ消費量をBLOBデータ,BINARYデータ追加分,又はBLOBデータ,BINARYデータ抽出分だけに抑えられます。
-
- BLOBデータのファイル出力機能
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検索したBLOBデータをクライアントに返却しないで,シングルサーバ又はフロントエンドサーバがあるユニットのファイルに直接出力し,そのファイル名をクライアントに返却する機能です。この機能を使用するとBLOBデータ検索時のメモリ増大を防げます。
- CONNECT関連セキュリティ機能
-
パスワードのセキュリティを向上する機能です。パスワードの最小許容バイト数を決めたり,単純なパスワードを禁止したりできます。また,連続認証失敗許容回数を設定できます。
- Cストアドファンクション
-
処理手続きをC言語で記述したストアドファンクションのことをいいます。
- Cストアドプロシジャ
-
処理手続きをC言語で記述したストアドプロシジャのことをいいます。
- DB同期状態
-
インメモリデータ処理で,インメモリRDエリア内のデータとインメモリデータバッファ上のデータの同期が取れている状態のことです。
- DB非同期状態
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インメモリデータ処理で,インメモリRDエリア内のデータとインメモリデータバッファ上のデータの同期が取れていない状態のことです。
- DECIMAL型の符号正規化機能
-
データを入力したときに符号付きパック形式データ(DECIMAL型,日間隔型,時間隔型)の符号部を「DECIMAL型の符号正規化機能」に示す規則に従って変換する機能のことです。符号部を変換することを,符号部を正規化するといいます。
- FIX属性
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行長が固定の表に付ける属性のことです。
列を追加しない,ナル値を持つ列がない,及び可変長の列がない表の場合はFIX属性を指定してください。アクセス性能の向上が期待できます。
- FIXハッシュ分割
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表を横分割する方法のことで,表を構成する列の値をハッシュ関数を使用して,均等にRDエリアに格納し,表を横分割することです。なお,表を横分割するときの条件にした特定の列を分割キーといいます。FIXハッシュ分割では,表がどのRDエリアに分割されたかをHiRDBが認識します。このため,検索処理では,該当するデータがあると予測されるバックエンドサーバだけが対象になります。
- HAモニタ
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系切り替え機能を実現するためのクラスタソフトウェアの一つです。Hitachi HA Toolkit Extensionの機能を包含しています。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- HiRDB.iniファイル
-
HiRDBクライアントから実行するユティリティやHiRDB SQL Executerが,HiRDBサーバに接続するために必要な情報を設定しておくファイルです。このファイルは,HiRDBサーバのPC及びHiRDBクライアントのPCの両方に必要です。
- HiRDB/SD
-
HiRDB Structured Data Access Facility Version 9(HiRDB/SD)は,リレーショナルDBに加えて,HiRDBで構造型DBを管理するためのオプション製品です。
詳細については,マニュアル「HiRDB 構造型データベース機能」を参照してください。
- HiRDBデータプロバイダ for .NET Framework
-
ADO.NET対応のアプリケーションからデータベースにアクセスするために必要なデータプロバイダです。HiRDBデータプロバイダ for .NET Frameworkは,ADO.NET仕様に準拠しています。
- HiRDB管理者
-
システム管理者用のユーザIDでOSにログインしたユーザのうち,HiRDBを操作する権利があるユーザのことです。HiRDBのコマンドを実行する権限があり,HiRDBのディレクトリ及びファイルの所有者です。
- HiRDBクライアント
-
HiRDB/Developer's Kit,又はHiRDB/Run Timeをインストールしたワークステーション又はパーソナルコンピュータのことをいいます。
- HiRDBシステム定義ファイル
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HiRDBの稼働環境(システムの構成,制御情報及び各サーバの実行環境)を決定するための,HiRDBの定義情報を格納するためのファイルのことです。
- HiRDBファイル
-
HiRDBが使用するファイルのことです。HiRDBファイルは,HiRDBファイルシステム領域上の連続した複数のセグメントから構成されます。HiRDBファイルには,表,インデクス,障害発生時にシステムの状態を回復させるのに必要な情報などが格納されます。
- HiRDBファイルシステム領域
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HiRDBファイルを作成する領域のことです。HiRDBファイルシステム領域は,システムファイル用,作業表用ファイル用及びRDエリア用のように用途ごとに作成します。
- IPアドレス
-
IPプロトコルで使われるアドレスをIPアドレスといいます。
IVSIVS(Ideographic Variation Sequence)は,字形が異なる文字(異体字)を区別するためのUnicodeの規格です。IVSでは,基になる文字(基底文字)に対して,字形の種類を表すコード(VS(Variation Selector):字形選択子)を付加した合成文字で,異体字を表現します。なお,実際に異体字を表示するにはIVSに対応したフォントが別途必要です。
- IPアドレスによる接続制限
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データベースへ接続するクライアントを,IPアドレスによって許可又は拒否する機能のことです。
- Javaストアドファンクション
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処理手続きをJavaで記述したストアドファンクションのことをいいます。
- Javaストアドプロシジャ
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処理手続きをJavaで記述したストアドプロシジャのことをいいます。
- JDBCドライバ
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JDBC規格で定義されたインタフェースを,HiRDB用に実装したドライバのことです。JDBCドライバはJavaストアドプロシジャ,Javaストアドファンクションを実行するときに必要となり,HiRDBクライアントのインストール時に選択するとインストールされます。
- JP1
-
バッチジョブ運用,システムの自動運転,帳票出力制御やファイルのバックアップなどの機能を備えた製品群の総称です。JP1を使うと,システム運用を自動化/省力化できます。
- LANアダプタ
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コンピュータとLANを接続するためのデータ変換用のハードウェアです。
- LOBデータ
-
文書,画像,音声などの長大な可変長データのことです。LOBデータは,ユーザLOB用RDエリアに格納します。LOB列構成基表を格納したユーザ用RDエリアとは別にデータロード及びデータベースの再編成ができます。
- LOB列構成基表
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LOB列を含む表で,表からLOBデータを除いた部分のことです。データロード及びデータベース再編成時には,LOB列構成基表単位及びLOB列単位に運用できます。
- LVM
-
ディスクデバイスを管理する機能で,一つ以上の実デバイスの集合から,複数の仮想デバイスを作成及び管理できます。LVMを使用すると,一つの実デバイスを複数の小さな仮想デバイスに分割したり,逆に複数の実デバイスを一つの大きな仮想デバイスにまとめたりなど,可用性及び管理容易性の高いディスクデバイス管理ができます。また,性能向上と冗長性確保の機能もあります。
- NetBackup連携機能
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データベース複写ユティリティ(pdcopy)又はデータベース回復ユティリティ(pdrstr)で使用するバックアップファイルをNetBackupサーバが管理する媒体上に作成する機能のことです。
- OSログインユーザの簡易認証機能
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HiRDBクライアントが動作するOSにログインしているユーザ名でHiRDBサーバに簡易認証接続する機能のことです。
- POSIXライブラリ版
-
Javaストアドプロシジャ,又はJavaストアドファンクションを使用する場合に必要となるHiRDBの実行環境のことです。POSIXライブラリ版を使用するには,pdsetupコマンドで-lオプションを指定してください。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- PRFトレース
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HiRDBの一連の処理に対して出力される,トラブルシュート用のトレース情報のことです。PRFトレースは,性能検証,及びトラブルシュートの効率向上を目的とし,複数のマシン間,及び複数のプロセス間の処理の流れをトレースできます。
PRFトレースは,PRFトレース情報ファイルに出力されます。また,PRFトレースを取得する際には,PRFトレース取得レベルを選択できます。
- PRFトレース取得レベル
-
PRFトレース取得レベルには,最小レベル(省略値),標準レベル,詳細レベル,保守レベル,及び抑止レベルがあります。PRFトレース取得レベルを変更することで,PRFトレース情報ファイルに出力するPRFトレース情報の出力量を調整できます。
PRFトレース取得レベルは,システム定義のpd_prf_levelオペランドで指定します。また,HiRDB稼働中にPRFトレース取得レベルを変更する場合は,pdprflevelコマンドを使用します。
- RAID Managerインスタンス
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RAID Managerが操作,管理する範囲を特定するための機能集合のことです。各インスタンスはインスタンス番号によって識別されています。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- RDエリア
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データの格納単位の一つで,1〜16個のHiRDBファイルから構成されます。RDエリアには,次に示すものがあります。
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マスタディレクトリ用RDエリア
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データディクショナリ用RDエリア
-
データディレクトリ用RDエリア
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データディクショナリLOB用RDエリア
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ユーザ用RDエリア
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ユーザLOB用RDエリア
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レジストリ用RDエリア
-
レジストリLOB用RDエリア
-
リスト用RDエリア
-
- RDエリア障害
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インメモリデータ処理で,インメモリRDエリアに障害が発生した状態です。
- RDエリアのクローズ
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HiRDBからのRDエリアに対するアクセスを停止する場合,RDエリアをクローズします。RDエリアを作り直す一部のユティリティを実行する場合,RDエリアをクローズしておく必要があります。
RDエリアをクローズすると,HiRDBがメモリ上に保持しているRDエリアの一部の定義情報,及びデータ格納情報はメモリから破棄され,次回RDエリアをオープンするときに再度作成されます。
例えば,pdmodでのRDエリアの再初期化,削除などを行う場合,及びpdrstrでデータベースを回復する場合,事前にRDエリアをクローズする必要があります。
なお,オープン属性がSCHEDULE以外のRDエリアをクローズするには,クローズする前にRDエリアを閉塞しておく必要があります。
- RDエリアの自動増分
-
RDエリアが容量不足になったとき,HiRDBファイルシステム領域内に空き領域があれば,自動的にセグメントを追加してRDエリアの容量を拡張します。これをRDエリアの自動増分といいます。
- RDエリアの閉塞
-
UAPやユティリティからのRDエリアのアクセスを制限する場合,RDエリアを閉塞します(コマンド閉塞)。また,RDエリアに入出力障害などの障害が発生した場合,HiRDBが自動的にRDエリアを閉塞します(障害閉塞)。
閉塞には,参照・更新できるモードもあり,運用の目的に合った閉塞モードを選択できます。
例えば,pdloadでのデータロードや,pdrorgでの表の再編成を行う場合,これらの処理は長時間になることが多いため,事前に対象となるRDエリアを閉塞するとよいです。
- SDBデータベース
-
レコード,インデクス,親子集合など,HiRDB/SDが管理する構造型DBのデータ群の総称です。
詳細については,マニュアル「HiRDB 構造型データベース機能」を参照してください。
- SDBデータベースを操作するAPI又はDML
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HiRDB/SDが管理するSDBデータベースを操作するためのインタフェースです。TP1/FSP経由でSDBデータベースにアクセスする場合は,SDBデータベースを操作するAPIを使用します。埋込み型UAPからSDBデータベースにアクセスする場合は,埋込み型UAP中に記述したDMLを使用します。
詳細については,マニュアル「HiRDB 構造型データベース機能」を参照してください。
- SQLオブジェクト
-
SQLを定義して実行すると,HiRDBでコンパイルされるオブジェクトのことです。
- SQL拡張最適化オプション
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データベースの状態を考慮して,最も効率的なアクセスパスを決定するためのSQL実行時の最適化方法を指定するオプションのことです。
次の最適化方法があります。
-
コストベース最適化モード2の適用
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ハッシュジョイン,副問合せのハッシュ実行
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値式に対する結合条件適用機能
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パラメタを含むXMLEXISTS述語への部分構造インデクスの有効化
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- SQL最適化オプション
-
データベースの状態を考慮して,最も効率的なアクセスパスを決定するためのSQL実行時の最適化方法を指定するオプションのことです。
次の最適化方法があります。
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ネストループジョイン強制
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複数のSQLオブジェクト作成
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フロータブルサーバ対象拡大(データ取り出しバックエンドサーバ)
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ネストループジョイン優先
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フロータブルサーバ候補数の拡大
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ORの複数インデクス利用の優先
-
自バックエンドサーバでのグループ化,ORDER BY,DISTINCT集合関数処理
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ANDの複数インデクス利用の抑止
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グループ分け高速化処理
-
フロータブルサーバ対象限定(データ取り出しバックエンドサーバ)
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データ収集用サーバの分離機能
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インデクス利用の抑止(テーブルスキャン強制)
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複数インデクス利用の強制
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更新SQLの作業表作成抑止
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探索高速化条件の導出
-
スカラ演算を含むキー条件の適用
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プラグイン提供関数からの一括取得機能
-
導出表の条件繰り込み機能
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- SQL最適化指定
-
SQL文の検索効率を向上させるための最適化をSQL文に指定できます。SQL最適化指定には次に示す三つの項目があります。
-
使用インデクスのSQL最適化指定
-
結合方式のSQL最適化指定
-
副問合せ実行方式のSQL最適化指定
なお,SQL最適化指定は,SQL最適化オプション及びSQL拡張最適化オプションの指定よりも優先されます。
-
- SQL実行時間警告出力機能
-
SQLの実行後にHiRDBがSQLの実行時間を調べます。その結果,SQLの実行時間が設定した時間(この時間をPDCWAITTIMEに対する比率で設定します)以上であった場合,そのSQLに対して次に示す警告情報を出力する機能です。
-
SQL実行時間警告情報ファイル
-
警告メッセージ(KFPA20009-W)
-
- SQLストアドファンクション
-
処理手続きをSQLで記述したストアドファンクションのことをいいます。
- SQLストアドプロシジャ
-
処理手続きをSQLで記述したストアドプロシジャのことをいいます。
- SQLプリプロセサ
-
高級言語のコンパイラでコンパイルできるように,SQL文を高級言語用の記述に変換するプログラムのことです。
(ア行)
- アカウントロック期間
-
CONNECT関連セキュリティ機能で,連続認証失敗アカウントロック状態とする期間のことです。
- 空きセグメント
-
データを格納していないセグメントです。使用中空きセグメントと未使用セグメントは空きセグメントになります。
- 空きページ
-
データを格納していないページです。使用中空きページと未使用ページは空きページになります。
- 空きページ再利用モード
-
HiRDBがデータを格納するとき,格納するためのRDエリアの空き領域をサーチする方式です。セグメントが満杯になると,未使用セグメントを確保する前に使用中ページ内の空き領域をサーチします。また,次回サーチ開始位置を記憶し,次に空き領域をサーチするときそこからサーチを開始します。
- 空き領域の再利用機能
-
表にデータを格納するとき,ユーザが指定したセグメント数に達し,そのセグメントが満杯になるとページサーチモードを空きページ再利用モードに切り替えて,使用中セグメントの空き領域を使うようにする機能です。指定したセグメント数のすべてに空き領域がなくなると,新規ページ追加モードに切り替わり,新規に未使用セグメントを確保します。
- アクセス権限
-
表にアクセスするために必要な権限のことで,表単位に設定します。アクセス権限には,次に示す4種類があります。
-
SELECT権限
-
INSERT権限
-
DELETE権限
-
UPDATE権限
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- 値(インスタンス)
-
抽象データ型の具体的な値のことです。
- 圧縮表
-
圧縮列が定義されている表のことです。
- 圧縮列
-
表へのデータ格納時,データを圧縮して格納する圧縮指定(COMPRESSEDオプション)が定義されている列のことです。
- アンバランスインデクススプリット
-
通常のページスプリットとは異なり,インデクスページ中のデータを均等に2分割しないで,不均等に分割する方法です。昇順又は降順の中間キーを追加する場合にインデクスの格納効率が向上します。
- アンロード状態のチェックを解除する運用
-
システムログファイルのスワップ先にできる条件を次の状態だけにします。
-
上書きできる状態
-
抽出完了状態(HiRDB Datareplicator)
-
オンライン再編成上書き可能状態(HiRDB Staticizer Option)【UNIX版限定】
アンロードの状態は,システムログファイルをスワップ先にできるかどうかの条件に関係なくなります。この運用をすると,システムログファイルのアンロード操作又は解放操作が不要になります。
-
- アンロード統計ログファイル
-
統計ログファイルの内容をアンロードして作成したファイルのことです。
- アンロードレスシステムログ運用
-
システムログのアンロードをしない運用です。データベースを回復するときのデータベース回復ユティリティの入力情報としてアンロードログを使用しないで,システムログを直接入力します。
- アンロードログファイル
-
システムログファイルの内容(システムログ)をアンロードして作成したファイルのことです。
- 一意性制約
-
一意性制約とは,列中のデータの重複を許さない(列中のデータが常に一意である)制約のことです。
- 一時表
-
トランザクション又はSQLセッションの期間中だけ存在する実表です。一時表に定義されたインデクスを,一時インデクスといいます。
- 一時表用RDエリア
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一時表及び一時インデクスを格納するユーザ用RDエリアです。
- 位置付け子機能
-
位置付け子機能は,BLOBデータ又はBINARYデータ検索時の,クライアント側のメモリ資源圧迫,及びデータ転送量削減を目的とするものです。
位置付け子とは,サーバ上のデータを識別する4バイトの値のデータであり,1行SELECT文やFETCH文のINTO句などに位置付け子の埋込み変数を指定することで,検索結果としてデータの実体ではなく,そのデータを識別する位置付け子の値を受け取ります。また,データを識別する位置付け子の埋込み変数をほかのSQL文中に指定すると,位置付け子が識別するデータを扱う処理ができます。
- インタフェース領域
-
HiRDBとUAPとの間で情報をやり取りするための領域のことです。インタフェース領域として,次の七つがあります。
-
SQL連絡領域
-
SQL記述領域
-
列名記述領域
-
型名記述領域
-
埋込み変数
-
標識変数
-
パラメタ
-
- インデクス
-
表を検索するためのキーとして列に付けた索引のことで,キーとキー値から構成されます。キーとは列の内容を示した列名のことで,キー値とは列の値のことです。
インデクスには,単一列インデクスと複数列インデクスがあります。単一列インデクスとは,表の一つの列に作成した一つのインデクスのことです。また,複数列インデクスとは,表の複数の列で作成した一つのインデクスのことです。
- インデクスの再編成
-
インデクスのキー情報を検索してインデクス情報ファイルを作成し,その情報を基にインデクスを再配置します。これをインデクスの再編成といいます。インデクスの再編成は,インデクス単位又はインデクス格納RDエリア単位に実行できます。
データの削除(DELETE)及び更新(UPDATE)を繰り返すと,インデクスの格納効率が悪くなり,インデクスを使用した検索をするときの性能が低下します。これを防ぐためにインデクスの再編成を実行します。
- インデクスページスプリット
-
HiRDBのインデクスは,B-tree構造をしています。このため,インデクスページにキーを追加しようとした場合,追加するインデクスページに空き領域がないと,インデクスページスプリットが発生します。インデクスページスプリットとは,キーを追加するインデクスページに空き領域がない場合に,HiRDBが空き領域を確保するために,このインデクスページのインデクス情報を二つに分割して,後ろの半分を新しいページに移すことです。
- インナレプリカ機能
-
複製したRDエリア(レプリカRDエリア)を定義,及び操作する機能です。インナレプリカ機能を使用すると,ミラーリング機能を持つディスクシステム又はソフトウェアを使用して複製したデータベースをアクセスできます。インナレプリカ機能の詳細については,マニュアル「インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option」を参照してください。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 隠蔽
-
抽象データ型のインタフェースと実現方法を分離し,実現方法を隠して意識させないことです。
- インメモリRDエリア
-
インメモリデータ処理の対象となっているRDエリアのことです。このRDエリア内の全データがメモリ上に常駐します。
- インメモリ化
-
インメモリデータ処理で,RDエリア内の全データをメモリ上に一括して読み込み,常駐させることです。
- インメモリデータ処理
-
RDエリア内の全データをメモリ(インメモリデータバッファ)上に常駐させて,ディスク入出力回数を抑える処理方式のことです。
- インメモリデータバッファ
-
インメモリデータ処理で使用するデータバッファのことです。
- 受け入れユニット
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能のゲストBESがあるユニットのことです。
- 埋込み型UAP
-
高級言語(C言語又はCOBOL言語)でコーディングしたソースプログラムに,直接SQLを記述するUAPのことです。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能
-
スタンバイレス型系切り替え機能の一つです。障害発生時に障害ユニット内のバックエンドサーバへの処理要求を,複数の稼働中ユニットに分散して実行させる機能を影響分散スタンバイレス型系切り替え機能といいます。
- 永続実表
-
一時表以外の実表のことです。マニュアルで使用している「表」は,基本的には永続実表を指します。
- エイリアスIPアドレス
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一つのLANアダプタに複数のIPアドレスを割り当てることで,異なるIPアドレスで一つのLANアダプタを共用できる機能です。
- オーバロード
-
パラメタの数やデータ型が異なる場合,名前が同じ複数のストアドファンクションを定義できます。名前が同じストアドファンクションを「互いにオーバロードされている」といいます。
- オブジェクト
-
言語コンパイラで機械語に翻訳されたプログラムのことです。
- オブジェクトリレーショナルデータベース
-
リレーショナルデータモデルにオブジェクト指向の概念を取り込んで拡張したデータベースのことです。HiRDBでは,マルチメディアデータなどの複雑な構造を持つデータとそのデータに対する操作を一本化してオブジェクトとして扱って,データベースで管理できます。
(カ行)
- カーソル
-
データの検索時及び更新時に,複数行の検索結果を1行ずつ取り出すために,最新の取り出し位置を保持するものです。カーソルを宣言するにはDECLARE CURSORを,カーソルをオープンするにはOPEN文を,検索結果を取り出してカーソルを次の行へ進めるにはFETCH文を,カーソルをクローズするにはCLOSE文を使用します。
- 改竄防止機能
-
表のデータを誤って又は不当に更新されることを防ぐため,更新可能列以外の表データの更新を禁止する機能です。改竄防止機能が適用された表を改竄防止表といいます。改竄防止オプションを指定すると,その表に対する行の追加,検索,行削除禁止期間を経過したデータの削除,及び更新可能列の更新だけを許可します。なお,行削除禁止期間を省略した場合,表及び表データ共に削除できません。
- 外部キー
-
参照表に定義されている列,又は複数の列のことです。外部キーの値は参照する主キーの値と同じか,又はナル値を含む値であるように制約されます。
- 回復不要FES
-
フロントエンドサーバがあるユニットで障害が発生して異常終了すると,そのフロントエンドサーバから実行していたトランザクションは未決着状態になることがあります。未決着状態のトランザクションは,データベースの排他を確保しているため,一部のデータベースに対する参照又は更新が制限されます。通常,未決着状態のトランザクションの決着処理をするためには,フロントエンドサーバの障害を取り除いて再開始する必要がありますが,異常終了したフロントエンドサーバが回復不要FESであれば,HiRDBが自動的に未決着状態になっていたトランザクションを決着します。これによって,ほかのフロントエンドサーバやバックエンドサーバを使用して,データベースの更新を再開できます。回復不要FESがあるユニットを回復不要FESユニットといいます。
- 簡易認証ユーザ
-
OSログインユーザの簡易認証機能を使用するHiRDBユーザを簡易認証ユーザといいます。
- 監査権限
-
監査人に必要な権限です。次に示す操作をするときなどに監査権限が必要になります。
-
監査証跡表へのデータロード
-
監査証跡ファイルのスワップ
-
監査証跡表の検索,更新,及び削除
-
- 監査証跡
-
HiRDBに対する操作のうち,監査対象のコマンド及びSQLの実行記録をファイルに出力します。この記録を監査証跡といいます。また,監査証跡の出力先ファイルを監査証跡ファイルといいます。
- 監査証跡表
-
監査人が監査を実施するときに利用する表のことです。監査証跡ファイルに保存した情報をデータロードして作成します。
- 監査人
-
HiRDBシステムの監査を実施する人のことです。監査人には監査権限が必要になります。監査人には,次に示す2種類があります。
-
主監査人
監査証跡表を管理及び操作する監査人です。監査証跡表の作成及び削除ができます。
-
副監査人
監査証跡表を操作する監査人です。監査証跡表の作成及び削除はできません。
監査を実施する人にOSログインアカウントを与える必要はありません。
-
- キーレンジ分割
-
表を横分割する方法のことで,表を構成する列のうち,特定の列が持つ値の範囲を条件として表を横分割することです。なお,表を横分割するときの条件にした特定の列を分割キーといいます。キーレンジ分割には,格納条件指定と境界値指定の2種類の分割方法があります。
- 既定義型
-
HiRDBが提供するデータ型のことです。既定義型には,INTEGER,CHARACTER,DATEなどがあります。
- 基本行
-
すべての列の基本となるデータを格納する行です。分岐行が作成される場合,その分岐先の情報が格納されます。
- 機密保護機能
-
必要な権限がないとデータベースにアクセスできないようにする機能のことです。
- 行識別子
-
HiRDBに格納されている行データを一意に識別するために,システムが割り当てる情報(行のアドレス)のことです。
- 業務サイト
-
ログ同期方式で,トランザクションを受け付けるサイトのことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 共用RDエリア
-
すべてのバックエンドサーバから参照できるユーザ用RDエリアのことです。共用RDエリアを定義できるのはHiRDB/パラレルサーバだけです。
- 共用インデクス
-
共用RDエリアに格納されたインデクスで,すべてのバックエンドサーバから参照できるインデクスのことです。HiRDB/パラレルサーバとSQL及びUAPの互換性を保つため,HiRDB/シングルサーバでも共用インデクスを定義することはできますが,HiRDB/シングルサーバでは共用RDエリアを定義できないため,ユーザ用RDエリアに格納されます。
- 共用表
-
共用RDエリアに格納された表で,すべてのバックエンドサーバから参照できる表のことです。HiRDB/パラレルサーバとSQL及びUAPの互換性を保つため,HiRDB/シングルサーバでも共用表を定義することはできますが,HiRDB/シングルサーバでは共用RDエリアを定義できないため,ユーザ用RDエリアに格納されます。
- 切り出し列
-
予備列から切り出して追加した列のことです。切り出し列は,ALTER TABLEの列追加定義で指定します。
- 空白変換機能
-
表データ中に混在している全角の空白と半角の空白を統一するための機能のことです。全角空白とは,次に示すコードのことです。半角空白2文字とは,X'2020'のことです。
-
シフトJIS漢字コードの場合:X'8140'
-
EUC日本語漢字コードの場合:X'A1A1'【UNIX版限定】
-
EUC中国語漢字コードの場合:X'A1A1'
-
中国語漢字コード(GB18030)の場合:X'A1A1'
-
Unicode(UTF-8)の場合:X'E38080'
-
- クライアントグループの接続枠保証機能
-
HiRDBに接続するクライアントをグループ化して,各クライアントグループのHiRDBへの接続枠を保証する機能です。
- クラスタキー
-
特定の列の値を,昇順又は降順に行を格納するためのキーとして指定した列のことです。
- 繰返し列
-
複数の要素から構成される列のことをいいます。要素とは,繰返し列中で繰り返されている各項目のことをいいます。繰返し列はCREATE TABLEで定義し,要素数も同時に定義します。ただし,要素数は後からALTER TABLEで増やせます。繰返し列を含む表の例を次の図に示します。
図F‒1 繰返し列を含む表の例 - クリティカル状態のプロセス
-
pdls -d rpcコマンドの実行結果のm(クリティカル状態)がYとなっているプロセスのことを,クリティカル状態のプロセスといいます。
- グループ分け高速化機能
-
SQLのGROUP BY句を指定してグループ分け処理をする場合,ソートしてからグループ分けをする処理にハッシングを組み合わせてグループ分け処理をする機能のことです。
- グローバルデッドロック
-
HiRDB/パラレルサーバのサーバ間で発生するデッドロックのことをいいます。
- グローバルバッファ
-
ディスク上のRDエリアに格納されているデータを入出力するためのバッファのことで,共用メモリ上に確保されます。RDエリア又はインデクスには必ずグローバルバッファを割り当てます。
また,次に示す場合にLOB用グローバルバッファを割り当てます。
-
プラグインインデクスを格納している場合
-
データ量がそれほど多くなく,バッファリング効果が望める場合
-
アクセス頻度の高いLOBデータを格納している場合
-
- グローバルバッファの先読み入力
-
指定した表やインデクスをあらかじめグローバルバッファに先読みしておく機能です。指定した表やインデクスを先読み入力しておくため,バッファヒット率が高くなります。
- グローバルバッファの動的変更
-
HiRDBの稼働中にpdbufmodコマンドでグローバルバッファを追加,変更,又は削除することをグローバルバッファの動的変更といいます。
- 継承
-
下位の抽象データ型が上位の抽象データ型に定義された属性とルーチンを引き継ぐことです。
- ゲストBES
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能で,障害発生時に該当ユニットに移動したバックエンドサーバのことです。また,ゲストBESのユニットを受け入れユニットといいます。
- ゲスト用領域
-
ゲストBESに対応付けられるバックエンドサーバ用のリソースのことです。
- 言語コンパイラ
-
SQLプリプロセサが作成したポストソースプログラムを,機械語のプログラム(オブジェクト)に変換するプログラムのことです。
- 検査制約
-
データ挿入又は更新時に制約条件をチェックし,条件を満たさないデータの場合は操作を抑止することで表データの整合性を保つ制約のことです。
- 検査保留状態
-
参照制約及び検査制約が定義された表に対するSQLやユティリティの実行などで,表データの整合性を保証できなくなった場合,HiRDBは参照表又は検査制約表に対するデータ操作を制限します。このように,整合性を保証できないためにデータ操作を制限された状態のことです。
- 更新可能なオンライン再編成
-
データベースの再編成中に,データベースを参照及び更新できる機能のことをいいます。データベースを参照及び更新する処理は,レプリカのデータベースに対して行います。更新可能なオンライン再編成を実行する場合,HiRDB Staticizer Optionを組み込んで,更に関連するHiRDBシステム定義のオペランドを指定する必要があります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 更新可能バックエンドサーバ
-
共用RDエリアの共用表や共用インデクスを更新できるバックエンドサーバです。
- 更新コピー
-
正ボリュームにデータの更新が発生した場合,その更新内容を副ボリュームにも反映(コピー)することを更新コピーといいます。更新コピーによって,正ボリュームと副ボリュームの整合性が保たれます。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 更新バッファ
-
データを更新する場合,グローバルバッファ上で更新してからデータベースに反映します。このとき,データベースに未反映のバッファを更新バッファといいます。
- 更新前ログ取得モード
-
UAP又はユティリティを実行するときのデータベースの更新ログ取得方式の一つです。UAP又はユティリティがRDエリアの内容を更新するときに,ロールバックに必要なデータベース更新ログだけを取得する方式のことです。
- 高速系切り替え機能
-
待機系HiRDBのサーバプロセスをあらかじめ起動しておいて,系の切り替え時にサーバプロセスの起動処理をしません。系の切り替え時にサーバプロセスの起動処理がない分,系の切り替え時間を短縮できます。高速系切り替え機能のほかに,系の切り替え時間を短縮する機能としてユーザサーバホットスタンバイがあります。高速系切り替え機能の方がユーザサーバホットスタンバイより系の切り替え時間を短縮できます(高速系切り替え機能はユーザサーバホットスタンバイの機能を包括しています)。
- 互換モード
-
オペランド省略時動作の一つです。次に示す指定を省略した場合に,特定のバージョンの省略値を仮定するモードです。
-
HiRDBシステム定義のオペランド
-
ユティリティのオプション
-
SQLのオペランド
-
クライアント環境定義の環境変数
-
プリプロセスオプション
なお,バージョン09-04の省略値を仮定することを0904互換モードといいます。
-
- コストベースの最適化
-
ある表にインデクスが複数作成されている場合,HiRDBは表の検索で指定された探索条件を基にして,最もアクセスコストの少ないインデクスを選択します。コストベースの最適化とは,このようにHiRDBが最適と判断したインデクスを優先して選択する処理のことです。
- コマンドアクセスリスト
-
コマンド実行権限変更機能で管理するOSログインユーザに対するコマンド実行権限のリストのことです。
- コマンド代行ログ
-
pdcmdsetコマンド及びpdcmdactコマンドの実行結果を記録するコマンド実行権限変更機能のログのことです。
- コミット時反映処理
-
グローバルバッファ上で更新されたページをCOMMIT文発行時にディスクに書き込む処理のことです。
- コンシステンシーグループ
-
S-VOLへの更新順序の整合性が維持されて保証されるグループのことです。一つのコンシステンシーグループにグループ化された複数の非同期ペアボリュームで,P-VOLへのデータ書き込み順序と,S-VOLへのデータ更新順序が維持されます。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- コンストラクタ関数
-
抽象データ型の値を生成する関数のことです。
- コンパイル
-
SQLプリプロセサで作成したポストソースプログラムを変換して,機械語のプログラム(オブジェクト)を生成する作業のことです。
(サ行)
- サーバマシン
-
HiRDBサーバが動作するワークステーション,又はパーソナルコンピュータのマシン1台のことです。
- サーバモード
-
系切り替え機能の運用方法にはモニタモードとサーバモードがあります。モニタモードの場合は系障害だけを監視対象とし,サーバモードの場合は系障害及びサーバ障害(HiRDBの異常終了など)を監視対象とします。また,サーバモードでは待機系HiRDBを事前に開始しておくため,モニタモードに比べて系の切り替え時間を短縮できます。また,次に示す機能を使用する場合はサーバモードでの運用が前提条件になります。
-
ユーザサーバホットスタンバイ
-
高速系切り替え機能
-
スタンバイレス型系切り替え機能
-
- 最大同時接続数
-
HiRDBサーバ(HiRDB/パラレルサーバの場合は1フロントエンドサーバ)に同時に接続できる接続要求数のことで,pd_max_usersオペランドで指定します。最大同時接続数を超えた場合,それ以上の接続要求はCONNECTエラーになります。
- サイト状態
-
ログ同期方式でのサイトの状態です。初期,準備,業務,及びログ適用の四つの状態があります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 再編成時期予測機能
-
表,インデクスの再編成,又はRDエリアの拡張は,出力されたメッセージやpddbstコマンドの実行結果から,ユーザが再編成時期,及び再編成要否を判断する必要がありました。この場合,再編成の必要がない表を再編成したり,出力されたメッセージを見逃したため,再編成の必要がある表を再編成しなかったりする可能性がありました。
これらの運用を簡単にするために,HiRDBが再編成時期の予測を行うようにしたのが再編成時期予測機能です。
- 作業表用ファイル
-
SQL文を実行するときに必要とする一時的な情報を格納するファイルのことです。
- サブタイプ
-
ある抽象データ型を基にして,その型を特化した抽象データ型のことです。
- 差分バックアップ管理ファイル
-
差分バックアップ機能を使用するときに必要なファイルです。差分バックアップ管理ファイルには差分バックアップ取得時の情報が格納されていて,バックアップの取得時及びバックアップを使用したデータベースの回復時にHiRDBが使用します。
- 差分バックアップ機能
-
差分バックアップ機能とは,前回のバックアップ取得時点からの差分情報だけをバックアップとして取得する機能です。このため,バックアップの取得処理時間を短縮できます。データベースの容量が多くてデータ更新量が少ない場合に,差分バックアップ機能の使用を検討してください。
- 参照制約
-
表定義時に特定の列(外部キー)に制約を定義し,表間のデータの参照整合性を保つ制約のことです。参照制約及び外部キーを定義された表を参照表,外部キーによって,参照表から参照される表を被参照表といいます。なお,被参照表には外部キーによって参照される主キーを定義しておく必要があります。
- 参照専用バックエンドサーバ
-
共用RDエリアの共用表や共用インデクスを参照できるバックエンドサーバです。更新はできません。
- 参照バッファ
-
データを参照する場合,データをグローバルバッファ上で参照します。データを参照するためのバッファ,及びデータベースに更新済みのバッファを参照バッファといいます。
- システムファイル
-
障害時にシステムの状況を回復するための情報などを格納するためのファイルのことで,次に示すファイルの総称です。
-
システムログファイル
-
シンクポイントダンプファイル
-
ステータスファイル
-
- システム用RDエリア
-
次に示すRDエリアの総称です。
-
マスタディレクトリ用RDエリア
-
データディレクトリ用RDエリア
-
データディクショナリ用RDエリア
-
- システムログ適用化
-
業務サイトとログ適用サイトのデータベースを一時的に同期化することでデータベースの整合性を取り,ログ適用の実行に必要なファイルの情報を正しい状態にして,ログ適用ができる状態にすることをいいます。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- システムログファイル
-
データベースの更新履歴情報を格納するためのファイルです。一般的にはジャーナルファイルともいいます。データベースの更新履歴情報をシステムログといいます。システムログは,HiRDB又はUAPが異常終了した場合,HiRDBがデータベースを回復するときに使用します。また,データベースを回復するときの入力情報にも使用します。
- システムログファイルの空き容量監視機能
-
システムログファイルの空き率が警告値未満になった場合に警告メッセージを出力するか,又は新規トランザクションのスケジューリングを抑止して,サーバ内の全トランザクションを強制終了する機能のことです。
- システムログをアンロードする運用
-
システムログをアンロードする運用です。データベースを回復するときのデータベース回復ユティリティの入力情報として,システムログをアンロードしたアンロードログを使用します。
- 実表
-
ビュー表を除く表のことです。実表には,永続実表と一時表があります。
- 自動再接続機能
-
サーバプロセスダウン,系切り替え,ネットワーク障害などの要因でHiRDBサーバとの接続が切断された場合に,自動的に再接続する機能のことです。自動再接続機能を使用すると,ユーザはHiRDBサーバとの接続の切断を意識しないで,UAPの実行を継続できます。
- 自動採番機能
-
採番業務を行う場合に,順序数生成子が生成する順序番号を使用して自動的に採番を行う機能のことです。
- 自動ログアンロード機能
-
システムログをアンロードする運用では,HiRDB管理者がpdlogunldコマンドでアンロード待ち状態のシステムログファイルをアンロードする必要があります。このシステムログファイルのアンロード作業を自動化する機能を自動ログアンロード機能といいます。
- 絞込み検索
-
段階的に対象レコードを絞り込む検索のことをいいます。
絞込み検索をする場合,操作系SQLのASSIGN LIST文でリストを作成します。
ある条件で作成したリストがあれば,そのリストを使用することで処理速度の向上が図れます。また,複数の条件を指定する場合は,複数のリストを組み合わせた検索もできます。
- 主キー(プライマリキー)
-
表中の行を一意(ユニーク)に識別するためのキーとして主キーがあります。主キーを定義した列には,一意性制約と非ナル値制約が適用されます。一意性制約とは,キー(列又は複数の列の組)中のデータの重複を許さない(キー中のデータが常に一意である)制約のことです。非ナル値制約とは,キー中の各列の値にナル値を許さない制約のことです。
- 縮退起動
-
開始できないユニットがあるときに,正常なユニットだけでHiRDBを開始することです。縮退起動を指定しておくと,あるユニットに障害が発生して起動できなくなっても,残りのユニットだけでHiRDB/パラレルサーバを開始できます。
- 順序数生成子
-
順序数生成子とは,データベース中でデータを呼び出すごとに一連の整数値(これを現在値といいます)を返す機能です。例えば,「データを挿入するごとに特定の列の値を自動的にカウントアップする」といった使い方をします。順序数生成子を使用すれば,ロールバックが発生しても現在値は変更されないため,トランザクションの状態とは無関係にデータを一意に識別したり,処理の順序性を確認したりするなどの運用ができます。
- ジョイン
-
二つ以上の表の突き合わせ処理です。
- 使用中セグメント
-
表又はインデクスのデータを格納しているセグメントです。データが満杯でセグメント内にデータを追加できないセグメントを満杯セグメント,それ以外の使用中セグメントを空きありセグメントといいます。空きありセグメントのうち,データの削除でセグメント内の全ページが空きページ(使用中空きページ又は未使用ページ)のセグメントを使用中空きセグメントといいます。
- 使用中ページ
-
表又はインデクスのデータを格納しているページです。特に,データが満杯でページ内にデータを追加できないページを満杯ページといい,データの削除でページ内にデータがなくなったページを使用中空きページといいます。
- 除外キー値
-
インデクス定義時に,余分なインデクスキーを作成しないために除外するキー値のことです。HiRDBでは,すべての構成列の値がナル値で,キー値の重複が多いインデクスに対してナル値を除外キー値として指定できます。
- 新規ページ追加モード
-
HiRDBがデータを格納するとき,格納するためのRDエリアの空き領域をサーチする方式です。セグメントが満杯になると,まず新規に未使用セグメントを確保します。RDエリア中に未使用セグメントがなくなると,既にその表に割り当てられたセグメント(使用中セグメント)の空き領域を先頭からサーチして空き領域にデータを格納します。
- シンクポイントダンプファイル
-
HiRDBが異常終了した場合,システムログだけで回復処理をすると,HiRDB開始からのすべてのシステムログが必要になって,回復に多大な時間が掛かります。そこで,HiRDB稼働中に一定の間隔でポイントを設けて,そのポイントで回復に必要なHiRDB管理情報を保存することで,ポイント以前のシステムログを不要にして回復時間を短縮できます。このポイントで取得するHiRDB管理情報を格納するファイルをシンクポイントダンプファイルといいます。
- シンクポイントダンプ有効化のスキップ回数監視機能
-
システム共通定義のpd_spd_syncpoint_skip_limitオペランドで,1トランザクション中のシンクポイントダンプ有効化処理のスキップ回数の上限値を指定できます。
UAPの無限ループなどが発生すると,シンクポイントダンプの有効化処理が連続してできないことがあります(シンクポイントダンプの有効化処理が連続してスキップされることがあります)。このスキップ回数がユーザの指定した値以上の回数となった場合,対象トランザクションを強制的に中断してロールバックをします。
- スーパタイプ
-
特化した抽象データ型(サブタイプ)に対する上位の抽象データ型のことです。
- 推奨モード
-
オペランド省略時動作の一つです。次に示す指定を省略した場合に,推奨値を仮定するモードです。
-
HiRDBシステム定義のオペランド
-
ユティリティのオプション
-
SQLのオペランド
-
クライアント環境定義の環境変数
-
プリプロセスのオプション
-
- スキーマ
-
表,インデクス,抽象データ型(ユーザ定義型),インデクス型,ストアドプロシジャ,ストアドファンクション,トリガ,及びアクセス権限を包括した概念のことです。
- スキーマ操作権限
-
他ユーザが所有しているスキーマに対して,リソース(表,インデクスなど)の定義や変更を行うために必要な権限です。
- スキーマ単位の再編成
-
スキーマ内のすべての表を一括して再編成します。所有する表の再編成を一括して行う場合にスキーマ単位の再編成を実行します。データベース再編成ユティリティの-tオプションで再編成対象のスキーマの認可識別子を指定します。指定形式は-t 認可識別子.allです。
再編成の処理単位には,スキーマ単位の再編成のほかに次のものがあります。
-
表単位の再編成
-
RDエリア単位の再編成
-
- スキーマ定義権限
-
スキーマを定義するために必要な権限です。
- スタンバイ型系切り替え機能
-
業務処理中のHiRDBのほかに待機用のHiRDBを準備して,業務処理中のサーバマシン又はHiRDBに障害が発生した場合,待機用のHiRDBに業務処理を自動的に切り替えます。これをスタンバイ型系切り替え機能といいます。
- スタンバイレス型系切り替え機能
-
待機系HiRDBを準備するスタンバイ型系切り替え機能とは異なり,スタンバイレス型系切り替え機能では待機系HiRDBを準備する必要がありません。障害が発生した場合は待機系HiRDBに系を切り替えるのではなく,稼働中のほかのユニットに処理を代行させます。これをスタンバイレス型系切り替え機能といいます。
スタンバイレス型系切り替え機能は,次のように分類できます。
-
1:1スタンバイレス型系切り替え機能
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能
-
- ステータスファイル
-
HiRDBを再開始するときに必要なシステムステータス情報を格納するファイルのことです。次に示すファイルから構成されます。
-
サーバ用ステータスファイル
-
ユニット用ステータスファイル
-
- ストアドファンクション
-
SQL,Java,又はC言語で記述したデータの加工などのデータ処理を関数としてデータベースに登録しておく機能です。0個以上の入力パラメタを設定して戻り値を返せるため,SQL中の値式として指定して呼び出せます。ストアドファンクションは,CREATE FUNCTION又はCREATE TYPE中の関数本体で定義できます。SQL,Java,又はC言語で記述したデータ加工処理は,定義時にコンパイルされ,処理手順を記述したSQLオブジェクトが作成されて,定義情報とともにデータベースに格納されます。
- ストアドプロシジャ
-
SQL,Java,又はC言語で記述した一連のデータベースのアクセス手順を手続きとしてデータベースに登録しておく機能です。0個以上の入力,出力又は入出力パラメタを持ち,SQLのCALL文で呼び出せます。ストアドプロシジャは,CREATE PROCEDURE又はCREATE TYPE中の手続き本体で定義できます。SQL,Java,又はC言語で記述されたデータベース操作は,定義時にコンパイルされ,アクセス手順を記述したSQLオブジェクトが作成されて,定義情報とともにデータベースに格納されます。
- ストアドルーチン
-
ストアドプロシジャとストアドファンクションを総称して,ストアドルーチン又はルーチンといいます。
- 正規BES
-
1:1スタンバイレス型系切り替え機能で障害発生時に処理を代行してもらうバックエンドサーバのことです。また,正規BESのユニットを正規BESユニットといいます。
- 正規表現
-
文字列の一部をパターン化して,任意の文字列,文字列の繰り返し,又は幾つかの文字を記述し,複数の文字列を一つのパターンで表現できる表現方法です。正規表現は,SIMILAR述語のパターン文字列で指定します。
- 正規ユニット
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能のホストBESがあるユニットのことです。
- 整合性制約
-
データベースのデータが正しい状態であることを保証するために必要な制約のことです。
整合性制約には,次に示す2種類があります。
-
非ナル値制約(指定した列の値に,ナル値を許さない制約)
-
一意性制約(指定した列の値がすべての行で一意であり,列中での重複を許さない制約)
-
- 正シンクポイントダンプファイル
-
ログ同期方式で必要となるシンクポイントダンプファイルです。ログ適用サイトでログ適用処理を行うときに使用します。業務サイトには,正シンクポイントダンプファイルと対になる副シンクポイントダンプファイルが必要となります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 正ステータスファイル
-
ログ同期方式で必要となるステータスファイルです。ログ適用サイトでログ適用処理を行うときに使用します。業務サイトには,正ステータスファイルと対になる副ステータスファイルが必要となります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 静的SQL
-
UAPを作成するとき,プログラム中にSQLを記述する方法のことです。これに対し,UAPを実行するときにSQLを組み立てる方法のことを動的SQLといいます。
- セグメント
-
データの格納単位の一つで,連続した複数のページから構成されます。表やインデクスを格納するための割り当て単位です。一つのセグメントには,1種類の表又は1種類のインデクスを格納できます。
- 全同期方式
-
リアルタイムSANレプリケーションの処理方式の一つです。メインサイトのデータベースファイル又はシステムファイルに更新が発生した場合,リモートサイトのファイルに同期コピーを行います。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 全非同期方式
-
リアルタイムSANレプリケーションの処理方式の一つです。メインサイトのデータベースファイル又はシステムファイルに更新が発生した場合,リモートサイトのファイルに非同期コピーを行います。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
(タ行)
- 代替BES
-
1:1スタンバイレス型系切り替え機能で障害発生時に処理を代行するバックエンドサーバのことです。また,代替BESのユニットを代替BESユニットといいます。
- 代替可能性
-
下位の抽象データ型の値が上位の抽象データ型の値としてみなされることです。
- 多重定義
-
上位の抽象データ型で定義されたルーチンと同じ名前のルーチンを,下位の抽象データ型を定義するときに上書きして定義することです。
- 注釈
-
注釈には,単純注釈と囲み注釈があります。
単純注釈とは,SQL文中で,「--」から開始し改行コードで終了する注釈のことをいいます。
囲み注釈とは,SQL文中で,「/*」と「*/」で囲んで指定する注釈のことをいいます。
- 抽象データ型
-
複雑な構造を持つデータとその操作を独自に定義して,SQLで扱えるようにしたデータ型のことです。
- 抽象データ型列構成基表
-
抽象データ型の列を含む表のうち,抽象データ型の列を除いた部分で構成される表のことです。
- 通信情報ファイル
-
HiRDBが通信に使用するUNIXドメインソケットファイル及びパイプファイルのことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 通信情報ファイルディレクトリ
-
通信情報ファイルを格納するディレクトリのことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 通信トレース
-
障害調査に使用するトラブルシュート情報の一種であり,HiRDBのプロセスが通信を行った際に,関数などのイベント情報を記録したものです。HiRDBの多くのプロセスでは,トラブルシュートのために,実行した通信制御用の関数などの情報をプロセス固有メモリに記録します。プロセスが異常終了すると,プロセス固有メモリの内容がコアファイルに出力されるため,コアファイルから通信トレースを取得できます。
- ディクショナリサーバ
-
HiRDB/パラレルサーバの構成要素の一つで,データベースの定義情報であるデータディクショナリを一括管理するサーバのことです。
- ディレードリラン
-
システム回復時に,ロールバックと新規トランザクションの受け付けを同時に開始する方式のことです。
- データウェアハウス
-
メインフレーム,UNIXサーバ,PCサーバそれぞれのデータベースを連携して,異なるOSでもその差異を意識しないでアクセスできるデータベースシステムの概念のことです。エンドユーザがPCの環境からアクセスしたり,システム管理者がシステム分析ツールを使ってアクセスしたり,必要に応じたデータベース管理を提供します。HiRDBでは,データウェアハウスのデータベースに活用できるようにするレプリケーション機能(HiRDB Datareplicator,HiRDB Dataextractor)を使用できます。
- データ操作言語
-
適用業務プログラムがデータベースを操作するときの,データベース操作を規定する言語です。
- データ定義言語
-
データベースの構成や内容を定義する言語です。
- データディクショナリ
-
データベースのテーブル構造,列定義,インデクス定義などを含むデータベース設計仕様を格納したものです。HiRDB/シングルサーバの場合はシングルサーバが,HiRDB/パラレルサーバの場合はディクショナリサーバがデータディクショナリを一括管理します。
- データディクショナリLOB用RDエリア
-
ストアドプロシジャ又はストアドファンクションを格納するRDエリアのことです。ストアドプロシジャ又はストアドファンクションの定義ソース格納用と,オブジェクト格納用の二つがあります。
- データディクショナリ用RDエリア
-
定義系SQLの解析結果を管理するディクショナリ表及びディクショナリ表のインデクスを格納するためのRDエリアのことです。
- データディレクトリ用RDエリア
-
インデクスについての情報(列名,データ型など)をHiRDBのデータ形式で格納するためのRDエリアです。
- データベース引き継ぎ
-
サイト切り替えを行う場合に,ログ適用処理を完了させ,サイト状態を変更してからHiRDBを終了することをいいます。データベース引き継ぎは,pdrisedbtoコマンドで行います。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- データロード
-
表にデータを格納することです。データベース作成ユティリティ(pdload)で実行します。
- テープ装置アクセス機能
-
DAT,DLT,又はLTO上にあるファイルをアクセスできます。次に示すファイルに対してテープ装置アクセス機能が適用されます。
-
入力データファイル(pdloadコマンドのsource文に指定する入力データファイル)
-
アンロードデータファイル(pdrorgコマンドのunload文に指定するアンロードデータファイル)
-
アンロードデータファイル(pdrorgコマンドのlobunld文に指定するLOBデータのアンロードデータファイル)
-
バックアップファイル(pdcopyコマンド又はpdrstrコマンドの-b オプションに指定するバックアップファイル)
この用語は,UNIX版では使用できない機能に関する用語のため,UNIXユーザには関係ありません。
-
- デッドロック
-
複数のトランザクションが複数の資源を競合して,互いに相手のトランザクションが確保している資源の解放を待っている状態です。
- デファードライト処理
-
グローバルバッファ上で更新されたページをCOMMIT文が発行されてもディスクに書き込まないで,更新ページ数がある一定の値に達した時点でディスクに書き込む処理のことです。なお,更新ページ数がある一定の値(HiRDBが決定する値)に達した時点をデファードライトトリガといいます。
- デファードライト処理の並列WRITE機能
-
デファードライトの書き込み時間を複数のプロセスで並列に処理する機能です。書き込み処理を複数のプロセスで並列実行するため,書き込み時間が短縮されます。
- デフォルトコンストラクタ関数
-
抽象データ型と同じ名前で識別される,HiRDBで自動的に作成される関数のことです。引数はありません。
- 同期グループ
-
同期ペアボリュームだけで構成されているグループのことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 同期コピー
-
リモートサイトにデータを更新コピーするときの処理方式の一つです。リモートサイトの更新処理が完了した後にメインサイトの更新処理を完了します(メインサイトの更新処理がリモートサイトの更新処理を待ち合わせます)。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 同期点
-
トランザクションを決着した時点を同期点といいます。トランザクションによる更新処理を有効にする場合の同期点処理をコミットといい,無効にする場合の同期点処理をロールバックといいます。
- 同期点指定の再編成
-
通常,表の再編成処理では全データの格納処理を完了するまでトランザクションを決着できません。このため,データベース再編成ユティリティ実行中はシンクポイントダンプを有効化できません。したがって,大量データの再編成処理中にHiRDBが異常終了すると,HiRDBの再開始処理に長い時間を必要とします。これを防ぐために,データ格納時(リロード処理時)に任意の件数で同期点を設定してトランザクションを決着できます。これを同期点指定の再編成といいます。
同期点指定の再編成をするには,データベース再編成ユティリティのoption文で同期点行数(何件データを格納したら同期点を取得するか)を指定してください。大量データを格納した表を再編成する場合,同期点指定の再編成を実施するかどうかを検討してください。
なお,データベース作成ユティリティでも同期点指定ができます。これを同期点指定のデータロードといいます。
- 同期点指定のデータロード
-
通常,データロード処理では全データの格納処理を完了するまでトランザクションを決着できません。このため,データベース作成ユティリティ実行中はシンクポイントダンプを有効化できません。したがって,大量データのロード中にHiRDBが異常終了すると,HiRDBの再開始処理に長い時間を必要とします。これを防ぐために,データロード時に任意の件数で同期点を設定してトランザクションを決着できます。これを同期点指定のデータロードといいます。
同期点指定のデータロードをするには,データベース作成ユティリティのoption文で同期点行数(何件データを格納したら同期点を取得するか)を指定してください。大量のデータを表にロードする場合,同期点指定のデータロードを実施するかどうかを検討してください。
なお,データベース再編成ユティリティでも同期点指定ができます。これを同期点指定の再編成といいます。
- 同期ペアボリューム
-
フェンスレベルにdata又はneverを指定して作成したペアボリュームのことです。P-VOLへのデータ書き込みと,S-VOLへ反映を同期して行います。ペア状態の場合は,P-VOLのデータとS-VOLのデータに差が発生しません。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 統計ログファイル
-
HiRDBが出力する統計情報(統計ログ)を格納するファイルです。
- 動的SQL
-
UAPを実行するときにSQLを組み立てる方法のことです。これに対し,UAPを作成するときに,プログラム中にSQLを記述する方法を静的SQLといいます。
- トランザクション
-
論理的な仕事の単位で,一連のデータベース操作などの集まりです。また,回復や排他制御の基本単位でもあります。
- トランザクション欠損なし(データ欠損なし)
-
トランザクション欠損なしの場合,メインサイトでコミットしたトランザクションの更新処理をリモートサイトのデータベースに反映することを保証します。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- トリガ
-
トリガとは,ある表への操作(更新,挿入,削除)を契機に自動的にSQL文が実行される動作のことです。自動的に実行させるSQL文をトリガSQL文といいます。トリガを使用すると,ある表が更新されたときにその更新を契機に関連するほかの表も自動的に更新するなどの運用ができます。
(ナ行)
- ナル値
-
値が設定されていないことを示す特殊な値のことです。
- 認可識別子
-
権限の集合を識別するための名前です。データベースを操作するための権限を認可識別子に対して付与します。
HiRDBでは,HiRDBユーザを識別する名前が認可識別子となり,データベース操作時には,実行ユーザの認可識別子に対して,操作に必要な権限があるかどうかがチェックされます。
- ノースプリットオプション
-
可変長文字列型の実際のデータ長が256バイト以上の場合でも,1行のデータを1ページに格納するオプションです。通常は可変長文字列型の256バイト以上のデータ部は異なるページに格納されます。したがって,ノースプリットオプションを指定すると,データの格納効率が向上します。ノースプリットオプションを指定するには,CREATE TABLE又はCREATE TYPEでNO SPLITを指定します。
(ハ行)
- 排他制御
-
データベースの整合性を保つためにHiRDBが管理する制御のことです。
- ハイブリッド方式
-
リアルタイムSANレプリケーションの処理方式の一つです。メインサイトのシステムファイルに更新が発生した場合,リモートサイトのファイルに同期コピーを行います。メインサイトのデータベースファイルに更新が発生した場合,リモートサイトのファイルに非同期コピーを行います。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 配列を使用した機能
-
配列型の変数を使用すると,一つのSQLの実行で複数回分の処理ができます。この機能を使用した場合,HiRDBクライアントとHiRDBサーバとの間の通信回数を削減できます。
配列を使用した機能は,FETCH文,INSERT文,UPDATE文,及びDELETE文で利用できます。
- パスワード無効アカウントロック状態
-
CONNECT関連セキュリティ機能でパスワードの文字列制限を設定した場合,制限に違反しているユーザはパスワード無効アカウントロック状態になります。パスワード無効アカウントロック状態のユーザはHiRDBに接続(CONNECT)できなくなります。
- バックアップ取得モード
-
データベース複写ユティリティでバックアップを取得中に,バックアップ対象RDエリアに対するほかのUAPからの参照及び更新要求を受け付けるかどうかの指定です。バックアップ取得モードはデータベース複写ユティリティの−Mオプションで指定し,次に示す三つのモードがあります。
-
参照・更新不可能モード(-M x指定)
バックアップ取得中に,バックアップ対象RDエリアを参照及び更新できません。
-
参照可能モード(-M r指定)
バックアップ取得中に,バックアップ対象RDエリアは参照だけできます。更新はできません。
-
更新可能モード(-M s指定)
バックアップ取得中に,バックアップ対象RDエリアを参照及び更新できます。
-
- バックアップファイル
-
障害発生時に備えて,RDエリアを回復するときに必要なRDエリアのバックアップを格納するファイルのことです。
- バックアップ閉塞
-
pdcopyコマンド以外(ほかの製品の機能)でバックアップを取得する場合,RDエリアをバックアップ閉塞してください。RDエリアをバックアップ閉塞すると,HiRDBの稼働中にほかの製品のバックアップ機能でバックアップを取得できます。RDエリアをバックアップ閉塞するには,pdholdコマンドで-bオプションを指定します。バックアップ閉塞には次の表に示す四つの種類があります。
表F‒1 バックアップ閉塞の種類 バックアップ閉塞の種類
説明
参照可能バックアップ閉塞
バックアップ閉塞中,バックアップ閉塞RDエリアを参照できるが,更新はSQLエラー(−920)になります。
参照可能バックアップ閉塞(更新WAITモード)
バックアップ閉塞中,バックアップ閉塞RDエリアを参照できます。更新はバックアップ閉塞が解除されるまで排他待ち状態になります。
更新可能バックアップ閉塞
バックアップ閉塞中,バックアップ取得対象RDエリアを参照及び更新できます。更新トランザクションが実行中でも,pdholdコマンドを待ち状態にしないで,RDエリアをすぐに更新可能バックアップ閉塞状態にします。
更新可能バックアップ閉塞(WAITモード)
バックアップ閉塞中,バックアップ取得対象RDエリアを参照及び更新できます。更新トランザクションが実行中の場合は,更新トランザクションが終了するまでpdholdコマンドを待ち状態にします。
なお,次に示す閉塞を総称してデータベースの静止化といいます。
-
参照可能バックアップ閉塞
-
参照可能バックアップ閉塞(更新WAITモード)
-
- バックエンドサーバ
-
HiRDB/パラレルサーバの構成要素の一つで,フロントエンドサーバからの実行指示に従ってデータベースのアクセス,排他制御,演算処理などをするサーバのことです。
- ハッシュ分割表のリバランス機能
-
ハッシュ分割表のデータ量が増加したためRDエリアを追加すると(表の横分割数を増やすと),既存のRDエリアと新規追加したRDエリアとの間でデータ量の偏りが生じます。ハッシュ分割表のリバランス機能を使用すると,表の横分割数を増やすときにデータ量の偏りを修正できます。ハッシュ分割表のリバランス機能は,FIXハッシュ及びフレキシブルハッシュのどちらにも適用できます。
- バッファ障害
-
インメモリデータ処理で,インメモリデータバッファに障害が発生した状態です。
- パブリックルーチン
-
すべての利用者を示すPUBLICを所有者として定義するストアドルーチンのことです。パブリックルーチンとして定義すると,他ユーザが定義したストアドルーチンを使用する場合,UAP中からストアドルーチンを呼び出すときに,所有者の認可識別子を指定する必要がなくなります(ルーチン識別子だけ指定します)。パブリックルーチンは,CREATE PUBLIC PROCEDURE又はCREATE PUBLIC FUNCTIONで定義できます。
- 範囲指定の回復
-
データベース回復ユティリティでデータベースを回復するときの方法の一つです。バックアップ取得時点から障害発生時点までの間の任意の同期点にデータベースを回復することをいいます。データベース回復ユティリティの-Tオプションで回復する時刻を指定します。
- 非同期READ機能
-
プリフェッチ機能使用時に一括入力用のバッファを2面用意し,DB処理が一つのバッファを使用中にDB処理とは非同期に非同期READプロセスがもう一つのバッファに先読み入力をする機能のことです。DB処理と先読み入力をオーバラップさせることで処理時間を短縮できます。
- 非同期グループ
-
非同期ペアボリュームだけで構成されているグループのことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 非同期コピー
-
リモートサイトにデータを更新コピーするときの処理方式の一つです。リモートサイトの更新処理の完了を待たないでメインサイトの更新処理を完了します。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 非同期ペアボリューム
-
フェンスレベルにasyncを指定して作成したペアボリュームのことです。P-VOLへのデータ書き込みとS-VOLへ反映を同期して行いません。ペア状態であっても,P-VOLのデータとS-VOLのデータに差が発生することがあります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 非ナル値制約
-
非ナル値制約とは,列の値にナル値を許さない制約のことです。
- ビュー表
-
実表から特定の行や列を選択して,新たに定義した仮想の表のことです。
- 表の再編成
-
表に対して,データの追加や更新を繰り返し実行すると,行の配置が乱れ,むだな空き領域が生じます。表の再編成とは,このようなむだな空き領域をなくすために,ユーザ用RDエリア内の表データ,又はユーザLOB用RDエリア内のLOBデータを編成し直すことです。表を再編成するには,データベース再編成ユティリティ(pdrorgコマンド)を使用します。
- フェンスレベル
-
ペアボリュームのコピー方法,及び更新コピー時に障害が発生した場合のペアボリュームのデータ整合性を保証するレベルのことです。フェンスレベルにはdata,never,asyncがあります。各レベルの詳細については,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 副シンクポイントダンプファイル
-
ログ同期方式で必要となるシンクポイントダンプファイルです。ログ適用サイトでログ適用処理を行っているときのシンクポイントを取るためのファイルです。業務サイトには,副シンクポイントダンプファイルと対になる正シンクポイントダンプファイルが必要となります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- 複数接続機能
-
一つのHiRDBクライアントのUAPから,同時に複数のHiRDBサーバに接続できる機能のことです。
- 副ステータスファイル
-
ログ同期方式で必要となるステータスファイルです。ログ適用サイトでログ適用処理を行っているときのシステムステータス情報を取るためのファイルです。業務サイトには,副ステータスファイルと対になる正ステータスファイルが必要となります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- プラグイン
-
文書,空間データなどのマルチメディアデータを定義した「抽象データ型」及び「複雑なデータを高速に操作できる機能」を提供するHiRDBのパッケージ製品のことです。
- プラグインインデクス
-
プラグインが提供するインデクス型を定義したインデクスのことです。
- プラグインインデクスの遅延一括作成
-
プラグインインデクスを定義した表に行データを追加したとき,プラグインインデクスのデータ追加処理をしないで,データベース再編成ユティリティ(pdrorg)を使用して,後で一括してプラグインインデクスのデータ追加処理をする機能です。
プラグインインデクスを定義した表の行データを大量追加(又は大量更新)するときにこの機能を使用します。
- プリフェッチ機能
-
グローバルバッファ又はローカルバッファ上に複数のページを一括して入力することです。raw I/O機能を適用したHiRDBファイルシステム領域(UNIX版の場合はキャラクタ型スペシャルファイル)を使用して,大量検索をする場合に入出力時間を短縮できます。特にインデクスを使用しない検索,又はインデクスを使用して昇順検索をする表で,データ件数が多い場合に有効です。
- プリプロセス
-
言語コンパイラでコンパイルする前の処理のことです。プリプロセスをすると,SQL文が高級言語用の記述に変換されます。
- フレキシブルハッシュ分割
-
表を横分割する方法のことで,表を構成する列の値をハッシュ関数を使用して,均等にRDエリアに格納し,表を横分割することです。なお,表を横分割するときの条件にした特定の列を分割キーといいます。フレキシブルハッシュ分割では,表を分割してRDエリアに格納する場合,どのRDエリアに分割されるか定まりません。このため,検索処理では,該当する表があるすべてのバックエンドサーバが対象になります。
- フロータブルサーバ
-
HiRDBサーバ全体の処理性能を向上させるために,処理負荷が高いソートやマージ専用に設定し,表のデータへのアクセス処理に使用しないバックエンドサーバのことです。フロータブルサーバとして設定するバックエンドサーバには,表データを格納しません。また,トランザクションの内容によってデータアクセスをしないバックエンドサーバができる場合,一時的にフロータブルサーバとして使用されることもあります。フロータブルサーバはHiRDB/パラレルサーバにだけ設置できます。
- プロセス
-
プログラムの実行単位のことです。各プロセス単位に仮想空間,及び時分割されたCPU資源が割り当てられます。複数のプロセスを並列実行する(マルチプロセス)ことで,スループットの向上が図れます。
- プロセス間メモリ通信機能
-
HiRDBサーバとHiRDBクライアントが同一サーバマシンにある場合,プロセス間の通信にメモリを使用してHiRDBサーバとHiRDBクライアントとの通信を高速にします。これをプロセス間メモリ通信機能といいます。プロセス間メモリ通信機能を使用する場合は,クライアント環境定義のPDIPCオペランドにMEMORYを指定します。
- プロセスの異常終了回数監視機能
-
サーバプロセスの異常終了回数が一定時間内にpd_down_watch_procオペランドに指定した値を超えた場合,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニット)を異常終了させる機能です。この機能は系切り替え機能を使用する場合に使用することをお勧めします。サーバプロセスの異常終了が多発した場合,HiRDBを異常終了するため,すぐに系を切り替えられます。この機能を使用しないと,HiRDBが異常終了しないため,系が切り替わりません。
- ブロック転送機能
-
HiRDBサーバからHiRDBクライアントにデータを転送するときに,任意の行数単位で転送する機能のことです。
- フロントエンドサーバ
-
HiRDB/パラレルサーバの構成要素の一つで,実行されたSQLからデータベースへのアクセス方法を決定し,バックエンドサーバに実行内容を指示するサーバのことです。
- 分割格納条件の変更
-
キーレンジ分割※で分割した表の分割格納条件を,ALTER TABLEで変更できます。表の分割格納条件を変更することで,古いデータを格納していたRDエリアを再利用でき,作業時間を短くできます。
- 注※
-
次に示す分割方法の場合に,表の分割格納条件をALTER TABLEで変更できます。
・境界値指定
・格納条件指定(格納条件の比較演算子に=だけを使用している場合)
- 分割キーインデクス
-
インデクスがある一定の条件を満たすと,そのインデクスは分割キーインデクスになります。条件を満たさないインデクスは非分割キーインデクスになります。ここでは,その条件について説明します。
この条件は,表が単一列分割か複数列分割かによって異なります。表の分割条件に一つの列だけを使用している場合を単一列分割といい,表の分割条件に複数の列を使用している場合を複数列分割といいます。
●単一列分割の場合
次に示すどちらかの条件を満たす場合,そのインデクスは分割キーインデクスになります。
〈条件〉
-
表を横分割するときに格納条件を指定した列(分割キー)に定義した単一列インデクス
-
表を横分割するときに格納条件を指定した列(分割キー)を第1構成列とした複数列インデクス
ZAIKO表を例にして,インデクスが分割キーインデクスになる場合を次の図に示します。
図F‒2 分割キーインデクスになる場合(単一列分割の場合) 〔説明〕
CREATE INDEX A12 ON ZAIKO (SCODE ASC) 1 CREATE INDEX A12 ON ZAIKO (SCODE ASC,TANKA DESC) 2 CREATE INDEX A12 ON ZAIKO (TANKA DESC,SCODE ASC) 3
-
分割キーであるSCODE列をインデクスとした場合,そのインデクスは分割キーインデクスになります。そのほかの列をインデクスとした場合,そのインデクスは非分割キーインデクスになります。
-
分割キーであるSCODE列を複数列インデクスの第1構成列にすると,その複数列インデクスは分割キーインデクスになります。
-
分割キーであるSCODE列を第1構成列以外に指定すると,その複数列インデクスは非分割キーインデクスになります。
●複数列分割の場合
次に示す条件を満たす場合,そのインデクスは分割キーインデクスになります。
〈条件〉
-
分割キーを先頭とし,分割に指定した列を先頭から同順にすべて含んで,複数の列に作成したインデクスです。
ZAIKO表を例にして,インデクスが分割キーインデクスになる場合を次の図に示します。
図F‒3 分割キーインデクスになる場合(複数列分割の場合) 〔説明〕
CREATE INDEX A12 ON ZAIKO (SCODE ASC,TANKA DESC) 1 CREATE INDEX A12 ON ZAIKO (SCODE ASC,TANKA DESC,ZSURYO ASC) 2 CREATE INDEX A12 ON ZAIKO (TANKA DESC,SCODE ASC) 3 CREATE INDEX A12 ON ZAIKO (SCODE ASC,ZSURYO DESC,TANKA ASC) 4
-
すべての分割キー(SCODE及びTANKA列)を指定し,かつ分割キーの指定順序が表定義時と同じため,この複数列インデクスは分割キーインデクスになります。
-
すべての分割キー(SCODE及びTANKA列)を指定し,かつ分割キーの指定順序が表定義時と同じため,この複数列インデクスは分割キーインデクスになります。
-
すべての分割キー(SCODE及びTANKA列)を指定しているが,分割キーの指定順序が表定義時と異なるため,この複数列インデクスは非分割キーインデクスになります。
-
すべての分割キー(SCODE及びTANKA列)を指定しているが,分割キーの指定順序が表定義時と異なるため,この複数列インデクスは非分割キーインデクスになります。
-
- 分岐行
-
1行のデータ長が1ページより大きい場合,別のページに分割して格納されます。また,ノースプリットオプションを指定していない場合にも,別のページに分割して格納されることがあります。このように,基本行とは別のページに格納された行を分岐行といいます。
- ペア状態
-
ペア論理ボリューム,又はペア論理ボリュームグループがペア化されている状態をいいます。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ペアステータス
-
ペアボリュームの状態を意味しています。ペアステータスにはPAIR,SMPL,PSUSなどがあります。各状態の詳細については,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ペアボリューム
-
メインサイトとリモートサイトの日立ディスクアレイシステムで,対となるボリュームのことです。ペアボリュームには正ボリュームと副ボリュームがあります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ペア論理ボリューム
-
サーバ間でペアとなるボリュームを論理的に名前付けし,構成定義したボリュームのことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ペア論理ボリュームグループ
-
ペア論理ボリュームをグループ化したものです。ファイルを配置したペア論理ボリュームをペア論理ボリュームグループ単位で扱います。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ページ
-
データの格納単位の一つで,データベースの入出力動作の最小単位です。ページの種類を次に示します。
-
データページ:表の中の行を格納するページです。
-
インデクスページ:インデクスのキー値を格納するページです。
-
ディレクトリページ:RDエリアの状態の管理情報を格納するページです。
-
- 保護モード
-
リモートサイトへの同期コピーができないときの処理方式を保護モードで選択します。保護モードにはdataとneverがあり,各モードの処理方式を次に示します。
-
data:メインサイトの更新処理(同期コピーができないファイルがあるボリュームの更新処理)を中止します。
-
never:メインサイトの更新処理を続行します。全同期方式又はハイブリッド方式の場合に保護モードを選択してください。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
-
- ホストBES
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能で,該当ユニットに定義されたバックエンドサーバのことです。また,ホストBESのユニットを正規ユニットといいます。
- ポストソース
-
埋込み型で記述したSQL文をプリプロセスしたときに生成されるソースプログラムのことです。
- ボリューム属性
-
ボリュームには,正ボリューム(P-VOL),副ボリューム(S-VOL),シンプレックスボリューム(SMPL)の3種類があります。ボリューム属性とはこの3種類の属性のことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
(マ行)
- マスタディレクトリ用RDエリア
-
ディクショナリ表,ユーザが作成した表やインデクスなどを格納するRDエリアの情報,RDエリアの登録場所(サーバ)の情報などを管理するRDエリアのことです。
- マトリクス分割
-
表の二つの列を分割キーとして,分割方法の指定を組み合わせて分割することです。一つ目の分割キーとなる列を第1次元分割列,二つ目の分割キーとなる列を第2次元分割列といいます。マトリクス分割は,第1次元分割列で境界値指定のキーレンジ分割をし,分割されたデータをさらに第2次元分割列で分割する方法です。マトリクス分割によって分割された表をマトリクス分割表といいます。
- マルチHiRDB
-
一つのサーバマシンで複数のHiRDBサーバを稼働させる形態のことです。
- マルチフロントエンドサーバ
-
フロントエンドサーバを複数設定した構成のことです。SQL処理のCPU負荷が高く,一つのフロントエンドサーバで処理しきれない場合に設定します。
- 未使用セグメント
-
使用されたことがないセグメントです。このセグメントはRDエリア内のすべての表(又はインデクス)が使用できます。
- 未使用ページ
-
使用されたことがないページです。
- メインサイト
-
リアルタイムSANレプリケーションで,通常使用しているシステムがあるサイトのことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- メッセージキュー監視機能
-
サーバプロセスの沈み込みを監視するための機能です。HiRDBでは,サーバプロセスの割り当て処理でメッセージキューを使用しています。サーバプロセスの沈み込みが発生すると,メッセージキューからメッセージを取り出せなくなります。HiRDBでは,ある一定時間(これをメッセージキュー監視時間といいます)を超えてもメッセージキューからメッセージを取り出せない場合,警告メッセージ又はエラーメッセージ(KFPS00888-W又はKFPS00889-E)を出力します。このメッセージが出力されると,サーバプロセスが沈み込んでいる可能性があります。
- 文字コード
-
文字コードとは,文字をコンピュータで扱うために個々の文字に割り当てられた符号のことをいいます。また,文字と符号との対応関係(文字コード体系)のことも,文字コードといいます。UNIX版HiRDBとWindows版HiRDBとで,使用できる文字コードが異なります。使用できる文字コードを次に示します。
文字コード
UNIX版
Windows版
sjis(シフトJIS漢字コード)
○
○
ujis(EUC日本語漢字コード)
○
×
chinese(EUC中国語漢字コード)
○
○
utf-8(Unicode)
○
○
utf-8_ivs(Unicode(IVS対応UTF-8))
○
○
chinese-gb18030(中国語漢字コードGB18030)
○
○
lang-c(単一バイト文字コード)
○
○
- (凡例)
-
○:使用できます。
×:使用できません。
- 文字集合
-
文字データに対する属性です。次の三つの属性を持ちます。
-
使用形式(文字を表現する使用規約)
-
文字レパートリ(その文字集合で表現できる文字の集合)
-
既定の照合順(二つの文字列データを比較する場合の規約)
HiRDBで使用できる文字集合を次に示します。
-
EBCDIK
-
UTF16
-
- モジュールトレース
-
障害調査に使用するトラブルシュート情報の一種です。HiRDBの多くのプロセスは,実行した関数やマクロの履歴をプロセス固有メモリ中に記録します。プロセスが異常終了してコアファイルが出力されると,プロセス固有メモリの内容がコアファイルに出力されるため,コアファイルからモジュールトレースを取得できます。
- モニタモード
-
系切り替え機能の運用方法にはモニタモードとサーバモードがあります。モニタモードの場合は系障害だけを監視対象とし,サーバモードの場合は系障害及びサーバ障害(HiRDBの異常終了など)を監視対象とします。また,サーバモードでは待機系HiRDBを事前に開始しておくため,モニタモードに比べて系の切り替え時間を短縮できます。また,次に示す機能を使用する場合はサーバモードでの運用が前提条件になります。
-
ユーザサーバホットスタンバイ
-
高速系切り替え機能
-
スタンバイレス型系切り替え機能
-
(ヤ行)
- ユーザLOB用RDエリア
-
文書,画像,音声などの長大な可変長データを格納するためのRDエリアのことです。次に示すデータをユーザLOB用RDエリアに格納する必要があります。
-
BLOB型を指定した列(BLOB列)
-
抽象データ型内の,BLOB型を指定した属性
-
プラグインインデクス
-
- ユーザサーバホットスタンバイ
-
待機系HiRDBのサーバプロセスをあらかじめ起動しておいて,系の切り替え時にサーバプロセスの起動処理をしません。系の切り替え時にサーバプロセスの起動処理がない分,系の切り替え時間を短縮できます。
ユーザサーバホットスタンバイのほかに,系の切り替え時間を短縮する機能として高速系切り替え機能があります。高速系切り替え機能の方がユーザサーバホットスタンバイより系の切り替え時間を短縮できます(高速系切り替え機能はユーザサーバホットスタンバイの機能を包括しています)。
- ユーザ定義型
-
ユーザが任意に定義できるデータ型のことです。ユーザ定義型には,抽象データ型があります。
- ユーザ用RDエリア
-
ユーザが作成する表とインデクスを格納するためのRDエリアのことです。
- ユティリティ専用ユニット
-
次に示すユティリティ実行時に使用する入出力装置だけを設定するサーバマシンのことです。HiRDB/シングルサーバにだけ設定できます。
-
データベース作成ユティリティ(pdload)
-
データベース再編成ユティリティ(pdrorg)
-
ディクショナリ搬出入ユティリティ(pdexp)
-
データベース複写ユティリティ(pdcopy)
-
データベース回復ユティリティ(pdrstr)
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
-
- ユニット
-
一つのサーバマシン内の,HiRDBの動作環境のことです。
- ユニットコントローラ
-
ユニット内でサーバの実行制御や監視をしたり,ユニット間での通信制御をしたりするシステムのことです。
- 横分割
-
一つの表,インデクス又はLOB列を複数のユーザ用RDエリア又はユーザLOB用RDエリアに分割して格納することです。表を横分割する場合,この表に作成するインデクスも,横分割する表に対応させて横分割できます。また,表にLOB列が含まれる場合,横分割する表に対応して複数のユーザLOB用RDエリアに分割して格納できます。表を横分割するには,定義系SQLのCREATE TABLEで,横分割のための格納条件を指定します。また,インデクスを横分割するには,定義系SQLのCREATE INDEXで,横分割するインデクスを格納するユーザ用RDエリアを指定します。
- 予備列
-
将来の列追加を見込んで,FIX表に定義する予備用の列のことをいいます。予備列を定義しておくと,FIX表にデータを格納したまま列追加ができます。
- 予約語
-
SQL文で使用するキーワードとして登録されている文字列を予約語といいます。
表や列などの名前には,予約語と同じ名前を指定できません。ただし,引用符(")で囲んだ場合は,予約語と同じ名前を指定できます。
SQL予約語削除機能を使用すると,予約語として登録されているキーワードを削除できます。ただし,削除すると使用できなくなる機能もあります。
(ラ行)
- ラージファイル
-
2ギガバイト以上のHiRDBファイルシステム領域のことをラージファイルといいます。通常,HiRDBファイルシステム領域長の上限は2,047メガバイト(約2ギガバイト)です。これを超えるHiRDBファイルシステム領域を作成する場合は,HiRDBファイルシステム領域をラージファイルとして作成する必要があります。ラージファイルとして作成すると,HiRDBファイルシステム領域長の上限が1,048,575メガバイトとなります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- リアルタイムSANレプリケーション
-
通常使用しているシステムが地震,火災などの災害によって物理的に回復困難な状況になった場合,遠隔地に準備している予備のシステムで業務を続行する機能のことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- リスト
-
適当な件数になるまで条件を指定して段階的にデータを絞り込んでいくような情報検索をするために,その途中段階のデータの集合を一時的に名前(リスト名)を付けて保存したもの,又は保存したデータの集合を意味します。
- リスト用RDエリア
-
リスト用RDエリアには,ASSIGN LIST文で作成するリストを格納します。絞込み検索をする場合に,リスト用RDエリアを作成します。
- リモートサイト
-
リアルタイムSANレプリケーションで,遠隔地に準備している予備のシステムがあるサイトのことです。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- リモート操作ログ
-
HiRDBがリモートシェル,又はセキュアシェルを用いて行った操作時に,実行情報を記録したファイルのことです。
- リンカ
-
言語コンパイラが作成したオブジェクトモジュールを編集し,実行形式のプログラム(ロードモジュール)を作成するプログラムのことです。
- リンケージ
-
言語コンパイラが作成したオブジェクトモジュールを編集し,実行形式のプログラム(ロードモジュール)を作成することをいいます。
- ループバックアドレス
-
127.0.0.0〜127.255.255.255の範囲のIPアドレス(例:127.0.0.1)のことです。ループバックアドレスとして使用できるIPアドレスはOSの仕様に依存します。また,HiRDBでは,localhostを通常のホスト名として扱うため,システム定義などにホスト名としてlocalhostを指定する場合は,名前解決しておく必要があります。
- レジストリLOB用RDエリア
-
レジストリ情報を管理する表(レジストリ管理表)を格納するためのRDエリアです。レジストリ機能を使用する場合に必要です。ただし,プラグインの種類によっては,レジストリ機能を使用しないものがあります。登録されるデータの長さによって,レジストリLOB用RDエリアに格納するかどうかをシステムが自動的に決定します。また,レジストリ管理表に情報を登録したりする,操作用のストアドプロシジャもこのRDエリアに格納します。
- レジストリ機能
-
データ操作時にプラグインが使用するためのプラグイン固有の情報をHiRDBが保持する機能のことです。
- レジストリ用RDエリア
-
レジストリ情報を管理する表(レジストリ管理表)を格納するためのRDエリアです。レジストリ機能を使用する場合に必要です。ただし,プラグインの種類によっては,レジストリ機能を使用しないものがあります。
- レプリケーション機能
-
日立のメインフレームのデータベースとHiRDBのデータベース又はHiRDBのデータベースとHiRDBのデータベースの表データを連携して,データウェアハウスでデータを有効に利用できるようにする機能のことです。
- 連続認証失敗アカウントロック状態
-
不正なパスワードを使用し,ユーザ認証に連続して失敗した場合,そのユーザは連続認証失敗アカウントロック状態になります。連続認証失敗アカウントロック状態のユーザはHiRDBに接続(CONNECT)できなくなります。
- ローカルバッファ
-
ローカルバッファとは,ディスク上のRDエリアに格納されているデータを入出力するためのバッファのことで,プロセス固有メモリ上に確保されます。
- ロードモジュール
-
プリプロセス,コンパイル,及びリンケージまで終わり,UAPソースが実行できるファイルの状態であることをいいます。
- ロールバック
-
トランザクションに何らかの要因で異常が発生したとき,該当するトランザクションによるデータベース処理を無効にすることです。
- ログ取得モード
-
UAP又はユティリティを実行するときのデータベースの更新ログ取得方式の一つです。UAP又はユティリティがRDエリアの内容を更新するときに,ロールバック及びロールフォワードに必要なデータベース更新ログを取得する方式のことです。
- ログ適用
-
ログ同期方式で,業務サイトからコピーされたシステムログを基に行う,データベースの更新処理のことです。ログ適用は,ログ適用サイトで行います。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ログ適用可能状態
-
業務サイトのデータベースとログ適用サイトのデータベースの整合性が取れていて,かつログ適用に必要な情報が正しくコピーできる状態のことをいいます。この状態で災害などが発生し,業務サイトが消失したとしても,データ欠損なしでログ適用サイトに業務を引き継げます。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ログ適用サイト
-
ログ同期方式で,業務サイトからコピーされたシステムログを基に,データベースの更新処理を行うサイトです。ログ適用サイトは,業務サイトと同様に常に稼働しておく必要があります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ログ適用不可能状態
-
業務サイトのデータベースとログ適用サイトのデータベースの整合性が取れていない状態,又はログ適用に必要な情報が正しくコピーできない状態のことをいいます。この状態で災害などが発生し,業務サイトが消失した場合,データ欠損が発生します。
ログ適用不可能状態のときにシステムログ適用化を実行すると,ログ適用可能状態になります。
この用語は,Windows版では使用できない機能に関する用語のため,Windowsユーザには関係ありません。
- ログレスモード
-
UAP又はユティリティを実行するときのデータベースの更新ログ取得方式の一つです。UAP又はユティリティがRDエリアの内容を更新するときに,データベース更新ログを取得しない方式のことです。