8.3.1 リアルタイムSANレプリケーションとは
- 〈この項の構成〉
(1) 機能概要
通常使用しているシステムが地震,火災などの災害によって物理的に回復困難な状況になった場合,遠隔地に準備している予備のシステムを稼働して業務を続行できます。このシステム環境をリアルタイムSANレプリケーション(RiSe)といいます。なお,通常使用しているシステムがあるサイトをメインサイトといい,遠隔地に準備している予備のシステムがあるサイトをリモートサイトといいます。
メインサイト及びリモートサイトのデータは,日立ディスクアレイシステム上に配置し,メインサイトのデータに更新が発生した場合,日立ディスクアレイシステムのTrueCopy又はUniversal Replicatorを使用してリモートサイトに反映(更新コピー)します。
リアルタイムSANレプリケーションの概要を次の図に示します。
- 〔説明〕
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通常はメインサイトのHiRDBを使用して業務を行います。メインサイトのファイルに更新が発生した場合,その更新内容をリモートサイトに更新コピーします。更新コピーによってメインサイトとリモートサイトで同じデータを持ちます。
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メインサイトで地震又は火災などの大規模災害が発生し,メインサイトのシステムが早期に復旧できない場合,リモートサイトでHiRDBを再開始して業務を続行します。
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(2) 更新コピーの対象になるファイル
更新コピーの対象になるファイルを次に示します。これらのファイルに更新が発生すると,リモートサイトの同じファイルに更新情報がコピーされます。
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データベースファイル(RDエリアを構成するHiRDBファイル)
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システムログファイル
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シンクポイントダンプファイル
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ステータスファイル
(3) 同期コピーと非同期コピー
更新コピー処理には同期コピーと非同期コピーがあります。同期コピーと非同期コピーの特徴を次の表に示します。
項目 |
同期コピー |
非同期コピー |
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処理方式 |
リモートサイトの更新処理が完了した後にメインサイトの更新処理を完了します(メインサイトの更新処理がリモートサイトの更新処理を待ち合わせます)。 |
リモートサイトの更新処理の完了を待たないでメインサイトの更新処理を完了します。 |
メインサイトとリモートサイトのデータの整合性 |
メインサイトとリモートサイトで常にデータが一致します。 |
データ欠損が発生することがあります。そのため,メインサイトとリモートサイトでデータが一致しないことがあります。 |
性能への影響 |
トランザクションの処理性能が低下します。低下の割合はサイト間の距離に比例します。※1 |
性能への影響はありません。※1※2 |
注※1 TrueCopyが保証する理論値に従った特徴です。
注※2 Universal Replicatorが保証する理論値に従った特徴です。