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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 解説


8.2.1 回復不要FESとは

フロントエンドサーバがあるユニットで障害が発生して異常終了すると,そのフロントエンドサーバから実行していたトランザクションは未決着状態になることがあります。未決着状態のトランザクションは,データベースの排他を確保しているため,一部のデータベースに対する参照又は更新が制限されます。通常,未決着状態のトランザクションの決着処理をするためには,フロントエンドサーバの障害を取り除いて再開始する必要がありますが,異常終了したフロントエンドサーバが回復不要FESであれば,HiRDBが自動的に未決着状態になっていたトランザクションを決着します。これによって,ほかのフロントエンドサーバやバックエンドサーバを使用して,データベースの更新を再開できます。回復不要FESがあるユニットを回復不要FESユニットといいます。回復不要FESを使用する場合としない場合の運用を次の図に示します。

図8‒16 回復不要FESを使用する場合としない場合の運用

[図データ]

なお,回復不要FESを使用するためには,HiRDB Non Recover FESが必要です。

適用基準

障害が発生したフロントエンドサーバを再開始しないで,残りのフロントエンドサーバでオンライン運用を続行できます。そのため,24時間連続稼働が必要なシステムの場合に適用をお勧めします。

設定方法

回復不要FESを使用するには,pdstartオペランドの-kオプションにstlsを指定します。