7.5.3 RDエリアの自動増分
RDエリアの容量不足が近付いたときに,そのRDエリアのHiRDBファイルにセグメントを追加してRDエリアの容量を自動的に拡張します。これをRDエリアの自動増分といいます。RDエリアの自動増分には次の二つの方式があります。
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HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する方式
-
HiRDBファイルシステム領域内でHiRDBファイルを増分する方式
RDエリアの自動増分を次の図に示します。
- 〔説明〕
-
方式1では,セグメントの追加で,HiRDBファイルシステム領域サイズの上限を超える場合,HiRDBファイルシステム領域を必要な分だけ自動的に拡張します。この方式では,一つのHiRDBファイルシステム領域には,HiRDBファイルを一つだけ作成できます。
方式2では,HiRDBファイルシステム領域サイズ内でHiRDBファイルを拡張又は追加し,HiRDBファイルシステム領域の上限まで自動増分します。
RDエリア構成ファイルが複数ある場合,自動増分の対象となるファイルをシステム共通定義pd_rdarea_extension_fileで選択できます。pd_rdarea_extension_fileオペランドについては, マニュアル「HiRDB システム定義」を参照してください。
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pd_rdarea_extension_file=lastの場合
自動増分の対象ファイルは,RDエリアを構成するHiRDBファイルのうち,最終ファイルが対象となります。
図7‒19 pd_rdarea_extension_file=lastの方式 -
pd_rdarea_extension_file=allの場合
自動増分の対象ファイルは,RDエリアを構成するHiRDBファイルすべてが対象となります。
図7‒20 pd_rdarea_extension_file=allの方式
RDエリアの自動増分の詳細については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。
(1) 自動増分を適用できるRDエリア
RDエリアの自動増分を適用できるRDエリアを次に示します。
# |
RDエリア種別 |
自動増分 適用可否 |
自動増分の対象HiRDBファイル |
||
---|---|---|---|---|---|
all※ |
last※ |
||||
1 |
ユーザ用RDエリア |
一時表用RDエリア以外 |
○ |
構成ファイルすべて |
最終ファイル |
2 |
一時表用RDエリア |
最終ファイル |
|||
3 |
データディクショナリ用RDエリア |
||||
4 |
レジストリ用RDエリア |
||||
5 |
ユーザLOB用RDエリア |
||||
6 |
データディクショナリLOB用RDエリア |
||||
7 |
レジストリLOB用RDエリア |
||||
8 |
マスタディレクトリ用RDエリア |
× |
− |
− |
|
9 |
データディレクトリ用RDエリア |
||||
10 |
リスト用RDエリア |
(2) 自動増分の契機
HiRDBは,次に示すRDエリアの自動増分契機になると,RDエリアを自動増分します。
-
RDエリア内の空きセグメント数の合計が1回の自動増分で増分するセグメント数以下になったとき
例えば,1回の自動増分セグメント数を50セグメントとしている場合,空きセグメント数が50セグメント以下になったときに自動増分します。
-
RDエリア内に空きセグメントがなく,新しいセグメントを確保できないとき
自動増分契機は,pd_rdarea_extension_timingオペランドで指定できます。詳細については,マニュアル「HiRDB システム定義」を参照してください。
自動増分契機を判断するために空きセグメント数を算出する範囲を次の図に示します。
(3) RDエリアの自動増分方式の選択基準
RDエリアの自動増分を適用する場合,基本的には方式1をお勧めします。方式1では,HiRDBファイルの最大サイズ(64ギガバイト)まで自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張するため,領域の見積もりやデータベースの拡張が容易になります。
ただし,方式1には次の制限事項があるため,適用できないシステムの場合は,方式2を選択してください。
-
一つのRDエリアに一つのHiRDBファイルシステム領域を割り当てるため,RDエリア数と同じ数のHiRDBファイルシステム領域を作成する必要がある。
-
ディスクに空きがあれば,HiRDBファイルシステム領域が64ギガバイトまで自動的に拡張するため,ディスク使用量の上限を設定できない。
(4) 自動増分の対象ファイルの選択基準
次に示す運用をする場合,pd_rdarea_extension_fileにallを指定してください。
-
RDエリア作成時に複数のHiRDBファイル構成とし,すべての構成ファイルを自動増分させたい。
allを指定した場合,最大1テラバイト(64ギガバイト[構成ファイルの上限サイズ]×16[最大構成ファイル数])までRDエリアを自動的に拡張できます。
ただし,all指定には次の制限事項があるため,適用できないシステムの場合は,lastを指定してください。
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すべての構成ファイル配置先に,構成ファイルが自動増分によって拡張できるディスク容量をあらかじめ用意する必要がある。
(5) 自動増分の設定方法
自動増分の設定手順を次に示します。詳細は,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」の「RDエリアの自動増分」を参照してください。
(a) 方式1の場合
この方式の場合,RDエリアの自動増分でHiRDBファイルシステム領域サイズの上限を超える場合,HiRDBファイルの最大サイズ(64ギガバイト)まで自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張します。
(b) 方式2の場合
この方式の場合,HiRDBファイルシステム領域の上限まで自動増分します。自動増分で,HiRDBファイルシステム領域に空きがないと,自動増分できません。この場合,RDエリアを拡張するか,RDエリア内の表及びインデクスを再編成してください。また,エクステント数が上限値である24を超えた場合,HiRDBファイルシステム領域のエクステントを統合して一つにするか,又はRDエリアを拡張してください。エクステント,及びHiRDBファイルシステム領域を統合する手順については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。