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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 解説


7.2.5 ユーザLOB用RDエリアのバックアップ取得時間の短縮(更新凍結コマンド)

更新凍結コマンド(pddbfrzコマンド)を使用すると,ユーザLOB用RDエリアのバックアップ取得時間を短縮できることがあります。次に示す運用をする場合に更新凍結コマンドの使用を検討してください。

更新凍結コマンドを使用したバックアップの取得方法については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 更新凍結コマンドとは

更新凍結コマンドを実行すると,ユーザLOB用RDエリア中の満杯データページ(すべて割り当て済み)のHiRDBファイルを更新凍結状態にします。更新凍結状態のHiRDBファイル中のデータを更新及び削除できません。更新凍結コマンドの処理概要を次の図に示します。

図7‒6 更新凍結コマンドの処理概要

[図データ]

〔説明〕
  • HiRDBファイル1〜4で構成されるユーザLOB用RDエリアがあります。HiRDBファイル2〜3が満杯データページです。

  • このユーザLOB用RDエリアに更新凍結コマンドを実行すると,HiRDBファイル2〜3が更新凍結状態になります。更新凍結状態になったHiRDBファイルはKFPH27024-Iメッセージに表示されます。

  • HiRDBファイル1及びHiRDBファイル4は更新可能状態になります。

(2) 更新凍結コマンドのバックアップ取得への利用方法

更新凍結コマンドのバックアップ取得への利用方法を次の図に示します。

図7‒7 更新凍結コマンドのバックアップ取得への利用方法

[図データ]

〔説明〕

バックアップ取得前に更新凍結コマンドを実行します。その結果,HiRDBファイル2〜3が更新凍結状態になりました。

  1. 初回のバックアップ取得時には全HiRDBファイル(HiRDBファイル1〜4)のバックアップを取得します。

  2. HiRDBファイル2〜3は更新凍結状態のため,初回のバックアップ取得時と内容が変わっていません。したがって,次回のバックアップ取得時にはHiRDBファイル2〜3のバックアップを取得する必要はありません。HiRDBファイル1及びHiRDBファイル4のバックアップだけを取得します。

備考

先頭HiRDBファイル(図「更新凍結コマンドのバックアップ取得への利用方法」の場合はHiRDBファイル1)には管理レコードがあるため,データ部が満杯になっても常に書き込みが発生します。このため,更新凍結状態になることはありません。したがって,先頭HiRDBファイルのバックアップは常に取得することになります。