Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 解説


7.2.1 バックアップの取得

データベースの障害に備えて,定期的にデータベースのバックアップを取得する必要があります。バックアップはデータベース複写ユティリティ(pdcopy)で取得します。

〈この項の構成〉

(1) バックアップの取得単位

バックアップの取得単位はデータベース複写ユティリティ(pdcopy)のオプションで指定できます。バックアップの取得単位を次の表に示します。

表7‒1 バックアップの取得単位

バックアップの

取得単位

説明

pdcopyのオプションの指定

システム単位

全RDエリアを対象としてバックアップを取得します。マスタディレクトリ用RDエリアなどのシステムが使用するRDエリアのバックアップも取得されます。

-a

ユニット単位

ユニット下のRDエリアを対象としてバックアップを取得します。

-u ユニット名

サーバ単位

サーバ下のRDエリアを対象としてバックアップを取得します。

-s サーバ名

RDエリア単位

RDエリアごとにバックアップを取得します。

-r RDエリア名

注※ HiRDB/パラレルサーバの場合に該当します。

(2) バックアップ取得モード

データベース複写ユティリティ(pdcopy)の-Mオプションでバックアップ取得モードを選択します。バックアップ取得モードを次の表に示します。

表7‒2 バックアップ取得モード

バックアップ取得モード(-Mオプションの指定値)

モードの説明

バックアップ取得時点への

RDエリアの回復方法の違い

参照・更新不可能モード(x)

バックアップ取得中に,バックアップ対象RDエリアを参照及び更新できません。バックアップを取得する前に,対象RDエリアをpdhold -cコマンドで閉塞かつクローズ状態にする必要があります。

ここで取得したバックアップを使用して,データベースをバックアップ取得時点に回復できます。

また,システムログを使用すれば,バックアップ取得時点以降の任意の同期点に回復できます。

参照可能モード(r)

バックアップ取得中に,バックアップ対象RDエリアは参照だけできます。更新はできません。

更新可能モード(s)※1,※2

バックアップ取得中に,バックアップ対象RDエリアを参照及び更新できます。

データベースをバックアップ取得時点には回復できません。バックアップ取得時点以降の任意の同期点への回復だけとなります。したがって,データベースを回復するには,バックアップ及びバックアップ取得直前のシンクポイントからのシステムログ※3が必要になります。

注※1【UNIX版限定】

更新可能モードを指定する場合は,バックアップ取得対象RDエリアがキャラクタ型スペシャルファイル上に作成されている必要があります。通常ファイル上に作成されているRDエリアは更新可能モードでバックアップを取得できません。

注※2

ログレスモード又は更新前ログ取得モードのUAP(ユティリティを含む)の実行中に,更新可能モードでバックアップを取得しないでください。

注※3

データベース複写ユティリティの処理結果出力ファイルに,RDエリアを回復するときに必要なシステムログファイルのランID及び世代番号が出力されます。

(3) バックアップファイルを格納するサーバマシン

バックアップファイルは,HiRDBが稼働するサーバマシンであればどこにでも作成できます。バックアップを取得したRDエリアと同じサーバマシンに作成する必要はありません。CMTやDATなどのデバイスが,バックアップ対象RDエリアと異なるサーバマシンにあってもかまいません。バックアップファイルを格納するサーバマシンは,データベース複写ユティリティ(pdcopy)のオプションで指定できます。