Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 解説


6.6.1 開始モードと終了モード

HiRDBを開始するときには開始モードという概念があり,終了するときには終了モードという概念があります。ここでは,この開始モード及び終了モードについて説明します。HiRDBの開始及び終了方法については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 開始モード

HiRDBの開始モードを次の表に示します。

表6‒7 HiRDBの開始モード

開始

モード

説明

入力するコマンド

システム単位の開始

ユニット単位の開始※1

サーバ単位の開始※1

正常開始

前回の終了モードが正常終了の場合の開始モードです。このとき,前回稼働時の情報を引き継ぎません。ただし,次に示す情報は引き継ぎます。

  • レプリカRDエリア(UNIX版限定)のレプリカステータス

  • 障害閉塞しているRDエリアの状態

pdstart

pdstart -u

pdstart -x

pdstart -s

再開始

前回の終了モードが次に示す場合の開始モードです。このとき,前回稼働時の情報を引き継ぎます。

  • 計画停止

  • 異常終了

  • 強制終了

再開始時に引き継ぐ情報の詳細は,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」の「HiRDBが再開始するときに引き継ぐ情報」を参照してください。

×

強制開始※2

HiRDBを再開始できないときに,強制的にHiRDBを開始する場合の開始モードです。このとき,前回稼働時の情報を引き継がないため,HiRDBはデータベースの内容を回復できません。したがって,HiRDB管理者がデータベースの内容を回復してください。

pdstart

 dbdestroy

pdstart -u

 dbdestroy

pdstart -x

 dbdestroy

×

(凡例)

×:この開始方法は実行できません。

注※1

HiRDB/パラレルサーバの場合,ユニット単位又はサーバ単位でも,開始及び終了できます。

注※2

HiRDBを強制開始すると,前回のHiRDB開始後に更新したすべてのRDエリア(システム用RDエリアも含みます)が破壊されます。したがって,強制開始をする場合は,破壊されたRDエリアをデータベース回復ユティリティ(pdrstr)で回復する必要があります。RDエリアを回復しないと,その後のHiRDBの動作を保証できません。このとき,RDエリアはシステムログだけで回復できます。前回のpdstartコマンドが失敗したときに出力されたKFPS01262-Iメッセージを参照し,メッセージに表示されているログ読み込み開始のファイルグループ名及びそれ以降に発生したシステムログをデータベース回復ユティリティ(pdrstr)の入力情報にしてください。

(2) 終了モード

HiRDBの終了モードを次の表に示します。

表6‒8 HiRDBの終了モード

終了

モード

説明

入力するコマンド

システム単位の終了

ユニット単位の終了

サーバ単位の終了

正常終了

CONNECT要求を禁止し,すべてのユーザの処理が終了した後にHiRDBを終了します。ユティリティが実行中のため,pdstopコマンドを実行してもHiRDBを終了できない場合は,KFPS05074-Eメッセージが出力されます。ユニットを終了できない場合は,KFPS05070-Eメッセージが出力されます。このとき,pdstopコマンドはリターンコード8で終了します。

pdstop

pdstop -u

pdstop -x

pdstop -s

計画停止

トランザクションの受け付けを禁止し,ユティリティを含むすべてのトランザクションが終了した後にHiRDBを終了します。

pdstop -P

×

×

強制終了

処理中のトランザクションの完了を待たないで,HiRDBを直ちに終了します。処理中のトランザクションは,再開始時にロールバックの対象となります。

pdstop -f

pdstop -f -u

pdstop -f -x

×

異常終了

何らかの異常によってHiRDBが終了する場合の終了モードです。処理中のトランザクションの完了を待たないで,HiRDBは直ちに終了します。処理中のトランザクションは,再開始時にロールバックの対象となります。

(凡例)

−:該当しません。

×:この終了方法は実行できません。

注※

処理中のトランザクションは,再開始時にロールバックの対象となります。ただし,次に示す場合のトランザクションはロールバックの対象となりません。

  • データベース作成ユティリティ(pdloadコマンド)又はデータベース再編成ユティリティ(pdrorgコマンド)をログレスモードで実行している場合

  • ログレスモードでUAPを実行している場合

したがって,HiRDBを再開始した後に,HiRDB管理者がRDエリアをバックアップから回復するか,ユティリティを再実行する必要があります。ログレスモード及びログレスモードで運用しているときのRDエリアの回復方法については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。