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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 解説


3.5.3 隠蔽

「従業員」についての情報では,個人的な内部情報(例えば,操作「報酬」で査定処理するための情報や,属性「入社年月日」の値など)は,直接アプリケーションからはアクセスできないようにすることが好ましいと考えられます。その理由を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 隠蔽レベル

HiRDBでは,抽象データ型の属性及びルーチンの宣言で隠蔽レベルを指定して,それらへのアクセスを制御できます。

隠蔽レベルには次に示す三つのレベルがあります。

隠蔽レベルと抽象データ型の値の属性へのアクセス及びルーチンの使用可否を次の表に示します。

表3‒9 隠蔽レベルと抽象データ型の値の属性へのアクセス及びルーチンの使用可否

隠蔽レベル

アクセス元

その抽象データ型の定義内

サブタイプの抽象データ型の定義内

左記以外の抽象データ型の定義内

アプリケーション

PUBLIC

PROTECTED

×

×

PRIVATE

×

×

×

(凡例)

○:抽象データ型の属性の値へのアクセス及びルーチンを使用できます。

×:抽象データ型の属性の値へのアクセス及びルーチンを使用できません。SQLエラーとなります。

ある抽象データ型Tに対する,隠蔽レベルとアクセス可否の関係を次の図に示します。

図3‒43 隠蔽レベルとアクセス可否の関係

[図データ]

抽象データ型を定義した表の作成,設計方法については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。抽象データ型を定義した表のデータ操作方法については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。