ノンストップデータベース HiRDB Version 9 セキュリティガイド
ユーザの役割とその作業について説明します。
HiRDBでは,次の表に示すユーザがシステムを構築,運用,または利用することを想定しています。
表3-1 ユーザの役割と主な作業項目
ユーザの役割 | 人数 | 必要な権限 | 主な作業項目 | |
---|---|---|---|---|
システムを管理する人 | スーパユーザ | 1名 | −※1 |
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HiRDB管理者 | 1名 | DBA権限 |
|
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権限を管理する人 | DBA権限保持者 | 1名以上 | DBA権限 |
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表を管理する人 | 表の所有者 | 1名以上 | スキーマ定義権限 CONNECT権限 |
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データベースを利用する人 | データベース利用者 | 1名以上 | CONNECT権限 |
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監査を実施する人 | 監査人※2 | 1名 | 監査権限 |
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(凡例)−:該当しません。
(1)でユーザの役割と主な作業項目を説明しました。各ユーザに割り当てられた作業内容によって,必要とされる技能および知識が異なります。必要な技能および知識を有する人を選定してください。必要な技能または知識がない人を選定した場合,OSまたはHiRDBの運用・操作を誤り,それがセキュリティ上のリスクにつながる可能性があります。また,スーパユーザ,HiRDB管理者,DBA権限保持者,表の所有者,UAP管理者,および監査人は,利用組織内で信頼できる人を選定してください。
各ユーザに必要な技能および知識を次の表に示します。
表3-2 各ユーザに必要な技能および知識
ユーザの種類 | ユーザに必要な技能および知識 |
---|---|
スーパユーザ | ソフトウェアのインストールおよび環境設定をマニュアルの記載内容に従って適切に行える知識や,技能を有する人をスーパユーザに選定してください。スーパユーザに必要な知識を次に示します。
スーパユーザは,HiRDB管理者やデータベース利用者を兼任できます。 |
HiRDB管理者 | HiRDBの環境設定および運用・操作をマニュアルの記載内容に従って適切に行える知識や,技能を有する人をHiRDB管理者に選定してください。HiRDB管理者に必要な知識を次に示します。
HiRDB管理者は,DBA権限保持者を兼任することになります。監査人は兼任できません。 |
DBA権限保持者 | HiRDBの各種権限(DBA権限,スキーマ定義権限,およびCONNECT権限)をマニュアルの記載内容に従って適切に管理できる知識や,技能を有する人をDBA権限保持者に選定してください。DBA権限保持者に必要な知識を次に示します。
DBA権限保持者は,表の所有者を兼任できます。監査人は兼任できません。 |
表の所有者 | 所有する表のアクセス権限をマニュアルの記載内容に従って適切に管理できる知識や,技能を有する人を表の所有者に選定してください。表の所有者に必要な知識を次に示します。
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データベース利用者 | HiRDBサーバに対して適切なアクセスを行える知識や,技能を有する人をデータベース利用者に選定してください。データベース利用者に必要な知識を次に示します。
なお,SQLを使ってデータベースにアクセスする利用者は,さらにSQLの基礎的な知識が必要になります。 次のユーザはデータベース利用者であり,データベース利用者以外の役割も兼任できます。
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監査人 | マニュアルの記載内容に従って監査を適切に行う知識や,技能を有する人を監査人に選定してください。監査人に必要な知識を次に示します。
監査人は,DBA権限保持者(HiRDB管理者を含む)を兼任できません。 |
HiRDBのインストール後,最初に登録されるHiRDBユーザはHiRDB管理者です。HiRDB管理者には自動的にDBA権限が与えられているため,最初はHiRDB管理者がほかのHiRDBユーザに対して権限を与えます。HiRDB管理者登録後の権限付与の流れを次の図に示します。
図3-2 HiRDB管理者登録後の権限付与の流れ
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