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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.26.1 pddblsの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

RDエリアの状態を表示します。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

 pddbls {-r RDエリア名〔,RDエリア名〕…|-r ALL}
 
        〔{-l|-a}〕 〔-b〕 〔-x 〔-y〕〕〔-M〕〔-D〕〔-T〕〔-P〕〔-W 実行監視時間〕

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

 pddbls {-r RDエリア名〔,RDエリア名〕…|-r ALL
 
         |-s サーバ名〔,サーバ名〕…}
 
         〔{-l|-a}〕 〔-b〕 〔-m〕 〔-x 〔-y〕〕〔-M〕〔-D〕〔-T〕〔-P〕〔-W 実行監視時間〕

(4) オプション

(a) -r RDエリア名〔,RDエリア名〕… 〜<識別子>((1〜30))

表示するRDエリア名を指定します。

(b) -r ALL

すべてのRDエリアに関する情報を表示します。

<規則>

RDエリアを指定する場合の規則については,「運用コマンド,ユティリティでのRDエリアの指定」を参照してください。

(c) -s サーバ名〔,サーバ名〕… 〜<識別子>((1〜8))

サーバ内のすべてのRDエリアに関する情報を表示したい場合,表示するサーバ名を指定します。指定したサーバのすべてのRDエリアに関する情報を表示します。

指定できるサーバ数は最大128個です。129個以上指定すると,129個目以降のサーバは無視されます。

(d) -{l|a}

-l

RDエリアの状態を表示します。

-a

RDエリアに関するすべての情報を表示します。ただし,次に示す情報は表示されません。

  • 共用RDエリアに関する情報

  • インメモリデータバッファに関する情報

共用RDエリアに関する情報を表示する場合は-mオプションを,インメモリデータバッファに関する情報を表示する場合は-M及び-Dオプションを指定してください。

また,-mオプションを指定した場合,全バックエンドサーバの共用RDエリア情報が表示されます。ただし,共用RDエリア内のセグメント使用情報については,更新可能バックエンドサーバだけが表示されます。

(e) -b

閉塞状態のRDエリアの情報だけを表示します。サーバ名を指定した場合,そのサーバの閉塞状態のRDエリアについてだけ,情報を表示します。省略した場合,指定したすべてのRDエリアの情報を表示します。

(f) -m

共用RDエリアの情報を表示する場合に指定します。

-rオプションに共用RDエリアを指定し,かつ-mオプションを指定した場合,全バックエンドサーバの該当するRDエリアのRDエリア情報と共用RDエリア情報を表示します。

(g) -x

DAT形式で情報を表示する場合に指定します。

(h) -y

-xオプション指定時に,ヘッダを付ける場合に指定します。

(i) -M

このオプションはインメモリデータ処理に関するオプションです。

-rオプションで指定したインメモリRDエリアに割り当てられたインメモリデータバッファの状態を表示します。

(j) -D

このオプションはインメモリデータ処理に関するオプションです。

-rオプションで指定したインメモリRDエリアについて,次に示す情報を表示します。

  • インメモリ化した時刻

  • インメモリデータバッファとの同期を取った時刻

(k) -T

一時表用RDエリアの属性を表示する場合に指定します。

(l) -P

pdchpathfコマンドの実行時刻を表示します。DAT形式では表示しません。

(m) -W 実行監視時間 〜<符号なし整数>((0〜3600))

pddblsコマンドの実行時間を監視する場合に,その監視時間を分単位で指定します。このオプションに指定する値の目安や動作については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム定義」のシステム共通定義pd_cmd_exec_timeオペランドの説明を参照してください。

なお,このオプションに0を指定した場合は,監視を行いません。

また,このオプションを省略した場合は,システム共通定義のpd_cmd_exec_timeオペランドの指定値に従います。

(5) 規則

  1. pddblsコマンドは,HiRDBが稼働中のときだけ実行できます。

  2. pddblsコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。

  3. RDエリア名に,ユーザ用RDエリア又はユーザLOB用RDエリアを指定する場合は,データディクショナリ用RDエリアが次のどちらかの状態でなければなりません。

    • オープン状態,かつ閉塞解除状態

    • オープン状態,pdholdコマンドによる閉塞状態

(6) 注意事項

  1. pddblsコマンドのリターンコードを次に示します。

    0:正常終了

    4:警告終了

    8:異常終了

    12:異常終了(エラーメッセージを表示できない事象が発生)

    12の場合,シングルサーバ又はディクショナリサーバがあるホストのイベントログ中のエラーメッセージを参照して,エラーの要因を取り除いた後,再度コマンドを実行してください。イベントログ中にエラーメッセージが出力されていない場合は保守員に連絡してください。

(7) 出力形式

(a) -x及び-yオプション省略時

 STATE OF RDAREA
 RDAREA ID     STATUS  [SERVER] TYPE
               OPNMODE [SHARED][MEMORY-STATUS]
 aa...a bb...b cc...c  dd...d  eeee
               jj...j  ppp     qq...q
  [SEGMENT   ff...f/gg...g]
  [UNABLE TO DISPLAY CODE=hh]
     :    :   :
  [NOT FOUND ii...i=aa...a]
  [RDAREA NOT FOUND]
  [DB-STAY-TIME  rr...r]
  [DB-SYNC-TIME  ss...s]
  [RDAREA_FOR_TEMPORARY_TABLE = tt...t]
  [PATH CHANGE = vv...v]

[説明]

aa...a

RDエリア名(30文字以内)

bb...b

RDエリア番号(10進数11けた)

cc...c

RDエリアの状態(17文字以内)。RDエリアの状態を次に示します。

RDエリアの状態

意味

セグメント情報

CLOSE

クローズ

CLOSE HOLD

クローズ,障害閉塞中

CLOSE HOLD(INQ)

クローズ,参照可能閉塞中

CLOSE HOLD(CMD)

クローズ,コマンド閉塞中

CLOSE HOLD(BU)

クローズ,更新可能バックアップ閉塞中

CLOSE HOLD(BU I)

クローズ,参照可能バックアップ閉塞中

CLOSE HOLD(BU W)

クローズ,更新可能バックアップ閉塞中(WAITモード)

CLOSE HOLD(BU IW)

クローズ,参照可能バックアップ閉塞中(更新WAITモード)

CLOSE ACCEPT-HOLD

クローズ,pdholdコマンド受け付け状態

HOLD

障害閉塞中

HOLD(INQ)

参照可能閉塞中

HOLD(CMD)

コマンド閉塞中

HOLD(BU)

更新可能バックアップ閉塞中

HOLD(BU I)

参照可能バックアップ閉塞中

HOLD(BU W)

更新可能バックアップ閉塞中(WAITモード)

HOLD(BU IW)

参照可能バックアップ閉塞中(更新WAITモード)

ACCEPT-HOLD

pdholdコマンド受け付け状態

OPEN

オープン

(凡例)

○:表示します。

△:RDエリアのオープン契機がDEFER又はSCHEDULEの場合に表示されます。

−:表示しません。

注※

クローズ処理中は,セグメント情報を表示しません。

dd...d

HiRDB/パラレルサーバの場合,サーバ名(8文字以内)

eeee

RDエリアの種別

MAST

マスタディレクトリ用RDエリア

DDIR

データディレクトリ用RDエリア

DDIC

データディクショナリ用RDエリア

DLOB

データディクショナリLOB用RDエリア

USER

ユーザ用RDエリア

ULOB

ユーザLOB用RDエリア

LIST

リスト用RDエリア

RGST

レジストリ用RDエリア

RLOB

レジストリLOB用RDエリア

ff...f

RDエリア内の未使用セグメント数(10進数11けた)

LOB用RDエリアの場合,次のセグメントが未使用セグメント数に含まれますが,同期点に達するまで再使用はできません。同期点に達した後は再使用できるようになります。

  • DELETE文で削除されたBLOB型のデータが格納されていたセグメント

  • UPDATE文で更新されたBLOB型のデータについて,更新前のデータが格納されていたセグメント

  • DROP PROCEDURE,DROP SCHEMAなどの,手続き更新によって削除されたBLOB型のディクショナリデータが格納されていたセグメント

gg...g

RDエリア内の全セグメント数(10進数11けた)

hh

リターンコード。リターンコードを次に示します。

リターンコード

意味

対策方法

01

該当するRDエリアが,情報を表示できない状態です。RDエリアの状態については,cc...cを参照してください。

該当しません。

02

該当するRDエリアは,ほかのトランザクションで占有されているため,情報を表示できない状態です。

占有しているトランザクションの実行完了後に,再度実行してください。

03

該当するRDエリアには,グローバルバッファが割り当てられていません。

グローバルバッファを割り当てて,再度実行してください。

04

HiRDBファイルアクセスで異常が発生しました。

対応するエラーメッセージが出力されるので,そのメッセージから対策方法を検討してください。

05

排他処理でエラーが発生しました。

101

RDエリアの種別が不正です。

該当するRDエリアに対して誤った運用をしていないか確認してください。誤りがない場合には,保守員に連絡してください。

ii...i

RDエリア指定の場合,「RDAREA」と表示されます(6文字以内)。

サーバ指定の場合,「SERVER」と表示されます。

jj...j

HiRDBファイルシステム領域のオープン契機ユーザ指定値。システム共通定義,データベース初期設定ユティリティ,又はデータベース構成変更ユティリティで指定したHiRDBファイルシステム領域のオープン契機(INITIAL,DEFER,又はSCHEDULEのどれか)を表示します。なお,系切り替え機能を使用している場合は,実行系でコマンドを実行したときにオープン契機を表示します。ただし,次のどれかの系切り替え機能を使用している場合,系切り替えが発生するとオープン契機が変更されることがあります。

  • 高速系切り替え機能

  • 1:1スタンバイレス型系切り替え機能

  • 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能

詳細は,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。

ppp

共用RDエリア情報

SUP:共用RDエリア(更新可能バックエンドサーバ)

SRD:共用RDエリア(参照専用バックエンドサーバ)

NON:共用RDエリアではないRDエリア

-mオプションを省略した場合,又はHiRDB/シングルサーバの場合は,ヘッダ,及び共用RDエリア情報は表示されません。

qq...q

インメモリデータバッファの状態

表示される情報

説明

Y (SYNC)

このRDエリアはインメモリRDエリアになっています。

インメモリデータバッファとインメモリRDエリアの同期が取れている状態(DB同期状態)です。

Y (ASYNC)

インメモリデータバッファとインメモリRDエリアの同期が取れていない状態(DB非同期状態)です。

Y (OBST-MEM)

インメモリデータバッファに障害が発生している状態(バッファ障害状態)です。

Y (OBST-DB)

インメモリRDエリアに障害が発生している状態(RDエリア障害状態)です。

Y (OBST-ALL)

インメモリデータバッファとRDエリアの両方に障害が発生している状態(バッファ障害状態かつRDエリア障害状態)です。

N

このRDエリアはインメモリRDエリアではありません。

-Mオプションを省略した場合は,この情報は表示されません(ヘッダも表示されません)。

rr...r

RDエリアをインメモリ化した時刻

最後にインメモリ化した時刻を,年(西暦4けた)/月/日 時:分:秒の形式で表示します。インメモリRDエリアがない場合,又は時刻を表示できない場合は,****/**/** **:**:**が表示されます。

-Dオプションを省略した場合は,この情報は表示されません(ヘッダも表示されません)。

ss...s

インメモリデータバッファとインメモリRDエリアの同期を取った時刻

最後に同期を取った時刻を,年(西暦4けた)/月/日 時:分:秒の形式で表示します。一度も同期を取っていない場合,又は時刻を表示できない場合は,****/**/** **:**:**が表示されます。

-Dオプションを省略した場合は,この情報は表示されません(ヘッダも表示されません)。

tt...t

一時表用RDエリアの属性

OCCUPIED:特定SQLセッション占有属性の一時表用RDエリア

SHARED:SQLセッション間共有属性の一時表用RDエリア

NONE:上記以外

uu...u

システムで使用する情報

  • 指定したRDエリアがない場合は,「NOT FOUND RDAREA=」が表示されます。

  • 指定したサーバがない場合は,「NOT FOUND SERVER=」が表示されます。

  • -bオプションを指定したときに閉塞状態のRDエリアがない場合,又は-sオプションで指定したサーバにRDエリアがない場合は,「RDAREA NOT FOUND」が表示されます。

  • -aを指定したときに情報が表示されない場合は,「UNABLE TO DISPLAY CODE=hh」が表示されます。

vv...v

pdchpathfコマンドの実行時刻

YYYY/MM/DD hh:mm:ssの形式で表示します。

pdchpathfコマンドを実行していない場合,又はpdchpathfコマンド実行後にpdchpathnコマンドを実行した場合,"NO"と表示します。

(b) DAT形式での出力形式(-x及び-yオプション指定時)

"RDAREA","ID","STATUS","UNUSED_SEGMENT","TOTAL_SEGMENT","SERVER","TYPE","OPNMODE","ORIGINAL-RDAREA",
"ORIGINAL-ID","GENERATION-NUMBER","REPLICA-STATUS","REPLICA-COUNTER","SHARED","MEMORY-STATUS",
"DB-STAY-TIME","DB-SYNC-TIME","RDAREA_FOR_TEMPORARY_TABLE","DATAMODEL" [CR]
"aa...a",bb...b,"cc...c",ff...f,gg...g,"dd...d","eeee","jj...j","",
,,"",,"ppp","qq...q","rr...r","ss...s","tt...t","uu...u" [CR]

[CR]は,改行を表します。

[DAT形式での出力規則]
  1. DAT形式で出力する場合の出力規則については,「コマンド実行結果をDAT形式で出力する場合の規則」を参照してください。

  2. 1行に1RDエリアの情報を表示します。

  3. オプションの指定,サーバ種別などによって取得できない情報については,空要素として表示します。

  4. -aオプション指定時にセグメント情報を取得できない状態の場合,RDエリア内の未使用セグメント数に-1,RDエリア内の全セグメント数にリターンコードを表示します。

  5. DAT形式で表示する場合,次のエラーメッセージは出力しません。

    [NOT FOUND ii...i=aa...a]

    [RDAREA NOT FOUND]