Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム定義(Windows(R)用)


11.3.7 通信処理に関するオペランド

◆ pd_registered_port_level = 0|1
《オペランドの省略値》
  • 推奨モード適用時の省略値:1

  • 0904互換モード適用時の省略値:0

このオペランドでは,HiRDB予約ポート機能の対象範囲を指定します。

《前提条件》

pd_registered_portオペランドを指定している必要があります。

《指定値の目安》

0を指定した場合と1を指定した場合の対象範囲を次に示します。

HiRDBが使用するポート番号

pd_registered_port_levelの値

0

1

HiRDBサーバが使用するポート番号

サーバ間通信用送信ポート番号

サーバ間通信用受信ポート番号

pd_name_portオペランドに指定したポート番号

×

×

pdunitオペランドの-pオプションに指定したポート番号

×

×

pd_service_portオペランドに指定したポート番号

×

×

pd_scd_portオペランドに指定したポート番号

×

×

pdunitオペランドの-sオプションに指定したポート番号

×

×

pd_trn_portオペランドに指定したポート番号

×

×

pdunitオペランドの-tオプションに指定したポート番号

×

×

pd_mlg_portオペランドに指定したポート番号

×

×

pdunitオペランドの-mオプションに指定したポート番号

×

×

pd_alv_portオペランドに指定したポート番号

×

×

pdunitオペランドの-aオプションに指定したポート番号

×

×

コマンド用送信ポート番号

×

×

コマンド用受信ポート番号

×

×

対クライアント用送信ポート番号

×

対クライアント用受信ポート番号

連絡用ポートのサービスポート番号

×

×

排他制御で使用するポート番号

×

×

HiRDBクライアントが使用するポート番号

送信ポート番号

×

×

受信ポート番号

×

×

(凡例)

○:HiRDB予約ポート機能の対象範囲となります。pd_registered_portオペランドで指定したポート番号が使用されます。

×:HiRDB予約ポート機能の対象範囲となりません。

◆ pd_inet_unix_bufmode = os|conf
《オペランドの省略値》
  • 推奨モード適用時の省略値:os

  • 0904互換モード適用時の省略値:conf

HiRDBの通信処理で使用する送受信バッファ長を指定します。

os:OSの設定値を使用します。

次のオペランドに送受信バッファ長を指定していても,指定値を無視してOSの設定値を使用します。

  • pd_tcp_inet_bufsizeオペランド

  • pd_ipc_inet_bufsizeオペランド

conf:次のオペランドで指定した値を使用します。
  • pd_tcp_inet_bufsizeオペランド

  • pd_ipc_inet_bufsizeオペランド

《指定値の目安》
  • 通常は,このオペランドにosを指定してOSの設定値を使用してください。

  • このオペランドにconfを指定する場合は,次のメリットとデメリットがあります。confを指定する場合は,マシン検証を行うなど,十分に検討してください。

    ・BLOBデータなどの大きいデータを送受信する際に,送受信バッファ長が小さいとデータの再送が発生し,通信性能及びCPU利用率に影響を及ぼすことがあります。このような場合,送受信バッファ長を大きくすると,通信性能が向上したり,CPU利用率が低下したりすることがあります。

    ・数値データなどの小さいデータを送受信する際に,送受信バッファ長が大きいと,TCP/IPの制御によってデータを受信しても,すぐにACKを返さない(遅延ACK)ことがあります。この影響で性能が劣化することがあります。

《注意事項》

送受信バッファ長のOS設定値,変更方法,変更できるサイズの範囲は,OSによって異なります。詳細は,各OSのマニュアルを参照してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは,次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_tcp_inet_bufsizeオペランド

  • pd_ipc_inet_bufsizeオペランド

  • pd_listen_socket_bufsetオペランド

  • pd_inet_unix_utl_bufmodeオペランド

  • pd_utl_buff_sizeオペランド

このオペランドの指定値と関連するオペランドの指定値との組み合わせで設定される送受信バッファ長を次の表に示します。

■TCP INETドメインでの通信
表11‒2 TCP INETドメインでのクライアントとの通信

項番

pd_inet_unix_bufmodeオペランドの指定値

関連するオペランドの指定値

設定される送受信バッファ長

pd_tcp_inet_bufsize

pd_inet_unix_utl_bufmode

pd_listen_socket_bufset

pd_ipc_inet_bufsize

1

os

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

2

conf

0

0

0

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

3

0以外

  • connectソケット,listenソケット

    OS設定値

  • acceptソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

4

1

0

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

5

0以外

  • connectソケット

    OS設定値

  • acceptソケット,listenソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

6

0以外

0

0

  • connectソケット

    pd_tcp_inet_bufsizeオペランドの指定値

  • acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

7

0以外

  • connectソケット

    pd_tcp_inet_bufsizeオペランドの指定値

  • acceptソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

  • listenソケット

    OS設定値

8

1

0

  • connectソケット

    pd_tcp_inet_bufsizeオペランドの指定値

  • acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

9

0以外

  • connectソケット

    pd_tcp_inet_bufsizeオペランドの指定値

  • acceptソケット,listenソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

(凡例)

−:指定しても無視されます。

表11‒3 TCP INETドメインでのサーバとの通信(pd_utl_buff_sizeオペランドを使用しない通信の場合)

項番

pd_inet_unix_bufmodeオペランドの指定値

関連するオペランドの指定値

使用する送受信バッファ長

pd_tcp_inet_bufsize

pd_inet_unix_utl_bufmode

pd_listen_socket_bufset

pd_ipc_inet_bufsize

1

os

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

2

conf

0

0

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

3

0以外

  • connectソケット,acceptソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

  • listenソケット

    OS設定値

4

1

0

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

5

0以外

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

(凡例)

−:指定しても無視されます。

表11‒4 TCP INETドメインでのサーバとの通信(pd_utl_buff_sizeオペランドを使用した通信の場合)

項番

pd_inet_unix_bufmodeオペランドの指定値

関連するオペランドの指定値

使用する送受信バッファ長

pd_tcp_inet_bufsize

pd_inet_unix_utl_bufmode

pd_listen_socket_bufset

pd_ipc_inet_bufsize

1

os

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

2

conf

conf

0

0

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

3

0以外

  • connectソケット,acceptソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

  • listenソケット

    OS設定値

4

1

0

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    OS設定値

5

0以外

  • connectソケット,acceptソケット,listenソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

6

auto

0

0

  • connectソケット,acceptソケット

    pd_utl_buff_sizeオペランドの指定値から自動計算した値

  • listenソケット

    OS設定値

7

0以外

  • connectソケット,acceptソケット

    pd_utl_buff_sizeオペランドの指定値から自動計算した値

  • listenソケット

    OS設定値

8

1

0

  • connectソケット,acceptソケット

    pd_utl_buff_sizeオペランドの指定値から自動計算した値

  • listenソケット

    OS設定値

9

0以外

  • connectソケット,acceptソケット

    pd_utl_buff_sizeオペランドの指定値から自動計算した値

  • listenソケット

    pd_ipc_inet_bufsizeオペランドの指定値

(凡例)

−:指定しても無視されます。

◆ pd_ipc_inet_bufsize = サーバ間通信で使用する送受信バッファ長

〜<符号なし整数>((0〜262144))《16384》(単位:バイト)

サーバ間通信(TCP INETドメイン)で使用する送受信バッファの最大値を4096の倍数で指定します。

《指定値の目安》
  • 通常は,このオペランドを指定する必要はありません。pd_inet_unix_bufmodeオペランドにosを指定し,OSの設定値を使用してください。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランドにconfを指定し,HiRDBの通信処理で使用する送受信バッファ長をオペランドで指定する場合は,このオペランドを指定してください。

《注意事項》
  • 0を指定した場合はOSの設定値を使用します。

  • TCPのバッファサイズの上限値は各OSで異なるので注意してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランド

  • pd_tcp_inet_bufsizeオペランド

  • pd_listen_socket_bufsetオペランド

  • pd_inet_unix_utl_bufmodeオペランド

  • pd_utl_buff_sizeオペランド

◆ pd_tcp_inet_bufsize = HiRDBクライアントとの通信で使用する送受信バッファ長

〜<符号なし整数>((0〜262144))《0》(単位:バイト)

HiRDBクライアントとの通信(TCP INETドメイン)で使用する送受信バッファの最大値を,4096の倍数で指定します。

《指定値の目安》
  • 通常,このオペランドを指定する必要はありません。pd_inet_unix_bufmodeオペランドにosを指定し,OSの設定値を使用してください。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランドにconfを指定し,HiRDBの通信処理で使用する送受信バッファ長をオペランドで指定する場合は,このオペランドを指定してください。

《注意事項》
  • 0を指定した場合はOSの設定値を使用します。

  • TCPのバッファサイズの上限値は各OSで異なるので注意してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランド

  • pd_ipc_inet_bufsizeオペランド

  • pd_listen_socket_bufsetオペランド

  • pd_inet_unix_utl_bufmodeオペランド

  • pd_utl_buff_sizeオペランド

◆ pd_listen_socket_bufset = 0|1

HiRDBの通信処理で使用するTCP INETドメイン用のlistenソケット生成時に送受信バッファをlistenソケットに設定するかどうかを指定します。

0:listenソケットに送受信バッファサイズを設定しません。

1:listenソケットに送受信バッファサイズを設定します。

送受信バッファサイズは,pd_ipc_inet_bufsizeオペランドに指定した値を設定します。ただし,次の条件を満たす必要があります。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランドにconfを指定する。

  • pd_ipc_inet_bufsizeオペランドに0以外の値を指定する。

詳細は,pd_inet_unix_bufmodeオペランドの説明を参照してください。

《指定値の目安》
  • 通常,このオペランドを指定する必要はありません。pd_inet_unix_bufmodeオペランドにosを指定し,OSの設定値を使用してください。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランドにconfを指定し,このオペランドで指定した送受信バッファサイズを使用する場合,pd_ipc_inet_bufsizeオペランドで指定した値がOS設定値よりも小さくなると,通信時間の遅延が発生することがあります。このようなとき,このオペランドに1を指定することで通信性能が向上することがあります。

《注意事項》

このオペランドに1を指定した場合,pd_utl_inet_unix_bufmodeオペランドにconfを指定し,pd_utl_buff_sizeオペランドを使用した通信処理をするときでも,このオペランドで指定した送受信バッファサイズを使用してください。また,listenソケット,acceptソケットで使用する送受信バッファサイズが同じサイズになるよう設定してください。listenソケット,acceptソケットで使用する送受信バッファサイズが異なっていると,通信性能が改善されないことがあります。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランド

  • pd_tcp_inet_bufsizeオペランド

  • pd_ipc_inet_bufsizeオペランド

  • pd_inet_unix_utl_bufmodeオペランド

  • pd_utl_buff_sizeオペランド

◆ pd_utl_buff_size = ユティリティの通信用バッファ長

〜<符号なし整数>((8〜64))《32》(単位:キロバイト)

次に示すユティリティのプロセスが使用する通信用バッファ1面のサイズをキロバイト単位で指定します。

  • データベース作成ユティリティ(pdload)

  • データベース再編成ユティリティ(pdrorgの-gオプション指定時)

  • リバランスユティリティ(pdrbal)

  • データベース回復ユティリティ(pdrstr)

  • データベース複写ユティリティ(pdcopy)

《利点》

ユティリティを処理するサーバプロセスとHiRDBサーバ間の通信処理でデータの再送がある場合,このオペランドの指定値を大きくすると通信回数を減らすことができます。その結果,性能を向上できることがあります。

《指定値の目安》

通信用バッファ長=↑(ページ長×2)÷1024↑(単位:キロバイト)

注※ ユティリティの処理対象となるRDエリアの最大ページ長

《オペランドの規則》
  • 指定値は,4の倍数単位に指定してください。4の倍数でない場合は,自動的に4の倍数に切り上げられます。

  • 指定値が32より小さい場合でも,データベース回復ユティリティ及びデータベース複写ユティリティ実行時には,自動的に32に切り上げられます。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。詳細は,pd_inet_unix_bufmodeオペランドの説明を参照してください。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランド

  • pd_tcp_inet_bufsizeオペランド

  • pd_ipc_inet_bufsizeオペランド

  • pd_listen_socket_bufsetオペランド

  • pd_inet_unix_utl_bufmodeオペランド

《各見積もり式への影響》

pd_utl_buff_sizeオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。

マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」:

  • 「データベース回復ユティリティ(pdrstr)実行時のメモリ所要量」

  • 「データベース作成ユティリティ(pdload)実行時のメモリ所要量」

  • 「データベース複写ユティリティ(pdcopy)実行時のメモリ所要量」

◆ pd_inet_unix_utl_bufmode = auto|conf

pd_utl_buff_sizeオペランドを使用する通信処理で使用する送受信バッファ長を指定します。

auto:

pd_utl_buff_sizeオペランドの指定値を基に自動計算した値を使用します。

conf:

pd_ipc_inet_bufsizeオペランドで指定した値を使用します。

《指定値の目安》
  • 通常,このオペランドを指定する必要はありません。pd_inet_unix_bufmodeオペランドにosを指定し,OSの設定値を使用してください。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランドにconfを指定し,pd_listen_socket_bufsetオペランドに1を指定する場合は,このオペランドにconfを指定してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_inet_unix_bufmodeオペランド

  • pd_tcp_inet_bufsizeオペランド

  • pd_ipc_inet_bufsizeオペランド

  • pd_listen_socket_bufsetオペランド

  • pd_utl_buff_sizeオペランド