2.4.2 パラメタに指定する値
接続先定義ファイルのパラメタに指定する内容について説明します。パラメタの一覧を次の表に示し,以降各パラメタについて説明します。
- 〈この項の構成〉
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(1) CLMHEAD:{YES | NO}
- 機能
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抽出データをファイル,又はクリップボードに格納する場合に,項目名を出力するかどうかを,YES又はNOで指定します。このパラメタを省略すると,NOが仮定されます。
YES:抽出データの1列目に項目名を出力します。
NO :抽出データの1列目に項目名を出力しません。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。
- 指定例
CLMHEAD:YES
(2) CLMMAXCNT:0〜8192
- 機能
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列一覧に表示する最大の列数を指定します。指定範囲は0〜8192です。0を指定した場合は,制限はありません。このパラメタを省略すると,0が仮定されます。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。ただし,次に示す場合は制限が有効になりません。
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列見出しを作成するとき
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定義機能を使用するとき
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見出し辞書を使用するとき
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- 指定例
CLMMAXCNT:8192
- 注意事項
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CLMMAXCNTで列情報が,繰り返し列又は配列列の最初の要素番号で切られた場合,その列は繰り返し列又は配列列として扱われません。このような場合,DBP0708Wメッセージが出力されるので,CLMMAXCNTの値を大きくしてください。
(3) CNCTOPT:{ALLTIME | ANYTIME}
- 機能
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サーバとの接続・切断のタイミングを指定します。サーバに対してアクセス要求が発生している期間だけサーバと接続するか,アクセス要求に関係なくサーバと接続したままとするかを指定します。なお,どちらの場合もDBPARTNER2 Clientがサーバにアクセス要求が発生する場合,[サーバアクセス]ダイアログボックスが表示されます。
- ALLTIME
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一度サーバとの接続が行われると,ユーザが切断するまでサーバと接続したままとなります。処理速度は向上しますが,サーバを占有してしまうことになります。
- ANYTIME
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サーバに対してアクセス要求が発生している期間だけサーバと接続します。処理が終了すると自動的に切断されます。サーバを占有することはありませんが,1回の処理速度が低下します。アクセス要求が発生している期間を次に示します。
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ユーザID及びパスワードを確認している期間
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表名の一覧をデータベースから取得する期間
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列名の一覧をデータベースから取得する期間
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表名,列名,条件などを設定後,抽出するデータの件数を確認する期間
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表名,列名,条件などを設定後,データを抽出している期間
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更新処理の開始から終了するまでの期間
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- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。
- 指定例
CNCTOPT:ANYTIME
(4) COM:{ODBC}
- 機能
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使用する通信形態を指定します。
ODBC :ODBC接続
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。ODBC接続の場合は,必ず設定してください。
- 指定例
COM:ODBC
(5) DATACHK:{YES | NO | SEL}
- 機能
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抽出データの中の表示できない文字をチェックするかどうかを指定します。このパラメタを省略すると,「NO」が仮定されます。
NO:文字をチェックしません。
YES:文字をチェックし,表示できない文字があった場合は,処理を中止します。
SEL:文字をチェックし,表示できない文字があった場合は,処理の中止/続行を問い合わせます。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。
- 指定例
DATACHK:SEL
(6) EXCLUSIVE:任意の文字列
- 機能
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データを抽出するときのデータベースへの排他モードを設定します。ここで指定した文字列は,DBPARTNER2 Clientが作成したSQLの最後に付加されます。排他モードについては,各データベースのマニュアルを参照してください。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。
- 指定例
EXCLUSIVE:WITH SHARE LOCK
(7) HOSTNAME:任意の文字列
- 機能
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接続先を選択する画面に表示する文字列を指定します。接続するサーバをユーザが識別できるようにするための名称です。ユーザが識別できれば,どんな名称を指定してもかまいません。ただし,ODBC接続の場合,データソース名と同じ文字列を指定してください。
文字数は半角文字32文字まで入力できます。全角文字と半角文字が混在してもかまいません。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用します。必ず設定してください。
- 指定例
HOSTNAME:東京センタ
(8) INDICATE:{YES | NO}
- 機能
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抽出処理の経過を示す画面の表示を指定します。このパラメタを省略すると,YESが仮定されます。
YES:抽出処理の経過を示す画面を表示します。
NO:抽出処理の経過を示す画面を表示しません。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。
- 指定例
INDICATE:YES
(9) INFNAME:絶対パスファイル名
- 機能
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情報ファイルのパス名を指定します。拡張子は「.inf」とし,絶対パスファイル名で指定してください。パラメタを指定しない,又は指定した情報ファイル名がない場合は,Dbpart2.infの情報を使用します。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。
- 指定例
INFNAME:C:\USERINF.INF
(10) NCHARTYPE:{0 | 1 | 2}
- 機能
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NCHAR属性の列に指定する定数に含まれる半角文字の扱いを指定します。
- 0
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全角文字だけが指定できます。半角文字を含んでいる場合はエラーとなります。
- 1
-
全角文字と半角スペース文字が指定できます。ただし,半角スペースが文字列の先頭に奇数個ある場合はエラーとなります。また,文字列に含まれている半角スペースの個数が奇数個の場合は,文字列の最後に半角スペースを自動的に付加します。ただし,「'」(シングルクォーテーション)で囲まれている場合は半角スペースを付加しません。
- 2
-
全角文字,及び半角文字が指定できます。ただし,文字列に含まれている半角文字の個数が奇数個の場合は,文字列の最後に半角スペースを自動的に付加します。ただし,「'」(シングルクォーテーション)で囲まれている場合は半角スペースを付加しません。
このパラメタを省略すると,0が仮定されます。
- 使用制限
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ODBC接続の場合に使用できます。
- 指定例
NCHARTYPE:2
(11) ODBCCON:ユーザID[,パスワード]
- 機能
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ODBC接続の場合,サーバに接続するときのユーザID,パスワードを指定します。
- 使用制限
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ODBC接続の場合に使用できます。
- 指定例
ODBCCON:USER1,PASS1
(12) ODBCHEAD:{ALL | TBL | CLM | NO}
- 機能
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ODBC接続の場合に表ヘッダ及び列ヘッダの表示の有無を指定します。表ヘッダ及び列ヘッダが表示できるのは,VOS3 XDM/RD E2編成ファイルの場合だけです。また,このパラメタがALL又はCLMの場合,抽出データの項目名はDBPARTNER2 Clientで作成します。それ以外の場合,サーバから返される項目名となります。このパラメタを省略すると,NOが仮定されます。
ALL:表ヘッダ及び列ヘッダを表示します。
TBL:表ヘッダだけ表示します。
CLM:列ヘッダだけ表示します。
NO:表ヘッダ及び列ヘッダを表示しません。
- 使用制限
-
ODBC接続の場合に使用できます。
- 指定例
ODBCHEAD:ALL
(13) TABLESPACE:任意の文字列
- 機能
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抽出結果をデータベースに格納する場合に,表を格納する領域名称を指定します。このパラメタで設定した表領域名称が表定義時に表示されます。領域名称にはデータベースで定義されている名称を指定してください。このパラメタを省略するとデータベースによって作業領域が割り当てられて格納されます。
抽出結果として表をデータベースに格納する操作を次に示します。
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転送先を「データベース」としてデータを抽出する。
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データ確認でサンプル表示したデータを保存利用する。
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予約処理をする。
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- 使用制限
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ODBC接続の場合に使用できます。
- 指定例
TABLESPACE:table1
(14) TBLMAXCNT:0〜8192
- 機能
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表一覧で表示する表数の最大を個数で指定します。指定範囲は0〜8192です。表一覧には,このパラメタで指定した数まで表示できます。このパラメタを省略すると0が仮定されます。 使用する用語辞書によって,操作時に表一覧に表示される最大表数が異なります。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。ただし,見出し辞書で「DBPARTNER2の情報を利用する」を使用している場合は,無視されます。
- 指定例
TBLMAXCNT:8192
(15) TBLPRFIX:任意の文字列
- 機能
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抽出結果として表をデータベースに格納する場合に,表の名称の先頭文字を指定します。
このパラメタで設定した先頭文字が表定義時に表示されます。
抽出結果として表をデータベースに格納する操作を次に示します。
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転送先を「データベース」としてデータを抽出する。
-
データ確認でサンプル表示したデータを保存利用する。
-
予約処理をする。
抽出結果としての表に先頭文字を付けることで,[定義]メニューの[表定義]で定義した表及びデータベース内の既存の表を区別できます。
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- 使用制限
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ODBC接続の場合に使用できます。
- 指定例
TBLPRFIX:table1
(16) UPDFIN:{0 | 1 | 2 | 3}
- 機能
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次に示す時点で,更新処理の有効(Commit),無効(Rollback)にするかを確認するメッセージの出力を指定します。
このパラメタを省略すると,0が仮定されます。
- 0
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更新処理が正常終了した時点で,自動的に有効(Commit)にする。処理をキャンセルしたり,エラーが発生したりすると更新処理を自動的に無効(Rollback)にする。
- 1
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更新処理が正常終了した時点で有効(Commit)/無効(Rollback)を問い合わせるメッセージを表示する。処理をキャンセルしたり,エラーが発生したりすると更新処理を自動的に無効(Rollback)にする。
- 2
-
更新処理が正常終了した時点で,自動的に有効(Commit)にする。処理をキャンセルしたり,エラーが発生したりすると有効(Commit)/無効(Rollback)を問い合わせるメッセージを表示する。
- 3
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更新処理が正常終了した時点で有効(Commit)/無効(Rollback)を問い合わせるメッセージを表示する。処理をキャンセルしたり,エラーが発生したりすると有効(Commit)/無効(Rollback)を問い合わせるメッセージを表示する。
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。ODBC接続でRollbackをサポートしていないデータベースのときは,このパラメタは無視されます。
- UPDFINに2又は3を指定する場合の注意事項
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エラーが発生した時にエラー発生行までの更新処理を有効(Commit)にする場合,発生したエラーの内容や有効にするデータに問題がないことを確認した上で実行してください。
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データ更新時に発生したエラーによってはサーバプログラムで自動的にRollbackされ更新処理が無効になる場合があります。この場合,有効(Commit)を選択してもエラー発生行までの更新処理を有効にすることはできません。
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- 指定例
UPDFIN:3
(17) UPDINS:{NULLSET | NULLNONE}
- 機能
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UPDUNITパラメタでBLOCK/BLOCK2/ROWIDのどれかを使用した場合で,追加(INSERT)する行にNULL値のデータを含む場合の扱いを指定します。UPDUNITパラメタを省略,又はSINGLEを指定している場合は無視されます。このパラメタを省略すると,NULLSETが仮定されます。
- NULLSET
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NULL値を設定した列のデータとしてデータベースにNULL値を挿入します。データベースの仕様によって,NULL値を挿入できない場合があります。このような場合は,データベース側のエラーが返されます。
- NULLNONE
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NULL値を設定しなかった列以外のデータだけをデータベースに挿入します。データを挿入しなかった列の扱いはデータベースによって異なります。
- NULLNONEを指定した場合の注意事項
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NULLNONEを設定した場合,更新する行のNULL値の有無を判断しながら更新処理を実行します。特に更新する行が複数あり,各行のNULL値の位置に統一性がない場合は,NULLSETを設定した場合に比べて,処理に時間が掛かります。
- 指定例
UPDINS:NULLNONE
(18) UPDUNIT:{SINGLE | BLOCK | BLOCK2 | ROWID}
- 機能
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データベースの更新処理を行うSQLの作成単位を指定します。このパラメタを省略すると,SINGLEが仮定されます。
SINGLE:1行単位
BLOCK :更新種別(変更,追加,削除)単位
BLOCK2:変更・削除は行の条件データのNULL値の並びが同一の単位,追加は種別単位
ROWID :更新種別(変更・追加・削除)単位で,特定行に対して変更・削除を実行
- 使用制限
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すべての接続形態で使用できます。
- 指定例
UPDUNIT:SINGLE
- BLOCKを指定した場合の注意事項
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NULL値データを含む行の変更,削除はできません。NULL値データを含む行の変更,削除が行われた場合,DBP0712Wメッセージが表示されます。NULL値データを含む行の変更,削除を行う場合は,SINGLEを指定してください。
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漢字,混在文字データを含む行の変更,追加,削除はできません。漢字,混在文字データを含む行の変更,追加,削除が行われた場合,ODBCマネージャの仕様によってエラーが表示されます。漢字,混在文字データを含む行の変更,追加,削除を行う場合は,SINGLEを指定してください。
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- BLOCK2を指定した場合の注意事項
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変更,削除を行う行データの,NULL値の並びが同一の単位でSQLを作成します。そのため,BLOCK更新でNULL値データを含む行の変更,削除ができます。
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NULL値の並びが頻繁に変わる場合は,性能が悪くなります。
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- ROWIDを指定した場合の注意事項
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ROWIDを指定すると,特定行を変更又は削除できます。そのため,例え同一データの行が複数存在しても,変更又は削除したデータしか更新されません。
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ROWIDを使用できるのは,ODBC接続でデータベースがHiRDB,ORACLE,VOS3 XDM/RD E2の場合だけです。ROWIDを使用できないデータベースに対して指定された場合には,接続時にエラーとなります。
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