スケーラブルデータベースサーバ HiRDB ファーストステップガイド(Windows(R)用)

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7.1 この章を読むに当たって

一般の業務でデータベースを利用するとき,通常,アプリケーションプログラムを使用します。この章では,簡単なユーザアプリケーションプログラムを作成して,HiRDBに接続する手順について説明します。以降は,ユーザアプリケーションプログラムのことを,UAPと表記します。

システム管理者やオペレータの方など,アプリケーションを開発する必要がない方は,この章を読み飛ばしてかまいません。

<この節の構成>
(1) この章で説明している項目
(2) 必要な知識について
(3) この章の読み方について
(4) 留意事項

(1) この章で説明している項目

この章では,HiRDB/Developer's Kitを使用して,UAPを作成・実行する手順について説明しています。

HiRDBのUAP開発では,ソースプログラム中にSQLを直接記述できるという特長があります。これを,埋込み型UAPといいます。ここでは,HiRDBの埋込み型UAPをコンパイルして実行するまでの,一とおりの手順を理解していただくことを目的としています。なお,Java言語での埋込み型UAPには,静的埋込み型UAPである SQLJを使用します。

埋込み型UAPのほかに,HiRDBが提供するODBCドライバやJDBCドライバを使用する方法があります。ODBCドライバやJDBCドライバを使用したUAP開発については,マニュアル「HiRDB Version 7 UAP開発ガイド(Windows(R)用)」を参照してください。

注意
言語仕様や開発環境など,一般的なプログラミングの知識については,ここでは説明していません。また,HiRDBのプログラミングインターフェースについても説明していません。HiRDBのプログラミングインターフェースについては,マニュアル「HiRDB Version 7 UAP開発ガイド(Windows(R)用)」を参照してください。

(2) 必要な知識について

HiRDBのUAPを作成するには,C言語,COBOL言語,またはJava言語を使用します。どれかの言語仕様を知っていると,よりスムーズにこの章を理解できます。

この章では手順を中心に説明していますので,言語仕様を知らない方でも,一とおりの作業ができるようになっています。ただし,アプリケーション開発環境のインストールやコンパイルの方法に関しては,該当製品のマニュアルを参照していただくことになります。

(3) この章の読み方について

ここでは,HiRDB/クライアントでUAPを開発します。「6. クライアントを接続してみましょう」でクライアントの環境設定が終了していることが前提になります。

以降の節では,作成するUAPの仕様(7.2節)と,言語ごとのUAP作成方法(7.3節,7.4節,7.5節)を説明しています。UAPの作成方法に関しては,C言語を使用する方は「7.3 C言語でアプリケーションを作成する」を,COBOL言語を使用する方は「7.4 COBOL言語でアプリケーションを作成する」を,Java言語を使用する方は「7.5 Java言語(SQLJ)でアプリケーションを作成する」をお読みください。

HiRDBのUAPを作成する手順を,図7-1に示します。どのプログラム言語を使用した場合も,同様の手順でコンパイル・実行できます。

図7-1 UAP作成の流れ

[図データ]

(4) 留意事項

UAPをコンパイルするには,コンパイラ(開発環境)が必要です。UAP開発には,表7-1の開発環境を使用できます。

表7-1 使用できる言語と開発環境

言語 開発環境
C言語/C++言語 Microsoft Visual C++(2.0以降)
COBOL言語 COBOL85 Version 3以降12,COBOL 2002
OOCOBOL言語 OOCOBOL(Version 3以降)2
Java言語 JDK 1.3.0-01以降

注※1
UAPをDLL化する場合は,Version 4.0(04-02以降)が必要です。

注※2
使用するOSによって,必要なバージョンが異なります。

使用する言語に応じて開発環境を選択し,インストールしてください。インストールの方法に関しては,該当製品のマニュアルを参考にしてください。なお,このマニュアルでは次の開発環境を使用します。

このマニュアルでは,CUI(Character User Interface)ベースのアプリケーションをコマンドでコンパイルする方法を紹介します。このため,開発環境のバージョンが異なる場合でも,同様の手順でコンパイルおよび実行できます。