スケーラブルデータベースサーバ HiRDB ファーストステップガイド(Windows(R)用)

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4.5.1 基礎知識

データベースに障害が発生した場合,事前に取得したバックアップファイルからデータベースを回復します。データベースの回復は,pdrstrコマンドデータベース回復ユティリティ)で行います。

<この項の構成>
(1) pdrstrコマンド(データベース回復ユティリティ)でデータベースを回復します
(2) データベースの回復手順
(3) 自動ログアンロード機能を使用する場合のデータベースの回復手順
(4) 注意事項

(1) pdrstrコマンドデータベース回復ユティリティ)でデータベースを回復します

ディスク障害など,データベースを回復する必要が生じた場合,pdrstrコマンドでデータベースを回復します。このとき,次に示す入力情報が必要になります。

データベースは次に示す時点(状態)に回復できます。

(2) データベースの回復手順

データベースを回復する手順を図4-8に示します。

図4-8 データベースを回復する手順

[図データ]

(3) 自動ログアンロード機能を使用する場合のデータベースの回復手順

自動ログアンロード機能を使用する場合も,データベースの回復手順は「(2)データベースの回復手順」と同じです。ただし,自動ログアンロード機能を使用している場合,指定するアンロードログファイル名がわからなくならないように注意する必要があります。アンロードログの時系列リストを自分で作成するなどして,バックアップファイルと指定するアンロードログファイルの対応を管理することをお勧めします。

(4) 注意事項

データベースを回復する際の注意事項を次に示します。

(a) マスタディレクトリ用RDエリアの回復

RDエリアを回復するとき,回復対象RDエリアをpdholdコマンドで閉塞かつクローズ状態にする必要があります。しかし,マスタディレクトリ用RDエリアは閉塞かつクローズ状態にできません。このため,マスタディレクトリ用RDエリアを回復する場合は,いったんHiRDBを終了して,そのあとpdstart -rコマンドでHiRDBを開始する必要があります。

したがって,全RDエリアを回復する場合はマスタディレクトリ用RDエリアの回復も含まれるため,pdstart -rコマンドでHiRDBを開始する必要があります。

(b) システム用RDエリアのバックアップ取得時点への回復

システム用RDエリア(マスタディレクトリ用RDエリア,データディレクトリ用RDエリア,およびデータディクショナリ用RDエリア)をバックアップ取得時点に回復する場合は,回復の前に次の作業をする必要があります。なお,システム用RDエリアを最新の状態に回復する場合は,次の作業をする必要はありません。

これらのHiRDBファイルはpdfrmコマンドで削除できます。

したがって,全RDエリアをバックアップ取得時点に回復する場合はシステム用RDエリアの回復も含まれるため,前記のHiRDBファイルの削除作業をする必要があります。

(c) 最新の状態への回復

RDエリアを最新の状態に回復するには,バックアップおよびバックアップ取得以降に出力されたシステムログが必要です。したがって,現用のシステムログファイルに格納されているシステムログが必要になります。

システムログをアンロードする運用の場合は,pdlogswapコマンドで現用ファイルをいったんスワップしてください。そのあと,スワップしたシステムログファイルをアンロードしてください。