3.5.7 エージェント処理機能の設定
エージェント処理を使用する場合の設定項目について説明します。
エージェント処理機能の設定の一覧を表3-10に示します。
設定項目 |
説明 |
標準値 |
指定範囲 |
---|---|---|---|
DABAGT |
作業ディレクトリ |
/opt/DABroker/AGT |
DABrokerの管理ユーザにREAD/WRITE権限がある任意のディレクトリ(ただし,パーティションを圧迫しないところ) |
DABAGTREGMAX |
登録可能エージェント数 |
1000(エージェント数) |
1〜32767(エージェント数) |
DABAGTTIMMAX |
実行予約可能最大エージェント数 |
250(エージェント数) |
1〜32767(エージェント数) |
DABAGTFILMAX |
実行結果格納ファイル容量 |
500(キロバイト) |
1〜2097151(キロバイト) |
DABAGT_LOG_SIZE |
エージェントログファイル容量 |
64(キロバイト) |
-1,0,又は1〜32767(キロバイト) |
DABAGT_LOG_INFO |
エージェントログにインフォメーション情報を取得する |
ON |
ON又はOFF(ON:取得しますOFF:取得しません) |
DABAGT_LOG_ERROR |
エージェントログにエラー情報を取得する |
ON |
ON又はOFF(ON:取得しますOFF:取得しません) |
DABAGTGRP |
グループ管理用ディレクトリ |
/opt/DABroker/AGTGRP |
DABrokerの管理ユーザにREAD/WRITE権限がある任意のディレクトリ(ただし,パーティションを圧迫しないところ) |
DABAGTWCHALDAY |
実行予約日を経過しても有効にする日数 |
0(日) |
0〜31(日) |
DABAGTWCHALTIME |
実行予約時刻を経過しても有効にする秒数 |
0(秒) |
0〜86400(秒) |
DABAGTEXEDIRETIME |
即時配信実行監視時間 |
1800(秒) |
0,又は60〜3600(秒) |
- 〈この項の構成〉
-
(1) DABAGT(作業ディレクトリ)
- 標準値
-
/opt/DABroker/AGT
- 指定範囲
-
DABrokerの管理ユーザにREAD/WRITE権限がある任意のディレクトリ(ただし,パーティションを圧迫しないところ)
- 説明
-
エージェント登録情報,実行情報,及び実行結果を格納するディレクトリを指定します。
指定したディレクトリの下には,次のようなファイルが作成されます。
-
エージェント登録情報用ファイル
DBPARTNER/Clientで指定する,エージェント登録情報を格納します。エージェント登録要求時に作成されます。ファイル名は次のとおりです。
$DABAGT/.REGaa・・・aa
aa・・・aa:登録したエージェント名(DBPARTNER/Clientで指定した文字列が設定されます)
なお,エージェント名は,一つのDABroker内でユニークな名称にしてください。ユニークでない場合は,DBPARTNER/Clientにエラーが返されます。
エージェント登録情報ファイルは,エージェント登録ごとにできるファイルです。エージェント登録数が多くなるにつれ,エージェント登録情報ファイル数も増え,サーバファイルシステムを圧迫します。このため,ルートディレクトリのパーティションとは別に,エージェント用ディレクトリのパーティションを確保するなどの運用をシステム管理者が行ってください。サーバファイルシステムの圧迫が解消しない場合は,使用しないファイルの退避又は削除などの対処をしてください。ファイル運用については「5.4 エージェント機能で使用するファイルの運用」,エージェント登録情報ファイルの容量の目安となる概算式については「5.4.5(2) ファイル容量の見積もり」を参照してください。
-
エージェント登録情報管理ファイル
エージェント登録情報を管理し,DABrokerが内部的に使用します。ファイル名は次のとおりです。
$DABAGT/.RCTRL
-
エージェント実行情報用ファイル
クライアントからのエージェント実行要求を受け付けたときに,実行情報を格納します。エージェント実行要求時に作成します。ファイル名は次のとおりです。
$DABAGT/.EXEbb・・・bb
bb・・・bb:エージェント実行名(DABrokerが割り当てる識別名(番号)です)
エージェント実行情報ファイルは,エージェント実行要求受け付けごとにできるファイルです。エージェント実行要求数が多くなるにつれ,エージェント実行情報ファイル数も増え,サーバファイルシステムを圧迫します。このため,ルートディレクトリのパーティションとは別に,エージェント用ディレクトリのパーティションを確保するなどの運用をシステム管理者が行ってください。サーバファイルシステムの圧迫が解消しない場合は,使用しないファイルの退避又は削除などの対処をしてください。
エージェント実行情報ファイルの削除は,エージェント実行終了状態で操作してください。また,エージェント実行情報ファイルと対応するエージェントの実行結果格納ファイルも削除してください。
ファイルの運用については「5.4エージェント機能で使用するファイルの運用」,エージェント実行情報ファイルの容量の目安となる概算式については「5.4.5(2) ファイル容量の見積もり」を参照してください。
-
エージェント実行情報管理ファイル
エージェント実行情報を管理し,DABrokerが内部的に使用します。ファイル名は次のとおりです。
$DABAGT/.ECTRL
-
エージェント実行結果格納ファイル
エージェントの実行結果を格納します。エージェント実行時に作成されます。ファイル名は次のとおりです。
$DABAGT/.RESbb・・・bb
bb・・・bb:エージェント実行名(DABrokerが割り当てる識別名(番号)です)
エージェント実行結果格納ファイルを削除するときは,ファイル名,及びdabagtexeinfoコマンド(「3.8.4 エージェント実行情報の表示」参照)でエージェント実行情報を確認してから実行してください。
エージェント実行情報ファイルを削除する場合は,削除するエージェント実行情報に対応するエージェントの実行結果も削除してください。
ファイルの運用については,「5.4 エージェント機能で使用するファイルの運用」を参照してください。
-
実行予約指定エージェントの実行待ちキューファイル
DABrokerの起動時に作成され,エージェント情報に実行予約を設定した(エージェントタイマー指定した)エージェントの,キュー情報について格納します。ファイル名は次のとおりです。
$DABAGT/.timer_que
-
エージェントログファイル
エージェント機能を使う処理のログを取得します。エージェント機能を使う処理ごとに取得します。なお,エージェントログの取得形式,及び取得内容については,「6.3.2 エージェントログの取得形式と取得内容(共通)」を参照してください。ファイル名は次のとおりです。
$DABAGT/agtlogfile
(バックアップファイル:$DABAGT/agtlogfile.old)
エージェントログファイルが満杯になったらラップアラウンドで取得します。ラップアラウンドで取得した場合は,1世代だけを世代管理し,バックアップファイル(agtlogfile.old)を作成します。
-
(2) DABAGTREGMAX(登録可能エージェント数)
- 標準値
-
1000(エージェント数)
- 指定範囲
-
1〜32767(エージェント数)
- 説明
-
登録可能な最大エージェント数を設定します。ここで設定した値を超える要求が行われた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
(3) DABAGTTIMMAX(実行予約可能最大エージェント数)
- 標準値
-
250(エージェント数)
- 指定範囲
-
1〜32767(エージェント数)
- 説明
-
実行予約を設定して(エージェントタイマー指定して)実行する,最大エージェント数を設定します。ここで設定した値を超える要求が行われた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。既に登録済みの実行予約指定エージェントの最大エージェント数より少ない値を指定した場合は,設定値を変更しないで登録済みの値が設定されます。
(4) DABAGTFILMAX(実行結果格納ファイル容量)
- 標準値
-
500(キロバイト)
- 指定範囲
-
1〜2097151(キロバイト)
- 説明
-
エージェントの実行結果格納ファイルの最大容量を設定します。ここで設定した値を超える要求が行われた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,設定サイズに入る限りのデータを保存して処理を終了します。
(5) DABAGT_LOG_SIZE(エージェントログファイル容量)
- 標準値
-
64(キロバイト)
- 指定範囲
-
-1,0,又は1〜32767(キロバイト)
- 説明
-
エージェントログを取得するかどうか,及び取得する場合は,エージェントログを取得するファイルの容量を設定します。
-
-1を設定した場合
エージェントログを取得しません。
-
0を設定した場合
エージェントログを取得します。ファイルの容量は,無限大になります。
-
1〜32767の値を設定した場合
エージェントログを取得します。ファイルの容量は,設定した数値分となります。
ログを取得する設定をした場合,エージェントログファイルが満杯になったらラップアラウンドでログを取得します。ラップアラウンドで取得した場合は,1世代前のバックアップファイル(agtlogfile.old)を作成し,常に1世代だけを世代管理します。
-
(6) エージェントログ選択オプション
エージェントログにはインフォメーション情報とエラー情報があり,それぞれを取得するかどうかを設定できます。エージェントログの取得内容を任意に選択して取得する機能をエージェントログ選択オプションといいます。エージェントログの取得内容については,「6.3.2 エージェントログの取得形式と取得内容(共通)」を参照してください。
(7) DABAGTGRP(グループ管理用ディレクトリ)
- 標準値
-
/opt/DABroker/AGTGRP
- 指定範囲
-
DABrokerの管理ユーザにREAD/WRITE権限がある任意のディレクトリ(ただし,パーティションを圧迫しないところ)
- 説明
-
複数ユーザをグループ化して管理するファイル(グループ管理情報ファイル)を格納するディレクトリを指定します。
複数ユーザをグループ化することで,各処理要求時にグループ外ユーザの要求を拒否できます。
ここで指定したディレクトリ下に,次のファイルを格納します。
-
エージェントのグループ管理情報ファイル
エージェントの処理を要求するユーザIDをグループ管理するファイルです。グループIDごとに作成します。ファイル名は次のとおりです。
$DABAGTGRP/gg・・・gg
gg・・・gg:グループID
なお,性能劣化の原因となるため,このディレクトリには,グループ情報以外の不要なファイルを格納しないでください。
グループ管理情報ファイルの作成手順については,「5.1.3 エージェント機能を使用するユーザのグループ管理」を参照してください。
-
(8) DABAGTWCHALDAY(実行予約日を経過しても有効にする日数)
- 標準値
-
0(日)
- 指定範囲
-
0〜31(日)
- 説明
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エージェントの実行を予約した日が過ぎても実行予約処理を有効にする最大日数を指定します。実行予約日を有効にする日数を指定することで,サーバマシンとクライアントでユーザが認識する時間(日数)のずれを調整することができます。
(9) DABAGTWCHALTIME(実行予約時刻を経過しても有効にする秒数)
- 標準値
-
0(秒)
- 指定範囲
-
0〜86400(秒)
- 説明
-
エージェントの実行を予約した時刻が過ぎても実行予約処理を有効にする最大時間を指定します。実行予約時刻を経過しても有効にする時間を指定することで,サーバマシンとクライアントでユーザ認識する時間のずれを調整することができます。
(10) DABAGTEXEDIRETIME(即時配信実行監視時間)
- 標準値
-
1800(秒)
- 指定範囲
-
0,又は60〜3600(秒)
- 説明
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DABrokerがエージェント即時配信実行でのエージェント処理終了を待つ時間を設定します。
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0を設定した場合
実行時間の監視をしないで,エージェント処理の終了を待ちます。
-
60〜3600を設定した場合
ここで設定した時間を超えてもエージェント処理が終了しない場合,DABrokerは次の処理をします。
クライアントに対しては,エージェント即時配信実行監視タイムアウトの発生を通知します。
データベースに対しては,エージェントの実行をキャンセルします。データベースでの処理は,DBMSでロールバックされます。
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