2.1 マルチスレッドの実行
DABrokerは,データベースアクセスをマルチスレッドで実行します。マルチスレッドで実行すると,シングルスレッドで実行する場合に比べてシステムリソースの消費を軽減でき,同時アクセス数(同時に実行できる処理数)の増加を実現します。
図2-1に示すように,シングルスレッドでは,プロセスごとにメモリ領域を確保しますが,マルチスレッドでは,一つのプロセスで使用するメモリ領域で複数スレッドのメモリ領域を確保できます。したがって,システムリソースの消費を軽減できます。
また,マルチスレッドで実行すると,シングルスレッドで実行する場合に比べて,処理にかかる時間を短縮できます。図2-2で同一処理を複数回実行する場合の例を示します。シングルスレッドでは,複数の処理を一つのスレッドで実行しますが,マルチスレッドでは,処理ごとにスレッドを生成し,スレッドを並行して実行できます。したがって,処理時間を短縮できます。スレッドを並行に実行することで処理時間を短縮するため,マルチスレッドは,非同期アクセス処理に適しています。
次に,DABrokerで実現するスレッドの構成について説明します。