JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 運用ガイド

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9.7.1 N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)の前提条件

ここでは,N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)の前提条件について説明します。

なお,N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)を適用する場合,ここに記載されている内容以外に,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照して,使用上の注意事項や前提条件について確認してください。

<この項の構成>
(1) システム構築の前提条件
(2) ネットワーク環境の前提条件
(3) ネットワークスイッチ連携機能の前提条件
(4)  N+1冗長化の前提条件

(1) システム構築の前提条件

N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)を利用して,システムを構築する場合の前提条件を示します。

次に,現用系サーバモジュールおよび予備系サーバモジュールの前提条件を示します。

(a) 現用系サーバモジュールの前提条件

N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)を利用するには,現用系サーバモジュールが,次の条件をすべて満たしている必要があります。

これらの前提条件をすべて満たしていても,N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)を適用する場合は,運用前に切り替えテストを実施してください。N+1コールドスタンバイ機能を設定するための手順については,「9.7.3(1) N+1コールドスタンバイ機能の設定手順」を参照してください。

(b) 予備系サーバモジュールの前提条件

N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)を利用するには,現用系サーバモジュールに対して,予備系サーバモジュールが,次の表に示す条件をすべて満たしている必要があります。

条件の一部については,予備系サーバモジュール設定時にBSM Plusによって自動チェックされます。自動チェックの結果,条件に一致しない場合はエラーダイアログが表示されます。自動チェックされない条件については,条件を満たしていることを事前に確認してください。

表9-11 予備系サーバモジュールの条件

項目 適用可能な条件
モデル名 現用系サーバモジュールと一致している。
サーバシャーシ サーバシャーシ種別が現用系サーバモジュールと一致している。※1※2
アーキテクチャ 現用系サーバモジュールと一致している。※3
CPU名,Way数,周波数 現用系サーバモジュールと一致している。
メモリ容量 現用系サーバモジュールと一致している。
ローカルディスクの搭載数,接続形態,容量 現用系サーバモジュールと一致している。
ネットワークの接続形態 現用系サーバモジュールが搭載している全NICポートが,接続先のネットワークスイッチに接続されている。
ファームウェア 現用系サーバモジュールと一致している。

注※1
IOF対応のサーバシャーシに搭載されたサーバモジュールとIOF非対応のサーバシャーシに搭載されたサーバモジュールの混在はできません。

注※2
現用系と異なる場合は,予備登録時にKASM 510BE-Eのエラーが出力され,予備登録できません。

注※3
現用系と異なる場合は,予備登録時にKASM 200A0-Eのエラーが出力され,予備登録できません。

また,予備系サーバモジュールに対しては,次に示す設定をしておく必要があります。

表9-12 予備系サーバモジュールに対する事前設定項目

設定項目 設定内容
SMP構成設定 現用系サーバモジュールがSMP構成にされている場合は,現用系サーバモジュールのSMP構成と一致するように予備系サーバモジュールを構成してください。

(2) ネットワーク環境の前提条件

N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)を適用する場合,同一ネットワーク内でN+1グループを構成する必要はありません。また,現用系サーバモジュールおよび予備系サーバモジュールを同一ストレージシステムの同一ポートに接続する必要はありません。

(3) ネットワークスイッチ連携機能の前提条件

異なるネットワークで現用系サーバモジュールと予備系サーバモジュールを切り替える場合の前提条件を示します。

ネットワークスイッチ連携機能の概要については,「9.4 ネットワークスイッチとの連携」を参照してください。

N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)では,現用系サーバモジュールと予備系サーバモジュールが共通のIOアダプタを使用するため,LANカードを使用している場合,ネットワークスイッチ連携は不要です。

現用系サーバモジュールが搭載しているNICを使用している場合のネットワーク連携機能の要否について,次の表に示します。

表9-13 現用系サーバモジュールが搭載しているNICを使用している場合のネットワーク連携機能の要否

オンボードのNICの
ネットワーク環境
IOEU上のLANカードの
ネットワーク環境
ネットワーク連携の要否
N+1グループ内が同一の環境 N+1グループ内が同一の環境 不要
N+1グループ内で異なる環境 不要
N+1グループ内で異なる環境 N+1グループ内が同一の環境 必要
N+1グループ内で異なる環境 必要

 

ネットワークスイッチ連携機能を利用する場合の前提条件を示します。

(a) ネットワークスイッチ連携機能の対応バージョン

N+Mコールドスタンバイ(I/O継承方式)を適用する場合,ネットワークスイッチ連携機能は,マネージャサービスおよびコンソールサービスのバージョンが09-00以降の場合に使用できます。

(b) JP1/Cm2/NCの前提条件

ネットワークスイッチ連携機能は,JP1/Cm2/NCのコマンドを利用します。したがって,BSM Plus(マネージャサービス追加機能)がインストールされているホストと同じホストにJP1/Cm2/NCをインストールする必要があります。

JP1/Cm2/NCは,07-51以降のバージョンを使用してください。

ただし,ポート情報GUI設定方式を使ってネットワークスイッチを設定するには,JP1/Cm2/NCのバージョンが08-00以降の場合に利用できます。

(c) ネットワークスイッチの前提条件

ネットワークスイッチ連携機能を利用できるネットワークスイッチは,外付スイッチ(AX2400S,AX3600S,BS2000のLANスイッチモジュール)です。

また,BS2000ではLANスイッチモジュール(BS2000のLANスイッチモジュール)を外付スイッチとして登録することで,ネットワークスイッチ連携機能を利用できます。ただし,外付スイッチ(AX2400S,AX3600S,BS2000のLANスイッチモジュール)は,JP1/Cm2/NCのバージョンが08-00以降の場合に利用できます。

(4)  N+1冗長化の前提条件

N+1冗長化は,サーバモジュール障害時のN+1自動切り替え処理の冗長化を対象とします。N+1冗長化の前提条件を次に示します。