JP1/Cm2/Extensible SNMP Agent

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6.3 ログの取得

ログは異常が発生した場合に,その原因を調査するためにシステム管理者が使用します。拡張MIB定義機能を使用している場合はMIB取得時に実行しているコマンドのトレースを出力して問題個所の特定に使用します。

マスターエージェントおよびサブエージェントは,デフォルトで次の内容でログを常時出力します。

なお,取得するログの種類,ログの出力先およびログのファイルサイズと面数は,次の方法で変更できます。

<この節の構成>
(1) ログの種類
(2) ログの出力先
(3) ログファイルの面数とサイズ
(4) 注意事項

(1) ログの種類

取得するログの種類は,ログマスクによって選択できます。ログマスクは,ログの取得内容の種類を特定するものです。

マスターエージェントとサブエージェントとでは,ログマスクは異なります。マスターエージェントのログマスクを次の表に示します。

表6-1 マスターエージェントのログマスク

ログマスク(snmpdm -mで指定する値) 意味
文字列 10進数 16進数
0 0x ログの抑止
FACTORY_TRACE 8388608 0x00800000 トレースログの出力
FACTORY_WARN 268435456 0x10000000 警告ログの出力
FACTORY_ERROR 536870912 0x20000000 エラーログの出力

(凡例)
−:該当なし。

マスターエージェントは,ログマスクの指定を省略すると,ログマスク値にはエラーログと警告ログとを加算した値が設定されます。

マスターエージェントのログを変更するには,現在稼働中のマスターエージェントをkillコマンドで停止させます。そのあと,次に示すように入力します。

 
/usr/sbin/snmpdm -m 8388608
 

複数のログマスクを指定したい場合に,10進数,16進数を指定するとき,それぞれのログマスク値を加算した値を指定してください。文字列で指定するときは,-mに続けて文字列を指定してください。例を次に示します。

 
/usr/sbin/snmpdm -m FACTORY_TRACE FACTORY_WARN FACTORY_ERROR
 

-mオプションを文字列で指定する場合で,ほかのオプションと組み合わせて指定するとき,-mオプションは最後に指定してください。

サブエージェントのログマスク値を次の表に示します。

表6-2 サブエージェントのログマスク値

ログマスク(各サブエージェントの
コマンドのオプションとして指定)
意味
-aperror エラーログ
-apwarn エラー,および警告
-aptrace トレース
-apconfig 構成ファイル
-appacket パケットの組み立て,および解析
-aptrap トラップメッセージ
-apaccess エージェント処理
-apemanate マスターエージェント・サブエージェント
-apverbose 冗長ログ
-apuser ユーザーログ
-apall すべてのログ

サブエージェントは,ログマスクの指定を省略するとログを取得しません。サブエージェントのログを取得するには,現在稼働中のサブエージェントをkillコマンドで停止させます。そのあと,次に示すように入力します。

 
/usr/sbin/extsubagt -aperror
 

複数のログマスクを指定する場合は,指定したいログマスク値を続けて指定します。例を次に示します。

 
/usr/sbin/extsubagt -aperror -apwarn -aptrace
 

(2) ログの出力先

ログの出力先はsnmpdmプロセスの環境変数定義ファイル(SnmpMaster)のSR_LOG_DIR環境変数で変更できます。なお,ファイル名はsnmpd.lognで固定です。変更はできません。

SR_LOG_DIR環境変数については,「5. コマンド」の「snmpdm」を参照してください。

ログの出力先を変更する手順を次に示します。

  1. snmpstopコマンドでSNMPエージェントを停止する。
  2. SR_LOG_DIR環境変数でログの出力先を指定する。

    (例)
    SR_LOG_DIR=/tmp/esalog
    export SR_LOG_DIR
  3. snmpstartコマンドでSNMPエージェントを再起動する。

また,資料採取コマンドのjp1esalog.sh.defは,デフォルトでは/var/adm/snmpd.lognを収集する設定になっています。jp1esalog.sh.defコマンド実行でのログ出力先を変更したい場合は,viエディタなどを使用してログの出力先を変更します。jp1esalog.sh.defコマンドの編集例を次に示します。

変更前
 
COLFILE="$COLFILE ./var/adm/snmpd.log* ./var/adm/*agt*.log ./etc/SnmpAgent.d ./etc/srconf/agt"
 

変更後
 
COLFILE="$COLFILE ./tmp/esalog/snmpd.log* ./var/adm/*agt*.log ./etc/SnmpAgent.d ./etc/srconf/agt"
 

注意事項

jp1esalog.sh.defコマンドを編集する前に,jp1esalog.sh.defコマンドのバックアップを必ず取得してください。

(3) ログファイルの面数とサイズ

ログファイルの面数とサイズは次の環境変数で変更できます。

ログファイルの面数とサイズを変更する手順を次に示します。

  1. snmpstopコマンドでSNMPエージェントを停止する。
  2. SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE環境変数でログファイルのサイズを指定する

    (例)
    SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE=10
    export SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE
  3. SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT環境変数でログファイルの面数を指定する

    (例)
    SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT=10
    export SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT
  4. snmpstartコマンドでSNMPエージェントを再起動する。

注※ 手順2.と手順3.はどちらを先に操作してもかまいません。

(4) 注意事項

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