JP1/IT Service Level Management
6.1.5 JP1/ITSLM - Managerのフェールオーバー発生時に実施される処理
JP1/ITSLM - Managerでフェールオーバーが発生した場合,実行系サーバのJP1/ITSLM - Managerによって共有ディスク上のデータベースに障害の発生直前までに書き込まれたサービス性能の情報が,待機系サーバのJP1/ITSLM - Managerに引き継がれます。待機系サーバは,引き継いだ情報を基に業務処理を続行します。ただし,監視対象サービスの検出処理については,処理は続行されません。
JP1/ITSLM - Managerのフェールオーバー発生時に実施される処理を次の図に示します。
図6-3 JP1/ITSLM - Managerのフェールオーバー発生時に実施される処理
フェールオーバーの発生時は,サービス性能は引き継がれますが,画面に表示されていたエラーや警告のイベントは初期化された状態になります。
以降では,フェールオーバーが発生したタイミングごとのフェールオーバーの流れを示します。
- <この項の構成>
- (1) 監視対象サービスの監視,検出のどちらも実行中ではない場合
- (2) 監視対象サービスを監視中の場合
- (3) 監視対象サービスを検出中の場合
(1) 監視対象サービスの監視,検出のどちらも実行中ではない場合
監視対象サービスの監視,検出のどちらも実行中ではない場合にJP1/ITSLM - Managerにフェールオーバーが発生したときには,待機系サーバのJP1/ITSLM - Managerの起動後,JP1/ITSLM - URとの接続だけが復元されます。監視および検出の処理は開始されません。
(2) 監視対象サービスを監視中の場合
監視対象サービスの監視中にJP1/ITSLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合,待機系サーバのJP1/ITSLM - Managerが起動したあとで,共有ディスク上のデータベース内のサービス性能の情報を基に,監視状態が障害発生直前の状態に復元されます。
監視対象サービスの監視中にJP1/ITSLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れを次の図に示します。
図6-4 監視対象サービスの監視中にJP1/ITSLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れ
図に示した流れについて説明します。説明の番号は図中の番号と対応しています。
- クラスタソフト(実行系サーバ)の制御によって,JP1/ITSLM - Manager(実行系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(実行系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。
- JP1/ITSLM - Manager(実行系サーバ)で,監視対象サービスの監視を開始します。
- JP1/ITSLM - Manager(実行系サーバ)で障害が発生したことによって,Windowsサービスが停止します。
- JP1/ITSLM - Manager(実行系サーバ)に登録されたJP1/ITSLM - ManagerのすべてのWindowsサービスが,クラスタソフト(実行系サーバ)によって停止されます。その後,フェールオーバーが開始されます。
- クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/ITSLM - Manager(待機系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(待機系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。
- クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/ITSLM - Manager(待機系サーバ)で,監視対象サービスの監視が再開されます。また,JP1/ITSLM - URが収集したサービス性能がJP1/ITSLM - Manager(待機系サーバ)に送信されるようになります。
(3) 監視対象サービスを検出中の場合
監視対象サービスの検出中にJP1/ITSLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合,検出処理は中断されます。
監視対象サービスの検出中にJP1/ITSLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れを次の図に示します。
図6-5 監視対象サービスの検出中にJP1/ITSLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れ
図に示した流れについて説明します。説明の番号は図中の番号と対応しています。
- クラスタソフト(実行系サーバ)の制御によって,JP1/ITSLM - Manager(実行系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(実行系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。
- JP1/ITSLM - Manager(実行系サーバ)で,監視対象サービスの検出を開始します。
- JP1/ITSLM - Manager(実行系サーバ)で障害が発生したことによって,Windowsサービスが停止します。
- JP1/ITSLM - Manager(実行系サーバ)に登録されたJP1/ITSLM - ManagerのすべてのWindowsサービスが,クラスタソフト(実行系サーバ)によって停止されます。その後,フェールオーバーが開始されます。
- クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/ITSLM - Manager(待機系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(待機系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。
- クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/ITSLM - Manager(待機系サーバ)で,監視対象サービスの検出停止処理が実行されます。また,監視対象サービスの検出を停止することが,JP1/ITSLM - URに通知されます。
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