JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1
JP1/AJS3では,ジョブ※開始時または終了時に,ジョブ実行OSユーザーの情報を取得します。OSユーザーの追加,削除,またはOSユーザーのパスワードの変更などによって,一時的にOSのパスワードファイルからユーザー情報を参照できないと,統合トレースログにメッセージKAVU7533-E(キューレスジョブの場合は,メッセージKAVS1888-EまたはKAVS1884-E)が出力され,ジョブが起動失敗または異常検出終了します。
OSのパスワードファイルの参照を一定の間隔でリトライすることで,ジョブが起動失敗や異常検出終了になることを抑えることができます。
通常,この設定を変更する必要はありません。
- 注※
- UNIXジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ,自ホストで実行するQUEUEジョブ,およびサブミットジョブが該当します。
設定手順を次に示します。この設定はジョブの実行先ホスト上で行ってください。
- <この項の構成>
- (1) 定義手順
- (2) 環境設定パラメーター一覧
- (3) 注意事項
(1) 定義手順
- JP1/AJS3のサービスを停止する。
次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。
・ジョブの実行先サービスに[標準]を指定している場合
# /etc/opt/jp1ajs2/jajs2_stop※ # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
- 注※
- 自動停止の設定がされていることを確認します。
・ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合
# /opt/jp1ajs2/bin/ajsqlstop # /opt/jp1ajs2/bin/ajsqlftpstop※ # /opt/jp1ajs2/bin/ajsqlstatus
- 注※
- JP1/AJS3 - Managerだけ実行する必要があります。
- viなどのエディターで,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
- ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
jbssetcnf 設定ファイル名
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- JP1/AJS3を再起動する。
設定した内容が反映されます。
(2) 環境設定パラメーター一覧
表15-31 エージェントホストのユーザー情報取得時のリトライを変更するための環境設定パラメーター
定義キー 環境設定パラメーター 定義内容 [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQAGENT\Job]※ "GetPasswd_RetryCount"= ジョブの実行先サービスに[標準]を指定している場合に,OSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗したときのリトライ回数 "GetPasswd_RetryInterval"= ジョブの実行先サービスに[標準]を指定している場合に,OSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗したときのリトライ間隔 [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1QLAGENT]※ "AJSQL_GETPASSWD_AGTRETRYCOUNT"= ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合に,キューレスエージェントサービスでOSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗したときのリトライ回数 "AJSQL_GETPASSWD_AGTRETRYINTERVAL"= ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合に,キューレスエージェントサービスでOSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗したときのリトライ間隔
- 注※
- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
表15-32 マネージャーホストのユーザー情報取得時のリトライを変更するための環境設定パラメーター
定義キー 環境設定パラメーター 定義内容 [JP1_DEFAULT\JP1QLAGENT] "AJSQL_GETPASSWD_FTPRETRYCOUNT"= ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合に,キューレスファイル転送サービスでOSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗したときのリトライ回数 "AJSQL_GETPASSWD_FTPRETRYINTERVAL"= ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合に,キューレスファイル転送サービスでOSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗したときのリトライ間隔 環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,次の個所を参照してください。
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.3(87) GetPasswd_RetryCount」
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.3(88) GetPasswd_RetryInterval」
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.7(28) AJSQL_GETPASSWD_AGTRETRYCOUNT」
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.7(29) AJSQL_GETPASSWD_AGTRETRYINTERVAL」
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.7(18) AJSQL_GETPASSWD_FTPRETRYCOUNT」
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.7(19) AJSQL_GETPASSWD_FTPRETRYINTERVAL」
(3) 注意事項
- OSユーザーが登録されていない場合も設定したリトライ回数およびリトライ間隔によるリトライが実施されるため,ジョブが起動失敗や異常検出終了になるまで時間が掛かります。OSユーザーが正しく登録されていることを確認してください。
- キューレスジョブの場合,リトライ中は新たなキューレスジョブを開始できません。そのため,リトライ期間が長くなるような設定をするとジョブ実行の遅延につながります。運用に影響を与えない範囲でリトライ回数およびリトライ間隔を変更してください。
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