JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1

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12.2.1 インストール時の注意事項

ここでは,JP1/AJS3 - Managerをインストールするホストについての注意事項,およびバージョンアップインストールについての注意事項について説明します。また,JP1/NETM/DMを使ったリモートインストール(ソフトウェアの配布)についても説明します。

<この項の構成>
(1) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentをインストールするホストについての注意事項
(2) バージョンアップインストールについての注意事項
(3) JP1/NETM/DMを使ったリモートインストール(ソフトウェアの配布)
(4) JP1/AJS2 - ManagerにJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールする場合

(1) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentをインストールするホストについての注意事項

JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agentは同一ホストにインストールできません。

(2) バージョンアップインストールについての注意事項

(a) カスタマイズできるファイルの扱い

JP1/AJS3で提供しているファイルには,ユーザーがカスタマイズできるファイルがあります。ユーザーによるカスタマイズを考慮し,バージョンアップインストール後も,これらのファイルは置き換えられません。

また,カスタマイズ前のファイルは,モデルファイルとして同一ディレクトリに格納されています(ファイル名の末尾に,「.model」が付いています)。アップデートはこのモデルファイルに対して行われます。このため,バージョンアップ後は次に示すパス配下のファイルのカスタマイズ状況を確認し,カスタマイズしている場合は,モデルファイルをコピーして再度カスタマイズしてください。カスタマイズしていない場合は,コピーだけしてください。

JP1/AJS3 - Managerの場合
  • /etc/opt/jp1ajs2
  • /etc/opt/jp1ajs2/conf
  • /etc/opt/jp1ajs2cm
  • /etc/opt/jp1ajs2cm/conf

JP1/AJS3 - Agentの場合
  • /etc/opt/jp1ajs2
  • /etc/opt/jp1ajs2/conf

注意事項
JP1/AJS3をクラスタシステムで運用している場合,共有ディレクトリのjp1ajs2のconf配下にあるモデルファイルに対して,アップデートは行われません。そのため,共有ディレクトリ配下のファイルをカスタマイズしている場合は,共有ディレクトリのモデルファイルではなく,上記のディレクトリからモデルファイルをコピーして再度カスタマイズしてください。カスタマイズしていない場合は,同名のファイルを上書きコピーしてください。
なお,論理ホストのconfファイルは,共有ディレクトリのjp1ajs2のconf配下のファイルになります。

なお,JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerへのバージョンアップでは,プロセス管理定義ファイル(上記パスにあるjp1ajs_xxxd.confファイル),および拡張起動プロセス定義ファイル(上記パスにあるjp1ajs_xxxx_0700.confファイル)を,JP1/AJS3 - Managerのプロセス構成に自動更新します。JP1/AJS2 - Managerで,JP1/Cm2/NNMまたはHP NNM連携やキューレスジョブ実行環境の設定をしていた場合は,バージョンアップおよびセットアップ後に,プロセス管理定義ファイル,および拡張起動プロセス定義ファイルの設定が引き継がれているか確認してください。引き継がれていない場合は,再度設定してください。また,異常終了したJP1/AJS2のプロセスを再起動する設定などのカスタマイズをしていた場合,JP1/AJS3 - Managerの再起動設定はデフォルト値に設定されます。再起動設定をしない,または再起動回数をデフォルト値以外で使用する場合は,バージョンアップおよびセットアップ後に,再度カスタマイズしてください。

(b) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentをバージョンアップインストールする場合

(c) クラスタ構成でバージョンアップインストールする場合

クラスタ構成のUNIXホストにJP1/AJS3シリーズプログラムをバージョンアップでインストールする手順を次に示します。

JP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールする場合,JP1/AJS3 - Managerからバージョンアップするときと,JP1/AJS2 - Managerからバージョンアップするときでは手順が異なります。

なお,この手順では,論理ホストが通常動作している系を実行系,論理ホストが通常動作していないで待機している系を待機系と呼びます。

●バージョンアップ手順(JP1/AJS2 - Managerからのバージョンアップ以外)

JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agent,およびJP1/AJS2 - Agentをバージョンアップする手順を次に示します。

  1. 待機系で論理ホストが動作していないことを確認する。
    待機系で論理ホストのJP1/AJS3またはJP1/AJS2が動作していないことを確認してください。
    なお,実行系で論理ホストのJP1/AJS3またはJP1/AJS2が動作していても問題ありません。
  2. 待機系でバージョンアップインストールを実施する。
  3. 実行系で論理ホストが動作していないことを確認する。
    実行系から待機系にフェールオーバーさせる,または論理ホストを停止して,実行系で論理ホストのJP1/AJS3またはJP1/AJS2が動作していないことを確認してください。
    なお,手順2でバージョンアップした待機系に論理ホストをフェールオーバーさせても問題ありません。
  4. 実行系でバージョンアップインストールを実施する。
    注意
    待機系をバージョンアップしたあと,待機系で論理ホストを稼働させている場合,実行系のバージョンアップが完了するまでは実行系にフェールオーバーさせないでください。

●バージョンアップ手順(JP1/AJS2 - Managerから標準構成へのバージョンアップ)

注意
クラスタ構成で使用しているJP1/AJS2 - Managerをバージョンアップする場合,共有ディスクに格納したデータの移行などのセットアップを実施するために,クラスタ運用を一時的に停止する必要があります。セットアップが完了するまで,JP1/AJS3 - Managerでの運用はできません。セットアップには,データ量などに応じた時間が必要なため,計画的にバージョンアップインストールおよびセットアップ作業を実施してください。

JP1/AJS2 - Managerをバージョンアップする手順を次に示します。

複数の論理ホストがある場合は,次に示す手順6から手順16と,手順20から手順23までをすべての論理ホストに対して実施してください。非クラスタ環境で論理ホストを運用している場合は,実行系の手順だけ実施してください。物理ホストおよび論理ホストですべてのセットアップが完了するまで,JP1/AJS3の運用は開始できません。

また,次に示す手順は,一つの組み込みDBに一つのスケジューラーサービスを格納することを前提としています。複数のスケジューラーサービスを構築している場合は,手順8,手順11,手順12をすべてのスケジューラーサービスに対して実行してください。組み込みDBを追加したい場合は,手順9,手順10,手順20,手順21を実施してください。

  1. 実行系および待機系のJP1を終了させる。
    クラスタソフトからの操作で,実行系ノードと待機系ノードで起動しているJP1のプログラムおよびサービスを停止してください。停止する方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
  2. 実行系のJP1/Baseをバージョンアップインストールする。
    JP1/Baseのインストールについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  3. 実行系のJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールする。
    実行系のJP1/AJS2 - Managerに,JP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールします。
  4. バージョンアップ前に実行系物理ホストで使用していた組み込みDBまたはHiRDBを起動する。
    移行前のデータベースにアクセスするため,バージョンアップ前に実行系物理ホストのスケジューラーサービスのデータベースとして使用していた組み込みDBまたはHiRDBを起動します。
    組み込みDBまたはHiRDBの起動方法については,使用しているJP1/AJS2のマニュアルまたはHiRDBのマニュアルを参照してください。
  5. 実行系物理ホストでセットアップを実施する。
    実行系物理ホストでjajs_migrateコマンドを実行します。
    実行例を次に示します。
     
    jajs_migrate -convert
     
    jajs_migrateコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_migrate」を参照してください。
  6. 実行系で共有ディスクおよび論理IPアドレスが使用できることを確認する。
    共有ディスク上のデータを移行するため,共有ディスクおよび論理IPアドレスが有効になっていることを確認します。共有ディスクがマウントされていない,または論理IPアドレスが有効になっていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャーの操作などで,共有ディスクをマウントし,論理IPアドレスを有効にしてください。操作方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
  7. バージョンアップ前に実行系論理ホストで使用していた組み込みDBまたはHiRDBを起動する。
    移行前のデータベースにアクセスするため,バージョンアップ前に実行系論理ホストのスケジューラーサービスのデータベースとして使用していた組み込みDBまたはHiRDBを起動します。
    組み込みDBまたはHiRDBの起動方法については,使用しているJP1/AJS2のマニュアルまたはHiRDBのマニュアルを参照してください。
  8. 実行系でajscnvdbexportコマンドを実行し,データベース情報を退避する。
    実行例を次に示します。
     
    ajscnvdbexport -mh LHOST -F AJSROOT2 -b /tmp/work
     
    移行前の組み込みDBに対して操作するため,移行前のスケジューラーデータベースに組み込みDBを使用している場合は,次の環境変数に設定を追加してからコマンドを実行してください。設定を追加していない場合,メッセージKAVS0990-Eが出力され,コマンドが異常終了します。
    • HP-UXの場合
      SHLIB_PATH=移行前の組み込みDBのインストール先ディレクトリ/client/lib
    • SolarisまたはLinuxの場合
      LD_LIBRARY_PATH=移行前の組み込みDBのインストール先ディレクトリ/client/lib
    • AIXの場合
      LIBPATH=移行前の組み込みDBのインストール先ディレクトリ/client/lib

    ajscnvdbexportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajscnvdbexport」を参照してください。
  9. 実行系でajsembdbinstlコマンドを実行し,JP1/AJS3のデータベースをインストールする。
    実行例を次に示します。
     
    ajsembdbinstl -s /opt/jp1ajs2/tools/AJS3DB -id _JF1 -mh LHOST
     
    ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。
  10. 実行系でajsembdbbuildコマンドを実行し,データベース環境を構築する。
    実行例を次に示します。
     
    ajsembdbbuild -s -r -d /shdsk/node0/jp1ajs2/embdb/_JF1 
    -ld /var/opt/jp1ajs2/embdb/_JF1/dbarea -mh LHOST -eh hostA 
    -p 22221 -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF1 -id _JF1
     
    ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。
  11. 実行系でajsembdbsetupコマンドを実行し,データベース環境をセットアップする。
    実行例を次に示します。
     
    ajsembdbsetup -mh LHOST -F AJSROOT2 -p 22221 -id _JF1 -ru s -convert
     
    ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。
  12. 実行系でajscnvdbimportコマンドを実行し,データベース情報を移行する。
    実行例を次に示します。
     
    ajscnvdbimport -mh LHOST -F AJSROOT2 -b /tmp/work
     
    ajscnvdbimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajscnvdbimport」を参照してください。
  13. 実行系でセットアップを実施する。
    実行系でjajs_migrateコマンドを実行し,JP1/AJS3の運用ができる環境にセットアップします。
    実行例を次に示します。
     
    jajs_migrate -convert -h LHOST -r -S
     
    jajs_migrateコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_migrate」を参照してください。
  14. セットアップ時に自動的に起動した組み込みDBを停止する。
    実行例を次に示します。
     
    ajsembdbstop -id _JF1
     
    ajsembdbstopコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajsembdbstop」を参照してください。
  15. 実行系でjbsgetcnfコマンドを実行して共通定義情報をファイルに退避する。
    実行するコマンドを次に示します。
     
    jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル名
  16. 手順15で作成したファイルを待機系にコピーする。
  17. 待機系のJP1/Baseをバージョンアップインストールする。
    JP1/Baseのインストールについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  18. 待機系のJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールする。
    待機系のJP1/AJS2 - Managerに,JP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールします。
  19. 待機系物理ホストでセットアップを実施する。
    待機系物理ホストでjajs_migrateコマンドを実行します。
    実行例を次に示します。
     
    jajs_migrate -convert
     
    jajs_migrateコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_migrate」を参照してください。
  20. 待機系でajsembdbinstlコマンドを実行し,JP1/AJS3のデータベースをインストールする。
    実行例を次に示します。
     
    ajsembdbinstl -s /opt/jp1ajs2/tools/AJS3DB -id _JF1 -mh LHOST
     
    -idオプションに指定する値は,実行系で指定した値と同じ値を指定してください。
    ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。
  21. 待機系でajsembdbbuildコマンドを実行し,データベース環境を構築する。
    実行例を次に示します。
     
    ajsembdbbuild -s -f -d /shdsk/node0/jp1ajs2/embdb/_JF1 
    -ld /var/opt/jp1ajs2/embdb/_JF1/dbarea -mh LHOST -eh hostA 
    -p 22221 -i /opt/jp1ajs2/embdb/_JF1 -id _JF1
     
    -id,-d,および-pオプションに指定する値は,実行系で指定した値と同じ値を指定してください。
    ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。
  22. 待機系でjbssetcnfコマンドを実行して共通定義情報を設定する。
    実行するコマンドを次に示します。
     
    jbssetcnf 手順16でコピーした退避ファイル名
  23. 待機系でセットアップを実施する。
    待機系でjajs_migrateコマンドを実行し,JP1/AJS3の運用ができる環境にセットアップします。
    実行例を次に示します。
     
    jajs_migrate -convert -h LHOST -f -S
     
    jajs_migrateコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_migrate」を参照してください。
  24. 移行前のJP1/AJS2で使用していた組み込みDBおよびHiRDBについて,クラスタソフトへの登録を解除する。
    クラスタソフトからの登録解除方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
  25. 実行系でJP1を起動する。
    クラスタソフトから操作して,実行系ノードでJP1のプログラムおよびサービスを起動し,JP1/AJS3のクラスタ環境での運用を開始します。

●バージョンアップ手順(JP1/AJS2 - Managerから互換用ISAM構成へのバージョンアップ)

JP1/AJS2 - Managerをバージョンアップする手順を次に示します。

複数の論理ホストがある場合は,次に示す手順5をすべての論理ホストに対して実施してください。

  1. 実行系および待機系のJP1を終了させる。
    クラスタソフトからの操作で,実行系ノードと待機系ノードで起動しているJP1のプログラムおよびサービスを停止してください。停止する方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
  2. 実行系のJP1/Baseをバージョンアップインストールする。
    JP1/Baseのインストールについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  3. 実行系のJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールする。
    実行系のJP1/AJS2 - Managerに,JP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールします。
    JP1/AJS3シリーズプログラムのバージョンアップインストールについては,「(b) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentをバージョンアップインストールする場合」を参照してください。
  4. 実行系で共有ディスクおよび論理IPアドレスが使用できることを確認する。
    共有ディスク上のデータを移行するため,共有ディスクが有効になっていることを確認します。共有ディスクがマウントされていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャーの操作などで,共有ディスクをマウントしてください。操作方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
    また,pingコマンドまたはjp1pingコマンドで,論理IPアドレスが有効になっていることを確認してください。jp1pingコマンドについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  5. 実行系でjajs_convert_to_spmdコマンドを実行し,システム管理の起動プロセス定義ファイルを変換する。
    実行例を次に示します。
     
    /opt/jp1ajs2/tools/jajs_convert_to_spmd -h LHOST -c ISAM
  6. 待機系のJP1/Baseをバージョンアップインストールする。
    JP1/Baseのインストールについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  7. 待機系のJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールする。
    待機系のJP1/AJS2 - Managerに,JP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールします。
    JP1/AJS3シリーズプログラムのバージョンアップインストールについては,「(b) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentをバージョンアップインストールする場合」を参照してください。
  8. 実行系でJP1を起動する。
    クラスタソフトから操作して,実行系ノードでJP1のプログラムおよびサービスを起動し,JP1/AJS3のクラスタ環境での運用を開始します。

(d) ジョブ実行制御で使用する共有メモリーについて(06-71-G1以前のバージョンからバージョンアップインストールする場合)

ジョブ実行制御のエージェントプロセスは,共有メモリーを使用して情報のやり取りをしています。通常,これらの情報はJP1/AJS3サービス停止時に削除されます。ただし,エージェントプロセスが異常終了したり,jajs_killall.clusterコマンドを使用してサービスを強制停止させたりすると,これらの情報が残ってしまうことがあります。エージェントプロセスの異常終了または強制停止と再起動が繰り返されると,共有メモリーのセグメント数が増加してシステムに影響を与えるおそれが出てきます。

jpqshmakeコマンドを実行すると,共有メモリーのセグメント数を増加させないようにできます。JP1/AJS2 06-71-G1以前のバージョンからバージョンアップインストールしてセットアップしたあとに,一度だけ実行してください。JP1/AJS3またはJP1/AJS2 06-71-/H以降のバージョンを新規インストールした場合は,実行する必要はありません。jpqshmakeコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jpqshmake(UNIX限定)」を参照してください。

(3) JP1/NETM/DMを使ったリモートインストールソフトウェアの配布)

JP1/AJS3は,JP1/NETM/DMを使ったリモートインストールに対応しています。

JP1/AJS3の場合,次に示すインストールに対応しています。

JP1/NETM/DMを使った実際のリモートインストール方法については,マニュアル「JP1/NETM/DM Client (UNIX(R)用)」を参照してください。

JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerにバージョンアップした場合のセットアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 8.7 JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerへのバージョンアップ後のセットアップ」を参照してください。

(4) JP1/AJS2 - ManagerにJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールする場合

JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerへのバージョンアップ後は,ディスク使用量やメモリー使用量が増加するため,バージョンアップする前に適切な見積もりをしてください。また,JP1/AJS2 - ManagerにJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールした場合,そのあとに実施するセットアップ作業が完了するまで,JP1/AJS3 - Managerでの運用はできません。セットアップ作業には,データ量などに応じた時間が必要なため,計画的にバージョンアップインストールおよびセットアップ作業を実施してください。JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerにバージョンアップした場合のセットアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 8.7 JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerへのバージョンアップ後のセットアップ」を参照してください。

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