JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1

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7.1 ログ情報の採取方法

障害発生時の調査分析に有効なログ情報を採取するための設定について説明します。

<この節の構成>
(1) 資料採取ツールの設定手順
(2) 資料採取ツールの注意事項
(3) ダンプファイルの出力設定手順

(1) 資料採取ツールの設定手順

Windowsの場合,ログ情報を採取するための「資料採取ツール」をJP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - AgentまたはJP1/AJS3 - Viewで提供します。

資料採取ツールは,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agent,JP1/AJS3 - Viewをインストールしたあと,別のフォルダにコピーしてから使用してください。

Windowsのエクスプローラなどを使ってフォルダをコピーすることで,必要なログ情報だけを採取することもできます。

注意
JP1/AJS3 Consoleを使用する場合,JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Viewの資料採取ツールの環境設定をしていれば,JP1/AJS3 Console AgentおよびJP1/AJS3 Console Viewでの設定は不要です。
資料採取ツールの環境設定をしていない場合は,次の手順に従って設定をしてください。

資料採取ツールを使用するための環境設定手順を次に示します。

  1. エクスプローラなどを使って,次に示す資料採取ツールを任意のフォルダにコピーする。
    • JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS3 - Agentの場合
       
      JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS3 - Agentのインストール先フォルダ\tools\_04.bat
       
      この資料採取ツールを実行すると,同一ホスト上のJP1/AJS3 - Viewのログ情報も採取できます。
       
    • JP1/AJS3 - Viewの場合
       
      JP1/AJS3 - Viewのインストール先フォルダ\tools\_04.bat
       
      この資料採取ツールを実行すると,同一ホスト上のJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS3 - Agentのログ情報も採取できます。
     
  2. コピーした資料採取ツールを編集して,ユーザー固有のファイル名に変更する。
    資料採取ツールの編集にはテキストエディターを使用してください。
    次に資料採取ツールに記述されているデフォルト値を示します。このデフォルト値と異なる場合,資料採取ツールの記述を変更してください。
    資料採取ツールの変更内容を,次の表に示します。

    表7-1 資料ツールの記述変更内容

    項番 変更内容 変更する場所
    1 HNTRLibのインストール先フォルダ @set INST_DIR_HNTRLIB=%PROGRAMFILES_DIR%\hitachi\HNTRLib
    2 HNTRLib2のインストール先フォルダ @set INST_DIR_HNTRLIB2=%PROGRAMFILES_DIR%\hitachi\HNTRLib2
    3 JP1/AJS3用データベース格納フォルダ※1 @set INST_DIR_DATABASE=%INST_DIR_MANAGER%\hitachi\JP1AJS2\database
    4 JP1/AJS3 Console Managerのデータフォルダ @set LOG_DIR_AJS2CONSOLE_DATABASE=%INST_DIR_AJS2CONSOLE%\database
    5 JP1/AJS3用一時ファイル格納フォルダ @set LOG_DIR_AJSPDDIR=%INST_DIR_MANAGER%\tmp\schedule
    6 JP1/AJS3用ジョブエラー情報フォルダ @set LOG_DIR_JOBINF=%INST_DIR_MANAGER%\jobinf
    7 ワトソン博士のログファイルパス※2 @set LOG_DIR_DRWTSN=%ALLUSERSPROFILE%\Documents\DrWatson
    8 メモリーダンプのファイルパス※2 @set LOG_DIR_USERDUMP=%systemroot%\*.dmp
    9 クラッシュダンプのファイルパス※2 @set LOG_DIR_WTSNDUMP=%LOG_DIR_DRWTSN%\*.dmp
    10 追加取得を行うフォルダ @rem @set DIR_ADD=
    「@rem」を削除し,フォルダを絶対パスで記述します。各ログファイルの出力先の設定をデフォルトから変更した場合や,その他の情報を採取したい場合に記述してください。フォルダを複数指定する場合は,次の例のように空白区切りで記述してください。また,絶対パスに空白を含む場合は,「"」で囲んで入力してください。
    (例)
    @set DIR_ADD=変更したスケジューラーログ出力フォルダ "変更したスケジューラートレースログ出力フォルダ"
    11 資料採取ツールで採取した情報の退避先 @set DIR_BACKLOG=%TEMP%\jp1ajs2\backlog

    注※1
    スケジューラーサービスおよびジョブ実行環境のデータベースに,このフォルダの配下にないフォルダを設定している場合は採取されません。
    各データベースファイルを任意のフォルダ下に配置し,そのフォルダまでの絶対パスを指定するようにしてください。

    注※2
    Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合は,取得できません。

     
    資料採取ツールにデフォルトで記述されている各ログファイルの格納フォルダについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.2.4 ログファイルおよびディレクトリ一覧」およびマニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の付録に記載されている,ファイルまたはフォルダの一覧を参照してください。

(2) 資料採取ツールの注意事項

  1. 07-10以降の資料採取ツールと07-10より前のバージョンの資料採取ツールでは,次の表に示す相違があります。

    表7-2 資料採取ツールの相違点

    機能 07-10以降 07-10より前のバージョン
    次の資料の採取
    • Windowsレジストリー情報
    • Windowsイベントログ情報
    • マシン構成情報
    • サービス起動されているPP一覧
    • データベース格納フォルダのファイルリスト情報
    • JP1/Baseのファイルリスト情報
    • core解析に必要な情報
    採取する。 採取しない。
    論理ホストの指定 資料採取ツールの実行時に論理ホスト名を指定する。 資料採取ツールの環境設定で,論理ホストごとの情報格納フォルダを設定する。
    初期調査ファイルの分離 初期調査ファイルを専用フォルダに保存する。 初期調査に必要なファイルが分散して出力される。
    JP1/AJS3サービス起動中でのログの採取 資料採取ツール実行時に-sオプションを指定する。 採取不可。
  2. 07-10より前のバージョンの資料採取ツールをカスタマイズして,既存の情報以外の情報を取得していた場合,07-10以降にバージョンアップしても07-10以降の資料採取ツールには反映されません。
  3. 64ビット版Windowsを使用し,WOW64(Windows On Windows 64)環境下でJP1/AJS3の資料採取ツールで資料採取する場合,資料採取ツールを修正する必要があります。ただし,使用しているJP1/AJS3のバージョンが09-00-06以降の資料採取ツールの場合には,次に示す修正操作は不要です。
    資料採取ツールを修正する手順を,次に示します。
    1. 資料採取ツールを任意のフォルダにコピーする。
    2. テキストエディターを使用して,コピーしたバッチファイルを次のように編集し,任意のファイル名で保存する。

    [図データ]

 

(3) ダンプファイルの出力設定手順

トラブルが発生した場合にダンプファイル(メモリーダンプ,クラッシュダンプおよびユーザーモードプロセスダンプ)が必要となることがあります。トラブル発生時に備えて,運用前にダンプファイルが出力されるように設定しておくことを推奨します。

ダンプファイルの採取方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.4.1 Windowsの場合」を参照してください。

メモリーダンプの出力設定
  1. コントロールパネルの[システム]をクリックする。
    [システム]ダイアログボックスが表示されます。
  2. [システムの詳細設定]をクリックする。
    [システムのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
  3. [詳細設定]タブの[起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。
    [起動と回復]ダイアログボックスが表示されます。
  4. [デバッグ情報の書き込み]で,[完全メモリ ダンプ]を選択し,[ダンプ ファイル]に出力先のファイルを指定する。
    搭載しているメモリーのサイズによっては[完全メモリダンプ]が表示されないことがあります。
    その場合は[カーネルメモリダンプ]を選択してください。

注意事項
メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズも大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細については,Microsoftのドキュメントを参照してください。

クラッシュダンプの出力設定
クラッシュダンプを出力するためには,Windowsのレジストリー情報を設定する必要があります。詳細な設定方法については,MicrosoftのWindows Error Reporting(WER)関連のサポート技術情報を参照してください。設定する際には,完全なダンプ情報を出力するように設定してください。

注意事項
クラッシュダンプはJP1だけでなく,ほかのアプリケーションプログラムがクラッシュした場合でも出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。クラッシュダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域を確保しておいてください。

ユーザーモードプロセスダンプの出力設定
JP1/AJS3 - View,JP1/AJS3 Console ViewおよびJP1/AJS2 Configuration Viewの場合,ユーザーモードプロセスダンプを出力するように設定します。詳細な設定方法については,JP1/AJS3 - Viewのリリースノートを参照してください。

メモリーダンプの出力設定
  1. コントロールパネルの[システム]をダブルクリックする。
    [システムのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
  2. [詳細設定]タブの[起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。
    [起動と回復]ダイアログボックスが表示されます。
  3. [デバッグ情報の書き込み]で,[完全メモリ ダンプ]を選択し,[ダンプ ファイル]に出力先のファイルを指定する。
    搭載しているメモリーのサイズによっては[完全メモリダンプ]が表示されないことがあります。
    その場合は[カーネルメモリダンプ]を選択してください。

注意事項
  • メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズも大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細については,Microsoftのドキュメントを参照してください。
  • 出力先のファイルを「%systemroot%\ファイル名(*.dmp)」から変更している場合は,資料採取ツールで採取できるように,表7-1の「メモリーダンプのファイルパス」の設定を変更してください。

クラッシュダンプの出力設定
  1. Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
    [ファイル名を指定して実行]ダイアログボックスが表示されます
  2. [名前]に「drwtsn32」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
    [ワトソン博士]ダイアログボックスが表示されます。
  3. [クラッシュダンプファイルの作成]をチェックし,[クラッシュダンプ]に出力先のファイルを指定する。
  4. [クラッシュダンプの種類]に[完全]を指定する。
  5. [OK]ボタンをクリックする。

注意事項
  • クラッシュダンプはJP1だけでなく,ほかのアプリケーションプログラムのトラブル情報も出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。クラッシュダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域を確保しておいてください。
  • 出力先のファイルを「%ALLUSERSPROFILE%\Documents\DrWatson\ファイル名(*.dmp)」から変更している場合は,資料採取ツールで採取できるように,表7-1の「クラッシュダンプのファイルパス」の設定を変更してください。

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