JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1

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6.6.2 WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にする設定

Windows Server 2003 x64 EditionsのWOW64環境でx86対応のJP1/AJS3を使用する場合,PCジョブ,Windows上で実行するQUEUEジョブ,またはjp1execコマンドを起動する際に,一時的にファイルシステムリダイレクトを無効にすることで,%systemroot%\system32下の64ビットアプリケーションを起動できるように設定できます。

設定手順を次に示します。この設定はジョブの実行先ホスト上で行ってください。

詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 9.5.1 WOW64環境でx86対応のJP1/AJS3を使用する場合の注意事項」を参照してください。

注意事項
64ビット版のWindows Server 2008では,この設定を行ってもファイルシステムリダイレクトが無効になりません。
64ビット版のWindows Server 2008で%systemroot%\system32配下の64ビットアプリケーションを使用する場合,%systemroot%\system32配下の代わりに%systemroot%\sysnative配下にアクセスするようにしてください。

(例)
変更前:%systemroot%\system32\実行ファイル名
変更後:%systemroot%\sysnative\実行ファイル名
<この項の構成>
(1) 定義手順
(2) 環境設定パラメーター一覧
(3) 注意事項

(1) 定義手順

  1. Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止する。
    • ジョブの実行先サービスに[標準]を指定している場合
      JP1/AJS3サービス
    • ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合
      JP1/AJS3 Queueless Agentサービス

    クラスタシステムの場合は,クラスタの設定を確認し,論理ホストのJP1/AJS3サービスも停止してください。
  2. 次の方法で「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。
    • 定義キー[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQAGENT\Job]にある環境設定パラメーターの場合
      次のコマンドを実行する。

      jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容

    • 定義キー[JP1_DEFAULT\JP1QLAGENT]にある環境設定パラメーターの場合
      メモ帳などのテキストエディターで,環境設定パラメーターを記述した設定ファイルを作成して保存し,次のコマンドを実行する。

      jbssetcnf 設定ファイル名

      jbssetcnfコマンドのパスは,「JP1/Baseのインストール先フォルダ\bin\jbssetcnf」です。
      jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  3. JP1/AJS3を再起動する。
    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表6-59 WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にする設定のための環境設定パラメーター

定義キー 環境設定パラメーター 定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQAGENT\Job]※1 "DISABLE_FS_REDIRECTION"= ジョブの実行先サービスに[標準]を指定している場合に,WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にする設定
[JP1_DEFAULT\JP1QLAGENT]※2 "DISABLE_FS_REDIRECTION"= ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合に,WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にする設定

注※1
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

注※2
この設定は,物理ホストと論理ホストの両方に有効です。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,次の個所を参照してください。

(3) 注意事項

WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にする設定は,Windows Server 2003 x64 Editions Service Pack 1以降だけで有効なオプションです。

「DISABLE_FS_REDIRECTION」オプションをWindows Server 2003 x64 Editions Service Pack 1以降以外のOSに設定した場合,次のメッセージを統合トレースログに出力して,JP1/AJS3サービス,およびJP1/AJS3 Queueless Agentサービスの起動に失敗するため,Windows Server 2003 x64 Editions Service Pack 1以降以外のOSには設定しないでください。

また,Windows IPF版のJP1/AJS3(形名が「P-2D12-3K94」,「P-2D12-3394」,「P-2812-3K94」,「P-2812-3394」)では,ファイルシステムリダイレクトは行われないため,この設定をしないでください。

設定した場合,次のメッセージを統合トレースログに出力して,ジョブが起動失敗します。

(a) ジョブの実行先サービスに[標準]を指定している場合
KAVU3549-E ジョブ実行処理でシステムコール(Wow64DisableWow64FsRedirection)でエラーが発生しました(要因番号:0x00000001)

(b) ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合
KAVS0904-E JP1/AJS2で予期しないエラーが発生しました : xxxxxxxx 1

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