JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1
スケジューラーサービスは,ジョブグループを管理する制御単位です。多重起動させると,ジョブグループをスケジューラーサービスごとに管理できるようになります。
スケジューラーサービスの多重起動を設定するためには,まず,追加するスケジューラーサービスの名称などの情報を設定します。
スケジューラーサービスの多重起動の設定手順,および追加したスケジューラーサービスの削除手順を次に示します。
論理ホストへのスケジューラーサービスの追加,および論理ホストに追加したスケジューラーサービスの削除については,「8.2.7 論理ホストのスケジューラーサービスの多重起動の設定」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) スケジューラーサービスを多重起動する
- (2) 追加したスケジューラーサービスを削除する
- (3) 不要となったデータベース環境をアンインストールする
(1) スケジューラーサービスを多重起動する
スケジューラーサービスの多重起動の設定手順を次に示します。
- Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次のサービスを停止する。
- JP1/AJS3サービス
- 注意
- 物理ホストに構築されているすべての組み込みDBを稼働状態にする必要があります。対象のJP1/AJS3 Database _JFn(nは0〜9またはA〜Zのどれか)サービスが開始していることを確認してください。開始していない場合は,JP1/AJS3 Database _JFnのサービスを開始してください。
- ajsembdbstatusコマンドに-s ust -id _JFn(nは0〜9またはA〜Zのどれか)オプションを指定して実行し,組み込みDBが稼働状態になっていること(UNIT-STATがONLINEになっていること)を確認してください。稼働状態になっていない場合は,ajsembdbstartコマンドに-id _JFnオプションを指定して実行してください。
- 対象となる組み込みDBのセットアップ識別子(_JFn)については,ajsembdbidlistコマンドを実行して確認してください。
- エクスプローラなどで,次に示すフォルダを作成する。
なお,退避情報フォルダ以外は,自ホスト内(物理ホストとすべての論理ホスト)に設定されている,ほかのスケジューラーサービスが使用するフォルダと重複しないようにしてください。また,ほかのスケジューラーサービスが使用するフォルダの配下にも作成しないでください。
- データベースフォルダ
- 一時ファイル用フォルダ
- ジョブ情報フォルダ
- 退避情報フォルダ
- スケジューラーサービスを多重起動するためにjajs_setupコマンドを実行する。
(例)「AJSROOT2」というスケジューラーサービスを追加する場合
jajs_setup -a -F スケジューラーサービス名 -p ジョブ状態通知ポートのサービス名 -d データベースフォルダ名 -t 一時ファイル用フォルダ名 -j ジョブ情報フォルダ名 -b 退避情報フォルダ名 -n スケジューラーサービスの識別番号
jajs_setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_setup」を参照してください。
jajs_setup -a -F AJSROOT2 -p jp1ajs2report2 -d "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\database\schedule\AJSROOT2" -t "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\tmp\schedule2" -j "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\jobinf2" -b "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\backup\schedule2" -n 2
- 次のファイルをメモ帳などのテキストエディターで開く。
システムフォルダ\system32\drivers\etc\Services
- 手順3で指定したジョブ状態通知ポートのサービス名に対するポート番号を設定する。
(例)ポート番号を「20248」として設定する場合
jp1ajs2report2 20248/tcp
- 注意
- 設定するポート番号は,既存の番号と重ならないようにしてください。また,Windowsファイアウォールを設定した環境で運用する場合は,設定したポート番号(上記の例では,サービス名:jp1ajs2report2,ポート番号:20248)をWindowsファイアウォールの規則に登録し,ファイアウォールを透過できるようにしてください。
- キューレスジョブを利用する場合は,キューレスジョブのセットアップをする。
次のコマンドを実行します。
ajsqlsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド ajsqlsetup」を参照してください。
ajsqlsetup [-F スケジューラーサービス名]
- 組み込みDBを停止する。
手順1で起動した組み込みDBのJP1/AJS3 Database _JFnのサービスを停止してください。
- JP1/AJS3サービスを再起動する。
設定した内容でスケジューラーサービスが追加され,起動します。
再起動後,JP1/AJS3 - Viewなどで,追加したスケジューラーサービス名が付けられたマネージャージョブグループが表示されていることを確認してください。
- 多重起動時のコマンド実行についての補足事項
- スケジューラーサービスを多重起動している場合,「-F スケジューラーサービス名」オプションを指定しないでコマンドを実行すると,デフォルトのスケジューラーサービスに対する操作となります。
- 環境変数AJSCONFにスケジューラーサービス名を指定しておくと,-Fオプションを省略できます。
(2) 追加したスケジューラーサービスを削除する
追加したスケジューラーサービスの削除手順を次に示します。
- JP1/AJS3サービスを停止する。
論理ホストのJP1/AJS3 - Managerも含め,すべてのJP1/AJS3サービスを停止してください。
- 注意
- 物理ホストに構築されているすべての組み込みDBを稼働状態にする必要があります。対象のJP1/AJS3 Database _JFn(nは0〜9またはA〜Zのどれか)サービスが開始していることを確認してください。開始していない場合は,JP1/AJS3 Database _JFnのサービスを開始してください。
- ajsembdbstatusコマンドに-s ust -id _JFn(nは0〜9またはA〜Zのどれか)オプションを指定して実行し,組み込みDBが稼働状態になっていること(UNIT-STATがONLINEになっていること)を確認してください。稼働状態になっていない場合は,ajsembdbstartコマンドに-id _JFnオプションを指定して実行してください。
- 対象となる組み込みDBのセットアップ識別子(_JFn)については,ajsembdbidlistコマンドを実行して確認してください。
- スケジューラーサービスを削除するためにjajs_setupコマンドを実行する。
(例)スケジューラーサービス「AJSROOT2」を削除する場合
jajs_setup -e -F スケジューラーサービス名
jajs_setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_setup」を参照してください。
jajs_setup -e -F AJSROOT2
- スケジューラーサービスを追加したときに作成したフォルダを削除する。
jajs_setupコマンド実行時に作成した,次のフォルダを削除してください。
- -dオプションに指定したデータベースフォルダ
- -tオプションに指定したテンポラリーフォルダ
- -jオプションに指定したジョブ情報フォルダ
- -bオプションに指定した退避情報フォルダ
- 組み込みDBを停止する。
すべての組み込みDBのJP1/AJS3 Database _JFnのサービスを停止してください。
- JP1/AJS3サービスを再起動する。
手順1で停止したサービスを再起動し,スケジューラーサービスが削除されていることを確認してください。
(3) 不要となったデータベース環境をアンインストールする
不要となったデータベース環境のアンインストール手順を次に示します。
- ajsembdbidlistコマンドを実行して,スケジューラーサービスで使用されていない組み込みDBを特定する。
次のコマンドを実行します。
ajsembdbidlistコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
ajsembdbidlist
- ajsembdbuninstlコマンドを実行して,スケジューラーサービスで使用されていない組み込みDBをアンインストールする。
次のコマンドを実行します。
バージョン8以前の組み込みDB環境をアンインストールする場合,各バージョンのマニュアルの手順に従ってアンインストールしてください。
ajsembdbuninstl -id セットアップ識別子
なお,UNIXでバージョン8以前の組み込みDB環境をアンインストールする場合,ajsembdbunsetコマンド実行したあと,次のコマンドを実行してください。
次の組み込みDBには,システムに必要な情報が格納されているため,-idオプションを指定してアンインストールしないでください。
/opt/HiRDB_J/bin/pdesetup -u 組み込みDB運用ディレクトリ
ajsembdbuninstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbuninstl」を参照してください。
- セットアップ識別子が「_JF0」の組み込みDB
- 組み込みDBの高度な設定をする場合のデータ移行,組み込みDBの高度なセットアップ,または組み込みDBの再セットアップのどれかを実施してセットアップ識別子が「_JF0」以外に変更されている場合,そのホストに対して最初に構築された組み込みDB
- 論理ホストを構築している環境で,jajs_setup_clusterコマンドの-Iオプションに指定したセットアップ識別子で構築された組み込みDB
jajs_setup_clusterコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_setup_cluster」を参照してください。
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi, Ltd.
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi Solutions, Ltd.