JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1

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6.1.1 スケジューラーサービスの多重起動の設定

スケジューラーサービスは,ジョブグループを管理する制御単位です。多重起動させると,ジョブグループをスケジューラーサービスごとに管理できるようになります。

スケジューラーサービスの多重起動を設定するためには,まず,追加するスケジューラーサービスの名称などの情報を設定します。

スケジューラーサービスの多重起動の設定手順,および追加したスケジューラーサービスの削除手順を次に示します。

論理ホストへのスケジューラーサービスの追加,および論理ホストに追加したスケジューラーサービスの削除については,「8.2.7 論理ホストのスケジューラーサービスの多重起動の設定」を参照してください。

<この項の構成>
(1) スケジューラーサービスを多重起動する
(2) 追加したスケジューラーサービスを削除する
(3) 不要となったデータベース環境をアンインストールする

(1) スケジューラーサービスを多重起動する

スケジューラーサービスの多重起動の設定手順を次に示します。

  1. Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次のサービスを停止する。
    • JP1/AJS3サービス
     
    注意
    物理ホストに構築されているすべての組み込みDBを稼働状態にする必要があります。対象のJP1/AJS3 Database _JFnnは0〜9またはA〜Zのどれか)サービスが開始していることを確認してください。開始していない場合は,JP1/AJS3 Database _JFnのサービスを開始してください。
    ajsembdbstatusコマンドに-s ust -id _JFnnは0〜9またはA〜Zのどれか)オプションを指定して実行し,組み込みDBが稼働状態になっていること(UNIT-STATがONLINEになっていること)を確認してください。稼働状態になっていない場合は,ajsembdbstartコマンドに-id _JFnオプションを指定して実行してください。
    対象となる組み込みDBのセットアップ識別子(_JFn)については,ajsembdbidlistコマンドを実行して確認してください。
  2. エクスプローラなどで,次に示すフォルダを作成する。
    • データベースフォルダ
    • 一時ファイル用フォルダ
    • ジョブ情報フォルダ
    • 退避情報フォルダ
    なお,退避情報フォルダ以外は,自ホスト内(物理ホストとすべての論理ホスト)に設定されている,ほかのスケジューラーサービスが使用するフォルダと重複しないようにしてください。また,ほかのスケジューラーサービスが使用するフォルダの配下にも作成しないでください。
  3. スケジューラーサービスを多重起動するためにjajs_setupコマンドを実行する。
     
    jajs_setup -a -F スケジューラーサービス名
     -p ジョブ状態通知ポートのサービス名
     -d データベースフォルダ名
     -t 一時ファイル用フォルダ名
     -j ジョブ情報フォルダ名
     -b 退避情報フォルダ名
     -n スケジューラーサービスの識別番号
     
    (例)「AJSROOT2」というスケジューラーサービスを追加する場合
    jajs_setup -a -F AJSROOT2
     -p jp1ajs2report2
     -d "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\database\schedule\AJSROOT2"
     -t "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\tmp\schedule2"
     -j "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\jobinf2"
     -b "C:\Program Files\HITACHI\JP1AJS2\backup\schedule2"
     -n 2
     
    jajs_setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_setup」を参照してください。
  4. 次のファイルをメモ帳などのテキストエディターで開く。

    システムフォルダ\system32\drivers\etc\Services

  5. 手順3で指定したジョブ状態通知ポートのサービス名に対するポート番号を設定する。
    (例)ポート番号を「20248」として設定する場合
       jp1ajs2report2   20248/tcp
     
    注意
    設定するポート番号は,既存の番号と重ならないようにしてください。また,Windowsファイアウォールを設定した環境で運用する場合は,設定したポート番号(上記の例では,サービス名:jp1ajs2report2,ポート番号:20248)をWindowsファイアウォールの規則に登録し,ファイアウォールを透過できるようにしてください。
  6. キューレスジョブを利用する場合は,キューレスジョブのセットアップをする。
    次のコマンドを実行します。
     
    ajsqlsetup [-F スケジューラーサービス名]
     
    ajsqlsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド ajsqlsetup」を参照してください。
  7. 組み込みDBを停止する。
    手順1で起動した組み込みDBのJP1/AJS3 Database _JFnのサービスを停止してください。
  8. JP1/AJS3サービスを再起動する。
    設定した内容でスケジューラーサービスが追加され,起動します。
    再起動後,JP1/AJS3 - Viewなどで,追加したスケジューラーサービス名が付けられたマネージャージョブグループが表示されていることを確認してください。

多重起動時のコマンド実行についての補足事項
スケジューラーサービスを多重起動している場合,「-F スケジューラーサービス名」オプションを指定しないでコマンドを実行すると,デフォルトのスケジューラーサービスに対する操作となります。
環境変数AJSCONFにスケジューラーサービス名を指定しておくと,-Fオプションを省略できます。

(2) 追加したスケジューラーサービスを削除する

追加したスケジューラーサービスの削除手順を次に示します。

  1. JP1/AJS3サービスを停止する。
    論理ホストのJP1/AJS3 - Managerも含め,すべてのJP1/AJS3サービスを停止してください。
     
    注意
    物理ホストに構築されているすべての組み込みDBを稼働状態にする必要があります。対象のJP1/AJS3 Database _JFnnは0〜9またはA〜Zのどれか)サービスが開始していることを確認してください。開始していない場合は,JP1/AJS3 Database _JFnのサービスを開始してください。
    ajsembdbstatusコマンドに-s ust -id _JFnnは0〜9またはA〜Zのどれか)オプションを指定して実行し,組み込みDBが稼働状態になっていること(UNIT-STATがONLINEになっていること)を確認してください。稼働状態になっていない場合は,ajsembdbstartコマンドに-id _JFnオプションを指定して実行してください。
    対象となる組み込みDBのセットアップ識別子(_JFn)については,ajsembdbidlistコマンドを実行して確認してください。
  2. スケジューラーサービスを削除するためにjajs_setupコマンドを実行する。
     
    jajs_setup -e -F スケジューラーサービス名
     
    (例)スケジューラーサービス「AJSROOT2」を削除する場合
    jajs_setup -e -F AJSROOT2
     
    jajs_setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_setup」を参照してください。
  3. スケジューラーサービスを追加したときに作成したフォルダを削除する。
    jajs_setupコマンド実行時に作成した,次のフォルダを削除してください。
    • -dオプションに指定したデータベースフォルダ
    • -tオプションに指定したテンポラリーフォルダ
    • -jオプションに指定したジョブ情報フォルダ
    • -bオプションに指定した退避情報フォルダ
  4. 組み込みDBを停止する。
    すべての組み込みDBのJP1/AJS3 Database _JFnのサービスを停止してください。
  5. JP1/AJS3サービスを再起動する。
    手順1で停止したサービスを再起動し,スケジューラーサービスが削除されていることを確認してください。

(3) 不要となったデータベース環境をアンインストールする

不要となったデータベース環境のアンインストール手順を次に示します。

  1. ajsembdbidlistコマンドを実行して,スケジューラーサービスで使用されていない組み込みDBを特定する。
    次のコマンドを実行します。
     
    ajsembdbidlist
     
    ajsembdbidlistコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
  2. ajsembdbuninstlコマンドを実行して,スケジューラーサービスで使用されていない組み込みDBをアンインストールする。
    次のコマンドを実行します。
     
    ajsembdbuninstl -id セットアップ識別子
     
    バージョン8以前の組み込みDB環境をアンインストールする場合,各バージョンのマニュアルの手順に従ってアンインストールしてください。
    なお,UNIXでバージョン8以前の組み込みDB環境をアンインストールする場合,ajsembdbunsetコマンド実行したあと,次のコマンドを実行してください。
     
    /opt/HiRDB_J/bin/pdesetup -u 組み込みDB運用ディレクトリ
     
    次の組み込みDBには,システムに必要な情報が格納されているため,-idオプションを指定してアンインストールしないでください。
    • セットアップ識別子が「_JF0」の組み込みDB
    • 組み込みDBの高度な設定をする場合のデータ移行,組み込みDBの高度なセットアップ,または組み込みDBの再セットアップのどれかを実施してセットアップ識別子が「_JF0」以外に変更されている場合,そのホストに対して最初に構築された組み込みDB
    • 論理ホストを構築している環境で,jajs_setup_clusterコマンドの-Iオプションに指定したセットアップ識別子で構築された組み込みDB
    ajsembdbuninstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド ajsembdbuninstl」を参照してください。
    jajs_setup_clusterコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド jajs_setup_cluster」を参照してください。

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