JP1/Performance Management - Agent Option for JP1/AJS3
ここでは,PFM - Agent for JP1/AJS3を運用するための,セットアップについて説明します。
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
- <この項の構成>
- (1) LANG環境変数の設定
- (2) PFM - Agent for JP1/AJS3の登録
- (3) ネットワークの設定
- (4) ログのファイルサイズ変更
- (5) パフォーマンスデータの格納先の変更
- (6) PFM - Agent for JP1/AJS3の接続先PFM - Managerの設定
- (7) 動作ログ出力の設定
- (8) JP1/AJS3 - Managerのインストール・セットアップ
- (9) JP1/AJS3 - Managerの環境設定
- (10) JP1/AJS3 - Managerの再起動
PFM - Agent for JP1/AJS3で使用できるLANG環境変数を次の表に示します。
なお,これらのLANG環境変数を設定する前に,設定する言語環境が正しくインストール・構築されていることを確認しておいてください。正しくインストール・構築されていない場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換わってしまったりすることがあります。
- 注意
- 共通メッセージログの言語は,サービス起動時やコマンド実行時に設定されているLANG環境変数によって決まります。そのため,日本語や英語など,複数の言語コードの文字列が混在することがあります。
- PFM - Agent for JP1/AJS3のLANG環境変数の値は,JP1/AJS3サービスまたはJP1/AJS2サービス全体で使用している文字コード環境に合わせて設定してください。
表3-2 PFM - Agent for JP1/AJS3で使用できるLANG環境変数
OS 言語種別 LANG環境変数の値 HP-UX 日本語 Shift-JISコード
- ja_JP.SJIS
- japanese
EUCコード
- ja_JP.eucJP
- japanese.euc
英語(日本語なし)
- C
Solaris 日本語 Shift-JISコード
- ja_JP.PCK
EUCコード
- ja
- japanese
英語(日本語なし)
- C
AIX 日本語 Shift-JISコード
- Ja_JP
- Ja_JP.IBM-932
EUCコード
- ja_JP
- ja_JP.IBM-eucJP
英語(日本語なし)
- C
Linux 日本語 Shift-JISコード −(該当なし) EUCコード −(該当なし) UTF-8
- ja_JP.UTF-8
- jp_JP.utf8
英語(日本語なし)
- C
(2) PFM - Agent for JP1/AJS3の登録
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - Agentを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - Agent for JP1/AJS3を登録する必要があります。
なお,PFM - Managerのバージョンが08-50以降の場合,PFM - Agentの登録は自動で行われるため,ここで説明する手順は不要です。ただし,PFM - Managerのリリースノートに記載されていないデータモデルバージョンのPFM - Agentは手動で登録する必要があります。なお,PFM - Agent for JP1/AJS3のデータモデルのバージョンについては,「付録H バージョン互換」を参照してください。
PFM - Agentの登録の流れを次に示します。
図3-3 PFM - Agentの登録の流れ
- 注意
- すでにPFM - Agent for JP1/AJS3の情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - Agent for JP1/AJS3を追加した場合,PFM - Agentの登録は必要ありません。
- PFM - Managerと同じホストにPFM - Agentをインストールした場合,jpcconf agent setup(jpcagtsetup)コマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。また,共通メッセージログについては,「(4) ログのファイルサイズ変更」を参照してください。
(a) PFM - Agent for JP1/AJS3のセットアップファイルをコピーする
PFM - Agent for JP1/AJS3をインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
- PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。
- PFM - Agentのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。
表3-3 コピーするセットアップファイル
コピー先 PFM - Agentの
セットアップファイルPFMプログラム名 OS コピー先ディレクトリ PFM - Manager Windows PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup /opt/jp1pc/setup/jpcagtjw.EXE UNIX /opt/jp1pc/setup/ /opt/jp1pc/setup/jpcagtju.Z PFM - Web Console Windows PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ\setup /opt/jp1pc/setup/jpcagtjw.EXE UNIX /opt/jp1pcwebcon/setup/ /opt/jp1pc/setup/jpcagtju.Z (b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - ManagerでPFM - Agent for JP1/AJS3をセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcconf agent setup -key ajs3(jpcagtsetup agtj)
- 注意
- コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setup(jpcagtsetup)コマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setup(jpcagtsetup)コマンドを実行してください。
PFM - ManagerホストにあるPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。
(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - Web ConsoleでPFM - Agent for JP1/AJS3をセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcwagtsetupPFM - Web ConsoleホストにあるPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて,変更する場合にだけ必要な設定です。
ネットワークの設定では次の二つの項目を設定できます。
- IPアドレスを設定する
Performance Managementを複数のLANに接続されたネットワークで使用するときに設定します。複数のIPアドレスを設定するには,jpchostsファイルにホスト名とIPアドレスを定義します。設定したjpchostsファイルはPerformance Managementシステム全体で統一させてください。
詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- ポート番号を設定する
Performance Managementが使用するポート番号を設定できます。運用での混乱を避けるため,ポート番号とサービス名は,Performance Managementシステム全体で統一させてください。
ポート番号の設定の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2ファイル使用されます。このファイルサイズを変更したい場合に必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,構成変更について説明している章を参照してください。
PFM - Agent for JP1/AJS3で管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先またはインポート先のディレクトリを変更したい場合に必要な設定です。
パフォーマンスデータは,デフォルトで,次の場所に保存されます。
- 保存先:/opt/jp1pc/agtj/store/
- バックアップ先:/opt/jp1pc/agtj/store/backup/
- 部分バックアップ先:/opt/jp1pc/agtu/store/partial/
- エクスポート先:/opt/jp1pc/agtj/store/dump/
- インポート先:/opt/jp1pc/agtu/store/import/
- 注意
- 論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「/opt/jp1pc」を「環境ディレクトリ/jp1pc」に読み替えてください。
詳細については,「3.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(6) PFM - Agent for JP1/AJS3の接続先PFM - Managerの設定
PFM - Agentがインストールされているホストで,そのPFM - Agentを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost define(jpcnshostname)コマンドを使用します。
- 注意
- 同一ホスト上に,複数のPFM - Agentがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,一つだけです。PFM - Agentごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
- PFM - AgentとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。
手順を次に示します。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,サービスの起動と停止について説明している章を参照してください。
jpcconf mgrhost define(jpcnshostname)コマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。
- 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost define(jpcnshostname)コマンドを実行する。
例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。
jpcconf mgrhost define -host host01(jpcnshostname -s host01)- Performance Managementのプログラムおよびサービスを再起動する。
サービスの起動方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,サービスの起動と停止について説明している章を参照してください。
PFMサービスの起動・停止時や,PFM - Managerとの接続状態の変更時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録I 動作ログの出力」を参照してください。
(8) JP1/AJS3 - Managerのインストール・セットアップ
PFM - Agent for JP1/AJS3をインストールするホストにJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerがインストールされていない場合でも,PFM - Agent for JP1/AJS3のインストールはできますが,監視対象がないため,パフォーマンスデータは収集できません。
JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerのインストールおよびセットアップの手順については,次の個所を参照してください。
- JP1/AJS3 - Managerの場合
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1」の,インストールおよびセットアップについて説明している章。
- JP1/AJS2 - Managerの場合
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド」の,インストールおよびセットアップについて説明している章。
- 注意
- 監視対象プログラムJP1/AJS2 - Managerのバージョン08-00以降をJP1/AJS3 - Managerのバージョン09-00以降にバージョンアップした場合,PFM - Agent for JP1/AJS3のサービスの再起動が必要です。
PFM - Agent for JP1/AJS3が提供するPI_CVODレコードを収集するためには,次に示すJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerのスケジューラーサービスの環境設定パラメーターを任意のテキストファイルに記述し,jbssetcnfコマンドを実行後,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerを再起動する必要があります。次に示すように設定されていない場合は,パフォーマンスデータを正しく取得できません。
- 環境設定パラメーターの設定内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名] "INFOLOG"="all" "OPELOG"="all" "REFLOG"="all" "COMMANDEVENT"="yes"- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
jbssetcnfコマンドについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
環境設定パラメーターの設定方法については,次の個所を参照してください。
- JP1/AJS3 - Managerの場合
- 「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1」,および「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2」の環境設定について説明している章。
- JP1/AJS2 - Managerの場合
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド」の,環境設定について説明している章。
PI_CVODレコードについては,「6. レコード Command & View Operation Detail(PI_CVOD)」を参照してください。
JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerの稼働中にPFM - Agent for JP1/AJS3をインストールした場合だけ,PFM - Agent for JP1/AJS3のインストール後に,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerを再起動する必要があります。
JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerを再起動しなかった場合,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerは正常に稼働しますが,PFM - Agent for JP1/AJS3による正常なパフォーマンスデータ収集はできません。
- 注意
- PFM - Agent for JP1/AJS3の稼働中にJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerの環境設定を変更した場合,設定を有効にするためにPFM - Agent for JP1/AJS3を再起動する必要があります。
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