JP1/Performance Management - Agent Option for IBM(R) DB2(R) Universal Database(TM)
Storeデータベースの保存形式には,バージョン1.0と2.0の2種類あります。Storeバージョン2.0の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」を参照してください。
Storeバージョン2.0は,PFM - BaseまたはPFM - Managerのバージョン08-10以降の環境に,PFM - Agent for DB2のバージョン08-10以降で新規にインスタンスを構築した場合にデフォルトで利用できます。それ以外の場合は,Storeバージョン1.0形式のままとなっているため,セットアップコマンドによってStoreバージョン2.0に移行してください。
何らかの理由によってStoreバージョン1.0に戻す必要がある場合は,Storeバージョン2.0のアンセットアップを行ってください。
インストール条件に対応するStoreバージョン2.0の利用可否と利用手順を次の表に示します。
表2-10 Storeバージョン2.0の利用可否および利用手順
インストール条件 Storeバージョン2.0の利用可否 Storeバージョン2.0の利用手順 インストール済みのPFM - Base,またはPFM - Managerのバージョン PFM - Agentのインストール方法 08-10より前 上書きインストール 利用できない PFM - Base,または,PFM - Managerを08-10以降にバージョンアップ後,セットアップコマンドを実行 新規インストール 08-10以降 上書きインストール 既存のインスタンスについてはセットアップ後利用できる セットアップコマンドを実行 新規インスタンスについては利用できる インスタンス構築時にjpcconf inst setup (jpcinssetup)コマンドで設定 新規インストール 利用できる インスタンス構築時にjpcconf inst setup (jpcinssetup)コマンドで設定
- <この項の構成>
- (1) Storeバージョン2.0のセットアップ
- (2) Storeバージョン2.0のアンセットアップ
- (3) 注意事項
(1) Storeバージョン2.0のセットアップ
Storeバージョン2.0へ移行する場合のセットアップ手順について説明します。
- システムリソース見積もりとリテンションの設定
Storeバージョン2.0導入に必要なシステムリソースが,実行環境に適しているかどうかを確認してください。必要なシステムリソースを次に示します。
これらの値はリテンションの設定によって調節できます。実行環境の保有しているリソースを考慮してリテンションを設定してください。システムリソースの見積もりについては,「付録A システム見積もり」を参照してください。
- ディスク容量
- ファイル数
- 1プロセスがオープンするファイル数
- ディレクトリの設定
Storeバージョン2.0に移行する場合に,Storeバージョン1.0でのディレクトリ設定では,Agent Storeサービスが起動しないことがあります。このため,Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定を見直す必要があります。Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定はjpcconf db define (jpcdbctrl config)コマンドを使用して表示・変更できます。
Storeバージョン2.0は,Storeデータベースの作成先ディレクトリやバックアップ先ディレクトリの最大長がStoreバージョン1.0と異なります。Storeバージョン1.0でディレクトリの設定を相対パスに変更している場合,絶対パスに変換した値がStoreバージョン2.0でのディレクトリ最大長の条件を満たしているか確認してください。Storeバージョン2.0のディレクトリ最大長は214バイトです。ディレクトリ最大長の条件を満たしていない場合は,Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定を変更したあと,手順3以降に進んでください。
- セットアップコマンドの実行
Storeバージョン2.0に移行するため,jpcconf db vrset -ver2.0 (jpcdbctrl setup)コマンドを実行します。jpcconf db vrset -ver2.0 (jpcdbctrl setup)コマンドは,Agentインスタンスごとに実行してください。
jpcconf db vrset (jpcdbctrl setup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。
- リテンションの設定
手順1の見積もり時に設計したリテンションを設定してください。Agent Storeサービスを起動して,PFM - Web Consoleで設定してください。
(2) Storeバージョン2.0のアンセットアップ
Storeバージョン2.0はjpcconf db vrset -ver1.0 (jpcdbctrl unsetup)コマンドを使用してアンセットアップします。Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,Storeデータベースのデータはすべて初期化され,Storeバージョン1.0に戻ります。
jpcconf db vrset (jpcdbctrl unsetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。
(3) 注意事項
移行についての注意事項を次に示します。
(a) Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0に移行する場合
StoreデータベースをStoreバージョン1.0からStoreバージョン2.0に移行した場合,PIレコードタイプのレコードの保存期間の設定は引き継がれますが,PDレコードタイプのレコードについては,以前の設定値(保存レコード数)に関係なくデフォルトの保存期間がレコードごとに設定され,保存期間以前に収集されたデータは削除されます。
例えば,Storeバージョン1.0で,Collection Intervalが3,600秒のPDレコードの保存レコード数を1,000に設定していた場合,PDレコードは1日に24レコード保存されることになるので,1,000÷24≒約42日分のデータが保存されています。このStoreデータベースをStoreバージョン2.0へ移行した結果,デフォルト保存期間が10日に設定されたとすると,11日以上前のデータは削除されて参照できなくなります。
Storeバージョン2.0へ移行する前に,PDレコードタイプのレコードの保存レコード数の設定を確認し,Storeバージョン2.0でのデフォルト保存期間以上のデータが保存される設定となっている場合は,jpctool db dump (jpcctrl dump)コマンドでデータベース内のデータを出力してください。Storeバージョン2.0でのデフォルト保存期間については,「付録A.2(3)(a) 見積もり式」を参照してください。
(b) Storeバージョン2.0からStoreバージョン1.0に戻す場合
Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,データは初期化されます。このため,Storeバージョン1.0に変更する前に,jpctool db dump (jpcctrl dump)コマンドでStoreバージョン2.0の情報を出力してください。
Copyright (C) 2009, 2011,Hitachi, Ltd.
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