JP1/Performance Management - Agent Option for IBM(R) DB2(R) Universal Database(TM)
PFM - Agent for DB2をインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。
- <この項の構成>
- (1) 前提OS
- (2) ネットワークの環境設定
- (3) インストールに必要なOSユーザー権限について
- (4) 前提プログラム
- (5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
- (6) 注意事項
PFM - Agent for DB2が動作するOSを次に示します。
- AIX
- Linux (x86)
Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。
PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。
監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。
- 監視ホスト名に実ホスト名を使用している場合
Windowsシステムではhostnameコマンド,UNIXシステムではuname -nコマンドを実行して確認したホスト名で,IPアドレスを解決できるように環境を設定してください。なお,UNIXシステムでは,hostnameコマンドで取得するホスト名を使用することもできます。
- 監視ホスト名にエイリアス名を使用している場合
設定しているエイリアス名でIPアドレスを解決できるように環境を設定してください。
監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。
- Performance Managementのホスト情報設定ファイル(jpchostsファイル)
- hostsファイル
- DNS(Domain Name System)
- 注意
- Performance Managementは,DNS環境でも運用できますが,FQDN形式のホスト名には対応していません。このため,監視ホスト名は,ドメイン名を除いて指定してください。
- 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。Performance Managementを導入するすべてのホストに,固定のIPアドレスを設定してください。
Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
表2-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス
機能 サービス名 パラメーター ポート番号 備考 サービス構成情報管理機能 Name Server jp1pcnsvr 22285 PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。 NNM連携機能 NNM Object Manager jp1pcovsvr 22292 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャとオブジェクトマネージャの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 サービス状態管理機能 Status Server jp1pcstatsvr 22350 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。
PFM - Agent for DB2をインストールするときは,必ず,スーパーユーザー権限を持つアカウントで実行してください。
ここでは,PFM - Agent for DB2をインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。プログラムの構成を次に示します。
図2-1 プログラムの構成
PFM - Agent for DB2の監視対象プログラムを次に示します。
- DB2 Express Edition V9.1
- DB2 Workgroup Server Edition V9.1
- DB2 Enterprise Server Edition V9.1
- DB2 Express Edition V9.5
- DB2 Workgroup Server Edition V9.5
- DB2 Enterprise Server Edition V9.5
- DB2 Express Edition V9.7
- DB2 Workgroup Server Edition V9.7
- DB2 Enterprise Server Edition V9.7
これらの監視対象プログラムは,PFM - Agent for DB2と同一ホストにインストールする必要があります。
(b) Performance Managementプログラム
監視エージェントには,PFM - AgentとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - Agentの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは一つだけでかまいません。
ただし,PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。
また,PFM - Agent for DB2を使ってDB2の稼働監視を行うためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。
(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「3. クラスタシステムでの運用」を参照してください。
(6) 注意事項
ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。
Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
- PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - Agentの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - Managerをインストールしてから PFM - Agentをインストールしてください。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,すべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - Manager とPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,すべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
- PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールすると,PFM - Agentの接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホストにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
- PFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールすると,PFM - Agentの接続先PFM - Managerは自ホスト名に設定し直されます。共通メッセージログに設定結果が出力されています。結果を確認してください。
- PFM - Web Consoleがインストールされているホストに,PFM - Agentをインストールする場合は,Webブラウザの画面をすべて閉じてからインストールを実施してください。
- Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス管理機能がデフォルトで有効になります。ただし,07-50から08-00以降にバージョンアップインストールした場合は,ステータス管理機能の設定状態はバージョンアップ前のままとなります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。
- ポイント
- システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。
なお,バージョンアップの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。
- Performance Managementのプログラムをインストールするときは,ローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止しておいてください。なお,停止するサービスは物理ホスト上および論理ホスト上のすべてのサービスです。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,すべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - ManagerとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,すべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
バージョン08-00以降のPerformance Managementプログラムでは,Store実行プログラム(jpcstoおよびstpqlpr)の配置先が変更されています。PFM - Agentを08-00以降にバージョンアップする際に,旧配置先のStore実行モジュールは削除されます。
- Linuxの場合
08-50以降のバージョンでは,PFM - Agent for DB2を起動する前に,LD_LIBRARY_PATH環境変数の設定が必要です。バージョンアップする場合は,LD_LIBRARY_PATH環境変数を設定し,PFM - Agent for DB2のサービスを起動してください。設定の詳細については,「2.1.4(2) LD_LIBRARY_PATH環境変数の設定(Linuxの場合)」を参照してください。
- AIXの場合
08-10以前のバージョンで,代替フィックスパスを使用して,デフォルトパスとは異なるパスにDB2をインストールしている場合は,インスタンス環境の再設定が必要です。jpcconf inst setup (jpcinssetup)コマンドを使用して,インスタンス情報のdb2_dirにDB2のインストールパスを設定してください。設定の詳細については,「2.1.4(4) インスタンス環境の設定」を参照してください。
- バージョンアップインストール時,既存のStoreデータベースが自動的にバージョンアップされるため,一時的にStoreデータベースのディスク占有量が2倍になります。バージョンアップインストールを行う前に,Storeデータベースの格納先のディスクに十分な空き容量があるかどうか確認してください。
- Performance Managementのプログラムをインストールする場合,次に示すセキュリティ関連プログラムがインストールされていないかどうか確認してください。インストールされている場合,次の説明に従って対処してください。
- セキュリティ監視プログラム
セキュリティ監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance Managementのプログラムのインストールを妨げないようにしてください。
- ウィルス検出プログラム
ウィルス検出プログラムを停止してからPerformance Managementのプログラムをインストールすることを推奨します。
Performance Managementのプログラムのインストール中にウィルス検出プログラムが稼働している場合,インストールの速度が低下したり,インストールが実行できなかったり,または正しくインストールできなかったりすることがあります。
- プロセス監視プログラム
プロセス監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance Managementのサービスまたはプロセス,および共通コンポーネントのサービスまたはプロセスを監視しないようにしてください。
Performance Managementのプログラムのインストール中に,プロセス監視プログラムによって,これらのサービスまたはプロセスが起動されたり停止されたりすると,インストールに失敗することがあります。
- Performance Managementのプログラムが一つもインストールされていない環境に新規インストールする場合は,インストール先ディレクトリにファイルやディレクトリがないことを確認してください。
- インストール時のステータスバーに「Installation failed.」と表示されてインストールが失敗した場合,インストールログを採取してください。なお,このログファイルは,次にインストールすると上書きされるため,必要に応じてバックアップを採取してください。インストールログのデフォルトのファイル名については,「7.4.1(2) Performance Managementの情報」を参照してください。
- インストール先ディレクトリにリンクを張りPerformance Managementのプログラムをインストールした場合,全Performance Managementのプログラムをアンインストールしても,リンク先のディレクトリに一部のファイルやディレクトリが残る場合があります。削除する場合は,手動で行ってください。また,リンク先にインストールする場合,リンク先に同名のファイルやディレクトリがあるときは,Performance Managementのプログラムのインストール時に上書きされるので,注意してください。
- 64ビットAIX環境の場合,DB2の32ビット・アプリケーション用ライブラリが必要です。DB2をインストールするときは,必ずPFM - Agent for DB2が動作するマシン上に,DB2の32ビット・アプリケーション用ライブラリをインストールしてください。
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