Cosminexus 機能解説
サーブレット,JSP,EJBなどのJ2EEコンポーネントからのリソースアクセス量に応じて,リソースコネクション(JDBCコネクション,およびリソースアダプタのコネクション)をプーリングする機能です。コネクションをプーリングすることによって,ユーザアプリケーションからのリソース接続要求を高速に処理します。
コネクションプーリング機能は,リソースの種類,接続方法の組み合わせによって,使用できる場合とできない場合があります。コネクションプーリング機能の使用について次の表に示します。
表9-32 コネクションプーリング機能の利用可否
リソースの種類 | 接続方法 | 利用可否 |
---|---|---|
データベース | DB Connector | ○ |
データベース上のキュー | DB Connector for Cosminexus RMとCosminexus RM | ○ |
OpenTP1 | uCosminexus TP1 Connector | ○ |
TP1/Message Queue - Access | ○ | |
SMTPサーバ | メールコンフィグレーション | × |
JavaBeansリソース | − | × |
そのほかのリソース | Connector 1.0仕様またはConnector 1.5仕様に準拠したリソースアダプタ | ○ |
(凡例) ○:使用できる ×:使用できない −:該当しない
コネクションプールのウォーミングアップとは,サーバ起動時またはリソースアダプタのスタート時に実行されるリソースのスタート処理で,あらかじめ,コネクションを,コネクションプールの設定で定義した最小値までプーリングする機能です。これによって,コネクションプールの使用を開始した直後の,コネクション要求のレスポンスを向上できます。
コネクションプールのウォーミングアップは,リソースアダプタの属性(プロパティ)として設定します。リソースアダプタのプロパティ定義で設定できることについては,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
コネクションプールが生成・初期化されるタイミングは,リソースのスタート処理時です。コネクションプールのウォーミングアップ機能を有効にした場合,この時点でコネクションを生成します。コネクションプールのウォーミングアップ機能を無効にした場合,リソースのスタート時にコネクションは生成されず,最初のコネクション取得要求の発生時にコネクションを生成します。
コネクションプールの生成単位は次のとおりです。
リソースのアンデプロイ時やJ2EEサーバの終了時は,コネクションプール内のすべてのコネクションを削除し,コネクションプール自体も削除します。なお,コネクションプールの終了処理では,コネクションに関するトランザクションなどがすべて決着済みのものとして処理します。
データベース障害などが発生すると,コネクションプールに格納しているコネクションは使えなくなるため,コネクションプールから速やかに破棄する必要があります。
Application Serverは,コネクション,またはStatementのようなコネクションからの生成物に対する処理で例外が発生すると,コネクションクローズ時に該当コネクションをコネクションプールから破棄します。ただし,ローカルトランザクションの決着処理が正常終了した場合には,コネクションが正常であると判断するため破棄しません。
コネクションが正常に維持している状態で,コネクションやコネクションからの生成物で例外が発生すると,グローバルトランザクションを使用している場合には,トランザクションの決着処理が正常終了してもApplication Serverはコネクションをコネクションプールに戻さないで破棄します。そのため余分なコネクション生成が発生して性能に影響を与えることがあります。
コネクションプールを利用する場合の注意事項について説明します。
コネクション数調節機能とは,コネクションプール内の不要なコネクションを指定したコネクションプールの最小値から最大値の範囲で段階的に減少させる機能です。この機能を有効にすると,実際の稼働実績に適した数までプール内のコネクション数を徐々に減らせるため,指定したコネクションプールの最小値を超えた場合のコネクション生成コストの削減やリソース資源の節約ができます。
また,コネクション数の調節時のコネクション削除処理に対して,応答時間にタイムアウトを設定できます。サーバ障害やネットワーク障害が発生してリソースからの応答が返らない場合,コネクション削除処理に対しても応答が返らなくなることがあります。このように,リソースから応答が返らない場合でも,タイムアウトを設定することでコネクション削除処理を終了し,処理を継続できます。
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