jscmnpswitch { -i IPアドレス | -m MACアドレス } [-power { on | off }]  [-force]

指定したIPアドレスまたはMACアドレスの現用系サーバの手動切り替えを実行します。

-i IPアドレス

切り替え元となる現用系サーバのIPアドレスを指定します。ただし，次のIPアドレスは指定できません。

• OSがインストールされていないサーバのIPアドレス。
• OSが一度も起動されていないためにControl ManagerにIPアドレスが登録されていないサーバのIPアドレス。

この場合，MACアドレスで管理対象サーバを指定してください。

-m MACアドレス

切り替え元となる現用系サーバのMACアドレスを指定します。

-power { on | off }

切り替え完了後，切り替わった予備系サーバの電源制御を指定します。

• on：電源をONにする。
• off：電源をONにしない。

指定を省略した場合，「on」が指定されたものとして動作します。

-force

現用系サーバで運用中に，一時的な障害によって現用系サーバから予備系サーバへの切り替えが実行できない場合，条件によっては-force引数を指定することで切り替えを実行できます。

なお，-forceが実行できる条件については，注意事項を参照してください。

• N+1コールドスタンバイ制御のコマンドを実行し，制御に成功したあと，切り替え後のサーバが起動されるまでの間に，そのサーバへ次のコマンドを実行するとエラーになります。
  
  • jscmstartserver
  • jscmstopserver
  • jscmstopos
  • jscmstate
• このコマンドは，N+1コールドスタンバイの冗長化構成に対応していません。
• -power offを指定してこのコマンドを実行し，切り替えに成功した場合，jscmstartserverコマンドを使用したサーバの起動はできません。サーバを起動するためには，SVPのコマンドまたは手動で電源をONにしてください。
• -forceを指定したときに実行できる条件
  現用系サーバで運用中に，一時的な障害によって現用系サーバから予備系サーバへの切り替えが実行できない場合，-forceを指定することで現用系サーバから予備系サーバへ切り替えできます。
  次に-forceを指定すると切り替えが実行できる条件を示します。
  現用系サーバから予備系サーバへの切り替えに失敗すると，現用系サーバの状態が「エラー検知」，予備系サーバのサーバモジュールの状態が「コールドスタンバイ失敗」になります。この状態で現用系サーバを2台以上登録している場合，現用系サーバの状態が「正常」または「障害発生」のサーバに-forceを指定することで切り替えできます。一つのN+1グループに現用系サーバが1台だけ登録されている場合，-forceを指定しても切り替えできません。この場合，N+1グループから現用系サーバ，予備系サーバのサーバモジュールを再登録してください。
  なお，-forceを指定して手動切り替えを再実行する前に，あらかじめ切り替えに失敗した要因を取り除いておいてください。
  予備系サーバのサーバモジュールが「コールドスタンバイ警告」の場合，-forceを指定しても実行できません。この場合，警告の要因を取り除いたあと，予備系サーバのサーバモジュールを再登録してください。
  また，パーティションが削除されたりサーバモジュールが抜去されたりなど，現用系サーバのパーティションが未確定になった場合は，手動でサーバを起動してください。
  もし，切り替えに失敗した要因を取り除いても再度失敗する場合は，マニュアル「JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系　システム管理者ガイド」に記載されている手順に従って環境を回復してください。
  次に切り替えに失敗する例を示します。
  
  • ネットワークの断線，またはネットワーク負荷などによってHDvMへのアクセスに失敗し，予備系サーバのサーバモジュールの状態が「コールドスタンバイ失敗」になった場合。
  • 予備系サーバモジュールの電源制御に失敗し，予備系サーバのサーバモジュールの状態が「コールドスタンバイ失敗」になった場合。
  • ハードウェア装置の変更や，スイッチ&マネジメントモジュールのパスワード変更などによって，予備系サーバのサーバモジュールへの手動切り替えが失敗し，予備系サーバのサーバモジュールの状態が「コールドスタンバイ失敗」になった場合。
• このコマンドは,Control ManagerにIPアドレスが登録されていない状態では,-iで指定しても-mで指定してもエラーになります。

戻り値	メッセージID	意味
0	−	正常終了
10	KASN2000A-E	パラメーター指定エラーです
11	KASN2000B-E	MACアドレスが不正です
12	KASN2000C-E	IPアドレスが不正です
15	KASN2FFFF-E	内部プログラムエラー（CLI）です
21	KASN207D0-E	DB制御アクセスエラーです
24	KASN20BAE-E	内部プログラムエラー（DB制御）です
30	KASN20BCC-E	BSM連携エラーです
	KASN20BCD-E
	KASN20BCE-E
	KASN20BD2-E
	KASN20BDB-E
31	KASN20BD3-E	BSM連携エラー（情報取得失敗）です
	KASN20BD4-E
32	KASN203ED-E	内部プログラムエラー（BSM制御）です
	KASN203F3-E
	KASN20BBA-E
	KASN20BD1-E
33	KASN203F0-E	Hitachi Control Manager Serviceエラーです
	KASN203F4-E
	KASN20BDA-E
37	KASN203EF-E	指定サーバなしエラーです
	KASN20BBF-E
	KASN20BDC-E
	KASN20C1C-E
	KASN20C20-E
50	KASN20BD0-E	ほかのオペレーションが実行中です
51	KASN20BCF-E	JP1/HiCommand Device Managerアクセスエラーです
53	KASN20BD5-E	N+1コールドスタンバイ実行エラーです
	KASN20BD6-E
	KASN20BD7-E
	KASN20BD8-E
	KASN20BDD-E
	KASN20BDE-E
	KASN20C1D-E
	KASN20C1E-E
	KASN20C1F-E
	KASN20C25-E
	KASN20C26-E
	KASN20C27-E
	KASN20C28-E
	KASN20C29-E
55	KASN20C2A-E	実行対象外エラーです
60	KASN203F2-E	BSMアクセスタイムアウトエラーです
99	KASN299G0-E	ユーザーの実行権限を確認できませんでした

エラー時のメッセージの説明および対処方法については，「付録C.4　コマンド制御に関するメッセージ（KASN2nnnn）」を参照してください。